USPTO長官が突然の辞任

特許商標局(U.S. Patent & Trademark Office: USPTO)の長官を2年以上にわたって務めていたミシェル・リー長官(Michelle Lee)が6月6日、辞任届けを提出した。リー長官はオバマ前大統領によって指名され、2015年3月に上院で承認された。米国の技術企業は「パテント・トロール」による些末な訴訟への対応に苦慮している中、グーグル社(Google)の元幹部で、女性と少数派の強力な提唱者であったリー氏は、技術産業にとって重要な時期にUSPTO長官に就任した。リー長官は質の低い特許の無効化に取り組み、USPTOが2015年8月に発表した報告書によれば、疑わしい特許の約25%が無効にされたという。トランプ大統領が就任して以来、リーUSPTO長官の立場について様々な憶測が流れていた。同長官の辞任より、トランプ大統領が埋めるべきポジションがまた一つ増えることになる。 Washington Post “The head of the U.S. patent office has abruptly resigned” (6/6/17)

IMDビジネススクールが最新の世界競争ランキングを発表

スイスのグローバル・ビジネス・スクール、IMDは、「2017年 IMD世界競争力年鑑(2017 IMD World Competitiveness Yearbook)」を発表した。それによれば、香港が昨年に続いて1位となり、スイスが2位、シンガポールが3位となった。昨年3位だった米国は4位に順位を落とし、ここ5年間で最低の順位となっている。昨年8位だったオランダが5位に浮上した。日本は昨年と同じ26位となっている。世界競争力年鑑は、26の指標を基に作成され、そのうちの3分の2は国の雇用や貿易統計などの「ハードデータ」、3分の1はエグゼクティブ・オピニオン・サーベイ(Executive Opinion Survey)への回答(6,250件)で構成されている。また、今年は初めて、各国のデジタル競争力をランキングした報告書が別途発表された。そちらの順位は、1位シンガポール、2位スウェーデン、3位米国となっており、日本は27位。 IMD “New competitive global elite emerges in IMD business school’s latest world competitiveness ranking” (May 2017)

ブルームバーグ氏、米国の気候変動対策分担費を補填するため1,500万ドルを約束

元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏(Michael Bloomberg)は、パリ気候協定の下で規定された米国の分担金を支払うため、自身の慈善努力を通じて国連に1,500万ドルを支払うと約束した。トランプ大統領が協定からの離脱を表明したことを受け、ブルームバーグ氏は6月2日に行われた記者会見で、米国の負担金を支払うべく調整する意向を示し、「米国は地方自治体のリーダー、企業、投資家による強い行動を通じて、パリ気候協定の実現に引き続きコミットする」と述べた。オバマ前大統領やその他の者は、地方自治体が気候変動対策を追求するよう要請する発言を行っており、ブルームバーグ氏の発言もこれに共鳴する。 The Hill “Bloomberg pledges $15M to UN to cover US climate share” (6/2/17)

イーロン・マスク氏とディズニー社のアイガー氏、トランプ大統領の評議会メンバーを辞任

トランプ大統領が6月1日にパリ気候協定からの離脱を表明した後、ビジネスや企業のリーダーたちは素早い反応を示した。テスラ社(Tesla)の最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏(Elosn Musk)は、「気候変動は現実である。パリ気候協定離脱は米国や世界にとって良いことではない」とツイートし、トランプ大統領が立ち上げた企業経営者で構成される経済諮問評議会のメンバーを辞任した。ディズニー社(Disney)のロバート・アイガーCEO(Robert Iger)も大統領の経済諮問評議会を辞任した。この他、アップル社(Apple)、フェイスブック社(Facebook)、ツイッター社(Twitter)、ゼネラル・モーターズ社(General Motors)なども、ツイッターや自社ウェブサイト、その他のソーシャル・ネットワーク・サイトを使って、パリ気候協定離脱への反発を示した。 USA Today “Elon Musk makes good on threat as he, Iger quit Trump council after Paris pullout” (6/1/17)

トランプ大統領、科学ポストの85%が依然として未指名

トランプ大統領が気候問題などの重要な科学問題に直面すると、「人材不足」という限界が浮き彫りになる。6月6日現在、上院の承認を必要とする連邦の重要科学ポスト46名のうち、トランプ大統領が指名を発表したのはわずか7名(15%)である。この状況は、トランプ大統領がパリ気候協定からの離脱を表明した際にさらに明確となった。大統領の意思決定プロセスを振り返ると多くの者が影響を及ぼしたことがわかるが、そのうちの誰一人として専門的な科学者はいない。トランプ大統領は科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)、国立海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration: NOAA)、環境品質評議会(Council on Environmental Quality: CEQ)のトップといった重要ポストも指名しておらず、気候変動に関して誰に相談したのかも不明である。大統領の科学ポスト指名のペースは、近年の両党の大統領よりも後れを取っている。 Washington Post “85 percent of the top science jobs in Trump’s government don’t even have a nominee” (6/6/17)

農務省とエネルギー省、省庁間バイオマス研究開発イニシアチブ(BRDI)を通じて最高900万ドルの助成計画を発表

農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)とエネルギー省(Department of Energy)は、両省が共同で実施する「バイオマス研究開発イニシアチブ(Biomass Research and Development Initiative: BRDI)」を通じて最高900万ドルの助成を行う計画を発表した。BRDIは、バイオエネルギー原料やバイオ燃料、バイオベースの製品の開発を支援し、米国のエネルギー自立を強化することを狙いとしている。受益申請プロジェクトは、法定で義務付けられた3つの分野(原料開発、バイオ燃料及びバイオベース製品の開発、バイオ燃料開発分析)のいずれか(または全て)に対処する必要がある。 Department of Energy “Departments of Agriculture and Energy Announce Up to $9 Million through the Interagency Biomass Research and Development Initiative” (6/5/17)

米国研究製薬工業協会(PhRMA)、一部の会員企業をメンバーから排除

米国研究製薬工業協会(Pharmaceutical Research and Manufacturers of America: PhRMA)は最近、会員基準の見直しを行い、新たな基準を設定した。新たな基準は、①世界的売上に対する世界的研究開発費の割合が3年間平均で10%以上、②3年間における年間研究開発支出が2億ドル以上、の企業がPhRMAの会員資格を得る。PhRMAの理事会は5月9日、この新基準を承認すると共に、従来の「アソシエイト」部門を廃止した。アソシエイト部門の廃止に伴い、15社が資格を失った他、正規会員の7社が新基準に合致しないことから、資格を失った。これらの企業は新基準に合致すれば再度メンバーシップを申請できる。資格を失った企業の中には、シオノギ製薬が含まれている。 Policy and Medicine “PhRMA Expels Members from Its Ranks” (6/5/17)

ARPA-E、2件の資金提供公募を発表

エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は、2件の新しい資金提供公募(Funding Opportunity Announcement)を発表する。一つは、先端原子炉技術の研究開発プロジェクトを支援するもので、もう一つは、極めて効率的に天然ガスを電力に転換するためのハイブリッド燃料電池及びエンジン・システムの開発プロジェクトである。 Green Car Congress “ARPA-E to issue FOAs for advanced modular nuclear reactors, ultra-high efficient hybrid systems for gas-to-electricity” (6/2/17)

NSF、2017年「ナノ世代」コンペの勝者を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月6日、米国ナノテクノロジー・イニシアチブ(National Nanotechnology Initiative: NNI)とのパートナーシップにより、第2回「ナノ世代(Generation Nano)」コンペの受賞者(1位、2位、一般投票の最多獲得賞)を発表した。ナノ世代コンペは高校生を対象としたコンペで、ナノテクノロジーを使って犯罪解決や社会的課題に取り組む新しいスーパーヒーロー(英雄)を想像し、競う。高校生は自分たちのヒーローを漫画やビデオで作り出す。今回、1位に選出されたのは、バージニア州にあるトーマス・ジェファソン科学技術高校(Thomas Jefferson High School for Science and Technology)の生徒であった。 National Science Foundation “NSF announces 2017 winners for Generation Nano: Small Science, Superheroes” (6/6/17)

米経済のリーダー、「我々はパリ気候協定に参加している」と表明

米国の州知事、市長、企業、投資家、大学など合計1,219の機関が気候行動のために結集し、炭素排出削減の取り組みにおいて米国が世界のリーダーでい続けることを確実にする意向文書を発表した。この文書に署名したのは、125市、9州、902件の企業及び投資家、183の大学。参加している市と州には1億2,000万人の米国民がおり、米経済に6兆2,000億ドル寄与している。文書は、「トランプ大統領による(パリ気候協定からの撤退)発表は、気候変動対策の重要な柱を弱体化させるものであり、米国内での動きと調和していない」と表明している。 We Are Still In “Leaders in U.S. Economy Say “We Are Still In’ on Paris Climate Agreement” (6/5/17)