Day: July 23, 2026
FIA、核融合ルール・規格策定原則を公表 原発基準の流用回避を提言
核融合産業協会(Fusion Industry Association: FIA)は7月23日、クリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)と連携し、核融合技術の商業化に向けた規格と基準策定の原則を発表した。核融合発電所は既存の原子力発電(核分裂炉)とは動作特性が根本的に異なり、連鎖反応や高レベル放射性廃棄物のリスクが存在しないため、従来の原発向け基準をそのまま適用すべきではないとし、実際の危険性とリスク評価に基づく適切な既存産業規格の活用や、商用展開・運用経験に応じた段階的かつ柔軟な基準改定、特定の技術に偏らない中立的なアプローチを提言している。国際核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor: ITER)や欧州トーラス共同研究施設(Joint European Torus: JET)などの大規模事業は、商用炉とは異なる独自規則のもとで運営されていると指摘し、開発企業や規制当局、規格策定機関が連携して実用的かつリスクに見合った国際標準を整備することで世界的な商用化を後押しできると説明した。 FIA “FIA and Clean Air Task Force Publish Principles on Codes and Standards” (07/22/26) https://www.fusionindustryassociation.org/fia-and-clean-air-task-force-publish-principles-on-codes-and-standards/
SEIA、太陽光・蓄電池のサイバーセキュリティ強化と国産化拡大を提言
太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は7月22日、太陽光発電と蓄電池技術の国内製造を拡大しつつ、サイバーセキュリティを強化するための優先課題をまとめた最新報告書を発表した。進化するサイバー脅威から重要インフラを防衛する枠組みを提示する内容で、強靭な国内供給網(サプライチェーン)の構築や製造に関する透明性確保、また国産化拡大や分散型エネルギー資源に関する国家指針に基づくセキュリティ基準の策定、情報共有やリスク管理の向上による脅威の可視化促進などを推奨している。また、7月の新インバーター製造施設開設により、国内製造能力が2024年末から約3倍に急増したことも併せて発表した。製造国として世界第2位に浮上する中での発表となり、報告書では、電力網への導入が拡大する太陽光と蓄電池の安全性を高めることで、エネルギー安全保障の強化と重要インフラ保護につながると説明している。 SEIA “New Report Outlines Priorities for a Cybersecure, American-Made Solar and Storage Industry” (07/22/26) New Report Outlines Priorities for a Cybersecure, American-Made Solar and Storage Industry
国防総省、迅速な調達を目指すイベント開催 新興企業向け
国防総省(Department of Defense)は7月22日、特殊作戦向けの革新的技術の迅速発掘・調達に向け、7月24日にアクセラレータ・イベントを開催すると発表した。2026年国防戦略(National Defense Strategy: NDS)に基づく防衛産業基盤の強化と新興企業の参入促進を目的とするもので、応募した約700社から選抜された15社がピッチ(提案発表)を行う。通常3年以上かかる契約から配備までの期間を6カ月以内の調達を条件としており、同省は、従来の政府主導型調達プロセスを転換し、現場兵士と民間イノベーター、契約専門家を直接結び付け、ニーズに合致した既存市場技術を採用するとし、イベント当日の契約締結を目指している。審査を通過した事業には即座に資金が授与される予定で、段階的に試作製作や量産へと移行していく計画である。同省は、スタートアップや中小企業の参入障壁を取り払い、最先端技術を素早く現場へ届けることで、戦場での圧倒的優位性を確保していくと説明している。 Department of Defense “Pentagon’s Special Ops Office to Host Rapid Tech Innovation Event” (07/22/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4552408/pentagons-special-ops-office-to-host-rapid-tech-innovation-event/
重要鉱物の輸入依存低減、電池リサイクルは短期的効果 GAO報告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月22日、電池や半導体産業に不可欠な重要鉱物の輸入低減に、代替・リサイクル技術が有効か検証した報告書を発表した。電池に関しては、短期的(2〜3年)にはコバルトやニッケル、マンガンなどの鉱物輸入抑制効果が見込める一方、リサイクル事業者の処理能力不足や原料確保が課題となっていると指摘した。リサイクルに利用できる原料は埋め立て処分、もしくは処理のため輸出されている現状がある。対照的に、半導体分野では、性能を満たす代替素材の不足や市場の未成熟さにより技術成熟に時間がかかり、リサイクルで3〜10年、代替技術の確立には10年以上かかることがわかった。こうした課題に対しGAOは、代替技術の国内製造能力構築、国内リサイクルインフラの整備、原料回収のための廃棄電子機器確保、研究開発(R&D)支援の4つの政策選択肢を提示した。国内採掘の拡大などの非技術的アプローチも視野に入れつつ、政策支援を通じて海外依存からの脱却を促す構えである。 GAO “Critical Minerals: Reducing U.S. Import Reliance with Substitution and Recycling Technologies” (07/22/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108687
運輸省、AI活用で交通インフラ整備 物流効率化やコスト削減を推進
運輸省(Department of Transportation)は7月22日、人工知能(AI)を活用した交通インフラ設計や運用、維持管理を最適化し、整備する新たな取り組みを開始したと発表した。最先端のAI技術や予知保全を活用して、道路や橋梁といった交通インフラのライフサイクルを変革し、建設やメンテナンスにかかる時間の短縮や運用コストの削減を図る取り組みで、安全性向上、効率化、供給網(サプライチェーン)構築にもつなげていく。さらに、都市部の交通渋滞やサプライチェーン障害を解消してインフラの耐用年数を延ばすとともに、住宅供給の拡大やコスト適正化にも貢献する計画である。輸送効率の改善が製造業やサービス業全般に2.3倍の経済的波及効果をもたらすとの試算を踏まえ、輸送ネットワークの最適化を通じて全米の経済成長と競争力強化を支えていく方針である。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Department Launches New Initiative Using AI to Modernize Transportation Infrastructure” (07/22/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-department-launches-new-initiative-using-ai-modernize
内務省、AI活用した資源・地質・水データ分析に総額5億1,500万ドル
内務省(Department of the Interior)は7月22日、人工知能(AI)を応用したデータ整備や研究開発支援に総額5億1,500万ドルを拠出すると発表した。同省傘下の地質調査所(U.S. Geological Survey: USGS)や魚類野生生物局(Fish and Wildlife Service: FWS)、国立公園局(National Park Service: NPS)、土地管理局(Bureau of Land Management: BLM)などの膨大な科学的データを連邦政府のAI基盤へ提供し、国内における資源開発や安全保障を強力に後押しする。具体的には、重要鉱物資源のマッピングや地下エネルギー資源の高度モデル化、また、水資源や干ばつの予測に加え、AI駆動型の生態系・バイオテクノロジー研究といった4つの重要国家課題に対応する。2025~2026年度で約1億1,000万ドルを新規投入するほか、約4億500万ドルを継続的なデータ収集活動に充てる計画で、政府が掲げる「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」に沿い、信頼性の高い科学的知見とデータ網の全政府規模での集約・運用に貢献していく構えである。 Department of Interior “Interior Highlights Scientific Leadership Supporting the Genesis Mission” (07/22/26) https://www.doi.gov/pressreleases/interior-highlights-scientific-leadership-supporting-genesis-mission
国土安全保障省、AI駆動型脅威迅速検知ツール開発へ
国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)科学技術局(Science & Technology Directorate)は7月22日、国家安全保障強化に向け、重要インフラのソフトウェア検証や生物学的脅威を早期検知・特定する人工知能(AI)駆動型ツールの開発に着手すると発表した。政府が推進する取り組み「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」の一環で、重要システムで用いられるサードパーティ製のレガシー(旧式)ソフトウエアの安全性をAIで自律的に検証する技術を構築する。エージェント型AIを活用することで供給網(サプライチェーン)を保護していくほか、国家の資産を保護する狙いがある。また連邦機関と連携し、生物学的脅威の発生源を迅速に特定するAI基盤も配備する。国内の膨大な生物データや国立研究所の基盤を結集して脅威への対応時間を大幅に短縮することでバイオ技術の悪用を防ぐ。同省は、国家安全保障や経済競争力強化に向け、こうした一連の取り組みを通じて、高度化するリスクへの対応を徹底していく方針である。 Department of Homeland Security “News Release: DHS S&T Announces New Genesis Mission Challenges to Safeguard America’s Future” (07/22/26) https://www.dhs.gov/science-and-technology/news/2026/07/22/st-announces-new-genesis-mission-challenges-safeguard-americas-future
国防総省、AI科学研究に15億ドル超投入へ
国防総省(Department of Defense)は7月22日、人工知能(AI)を活用して科学研究を加速する政府取り組み「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」に総額15億ドルを投入すると発表した。2026年度に2億ドル、2027年度に13億ドルを拠出する予定で、エネルギー省(Department of Energy)が構築した科学安全保障基盤に、同省の航空、流体力学、音響、センサーなど数十年間に亘る検証済みデータを提供する。技術革新の自動化と高速化が目的で、このデータ統合により防衛分野における革新的発見を実現させる。要はローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)と連携して開発する高性能計算環境「デジタル・バイオセキュリティ・フォージ(Digital Biosecurity Forge: DB-FORGE)」の構築で、2026年度の3,000万ドルを皮切りに2027年度には1億5,000万ドル規模へ投資を拡大する。このほか、バイオ製造やヒト健康、バイオセキュリティ政策向け研究開発支援も強化し、強固な防衛産業基盤を構築していく構えである。 Department of Defense “Department of War Partners With the Genesis Mission to Proliferate AI for Science” (07/22/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4551998/department-of-war-partners-with-the-genesis-mission-to-proliferate-ai-for-scien/
NSF、AI駆動型自律ラボ整備に5億8,000万ドル
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は7月22日、AIを活用した科学研究やインフラ整備に総額5億8,000万ドルを拠出すると発表した。政府の人工知能(AI)戦略「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」に沿う取り組みで、非営利研究機関のアステラ研究所(Astera Institute)と提携し、4年間で4億ドルを投じAI駆動型の自律実験室「プログラムが可能なクラウド・ラボ(Programmable Cloud Lab)」の実証基盤20拠点を全国に整備する。また、次世代の科学データ・インフラ整備に8,000万ドル超、AI対応データセットの開発に最大1億ドルを拠出する計画に加え、研究者に対し、同ミッションの目的に沿った研究提案策定を促す通知を発出した。さらに、既存の「国家AI研究リソース(National AI Research Resource)」実証事業などの基盤強化に加え、エネルギー省(Department of Energy)など他機関とも連携を強化しつつ、最先端データやスパコンへのアクセスを拡大し、次世代のSTEM人材育成に役立てる考えも示している。 NSF “Statement from NSF Chief of Staff Brian Stone, performing the duties of the NSF director, on advancing the Administration’s AI priorities through the Genesis Mission” (07/22/26) https://www.nsf.gov/news/statement-nsf-chief-staff-brian-stone-performing-duties-nsf-1
エネルギー省、中小企業へ1,000万ドル拠出 先端分野の開発支援
エネルギー省(Department of Energy)の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)は7月22日、中小企業の技術イノベーション支援に向け、1,000万ドルを拠出すると発表した。中小企業イノベーション研究(Small Business Innovation Research: SBIR)・中小企業技術移転(Small Business Technology Transfer: STTR)助成の第1弾で、約40の事業に資金を割り当てる。今回新たにOTC管理下となった同取り組みでは、主にバイオテクノロジーの推進、量子計算・ネットワーク向けAIの開発、機能予測を備えた材料設計、AI駆動型自律実験室の4分野に焦点を当て、最先端分野のイノベーションを支援する。展開にあたっては、同省と提携するコネクトワークス社(ConnectWerx)を仲介役とし、事業手続を迅速かつ簡素化したという。応募締め切りは9月10日であるが、追加募集を今秋に予定していることも明らかにした。 Department of Energy “DOE Announces $10M in SBIR/STTR Funding Opportunity Supporting the Genesis Mission” (07/22/26) https://www.energy.gov/technologycommercialization/articles/doe-announces-10m-sbirsttr-funding-opportunity-supporting