Day: July 29, 2026

ロッキー国立研究所、次世代航空モビリティ導入評価枠組みを公開

ロッキー国立研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)は7月28日、空港や自治体、航空業界などが次世代航空モビリティ(Advanced Air Mobility: AAM)の導入準備状況を評価し、優先課題を特定するための評価枠組みを発表した。インフラ整備、エネルギー供給、蓄電管理、運航体制、政策・計画、投資、サイバーセキュリティなど7分野の準備状況を1から5の段階で評価する仕様で、関係者が現状課題や投資の優先順位を整理する上での共通言語として機能する。空飛ぶタクシーや無人貨物輸送機などの実用化が進む中、NLRはAAMを中核戦略として掲げており、この枠組みが研究から社会実装へと移行するための架け橋になると強調した。また、輸送、エネルギー、インフラへの運用展開に向け、専門知識に基づく個別の技術支援を行うとし、関係機関との連携を通じた開発技術の商業化に向け、本格導入に向けた意思決定を後押ししていく方針である。 NLR “New Advanced Air Mobility Framework Helps Industry Prepare for Future of Flight” (07/28/26) https://www.nlr.gov/news/detail/program/2026/new-advanced-air-mobility-framework-helps-industry-prepare-for-future-of-flight

エネルギー省、リチウムイオン電池再資源化開発に8組を選出

エネルギー省(Department of Energy)の重要鉱物エネルギー・イノベーション局(Office of Critical Minerals and Energy Innovation: CMEI)は7月28日、リチウムイオン電池のリサイクル推進を目的とした「リチウムイオン電池リサイクル賞(Lithium-Ion Battery Recycling Prize)ブレイクスルー・コンテスト」を受賞した8組を発表した。国内における重要鉱物の回収率向上と供給網(サプライチェーン)の強化を図る2019年に開始された取り組みで、新規参入5社とこれまで勝ち進んできた3社が、使用済みリチウムイオン電池の回収や分別、輸送、処理に関するインフラ技術を開発する。受賞チームにはそれぞれ20万ドルに加え、最終審査段階となる第4フェーズ進出に向け、技術検証支援向けに15万ドル相当のバウチャーを付与する。最終的には、最優秀チームに100万ドル、副賞チームに最大300万ドルを授与する予定で、同省は、革新的なアイデアを拡張可能なソリューションへと変え、国内の鉱物供給網を強固にすることへの期待を示している。 Department of Energy “DOE’s Office of Critical Minerals and Energy Innovation Announces Winners of Lithium-Ion Recycling Prize Breakthrough Contest” (07/28/26) https://www.energy.gov/cmei/articles/does-office-critical-minerals-and-energy-innovation-announces-winners-lithium-ion

中央軍とUAE、軍事AI開発でタスクフォース設立へ

ディフェンス・ニュース(Defense News)は7月29日、中央軍(Central Command: CENTCOM)とアラブ首長国連邦(United Arab Emirates: UAE)が、軍事人工知能(AI)アプリの開発推進に向け、2国間タスクフォースを設立すると報じた。新たに設置される「タスクフォース・タロン・シナプス(Task Force Talon Synapse)」はアブダビを拠点とし、軍事AIやデータ、サイバーセキュリティ分野の専門家約20人で構成されるという。今後数週間のうちにも発足する予定で、情報収集や分析機能強化に向けたAI統合や重要インフラの防護、地域安全保障環境の監視に注力していく。UAEはこれまでアンドゥリル・インダストリーズ社(Anduril Industries)と自律型ドローン開発などで協働してきた経緯があり、今回の連携によって迅速かつ大規模イノベーションの創出を目指すと表明した。CENTCOMも声明で、重要地域との連携により、急速に進展するAI技術を現場の兵士に届ける歴史的な節目になると強調している。 Defense News “US Central Command, UAE to launch artifical intelligence task force” (07/29/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/07/28/us-central-command-uae-to-launch-artifical-intelligence-task-force/

原子力スタートアップの資金調達が急増

アクシオス(Axios)は7月28日、核分裂や核融合技術開発を手掛ける原子力スタートアップ企業へのベンチャー投資が急増していると報じた。市場調査会社のピッチブック社(PitchBook)によると81社に対する2026年の世界投資額が45億ドルを超え、過去最高だった昨年の62億ドル(93社)を上回る見通しという。マイクロ炉開発のアンタレス社(Antares)が3億7,000万ドルの資金を調達した例が顕著で、電力需要急増に加え、先行投資組による市場独占への懸念から参画を急ぐ動きが高まりつつある。原子力規制委員会(U.S. Nuclear Regulatory Commission: NRC)による承認手続きに長期間かかることから、トランプ大統領は新規参入を促すため、手続きを18ヵ月へ短縮するなどの支援を進めており、これが好感されているとみられる。ただし、投資家は豊富な資金力を持つ企業への投資を強化しているとみられ、記事は、今後大手を中心に業界が集約される可能性を指摘している。 Axios “Nuclear energy startup funding is heating up” (07/29/26) https://www.axios.com/2026/07/28/nuclear-energy-venture-capital

AI関連特許が10万件を突破 エージェント技術が急増

アクシオス(Axios)は7月28日、2025年に世界で発行された人工知能(AI)関連の特許数が初めて10万件を超え、特に自律型AIエージェントの特許出願数が急増していると報じた。特許情報調査会社のIFIクレームズ・パテント・サービス社(IFI Claims Patent Services)の集計データを基にしたもので、AI関連の特許取得数は3年前から83%増加し、10万7279件に達した。生成AIが全体の16%を占める一方、自律型AIエージェント関連の特許出願は前回の7%から15%へとシェアを伸ばした。国内企業別の出願件数では、AI特許でサムスン電子社(Samsung Electronics)、エージェント型AI特許ではエヌビディア社(Nvidia)が首位となった一方で、オープンAI社(OpenAI)などの新興企業は特許申請に慎重で、独自技術の保護を優先する傾向がみられるという。IFIクレームズ・パテント・サービス社は技術の急速な進化に伴い、企業ごとに知的財産の保護戦略が分かれていると指摘し、世界全体でAI特許の増加する一方で国内新規取得数は横ばい傾向にあると伝えた。 Axios “Exclusive: Patents for AI agents accelerate” (07/28/26) https://www.axios.com/2026/07/28/patents-ai-agents-nvidia-huawei-google-microsoft

NSF、AI・サイバーセキュリティ人材育成奨学金を開始

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は7月28日、人工知能(AI)とサイバーセキュリティに精通した人材の育成と教育推進を目的とする「サイバーAIコープス奉仕奨学金(CyberAICorps Scholarship for Service: CyberAI SFS)」プログラムの第1弾となる助成先を選定したと発表した。近年サイバー防衛や関連リスクが拡大していることを背景に、従来のプログラム内容を大幅拡張するもので、脅威検知やデジタル・フォレンジックにおけるAI活用に加え、サイバー攻撃に耐えうる堅牢なAIシステムの開発が可能な専門家を育成する。初回対象としてアリゾナ州立大学(Arizona State University)など全米14の大学及びプロジェクトを選出し、各大学に学際的な教育カリキュラムや実習型体験学習を導入する。特に実践的な技術と知見を備えた人材育成に焦点を当てており、受給学生には奨学金給付とともに手厚いキャリア支援を提供し、連邦や地方自治体などの公的機関における即戦力として輩出される見通しである。 NSF “NSF announces first awards to advance AI and cybersecurity education and workforce development through CyberAICorps Scholarship for Service Program” (07/28/26) https://www.nsf.gov/news/nsf-announces-first-awards-advance-ai-cybersecurity

アルゴンヌ国立研究所所長、退任へ 後任選考を開始

アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)は7月27日、ポール・カーンズ所長(Paul K. Kearns)が2027年3月末で退任すると発表した。これを受け、運営主体のユーシカゴ・アルゴンヌ社(UChicago Argonne)が次期所長の国際公募を開始する。同氏は2010年に最高執行責任者としてANLに入所し、2017年に所長に就任して以来、約10年間に亘り研究体制の拡張や科学施設の改修を主導した。在任中は、シンクロトロンX線光源の「先端光子(フォトン)光源(Advanced Photon Source: APS)」の刷新をはじめ、エクサスケール級スパコン「オーロラ(Aurora)」の導入、量子情報科学研究センター(Q-NEXT)の立ち上げを進めた。また計算科学、人工知能(AI)におけるイノベーションなどAI活用による科学的発見を後押しするなど様々な国家施策の推進に貢献し、同研究所を世界的科学拠点としての地位確立へ導いた。なお、同研究所によると、後任の引き継ぎ状況に応じて、同氏の退任が早まる可能性もあるという。 ANL “Paul K. Kearns to retire as director of Argonne National Laboratory after nearly a decade of distinguished leadership” (07/27/26) https://www.anl.gov/article/paul-k-kearns-to-retire-as-director-of-argonne-national-laboratory-after-nearly-a-decade-of

エネルギー省、核燃料サイクル改修・整備で5州選定

エネルギー省(Department of Energy)は7月28日、国内の核燃料サイクルを整備強化する取り組み「原子力ライフサイクル・イノベーション・キャンパス(Nuclear Lifecycle Innovation Campuses)」の誘致候補地として、ユタ、テネシー、オクラホマ、ルイジアナ、アイダホの各州を選定したと発表した。国内製造業拡大や雇用促進を支援する取り組みの第1弾で、申請があった26州28件の中から選ばれた5州と覚書を締結した。各州が燃料製造や濃縮、使用済み燃料の再処理から最終処分に至る全工程を担う計画で、州の優先事項に応じて次世代原子炉の導入やデータセンターの併設なども検討していく。施設設置により最大で500億ドルの民間・資本投資の誘致と100億ドルの州・地方税収が見込まれるほか、約2万5000人の新規雇用が創出される見通しとし、クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)は、これらのキャンパスが地域経済を牽引し、全米規模での原子力ルネサンスの推進に直結する重要な拠点になると強調している。 Department of Energy “Nuclear Lifecycle Innovation Campuses Contenders Announced” (07/28/26) https://www.energy.gov/articles/nuclear-lifecycle-innovation-campuses-contenders-announced