Day: July 2, 2026

ブルックヘブン国立研究所、AIデータセンターの系統接続に向けAWS社と提携

ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory)は6月30日、アマゾン・ウェブ・サービス社(AWS)と人工知能(AI)データセンターの系統接続を迅速化するソリューションの共同開発で提携したと発表した。同社の先端クラウド・コンピューティング基盤とAI機能を活用し、同研究所が開発するAI主導システム「グリッドサーチ(GridSearch)」の展開を加速する。AIがAIをさらに発展させる(AI4AI)仕組みが特徴で、従来のシミュレーション手法では数ヶ月から数年かかっていた系統接続の審査プロセスをわずか数分に短縮する。また、最適な接続地点の事前スクリーニングも可能にし、AIデータセンターやエネルギー生産施設、先端製造工場などの新しいインフラを迅速かつ低コストで電力網に統合できるようになるという。同省は、民間との連携により、省全体における高度コンピューティング開発を推進する枠組みを確立し、国の優先事項の直接支援につなげたい考えで、AIを活用した取り組みにより研究生産性を倍増させていく方針を示している。 BNL “Brookhaven Lab, Amazon Web Services Partner to Connect AI Data Centers” (06/30/26) https://www.bnl.gov/newsroom/news.php?a=123017

系統接続待機案件、2025年はやや緩和 LBNL報告

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)は7月1日、国内発電・蓄電施設の系統接続待機に関する年次報告書を公表した。2025年末時点での接続待機新規発電・蓄電設備の総容量は前年比10%減の2,061ギガワット(GW)となり、新規接続の増加傾向により、相互接続待ちが相殺される形となった。また、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)による規制改革や各地域での許認可プロセスの合理化・自動化、人工知能(AI)ソフトの導入、さらには特定の迅速化プログラムの実装などにより、一部地域で記録的な数の接続合意が交わされたという。ただ、実際の接続には承認プロセス遅延などで商業運転開始までのタイムラインが長期化しているほか、相互接続申請全体の75%が撤回され、実際の稼働はわずか13%のみとなっている状況についても触れており、需要が急増する中、電力網信頼性や費用負担に関する課題が継続していることについても指摘している。 LBNL “Backlog of power plants seeking transmission grid connection eased somewhat in 2025 amidst high withdrawals” (07/01/26) https://emp.lbl.gov/news/backlog-power-plants-seeking-transmission-grid-connection-eased-somewhat-2025-amidst

OMB、政府方針に反する助成特定AIツール導入を検討

Fedscoopは7月1日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)による政府優先事項に沿わない助成を特定する人工知能(AI)技術の導入模索について報じた。下院歳出委員会小委員会の公聴会で、ラッセル・ボート局長(Russell Vought)が、各省庁の政策担当者と連携し、政府支出を広範囲に監督するAIツールの開発を進めていることを認めた。同局長は、AIの分析結果をあくまで人間の意思決定を支援する助言的な位置づけとし、人間の判断に取って代わるものではないとしながらも、政権方針に反する事業に税金が費やされるのを防ぐ狙いがあることを説明した。これに対し、議会への説明責任や監査の不透明性を懸念する声も上がっているが、政府効率化省(Department of Government Efficiency: DOGE)が既に1万5,000件以上の助成を打ち切るなど、政権による支援削減の動きは本格化している。政府内でのAI活用は昨年以降急増しており、一部の省庁では書類審査の自動化やコンプライアンス違反を検知するツール導入が進んでいる。 Fedscoop “OMB eyes AI tool to flag grants that don’t align with Trump’s agenda ” (07/01/26) OMB eyes AI tool to flag grants that don’t align with Trump’s agenda

空軍、次世代長距離攻撃ミサイル開発で民間企業を募集

ディフェンス・ポスト(The Defense Post)は6月30日、1,000海里(約1,852キロメートル)以上離れた標的を攻撃できる兵器開発事業への民間参画を、空軍が呼びかけていると報じた。政府が近年注力している無人機への精密爆弾搭載や、陸海軍における長距離偵察ドローン、低コスト長距離ミサイルの開発など、あらゆる領域における長距離攻撃能力を拡張する主要事業強化策の一環で、調達前の情報収集として、8月25日と26日にフロリダ州エグリン空軍基地での「インダストリー・デー(業界説明会)」開催を予定している。次世代空対空・空対地・空対艦兵器「空軍長距離兵器(Air Force Long-Range Weapon: AFLRW)」開発プログラムを運営・管理する空軍ライフサイクル管理センター(Air Force Life Cycle Management Center)兵器局(Armament Directorate)は、同事業を機密扱いとしており、空対空兵器を優先事項としつつも、ミサイルシステム全体を提供する企業だけでなく、政府や他社製のサブシステムを統合できる企業の参加も募っている。 TheDefensePost “US Air Force Invites Defense Firms to Shape Future Long-Range Strike Missile” (06/30/26) https://thedefensepost.com/2026/06/30/us-long-range-weapon/

農務省、農業研究センター閉鎖計画を加速

サイエンス誌(Science)は7月1日、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)の主要科学キャンパス、ベルツビル農業研究センター(Beltsville Agricultural Research Center: BARC)の閉鎖計画が加速していると報じた。同省は、施設の老朽化が進んでいるため、業務効率化に向け生産者との直接連携を強化していくと主張しているが、研究者や農業団体は懐疑的な反応を見せている。当初計画していた数年かけての移転スケジュールを突如前倒しされたことによるもので、研究者らは9月末までに全米各地の施設へ分散移転することを迫られており、パブリックコメントの92%が閉鎖に反対している。また、専門家からはハチの病気や有害な菌類病原体を特定する国の重要な研究機能が損なわれ、最終的には農家にとって不利益になると批判しており、既に一部の有能な研究者が離職したという。同省は業務効率の改善を強調するが、閉鎖後の土地利用や議会が割り当てた600万ドルの改修予算の行方など、記事は、多くの疑問が残されたままであると指摘している。 Science “USDA accelerates plan to close its flagship scientific campus” (07/01/26) https://www.science.org/content/article/usda-accelerates-plan-close-its-flagship-scientific-campus

EPA、排出削減クレジット許認可プロセスで新指針

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は7月1日、大気汚染物質を排出する施設の改修や新設に関する事前建設許認可プロセスにおける環境基準未達成地域の汚染物質発生源審査(Nonattainment New Source Review: NNSR)について、排出削減クレジット(Emission Reduction Credit: ERC)に関する新指針を発表した。操業開始前に必要な削減量を確保する誓約や、そのクレジットが承認されるまでの稼働禁止など、一定の強制力のある誓約や条件を満たせば当局が建設許可を発行できる仕組みを整えた。従来は建設開始前のERC取得を義務付けていたが、相殺クレジットの取得時期を巡る不確実性により、手続きの遅延につながっていた。EPAは大気浄化法(Clean Air Act: CAA)に基づく環境保護を維持しつつ、不必要な手続きを減らして経済成長を支援できると説明しており、国家環境大気基準(National Ambient Air Quality Standards: NAAQS)を維持しながら不要な官僚的プロセスを削減し、企業の経済活動を後押ししていく方針を強調している。 EPA “EPA Issues Permitting Guidance on Obtaining Emission Reduction Credits” (07/01/26) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-issues-permitting-guidance-obtaining-emission-reduction-credits

国防総省、直接報告型運営担当を新設 無人システムを統合

国防総省(Department of Defense)は7月1日、同省副長官傘下に新ポジション、長官直轄無人システム担当(Direct Reporting Portfolio Manager: DRPM-UxS)を新たに設け、省内全ての無人システム(Unmanned and Autonomous Systems: UxS)を統合すると発表した。無人機の即時運用や専門知識支援などの重要情報を幹部に直接報告する役職で、無人軍事活動や国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)、省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)などが担っていた予算配分なども今後は全て同役職の直接監督下に置かれる。国内製かつ低コストで高性能な無人機調達を指示する大統領令に沿った取り組みで、同省は自律システムの技術開発を最重要事項と位置付けており、国の軍事優位性維持に向け、自律技術の開発・調達、大規模配備を迅速化する。背景には、敵対国が年間数百万機の無人システムを生産し、世界の軍事生産も過去3年間で急増している現状があり、同関連兵器の大量配備が急務となっている。 Department of Defense “Department of War Establishes Direct Reporting Portfolio Manager for Unmanned Systems to Ensure American Drone Dominance” (07/01/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4531728/department-of-war-establishes-direct-reporting-portfolio-manager-for-unmanned-s/

オークリッジ国立研究所、量子計算による素粒子物理プロセスの模擬実験に成功

オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)は6月30日、量子コンピューターを用いた素粒子物理学の重要プロセス「ハドロン化(Hadronization)」のシミュレーションが成功したと発表した。ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)の研究者がIBM社基盤にあるプロセッサー「ヘロン(Heron)」上の量子ビット104個を遠隔活用し、独自の計算技術や一次元(1D)モデルへの簡素化を組み合わせて実施したものである。ハドロン化は素粒子同士が結合してハドロンと呼ばれる複合粒子を形成する現象であるが、その過程が解明されていない。これまで量子計算を用いた研究が行われていたが、従来スパコンでは計算が非常に困難であった。同研究所は今回の成果について、古典スパコン能力を超える大規模科学計算の基盤を築く節目と位置付けており、その詳細について、物理学専門誌『フィジカル・レビューD(Physical Review D)』に掲載していると紹介している。 ORNL “Calculating a new view on quantum mechanics using quantum computers” (06/30/26) https://www.ornl.gov/news/calculating-new-view-quantum-mechanics-using-quantum-computers

エネルギー省、石炭由来原料から重要鉱物回収に7,500万ドル

エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation: CMEI)は7月1日、石炭や石炭由来原料からレアアースなどの重要鉱物を生産する5事業に総額7,500万ドルを交付すると発表した。採択されたのは、ノースダコタ大学(University of North Dakota)、バラー・メタル社(Valor Metals)、コンソル・イノベーション社(CONSOL Innovations)、アメリカン・リソーシズ社(American Resources)、ピーボディ・エナジー社(Peabody Energy)で、レアアースをはじめ、ゲルマニウム、ガリウム、アルミニウムといった重要材料や高付加価値鉱物を生産する各拠点の実証施設開発を支援する。国内の重要材料生産量を増加させ、商業展開に伴う財務リスク軽減を目的としており、同省が8月に発表した国内重要鉱物供給網(サプライチェーン)強化に向けた石炭セクターへの支援、約10億ドルの予算案に基づくものとなっている。 Department of Energy “DOE’s Office of Critical Minerals and Energy Innovation Awards $75 Million to Accelerate Critical Minerals and Materials Recovery from Coal and Coal-Based Feedstocks” (07/01/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-office-critical-minerals-and-energy-innovation-awards-75-million-accelerate

エネルギー省、3基目が臨界到達 期限内に達成

エネルギー省(Department of Energy)は7月1日、3基目の先進原子炉が臨界に達したと発表した。デプロイアブル・エナジー社(Deployable Energy)の実証炉「ユニティ(Unity)」がアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)での実証実験に成功した。アンタレス・ニュークリア社(Antares Nuclear)の「マーク0(Mark-0)」とバラー・アトミックス社(Valar Atomics)の「ウォード250(Ward250)」の臨界達成に続くもので、7月4日までに3基の臨界達成を目標とする昨年5月の大統領令に応える形となった。この取り組みは、政府が掲げる原子力エネルギー・ローンチパッド(Nuclear Energy Launch Pad)構想の一環で、同省は1ヶ月で3種類の先進マイクロ炉の臨界達成に成功したのは世界初と説明した。また現在進行中の原子力ルネサンス政策について、これらの技術を活用して次世代産業を支えつつ、エネルギー安全保障を強化していく方針を改めて強調した。 Department of Energy “U.S. Department of Energy Meets President Trump’s Goal, Delivers Third Advanced Reactor Criticality” (07/01/26) https://www.energy.gov/articles/us-department-energy-meets-president-trumps-goal-delivers-third-advanced-reactor