Day: July 15, 2026
エネルギー省、代替原料からの化学品製造に最大5,800万ドル支援へ
エネルギー省(Department of Energy)の代替燃料・原料局(Alternative Fuels and Feedstocks Office: AFFO)は7月9日、代替原料や廃棄原料から化学品を製造する革新的な技術開発を支援するため、最大5,800万ドルを資金拠出する意向を発表した。公募プログラム「新興化学技術のスケールアップと実証試験の加速(Accelerating Scale-up and Pre-piloting of Emerging Chemical Technologies: ASPECT)」を通じて、国内製造業や化学供給網(サプライチェーン)強化、輸入依存度の低減、技術革新の加速、雇用促進を目指す取り組みで、概念実証からベンチスケール(試作段階)や実証前段階への移行を目指す「ベンチASPECT(Bench ASPECT)」と、戦略的価値の高い国内化学品の市場参入を促す「プレ実証ASPECT(Pre-pilot ASPECT)」の2つの重点分野を設けた。同局は8月に公募要領を正式発表する予定で、申請手続きを簡素化した新審査プロセスに関するウェビナーを開催する。 Department of Energy “DOE Alternative Fuels and Feedstocks Office Announces Intent to Advance Innovative Chemical Technologies” (07/09/26) https://www.energy.gov/cmei/fuels/articles/doe-alternative-fuels-and-feedstocks-office-announces-intent-advance-innovative
海軍、中型揚陸艦事業管理を22億ドルで委託 民間主導で調達加速へ
ディフェンス・ニュース(Defense News)は7月15日、海軍とトート・サービス社(TOTE Services)が、新型中型揚陸艦(Medium Landing Ship: LSM)最大8隻の調達・建造プロセスを管理する船舶建設管理(Vessel Construction Management: VCM)契約を総額22億ドルで結んだと報じた。LSMは、海兵隊(Marine Corps)が兵員や装備品、物資を輸送して島嶼間を移動するために設計した全長約100メートルの俊敏な小型艦艇で、インド太平洋地域における対中国紛争を視野に入れ、議会は2026年度の国防権限法 (National Defense Authorization Act: NDAA)に基づき、民間事業者に契約管理を委託して、迅速に船舶を建造するよう同軍に求めていた。同社はボリンジャー造船所(Bollinger Shipyards)の1隻、フィンカンティエリ・マリネット・マリーン社(Fincantieri Marinette Marine)4隻の建造を管理する。今年後半にも建造開始予定で、初号艦納品は2029年秋を予定しており、残る3隻は同社が今後の発注戦略を決定するという。 Defense News “Navy awards TOTE $2.2 billion to manage Medium Landing Ships project” (07/15/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/07/14/navy-awards-tote-22-billion-to-build-medium-landing-ships/
イリノイ州、量子新興向け300万ドル基金設立 連邦政府資金に上乗せ
イリノイ州のJBプリツカー州知事(JB Pritzker)は7月8日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の「エックス-ラボ(X-Labs)」構想に採択された技術開発チームの同州誘致に向け、300万ドルの資金調達枠「X-Labsファスト基金(X-Labs Fast Fund)」を新設したと発表した。量子技術分野の画期的なイノベーション推進を目指す新興チーム支援に向け、連邦助成を補完するもので、採択された企業はシカゴの「イリノイ・量子・マイクロエレクトロニクス・パーク(Illinois Quantum and Microelectronics Park: IQMP)」が保有する最先端の極低温測定機器や実験施設などを利用できる。これに加え、シカゴ量子エクスチェンジ(Chicago Quantum Exchange)などの関連組織が25万ドルの追加資金や試作設備などを提供する支援パッケージを上乗せするとし、同州は量子計算開発を最優先事項と位置付け、既に州関連施設に約7億ドルを投じるなど北米最大の量子イノベーション集積地としての地位確立に向けて強力な支援を行なっている。 Illinois.GOV “Governor Pritzker Announces Funding for NSF Quantum X-Labs Teams” (07/08/26) https://www.illinois.gov/news/release.html?releaseid=32699
ニューメキシコ州、量子技術企業6社に計120万ドル支援へ
ニューメキシコ州経済開発省(Economic Development New Mexico)の技術革新局(Technology & Innovation Office: TIO)は7月5日、州内の量子技術関連企業6社に対し、総額120万ドルを授与したと発表した。州内の量子産業エコシステムの成長加速を目的とし、アーリーステージの新興量子技術企業を支援する競争助成プログラム「ニューメキシコ量子技術賞(New Mexico Quantum Technologies Award)」を通じて、各社に最大20万ドルを投入する。ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory: LANL)などの技術をもとに量子ドットを開発・製造するユビキティディー社(UbiQD)などの地元企業に加え、サンフランシスコから進出した量子計算用人工知能(AI)ソフトを開発するコンダクター・クアンタム社(Conductor Quantum)や、シカゴから同州に新たに拠点を設立する量子メモリ開発のフォトン・キュー社(Photon Queue)などが採択された。6社は助成期間終了後、少なくとも2年間は州内で事業を維持する義務がある。 EDNM “State awards $1.2 million to grow New Mexico’s quantum sector” (07/14/26) State awards $1.2 million to grow New Mexico’s quantum sector
国土安全保障省、インフラ防衛の新枠組みを提示
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は7月14日、国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)が、新協力枠組みとして「国土安全保障作戦の回復力に関する国家協議会連合(Alliance of National Councils for Homeland Operational Resilience – Critical Infrastructure: ANCHOR-CI)」を提示したと報じた。現政権発足直後に廃止された従来枠組み「重要インフラ・パートナーシップ諮問委員会(Critical Infrastructure Partnership Advisory Council: CIPAC)」に代わるもので、重要インフラ保護・防衛に向け官民が連携して脅威分析や脆弱性評価、安全性に関する提言を行うフォーラムとして機能する。主に重要インフラと業界団体の調整や地方との調整、分野横断型評議会などで構成され、サイバーセキュリティー・社会基盤安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)が管理する。事業者に対する規制上の免責措置は今回盛り込まれず、機微なサイバー攻撃情報の提供に伴う法的リスクを懸念する関係者らは、実効性を疑問視しているという。 Utility Dive “DHS proposes new critical infrastructure security framework” (07/14/26) https://www.utilitydive.com/news/dhs-proposes-new-critical-infrastructure-security-framework/825197/
中国製IT・投資のリスク評価へ新枠組み構築を ブルッキングス研究所提言
シンクタンクのブルッキングス研究所(Brookings Institution)は7月9日、中国製技術製品やサービス、投資に伴うリスク評価・対処に向け、より明確かつ体系的な国家安全保障上の新枠組みの構築を提言する報告書を発表した。これによると、インターネットに常時接続するデバイス(コネクテッドデバイス)の普及や技術供給網(サプライチェーン)における中国の存在が高まる中、同国技術への依存リスクがより複雑化している。一方で、全面禁輸(市場排除)などの対応は国内イノベーション阻害や消費者へのコスト転嫁につながるとし、特定リスクに焦点を当てたより精緻な施策が必要と指摘した。また、国家安全保障会議(National Security Council: NSC)の統括のもと、商務省(Department of Commerce)産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)が省庁間調整を担う事務局としてリスクに応じた関税設定、データの国内保管義務、共同開発のライセンス付与など、段階的かつ多様な緩和策を適時講じる仕組みづくりについても併せて提案している。 Brookings Institution “A new risk framework for Chinese technology products and investments” (07/09/26) A new risk framework for Chinese technology products and investments
ニューヨーク州、1年間の大規模データセンター建設停止命令 全米初
ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は7月14日、ニューヨーク州がデータセンター新規建設を最大1年間停止したことを報じた。人工知能(AI)ブームに伴う電力消費の急増が、電気料金高騰や水資源枯渇を招くとの懸念を受け、キャシー・ホークル州知事(Kathy Hochul)が行政命令に署名した。消費電力50メガワット(MW)以上の大型データセンターが対象で、州全体の停止措置は全米初となる。州当局は停止期間中に送電網や環境、地域社会を保護するための厳格な州規制基準を策定する方針であるが、この決定に対し、連邦政府やIT業界関係者は、データセンターやその発電源の建設阻止は経済・国防課題にも直結し、特に人工知能(AI)分野のイノベーションにおいて主導権がライバル国へ移行する危険性をはらむと警告した。また、同州では現在25件の建設が計画されているが、同知事は州議会に対し、データセンターへの売上税(間接税)免除措置の撤廃も呼びかけていると記事は伝えている。 The Washington Post “New York becomes first state to impose data center moratorium” (07/14/26) https://www.washingtonpost.com/technology/2026/07/14/new-york-becomes-first-state-impose-data-center-moratorium/
遺伝子組換え微生物による環境浄化・実用化に向けた法整備を GAO提言
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月14日、農薬やプラスチックなどによる土壌・水質汚染を効率的に分解する「遺伝子組換え微生物」を用いた環境浄化技術について、規制上の障壁を解消し、実用化を促すための政策オプションをまとめた報告書を発表した。同技術は防衛や鉱業など多分野での活用が期待されているものの、商業利用の実例がまだない。実験室外での安全性評価基準の不足に加え、野外での実験認可にあたり、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が事前入手の困難なデータを要求する規制上のジレンマが生じているほか、所管官庁の不明確さを指摘している。また、環境への残留性や健康への影響といった懸念も開発投資を阻む要因となっており、GAOはこうした課題に対し、小規模研究向けの規制要件や指針の改定、開発者向け情報窓口となるバイオテクノロジー調整に関する国家機関の新設、野外試験に関する基礎的データをまとめたデータベース共有化など13の政策選択肢を提言している。 GAO “Biotechnology: Applications, Challenges, and Policy Options for Engineered Microbes for Waste Cleanup” (07/14/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108175
宇宙軍は戦略的な人材計画の策定を GAO提言
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月14日、宇宙軍(United States Space Force)が増大する宇宙脅威に対抗するための十分な人材を確保できておらず、課題に対処する戦略的な人材計画を欠いていると発表した。任務が拡大する中、2025年度は総人員約1万5,400人と全軍の中で最も規模が小さく、必要な人員の充足率は全体の約75%にとどまった。背景には、部隊間の人員算出手法に一貫性がなく、一部の部隊では現状の任務拡大を反映せず古い人員要件のまま運用している現状が確認された。また、業務を支援する契約企業の民間人員数やその業務内容を正確に追跡・測定するプロセスがないことも理由として挙げたほか、空軍(United States Air Force)からの支援人員も22%不足していたという。こうした事態を受け、GAOは正確な人員数を特定するプロセス構築、契約人員の把握、包括的な戦略的人材計画の策定、空軍との支援協力体制の見直しの4項目を提言しており、国防総省(Department of Defense)もこれらすべての勧告に同意している。 GAO “Space Force: Additional Actions Needed to Address Workforce Challenges” (07/14/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107868
宇宙軍、ミサイル防衛用追尾衛星36機に17.5億ドル投入
宇宙軍(United States Space Force)は7月14日、L3ハリス・テクノロジーズ社(L3Harris Technologies)、シエラ・スペース社(Sierra Space Corporation)に対し、総額17億5,000万ドルとなる36機の次世代ミサイル追尾衛星を発注したと発表した。本土や同盟国をミサイル脅威から保護する「ゴールデン・ドーム(Golden Dome for America)」計画推進に向け、既存監視網を拡充し脅威の検知・識別能力を強化する「トランチ3(Tranche 3)」計画の一環として配備を進める。契約は固定価格制の試作開発協定のもとで実施し、L3ハリス社製ミサイル防衛モデル18機を約9億5,500万ドル、シエラ社製ミサイル警戒・追尾モデル18機を7億9,800万ドルで調達する。これら衛星を他のミサイル追尾システムや共通地上管制システムと統合して運用する予定で、2028年末までの打ち上げを予定している。同軍は低軌道からの低遅延通信網を介して、戦術データリンクを直接提供することで、実戦部隊の迅速な状況把握を支援し、ミサイル防衛の優位性を確立する計画である。 USSF “Space Development Agency issues awards to build 36 accelerated missile defense tracking layer satellites for Tranche 3 in support of Golden Dome for America” (07/14/26) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4545203/space-development-agency-issues-awards-to-build-36-accelerated-missile-defense/