Day: July 6, 2026
トランプ政権、アンソロピック社製最先端AIモデルの輸出制限を解除
ポリティコ誌(Politico)は6月30日、トランプ政権がアンソロピック社(Anthropic)の最先端人工知能(AI)モデル「フェイブル5(Fable 5)」と「ミュトス5(Mythos 5)」に対する輸出制限を同日夜に解除したと報じた。政府が要求する安全リスクの検知・対処や今後のリリースに関する政府との連携、「悪意ある活動」の報告義務に同社が同意した。ソフト悪用によるサイバー攻撃の懸念から両モデルへのアクセスが遮断されていたが、同社は自社ホームページで、一般向けFable 5への世界的なアクセスを7月1日に再開すると発表した。さらに強力なMythos 5についても国内外の特定パートナー向けに利用拡大を進める方針を示している。一方で、競合のオープンAI社(OpenAI)も最先端モデル「ChatGPT-5.6」の提供制限対象となったことから、業界内では政府による場当たり的かつ予測不可能な政策決定を不安視する向きがあると記事は伝えており、不透明な規制プロセスを是正し、一貫した枠組み構築に期待するという声が高まっているという。 Politico “Trump lifts limits on Anthropic’s Fable and Mythos models” (06/30/26) https://www.politico.com/news/2026/06/30/anthropic-wh-lifting-export-limits-00980865
海軍、新型対レーダー・ミサイルの増産を模索
海軍航空システム司令部(Naval Air Systems Command: NAVAIR)は7月1日、敵の防空網を制圧・無力化する能力強化に向け、年間最大600発の新型先端電磁波妨害抑制ミサイル(Advanced Emission Suppression Missile: AESM)供給を打診する情報提供依頼書(RFI)を公開した。実用的な試作段階(技術成熟度レベル6)以上の「成熟した設計」を求めており、先端レーダーを標的とする先進シーカーやF-35戦闘機への機内・機外搭載が可能な互換性などを要件に挙げた。一方で、空対空攻撃能力や既存ミサイルを上回る射程といった一部仕様の記述は今回見送った。2月時点で年間最大300発を見込んでいたが、イラン戦争に伴い需要が2倍となったことが背景にある。また現在、同海軍は射程延伸型の「AGM-88G先進対レーダー誘導ミサイル拡張型(Advanced Anti-Radiation Guided Missile Extended Range: AARGM-ER)」について、ロケットモーターやソフトウェア開発遅延により調達を一時停止しており、再開は2028年度になる見通しを示している。 DefenseNews “US Navy seeks to boost production of new anti-radar missile” (07/03/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/07/02/us-navy-seeks-to-boost-production-of-new-anti-radar-missile/
カリフォルニア州、次世代地熱発電調査井へ資金拠出
環境NGOのクリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)は7月1日、次世代地熱発電事業の展開に不可欠な調査井への段階的な資金拠出を含む予算案に、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Gavin Newsom)が署名したと発表した。同州における地熱資源開発において地下資源への理解不足が事業展開の障壁となっていたが、今回の予算割り当てにより初期探査やマッピング、データ収集が加速されることとなった。CATFはこれに先立ち、同州における地熱開発に的を絞った投資により、州のクリーンエネルギー不足を解消する内容の報告書を発表していたこともあり、今回の資金拠出について、同州のクリーンエネルギー目標達成コストを大幅に削減し、天候に左右される風力や太陽光、蓄電池を補完する安定した電力供給につながると評価した。また、格安かつ信頼性の高い電力網構築にも寄与するとして、同知事や州議会の決断を歓迎している。 CATF “California commits to funding geothermal cost-share program essential to driving project deployment” (07/01/26) California commits to funding geothermal cost-share program essential to driving project deployment
国防総省、兵器調達プロセスが遅延 GAO報告
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月2日、国防総省(Department of Defense)による予算内での高額兵器システム開発・調達遅延が継続していると発表した。同局の年次報告書によると、開発に時間がかかる技術を迅速調達する形で一部プログラムを開始したことにより、兵器の納期遅延につながったという。主要防衛調達プログラム(Major Defense Acquisition Programs: MDAP)の兵器配備までにかかる期間は12年以上と長期化し、特に5年以内の配備を目指す迅速調達経路においては、未成熟な技術を組み込んだまま開始されたことで計画全体の遅延を招く要因になった。GAOは、確実な兵器の迅速配備実現に向け、開発開始時点で確立された成熟技術のみに限定すること、もしくは最先端手法の一貫した実践により開発速度を早めるなどに加え、未成熟な技術は別枠で開発を進めるよう提言しており、同省もこの勧告に同意している。 GAO “Weapon Systems Annual Assessment: Requiring Mature Technologies Could Enable Shift to Rapid Delivery” (07/02/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108457
DARPA、生物学的脅威を特定する競技会を開催
国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は7月1日、生物学的脅威の発生源を迅速に特定する計算ツールの開発競技会「バイオ・アトリビューション・チャレンジ(Bio-Attribution Challenge)」でチーム・クリツ-クリストフ&ハキム(Team Crits-Christoph & Hakim)が1位となり、最高栄誉賞も獲得したと発表した。自然発生や事故、人工的な遺伝子操作による病原体流出の特定は国家安全保障上の重要課題で、最終段階に進んだ8チームは24時間以内に600から800テラバイトの大規模データを処理し、ゲノム配列と地理空間などのメタデータを組み合わせた病原体の検出能力を競った。なお、安全性を確保した検証用データはローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)が作成しており、実際の病原体を使うことなく、アルゴリズム試験が行なわれた。総額18万ドルを投じた同競技会について、DARPAは従来に比べて飛躍的な精度向上を実証できたと成果を強調した。 DARPA “Bio-Attribution Challenge yields tools to define biothreat origins at speed, scale” (07/01/26) https://www.darpa.mil/news/2026/bio-attribution-challenge-round-2
国防総省、製造業人材育成へ1,000万ドル投資
国防総省(Department of Defense)は7月2日、人材育成構想「ビルド・フリーダム米国(BuildFreedom.US)」開始に伴い、技能職の人材育成活動を行うマイケル・ロウWORKS 財団(mikeroweWORKS Foundation)の奨学金プログラム支援に向け1,000万ドルを付与すると発表した。防衛産業基盤における深刻な人材不足に対処するため、政府や産業界、教育機関が連携し、若者や退役軍人らに技能職の魅力を伝えていく取り組みで、同財団は全額を次世代の育成と防衛産業の求人充足に充てると発表した。一方、同省は技能格差の解消を安全保障上の課題と位置付けており、同事業が才能と機会の架け橋となり、将来の課題に備える労働力確保につなげると説明した。また、次世代の製造業者や革新者を支援することで、国内の製造能力と経済的な回復力、そして長期的な国家安全保障につなげていくとしている。 Department of Defense “DOW Launches BuildFreedom.US, Announces $10M Skilled Trades Investment With Mike Rowe and Forge the Next-Generation Industrial Workforce” (07/02/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4532101/dow-launches-buildfreedomus-announces-10m-skilled-trades-investment-with-mike-r/
エネルギー省、省エネ規制の永久廃止へ
エネルギー省(Department of Energy)は7月2日、家電製品・機器への省エネ義務を永久に廃止する規則案を公表した。エアコンやガスコンロ、洗濯機・乾燥機、給湯器、冷蔵庫などの日用品の省エネ基準策定に用いられる同省の手順書を改定するもので、規制緩和により消費者の自由な選択肢とコスト削減を目指す大統領令に沿う内容となっている。クリス・ライト長官(Chris Wright)は声明で、国民に対し安価で確実に機能する家電を選ぶ権利を守ると強調し、過去政権による規制が国民に負担を強いてきたと批判した。同省は、官報への掲載後30日間に亘り、今回の提案についての意見を募集するほか、基準策定の手法に関する情報提供要請(Request for Information : RFI)もあわせて発行し、こちらは期限を60日間とした。一連の取り組みにより、同省は手頃な価格での提供、プロセスの透明性を維持していく方針を改めて示す形となった。 Department of Energy “Trump Administration Moves to Permanently End Green New Scam Appliance Mandates” (07/02/26) https://www.energy.gov/articles/trump-administration-moves-permanently-end-green-new-scam-appliance-mandates
エネルギー省、風力・太陽光発電向け新規税額控除を終了
エネルギー省(Department of Energy)は7月2日、政府の「勤労世帯減税(Working Families Tax Cut)」政策に基づき、新規風力・太陽光発電事業への連邦税額控除支援を7月4日の期限をもって終了すると発表した。約35年以上継続してきた同セクターへの税額控除支援終了について、クリス・ライト長官(Chris Wright)は声明で歓迎の意を表明し、電力生産が天候に左右される両発電の国内一次エネルギー総消費量に占める割合は約3%のみだったと言及した。また、他の発電方法と同じ量のエネルギーを生産するのに風力・太陽光発電は100倍の土地を必要とする点にも触れたほか、電力生産拠点と需要地を結ぶための送電線建設により、鉄鋼やセメント、ポリシリコンといったエネルギー集約型資材を大量に消費するとも言及した。これら要因がシステム全体のコストを押し上げ、電気料金を引き上げる要因になっていたと説明しており、同長官は、今後価格引き下げに尽力していくと意欲を見せた。 Department of Energy “Secretary Wright Applauds End of New Federal Wind and Solar Subsidies” (07/02/26) https://www.energy.gov/articles/secretary-wright-applauds-end-new-federal-wind-and-solar-subsidies