Day: July 17, 2026

グーグル社、2029年に国内最大規模の太陽光・蓄電事業稼働へ 

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は7月16日、グーグル社(Google)がサイプレス・クリーク・エナジー社(Cypress Creek Energy)と提携し、アーカンソー州ミシシッピ郡における太陽光発電・蓄電ハイブリッド事業「スチールリバー・エネルギー施設(Steel River Energy Center)」に参画すると報じた。総発電容量2.5ギガワット(GW)、蓄電容量2.9ギガワット時(GWh)に上る全米最大規模の電力供給事業で、3段階に分けて建設される予定となっている。2029年の全面稼働を見込んでおり、グーグル社は初期2段階分(発電容量1.6GW、蓄電容量1.9GWh)の電力購入契約(PPA)も締結した。同社にとって過去最大の再エネ事業で、人工知能(AI)普及に伴うデータセンターの電力需要増加で温室効果ガス排出量が急増する中、国産調達率100%の部材を用いた巨大再エネ事業への投資を通じて送電網のクリーン化を主導する狙いがある。同社は州への3億ドルの税収効果や雇用創出をもたらす事業と説明し、地域社会開発への支援基金提供も計画している。 Utility Dive “Google inks deal for massive Arkansas solar and storage project ” (07/16/26) https://www.utilitydive.com/news/google-inks-deal-for-massive-arkansas-solar-and-storage-project/825432/

エネルギー省とNNSAは事業評価の指標策定を GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は7月16日、エネルギー省(Department of Energy)と傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)が進める施設整備事業の管理効率化改革について、コスト見積もりの信頼性低下や問題特定の遅延リスクがあると報告した。両機関は請負業者が運営する16の研究所や核関連施設で80件、総額約655億ドルに上る事業を管理しており、行政負担軽減に向け、契約業者への権限委譲や独立監査の制限といった運用の簡素化を進めている。しかしGAOは、これらの改革が十分な検証なしに進めば、予算超過などの問題への迅速な対応が困難になるとし、特に66事業に影響が出る恐れがあると指摘した。また、個々の業者評価プロセスだけでは組織全体における改革の有効性を測れないとし、GAOは両機関に対し、改革の有効性を客観的に評価するための具体的な達成目標や評価指標策定を勧告し、両機関もこれに同意している。 GAO “Department of Energy: Efforts to Streamline Project Management at National Laboratories and Nuclear Sites” (07/16/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108520

宇宙軍、大学連合との宇宙サイバー防衛に関する共同研究提案を募集

宇宙軍(United States Space Force: USSF)は7月16日、空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)と提携して「宇宙サイバー認知掌握(Space Cyber-Cognitive Overmatch)」に焦点を当てた共同研究提案の受け付けを開始したと発表した。USSF大学連合(USSF University Consortium)に所属する3校以上の大学で構成される共同研究チームを対象とし、サイバー空間における脅威分析や供給網(サプライチェーン)安全性、システム耐性の向上(サイバー・ハードニング)、敵対行動の検知、適応型サイバー回復力、ヒューマン・マシン・インターフェース(Human-machine Interfacing: HMI、人と機械がやり取りするための仕組み)などに焦点を当て、宇宙システムの保護やサイバー任務保証、データ信頼性確立など強靭かつ自律的な技術開発を行う。宇宙戦略技術研究枠組み(Space Strategic Technology Institute 5: SSTI 5)設立は今回で5回目となり、テストベッド構築や高度シミュレーション、実証実験を通じて同分野の技術的ブレイクスルー達成を目指していく。 USSF “USSF accepting proposals for fifth research opportunity under the USSF University Consortium” (07/15/26) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4545887/ussf-accepting-proposals-for-fifth-research-opportunity-under-the-ussf-universi/

DARPAと空軍、AI制御のF-16戦闘機で初の自律飛行試験に成功

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は7月16日、自律飛行試験機として改修された空軍のF-16戦闘機を用いて、人工知能(AI)エージェントによる自律飛行制御の実空域試験に成功したと発表した。「バイパー検証・次世代運用モデル(Viper Experimentation and Next-generation Operations Model: VENOM)」プログラムの一環で、基本ソフトウェアを変更せず、飛行制御とセンサーを自動化した自動操縦システム「ベノム自律飛行キット(VENOM Autonomy Kit: VAK)」をF-16機に搭載した。前身の「航空戦闘進化(Air Combat Evolution: ACE)」計画で実証されたドッグファイト(近接戦)技術をベースに自律戦闘AIの迅速な開発基盤を確立、パイロットはスイッチ一つで手動とAI制御を切り替えることができる。今後は後継の「AI強化(AI Reinforcements: AIR)」計画による視界外射程(Beyond-Visual-Range: BVR)での複数機による協調戦闘や無人機随伴といった複雑なシナリオ検証を進め空中戦優位性と信頼性の確保を目指す。 DARPA “DARPA and U.S. Air Force fly AI-controlled F-16, paving the way for autonomous air combat” (07/16/26) https://www.darpa.mil/news/2026/darpa-us-air-force-fly-ai-controlled-f-16

国防総省、ペンシルベニア州の国防産業に100億ドル投資

国防総省(Department of Defense)は7月16日、ペンシルベニア州の国防産業における兵器や物資生産に約100億ドルを投資すると発表した。国内製造能力や労働力を再活性化する取り組み「自由の兵器庫(アーセナル・オブ・フリーダム)」構想を再構築し、約4,000人超の雇用基盤を強化するもので、陸軍大学(U.S. Army War College)で開催された「ペンシルベニア国防・イノベーションサミット(Pennsylvania Defense and Innovation Summit)」でトランプ大統領が明らかにした。同サミットでは、兵器や造船、宇宙産業に加え、人工知能(AI)やロボット工学などの新興技術の推進を網羅する30以上の投資計画が提示され、この軍備強化は1980年代の冷戦期に行われたレーガン政権期以来の規模となる。同省は力による平和の政策理念のもと、将来の安全を確保すべく、戦い方を根本的に変えるとし、来年度予算案で1.5兆ドルの国防費を要求している。 Department of Defense “Trump Announces $10B Investment in Defense Industry” (07/16/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4546926/trump-announces-10b-investment-in-defense-industry/

NSF、エドテック50チームに250万ドル投資 学習課題特定する技術開発へ

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships: TIP)は7月16日、K-12(幼稚園から高校)における教育上の課題解決と教育技術(エドテック)イノベーションに向け、50の学際的チームに総額約250万ドルを支援すると発表した。人工知能(AI)教育推進を掲げる大統領令に沿う取り組みで、NSFのSTEM教育局(Directorate for STEM Education: NSF EDU)やウォルトン・ファミリー財団(Walton Family Foundation)が支援する。選出チームには、まず技術検証や初期データ収集などを2カ月間で行う企画段階に各5万ドルを授与し、その後の開発段階に進んだ約20チームに、1年間最大30万ドルを追加支援する。採択されたチームは、生徒や保護者、教育関係者からのフィードバックに基づき、AI時代に対応する試作品作成や実証試験を進めていくとし、NSFはデジタル経済を担う人材育成とSTEM分野における競争力強化を後押ししていく方針である。 NSF “Trump Administration Secures an Additional $100 Billion U.S. Semiconductor Manufacturing Investment for a Total of $265 Billion from TSMC” (07/16/26) https://www.commerce.gov/news/press-releases/2026/07/trump-administration-secures-additional-100-billion-us-semiconductor

TSMC、半導体投資に1,000億ドル追加 総額2,650億ドル

商務省(Department of Commerce)は7月16日、台湾の半導体製造大手TSMC社(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company: TSMC)が、アリゾナ州の先端半導体製造・パッケージング施設建設に向け1,000億ドルを追加投資すると発表した。これにより投資総額は2,650億ドルとなり、同社の国内先端製造・パッケージング施設は12拠点に拡大する。初期投資に650億ドル、昨年3月の1,000億ドルの追加投資に続くもので、同省は、今年1月に合意に達した台湾との貿易・投資協定に基づく具体的な成果と強調した。同協定はさらなる台湾企業の対米投資を誘致する契機と期待されており、他の半導体企業などによる2,500億ドルの直接投資に加え、関連する半導体供給網を国内に構築するための2,500億ドルの追加投資も見込んでいる。TSMC社は、米国における長期的需要への対応と説明しており、この投資拡大を通じて、数万人の高水準な雇用創出につながると強調している。 Department of Commerce “Trump Administration Secures an Additional $100 Billion U.S. Semiconductor Manufacturing Investment for a Total of $265 Billion from TSMC” (07/16/26) https://www.commerce.gov/news/press-releases/2026/07/trump-administration-secures-additional-100-billion-us-semiconductor

水力発電の大型変圧器確保に向け、供給網整備が急務 NLR報告

ロッキー国立研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)は7月16日、国内水力発電施設整備における大型電力変圧器(Large Power Transformers: LPT)確保に向け、供給網(サプライチェーン)整備が急務であるとする報告書を発表した。国内消費電力の90%以上が高圧変圧器を経由している現状を指摘した上で、LPT交換・整備に関する9つの課題を特定しており、これによると、主要原材料の80%が輸入に依存していることや、国内製造・組立能力の限界、調達に最長5年かかるリードタイムの長さが深刻なボトルネックとなっているという。また、2021年以降の価格急騰により、2025年には価格が約80%上昇し、1基あたり最大1,000万ドルというコスト面での負担もあることが判明した。さらに10年以上の経験を持つ熟練労働者の不足、山間部などの遠隔地輸送など物流の課題に加え、許認可規制による整備遅延や貿易動向による影響なども挙げており、これらの知見を活かした政策策定が、今後の投資拡大や人材育成に役立てることができると強調している。 NLR “US Hydropower Faces Supply Chain Challenges With Large Power Transformers” (07/16/26) https://www.nlr.gov/news/detail/program/2026/us-hydropower-faces-supply-chain-challenges-with-large-power-transformers

NLRとエクソンモービル社、先進素材の商業化支援プログラムを開始

ロッキー国立研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)は7月16日、エクソンモービル社(ExxonMobil)と共同で、先進素材分野の技術イノベーション商業化支援プログラム「アクセラレート(Accelerate)」を開始したと発表した。建設、蓄電、輸送、エレクトロニクス・コンピューティング分野における、年間10億ドル以上の市場規模を見込める有望な先進素材ソリューションを持った米国拠点の企業育成を目的としており、先進材料技術が性能上の課題にどう対処できるかを模索する。対象となるのはマトリックスやフィラーなどポリマーやその複合材料、相変化材料や冷却液を含む炭化水素、炭素繊維を除く炭素材料、ポリマーセラミックス複合材料を含むセラミックス、電池用電解質材料などの先進素材技術を開発するイノベーターで、採択チームは25万ドル相当の技術支援に加え、NLRのイノベーション・アントレプレナーシップ・センター(Innovation and Entrepreneurship Center: IEC)が持つ科学的知見や提携ネットワークを活用することができる。 NLR “NLR and ExxonMobil Launch Accelerate Program for Advanced Materials Innovators” (07/16/26) https://www.nlr.gov/news/detail/program/2026/nlr-and-exxonmobil-launch-accelerate-program-for-advanced-materials-innovators

CESER、重要インフラ向けAI評価システム「ストームブレイカー」を開発

エネルギー省(Department of Energy)のサイバーセキュリティ・エネルギー安全保障緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)は7月16日、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)と共同で、電力システムや制御技術(Operational Technology: OT)環境における大規模言語モデル(LLM)とエージェント型AIを迅速に評価する動的実証実験用環境(テストベッド)「ストームブレイカー(Stormbreaker)」を開発したと発表した。重要インフラ環境におけるAIモデル性能を評価するLLNL既存のAIテストベッド「ミヨルニア(Mjölnir)」を拡張したもので、同省は従来試験手法とは異なり、環境や設定を変化させながら検証すると説明した。特定条件を系統的に変化させて影響を測定するアプローチやモデルが破綻する限界点を突き止める手法で、AIが防御任務をどの程度支援できるか、また攻撃的・敵対的な状況で利用が可能かなど多角的に検証していくという。 Department of Energy “CESER Releases New Testbed to Advance LLM and Agentic AI Evaluation for Critical Infrastructure” (07/16/26) https://www.energy.gov/ceser/articles/ceser-releases-new-testbed-advance-llm-and-agentic-ai-evaluation-critical