エネルギー省、石炭及び石炭副産物由来の希土類元素の研究に690万ドルを助成

エネルギー省(Department of Energy)の化石燃料局(Office of Fossil Energy)は6月9日、2つの助成を通じて希土類元素(rare earth element: REE)の研究に690万ドルを投資すると発表した。発表によれば、国内の石炭及び石炭副産物から販売可能なREEを生産することを狙いとした3件の研究プロジェクトが約300万ドルを受益する。エネルギー省はまた、REEの分離及び抽出プロセスを加速させることを目的に、3件の新しいトピック分野(REEの初期抽出を目的とした先端技術開発、REEの初期抽出のための現在の最新分離技術の最適化など)のプロジェクトに395万ドルを助成する用意があると発表した。 Department of Energy “DOE Announces $6.9 Million for Research on Rare Earth Elements from Coal and Coal Byproducts” (6/9/17)

NIH、大手研究室のグラント受給額に上限を設定する論争的な方針を廃止へ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は去る5月2日に、研究者が受益できる金額に上限を設定することを狙いとした方針を発表していたが、6月8日、この方針を廃止することを発表した。代わりに、若手・中堅の研究者からの提案に年間10億ドル(NIHの全予算の約3%)のグラントを提供する計画を採択したという。5月2日発表の方針では、グラント支援指標(Grant Support Index: GSI)を使って上限を設定し(標準的なR01グラント3件に相当)、それ以上の資金は若手・中堅研究者へと回すというものであったが、これに対して「極めて生産的な研究室が削減されるのではないか」「共同研究が敬遠され、意図しない影響をもたらすのではないか」との懸念が上がっていた。これを受けてNIHは、GSIを止めて「新世代研究者イニシアチブ(New Generation Researchers Initiative)」を開始し、いずれは年間10億ドルを若手・中堅研究者の提案プロジェクト助成に充てる計画だという。 Science “Updated: NIH abandons controversial plan to cap grants to big labs, creates new fund for younger scientists” (6/8/17)

エネルギー省、水素及び燃料電池技術のイノベーションに1,580万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は6月8日、車載燃料電池のための水素生産及び貯蔵に必要とされる新規かつ低コストのマテリアルの発見と開発を狙いとした30件の新規プロジェクトに、合計約1,580万ドルを投資すると発表した。受益プロジェクトは、エネルギー省のエネルギー・マテリアル・ネットワーク(Energy Materials Network: EMN)の下で発足した国立研究所のコンソーシアムを活用する。具体的には、①電極触媒作用コンソーシアム(Electrocatalysis Consortium)を活用し、白金属元素を使わない触媒及び電極の研究開発に取り組むプロジェクト(4件)、②HydroGENコンソーシアムを活用して先端の水分離マテリアルの開発に取り組むプロジェクト(19件)、など4つのトピックに分類できる。 Department of Energy “Energy Department Announces $15.8 Million Investment for Innovation in Hydrogen and Fuel Cell Technologies” (6/8/17)

エネルギー省の元高官や業界のリーダーが議会に同省の研究予算保護を要請

石油会社幹部や企業リーダーなど14名は6月8日、エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)と議会宛てに書簡を送り、大統領の予算教書で提案されたエネルギー省の予算削減は、米国の国家安全保障及び経済に甚大な影響をもたらすであろうと警告し、予算担当議員はエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)や研究開発プログラムに助成するよう要請した。書簡は、超党派政策センター(Bipartisan Policy Center)と米国エネルギー・イノベーション評議会(American Energy Innovation Council)がまとめたもので、上下両院の予算委員会の民主・共和両指導者へ送られた。書簡に石油会社と低炭素産業を代表するリーダーが共に署名している点は異例である。また同日には、1989~2017年にエネルギー省のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy: EERE)を率いた7名の元次官補が、予算担当議員及びペリー長官に、同省の予算削減は雇用削減とグリッドの信頼性などの分野で進展の停滞をもたらし得ると警告する書簡を送付した。 IMD “New competitive global elite emerges in IMD business school’s latest world competitiveness ranking” (May 2017)

行政府はオープン・イノベーションを支援するガイダンスを開発しているが改善の余地があるとの報告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「オープン・イノベーション:行政府は実施を支える資源を開発しているが、ガイダンスは優れた慣行をより良く反映させることが可能(Open Innovation: Executive Branch Developed Resources to Support Implementation, but Guidance Could Better Reflect Leading Practices)」と題する報告書を発表した。連邦政府は外部者が持つ知識や技能を活用する「オープン・イノベーション」を活用しており、これらの戦略を支援するため、一般調達局(General Services Administration: GSA)、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は、ガイダンスを策定している。しかしGAOによれば、これらのガイダンスは、オープン・イノベーション・プロジェクトを効果的に実施するための優れた慣行が十分に反映されていないという。GAOはこれらの機関にガイダンスの見直しを行うよう勧告している。 Government Accountability Office “Open Innovation: Executive Branch Developed Resources to Support Implementation, but Guidance Could Better Reflect Leading Practices” (6/8/17)

リソース・フォー・フューチャー(RFF)、温室効果ガス排出削減の恩恵の鍵となる試算を更新へ

リソース・フォー・フューチャー(Resources for the Future: RFF)は6月8日、3年間にわたり、炭素の社会的費用を更新するイニシアチブを開始すると発表した。炭素の社会的費用は、気候変動に寄与する炭素排出に影響を及ぼす政策やその他の取り組みの恩恵を評価する際に使われる重要な試算である。本来、学術機関で考案されたものだが、近年は連邦政府内で採択、統一的に利用され、数回にわたって更新されている。米国政府は様々な規則提案及び最終規制措置で、連邦政府の行動が気候変動にもたらす影響を算出する際に炭素の社会的費用を利用していた。連邦政府の試算は外国政府にも採用され、州レベルの制作判断への情報提供としても利用されつつある。 Resources for the Future “RFF Launches Initiative to Update Key Estimate of Benefits of Reducing Greenhouse Gas Emissions” (6/8/17)

トランプ大統領、OECD大使にスカラムッチ氏を選出か

情報筋によれば、トランプ大統領は、スカイブリッジ・キャピタル社(SkyBridge Capital)の創立者であるアンソニー・スカラムッチ氏(Anthony Scaramucchi)を経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and Development: OECD)大使に指名する予定である。スカラムッチ氏は、トランプ氏の大統領選挙で資金調達に努力し、政権移行期間中は定期的なアドバイザーを務め、しばしばテレビ出演してトランプ大統領を擁護している。過去には、トランプ大統領はスカラムッチ氏をホワイトハウス内の公共関与局(office of public engagement)のトップに選出したと報じられたことがあったが、スカラムッチ氏は最終的に同ポジションは得られなかった。 Bloomberg “Trump Picks Scaramucci to Be Ambassador to OECD, Sources Say” (6/8/17)

技術系企業のCEO、クシュナー氏主導のサミットに出席予定

情報筋によれば、複数の大手技術企業の幹部は、6月19日にホワイトハウスで開催される「米国技術評議会(American Technology Council)」の初会合に出席するという。この評議会は、トランプ大統領が設立したもので、政府の情報技術及びデジタル・サービスを変革・近代化することに取り組む。その議長は、ジャレッド・クシュナー氏(Jared Kushner)が任命されている。初会合には11社が招待されており、その中には、アップル社(Apple)、マイクロソフト社(Microsoft)、アマゾン・ドット・コム社(Amazon.com)、IBM社といった大手技術企業の最高経営責任者(CEO)などが含まれる。技術系企業は、トランプ大統領による移民政策や最近のパリ気候協定離脱に反対を表明しているが、評議会には出席する見通しである。 Bloomberg “Tech CEOs Cook, Bezos, Catz Said to Attend Kushner-Led Summit” (6/8/17)

カリフォルニア州知事、中国との間で気候合意に署名

カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事(Jerry Brown)は6月6日、トランプ大統領によるパリ気候協定離脱は、温室効果ガス排出削減努力にとって、一時的な後退に過ぎないことが証明されるであろう。なぜなら、世界が本問題に緊急に取り組まない限り、参事は引き続き迫りつつあるのだから」と述べた。北京で開催中のクリーン・エネルギー会議に出席したブラウン知事はAP通信に、「現在のところ、本問題でリーダーとなることを放棄した連邦政府による穴は、中国、欧州諸国、米国の州知事が埋めることになるであろう」と述べた。トランプ大統領によるパリ気候協定離脱は、米国内外(中国を含め)から大きな批判を受けている。こうした中、中国の万鋼(ワン・ガン)科学技術大臣とブラウン知事は、気候変動対策で更なる協力を要請する合意文書に署名した。 Business Insider ” California’s governor signs a climate agreement with China” (6/6/17)

トランプ大統領、現NIH長官を保持へ

トランプ大統領は6月6日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフランシス・コリンズ現長官(Francis Collins)を保持することを発表した。同長官は2009年にオバマ大統領(当時)によって任命され、トランプ大統領就任後は暫定的に長官職に留まるよう依頼されていた。議員の中の一部保守派は、胚性幹細胞研究を支持するコリンズ長官を解雇するよう要請していた。コリンズ長官は、辞任を要請された場合は、フルタイムの研究に戻るとの意向を表明していた。コリンズ長官が率いるNIHの予算は346億ドルだが、トランプ政権は2018年度に22%の削減を望んでいる。 Science “Trump retains Collins as NIH director” (6/6/17)