Day: July 21, 2026
下院中国特別委員会、中国製メモリー半導体の購入禁止維持を商務長官に要請
中国に関する下院特別委員会(House Select Committee on China)は7月16日、中国企業からのメモリー半導体購入を許可しないよう求める書簡を、超党派議員らが共同で、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)へ送付したと発表した。人工知能(AI)の需要急増に伴うメモリー半導体の世界的な不足を受け、アップル社(Apple)などのIT大手が中国の長江存儲科技社(Yangtze Memory Technologies: YMTC)や長鑫存儲技術社(ChangXin Memory Technologies: CXMT)などから調達を模索しており、深刻な安保上リスクを懸念する内容となっている。超党派議員らは、中国製メモリーへの依存が中国軍の技術開発を直接助成する形となり、国内供給網を危険にさらすとも指摘しており、中国企業の取引制限対象リスト追加検討や、米企業との取引禁止措置を提言した。さらに日本や韓国、欧州連合(EU)などの同盟国と連携した共同規制の実施なども提示し、厳格な輸出管理の維持と強化を求めている。 Nature “NSF plans cuts to core science programmes to fund White House initiative” (07/10/26) https://chinaselectcommittee.house.gov/media/letters/moolenaar-whitesides-to-secretary-lutnick-hold-firm-on-chinese-memory-chips-ban
中国主導「世界AI協力機構」が発足 29カ国が参加
ロイター通信(Reuters)は7月17日、中国を含む29カ国が人工知能(AI)分野における国際協力 と国際的なガバナンス推進を目的とした政府間機関「世界AI協力機構(World AI Cooperation Organization)」の設立協定に署名したと報じた。署名式は同地で開催される年次の世界AI会議(World Artificial Intelligence Conference)の前日に行われた。創設メンバーにはロシア、ベラルーシ、セルビア、キューバ、ブラジル、ベネズエラに加え、アフリカ10カ国、アジア12カ国が含まれ、本部は上海に設置される予定となっている。中国は昨年の同会議で本機構の設立を提案していたが、これまで正式に参加を表明した国はなかった。 Reuters “Twenty-nine countries sign agreement to establish global AI cooperation body” (07/17/26) https://www.reuters.com/world/china/twenty-nine-countries-sign-agreement-establish-global-ai-cooperation-body-2026-07-16/
連邦地裁、新規則に基づく連邦補助金の遡及的取り消しを違法と判断
ポリティコ誌(Politico)は7月17日、連邦地方裁判所が、行政管理予算局(Office of Management Budget: OMB)に対し、事後に設定された新規則や方針を理由に、交付済みの連邦助成を取り消すことはできないとの判決を下したと報じた。オバマ前大統領が指名したインディラ・タルワニ判事(Indira Talwani)が、20州と3知事、またコロンビア特別区による訴訟の棄却を求めたトランプ政権の請求を退けたものである。同判決で、交付決定後に特定機関の優先事項に基づいて助成を終了させることは連邦法で認められていないと結論付けられたことから、記事は、政治任用者へ助成承認や取消権限を与える新たな規制導入を進め、数百万ドル規模の給付済み助成の取り消しを図ってきた政権にとっては大きな打撃となると伝えている。 Politico “Judge rules OMB can’t retroactively nix grants based on new rules” (07/17/26) https://www.politico.com/live-updates/2026/07/17/congress/judge-knocks-omb-grant-termination-01003836
AI兵器配備加速で、自律型兵器規制を巡る議論活発化
ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は7月20日、トランプ政権が国防総省(Department of Defense)に対し人工知能(AI)を活用した自律型兵器の配備加速を命じ、目標識別から攻撃決定までを自律的に行う兵器導入を巡る議論が再燃していると報じた。シリコンバレーのファウンデーション社(Foundation)などが自動で迫撃砲を装填するヒト型ロボット等の開発を進める一方、ローマ教皇レオ14世(Pope Leo XIV)や国連、人権団体や研究者らは「倫理的に許容できない」と反発を強めている。また、先端AI企業のアンスロピック社(Anthropic)がモデルの信頼性不足を理由に完全自律型兵器への技術提供を拒否して政権と対立する中、連邦議会でも自律型兵器の利用促進とガードレール設定を巡る防衛法案の審議が行われている。一方、政府は中国やロシアに対抗するためと主張して、AI導入を迅速に進める方針を堅持しており、オープンAI社(OpenAI)などが人間による適切な承認を前提とした防衛連携を継続しているものの、業界内では意見が割れているとも伝えた。 The Washington Post “Armed robots are on the horizon, as Silicon Valley pitches new military tech” (07/20/26) https://www.washingtonpost.com/technology/2026/07/20/how-armed-robots-could-become-military-weapon-choice/
ロッキード・マーティン社、ドローン群を一括無効化する新高出力マイクロ波兵器を開発
ディフェンス・ニュース(Defense News)は7月21日、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin Corporation)がドローン群を低コストで無効化する地上発射型高出力マイクロ波(High Power Microwave: HPM)対無人航空機システム「モーフィアス・Xローター(Morfius X-Rotor)」を発表したと報じた。1回の飛行で50機以上のドローンを無効化できるほか、独自のセンサーや射撃統制レーダーに依存せず、あらゆる指揮統制システムと連携して運用することが可能で、回収・再利用も可能という。特に軽量かつ再利用可能なHPM構造により、高い撃墜率と低コストを両立させたとし、前線への早期配備に向けて、試作機とHPMペイロード製造を加速する。イラン製ミサイルやドローン攻撃対抗に向けた迎撃ミサイル備蓄確保が急務となっており、安価な対抗策への転換が求められていた。アリゾナ州などでのテスト飛行を経て、今後も試験が予定されており、同社は廉価版パトリオット迎撃ミサイルも併せて提案している。 Defense News “Lockheed Martin’s Morfius X-Rotor built to fry 50 enemy drones in one flight” (07/21/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/07/20/lockheed-martins-morfius-x-rotor-built-to-fry-50-enemy-drones-in-one-flight/
AIデータセンター急増で電力供給不足深刻化 バンカメ報告
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は7月17日、人工知能(AI)データセンターの急速な需要増加により、国内電力の需要不足が今後5年間で100ギガワット(GW)以上に達する見通しとするバンク・オブ・アメリカ社(Bank of America: BofA)の分析結果について報じた。2026年から2030年にかけての全米電力需要は年平均4.1%増で拡大する見通しで、データセンターのみでも約125GWの負荷を追加すると試算している。一方で、電力会社による供給能力の追加計画は、現規制下で約93GWにとどまる見込みで、大型ガスタービンの製造ラインが2030年までフル稼働する中、開発事業者は自前のガスエンジン発電設備や蓄電池の導入を加速させるなどして既に7.5GW超の自家発電付きデータセンター建設を着工した。電力会社側も既存石炭火力発電所の廃止延期や、電力網増強で信頼性維持を図る構えで、同銀行アナリストは、市場の制約要因が需要そのものではなく、供給能力に移行しつつあると指摘している。 Utility Dive “AI data center growth could force US utilities to rethink generation plans, BofA says” (07/17/26) https://www.utilitydive.com/news/ai-data-center-growth-utilities-generation-plans/825541/
国防総省、サイバー見習いプログラムの募集を終了 応募殺到で
NEXTGOV/FCWは7月16日、国防総省(Department of Defense)が新設した「サイバー登録見習いプログラム(Cyber Registered Apprenticeship Program)」の求人応募数が1万5,000件を超えたため、予定を繰り上げて募集を終了したと報じた。実務重視の採用により国防運用の欠員を補うことを目的とした、最高情報責任者室(Office of the Chief Information Officer)が管轄する12カ月間の育成プログラムで、7月6日に応募を開始し、期日を7月17日としていたが、応募が殺到したため、7月13日に締め切りを前倒しした。18歳以上の米国市民を対象とし、サイバー防衛アナリストなどの職員を育成する内容で、応募開始前に7万件以上の問い合わせが既にあったという。また今回のサイバー職種への国民の強い関心について、政府による実践的な人材育成の必要性を実証したと説明しており、防衛におけるデジタル領域の重要性も改めて強調した。同省はさらに、USAJobs.govを通じて、今後数週間以内にも新たなポジションを追加公募する方針を示している。 NEXTGOV/FCW “Pentagon closes cyber apprenticeship applications early after receiving over 15,000” (07/16/26) https://www.nextgov.com/people/2026/07/pentagon-closes-cyber-apprenticeship-applications-early-after-receiving-over-15000/414835/?oref=ng-homepage-river
IARPA、情報機関向け調達基盤を開設
NEXTGOV/FCWは7月17日、国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence: ODNI)の研究開発部門である情報高等研究計画活動(Intelligence Advanced Research Projects Activity: IARPA)が、民間企業の革新的な技術や製品を迅速に商用化するための新プラットフォーム「IARPAソリューション・マーケットプレイス(IARPA Solutions Marketplace)」を開設したと報じた。関係機関に対し企業が短時間の動画ピッチを通じて製品を紹介する仕組みで、各省庁は一から手続きを始めることなく即時契約が可能なソリューションを閲覧することができる。調達手続きの簡素化を目的としたもので、運営を担う応用研究所(Applied Research Institute: ARI)を通じて8月1日から受付を開始する。同省は民間イノベーションを活用する新経路の重要性を強調しており、ARIにとっても情報機関への調達モデル提供は初の試みで、先行モデル「トレードウィンズ(Tradewinds)」導入により500社以上が新規参入した成果を踏まえ、将来的には一元的な調達基盤の構築を目指すという。 NEXTGOV/FCW “IARPA launches new acquisition marketplace” (07/17/26) https://www.nextgov.com/acquisition/2026/07/iarpa-launches-new-acquisition-marketplace/414863/?oref=ng-homepage-river
商務省AI安全研究所トップ、就任3カ月で辞任
アクシオス(Axios)は7月21日、商務省(Department of Commerce)傘下のAI標準・イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI)のクリス・フォール所長(Chris Fall)が、就任からわずか3カ月で辞任したと報じた。同氏は旧米国AI安全性研究所(U.S. AI Safety Institute)の組織再編に伴い4月に着任し、トランプ政権が安全なAI運用の模索と規格策定を進める中、先端AIシステムの試験や評価機能の開発、標準規格の構築を主導していた。今回の報道に対し、同省報道官は退任の事実を認め、同氏の起用が当初から一時的な措置であったと説明した。これに伴い、6月30日に米国標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology: NIST)の所長に就任した アービンド・ラーマン氏(Arvind Raman)がCAISIの代理所長を兼務すると発表し、同氏が後任候補の選考を進め、今後数週間で新所長を発表する予定であることも明らかにしている。 Axios “Scoop: Trump AI security agency head resigns” (07/21/26) https://www.axios.com/2026/07/20/trump-ai-security-agency-head-resigns
国防総省、宇宙用太陽電池カバーガラスの国内製造基盤に710万ドル投資
国防総省(Department of Defense)は7月17日、宇宙用太陽電池カバーガラスの国内製造体制構築・拡大に向け、マーティン・マテリアルズ・ソリューションズ社(Martin Materials Solutions LLC)に対し710万ドルを投じたと発表した。オハイオ州ツインズバーグにおける同社の製造能力強化に向け、国防生産法(Defense Production Act: DPA)第3条に基づき、7月7日に実施した。兵器・産業基盤レジリエンス局(Warfighting Investments, Resourcing, and Execution: WIRE directorate)が今年に入って実施した投資枠組み6件の一つで、企業側も計110万ドルを投じている。製造強化するのは放射線遮蔽や選択的波長フィルタリング、微小隕石防護、構造安定化を確保するカバーガラスで、衛星電力システムの長寿命化と高効率化につなげる。特に、最新製造・試験設備の拡充、専門人員の確保、原材料調達・設計開発体制を強化し、持続可能な製造運用を本格化させるとし、同省は国家宇宙資産防衛と軌道ミッションの継続性を確保する上で不可欠な支援と説明した。 Department of Defense “Department of War Invests $7.1M to Enhance Space Solar Cell Coverglass Manufacturing” (07/17/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4549356/department-of-war-invests-71m-to-enhance-space-solar-cell-coverglass-manufactur/