NIH、大手研究室のグラント受給額に上限を設定する論争的な方針を廃止へ

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は去る5月2日に、研究者が受益できる金額に上限を設定することを狙いとした方針を発表していたが、6月8日、この方針を廃止することを発表した。代わりに、若手・中堅の研究者からの提案に年間10億ドル(NIHの全予算の約3%)のグラントを提供する計画を採択したという。5月2日発表の方針では、グラント支援指標(Grant Support Index: GSI)を使って上限を設定し(標準的なR01グラント3件に相当)、それ以上の資金は若手・中堅研究者へと回すというものであったが、これに対して「極めて生産的な研究室が削減されるのではないか」「共同研究が敬遠され、意図しない影響をもたらすのではないか」との懸念が上がっていた。これを受けてNIHは、GSIを止めて「新世代研究者イニシアチブ(New Generation Researchers Initiative)」を開始し、いずれは年間10億ドルを若手・中堅研究者の提案プロジェクト助成に充てる計画だという。
Science “Updated: NIH abandons controversial plan to cap grants to big labs, creates new fund for younger scientists” (6/8/17)