NIHのスパコンがアップグレードされる

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のスパコンがアップグレードされ、癌や糖尿病、精神衛生、その他の医療に関する膨大なデータを更に深く掘り下げて調査することが可能になった。具体的に、CSRA社が8月2日、NIHの情報技術センター(Center for Information Technology)にあるバイオウルフ・システム(Biowolf system)の第二部を設置したと発表している。この高性能コンピューティング・システムは、ゲノミクス関連の膨大な量のコンピューティング処理を行い、バイオメディカル研究で利用されることを意図している。CSRA社の幹部によれば、今回のアップグレードにより、NIHのスパコン能力は従来のバイオウルフの実質2倍になるという(CSRA社は、バイオウルフのハードウェア及び一部のサポートを提供する複数年契約の主要企業)。 Nextgov “NIH’s Supercomputer Gets An Upgrade” (8/3/17)

連邦政府が「気候変動」の用語を検閲

ガーディアン紙(Guardian)が入手した、農務省(U.S. Department of Agriculture: USDA)の天然資源保全サービス(Natural Resources Conservation Service: NRCS)のスタッフ間で交わされている一連のEメールは、トランプ政権が連邦職員が使用する気候変動関連用語に大きな影響を及ぼしていることを示している。NRCSの土壌健康担当ディレクター(director of soil health)による文書は、使用を回避すべき用語とそれに代わるべき用語の一覧を示しており、それによれば、「気候変動」は回避すべき用語で、「過度の天候(weather extremes)」に置き換え、「気候変動適応(climate change adaption)」は、「過度の天候への対応力(resilience to weather extremes)」に置き換えるよう求めるなどしている。また、トランプ大統領就任直後にNRCSのプログラム担当副部長(deputy chief for programs)が上級職員向けに送ったEメールには、「過去の政権の優先事項が新政権のそれと一致しないことは明白である。具体的に、その優先事項は気候変動である。スタッフがこの見解のシフトを認識していることを明確にしていただきたい」と書かれていた。 Guardian “US federal department is censoring use of term ‘climate change’, emails reveal” (8/7/17)

科学者、単刀直入な気候報告書をトランプ政権が却下することを懸念

13の連邦機関の科学者達が草案した気候変動報告書は、「米国内の平均気温は、1980年以来急速かつ劇的に上昇しており、ここ数十年は過去1500年で最も温暖となっている」とし、「米国民は現在、気候変動の影響を感じている」と述べている。この報告書は、今年作成が完了したもので、議会によって4年ごとの作成が義務付けられている「全国気候評価(National Climate Assessment)」の特別科学セクションである。米国科学アカデミー(National Academy of Science: NAS)が本草案に署名をし、トランプ政権による公表の許可を待っているところであるが、その内容は、「人的要素が気候変動に寄与しているという考え方は不確かであり、その影響を予測する能力は限定的である」との見解を持つトランプ大統領及び政権閣僚の主張と相反する。こうしたことから、一部の科学者は、報告書はトランプ政権によって変更あるいは抑圧されるのではないかと懸念している。 New York Times “Scientists Fear Trump Will Dismiss Blunt Climate Report” (8/7/17)

シュワルツェネッガー氏、トランプ大統領の気候政策に対抗するイニシアチブを発表

元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏(Arnold Schwarzenegger)は8月4日、トランプ大統領によるパリ気候協定離脱に対抗する野心的な全国的取り組みを発表した。これは、全国の議員を対象に、州及び地方自治体レベルで実質的な気候変動法案を可決させるための包括的なツール・セットを提供するものである。このツール・セットは当初、「デジタル環境法案ハンドブック(digital environmental legislative handbook)」と呼ばれたもので、環境に関する様々な行動の法案準備を支援することを目的に、法律・法案研究や投票歴、法案文面、データの包括的リストが含まれている。このツールは、USCシュワルツェネッガー研究所(USC Schwarzenegger Institute)と全国環境立法者コーカス(National Caucus of Environmental Legislators)によって開発された。シュワルツェネッガーは、トランプ大統領が就任して以来、一部の環境規制を撤回させようとするホワイトハウスと環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)に対抗するため、気候変動問題で国際的な行動の呼びかけを行っている。 Politico “Schwarzenegger unveils initiative to tweak Trump on climate” (8/4/17)

ダン・ブルイレット氏がエネルギー省副長官に就任

8月7日、ダン・ブルイレッテ氏(Dan Brouillette)がエネルギー省(Department of Energy)の副長官(Deputy Secretary)に就任した。同氏は、官民セクターで30年に及ぶ経験がある。前職は、軍関係者向け金融サービスで最大手のUSAA社で上級副社長(Senior Vice President)及び公共政策のトップを務めた。その前には、フォード自動車(Ford Motor Company)で副社長を務め、国内政策チームを主導するなどしていた。また、民間に移る前には、下院エネルギー・商務委員会(House of Representatives Committee on Energy and Commerce)の首席補佐官(Chief of Staff)やエネルギー省の次官補(議会・政府間問題担当。Assistant Secretary for Congressional and Intergovernmental Affairs)など、連邦政府内で数多くの役職を務めていた。 Department of Energy “Dan Brouillette Sworn in as Deputy Secretary of the United States Department of Energy” (8/8/17)

DARPAの戦略技術局、「モザイク戦争」のビジョンを発表

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)の戦略技術局(Strategic Technology Office: STO)は、未来の紛争の抑止あるいは勝利につながる新たな戦法のビジョンを発表した。これは、「米国が持つ伝統的な非対称(=圧倒的な)技術の優位性は、それらに匹敵するハイテク・システム及び部品への世界的なアクセスが増加している現在、戦略的価値が低下している」との認識に基づくものである。新たに発表された非対称優位性のビジョンは、「早急に組み立て可能な低コストのセンサー・ネットワークや、マルチ・ドメインのコマンドと制御ノード、共同的な有人・無人システムを介した、パワフルな非対称兵器の構築」であり、STOの高官は、「これは、個々の要素がリアルタイムでニーズに対応する形で組み立てられ、理想的なアウトカムを創出するもので、『モザイク戦(mosaic warfare)』と考えることができる」と述べている。 Defense Advanced Research Project Agency “Strategic Technology Office Outlines Vision for “Mosaic Warfare”” (8/4/17)

エネルギー省、新たに1件のメガ・バイオ助成を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月2日、「メガ・バイオ:バイオ燃料を実現するバイオ製品助成機会(MEGA-BIO: Bioproducts to Enable Biofuels Funding Opportunity)」の下、4件目となる助成を発表した。今回の助成額は最高180万ドルとなっている。メガ・バイオは、2016年8月に行われた初期ラウンドで3件のプロジェクトに助成を行っており、今回で助成金額は合計1,310万ドルとなる。今回受益するプロジェクトは、ミシガン州立大学(Michigan State University)がウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)及びMBIインターナショナル社(MBI International)と提携し、バイオマスを2つの中間ストリーム(炭化水素燃料生産のための糖類と、複数の付加価値化学物質生産に使われるリグニン)に分解する二段階プロセスの最適化に取り組む。 Department of ENergy “Energy Department Announces Additional MEGA-BIO: Bioproducts to Enable Biofuels Award” (8/2/17)

エネルギー省、エネルギー効率フロンティア&イノベーション技術の構築(BENEFIT)助成を発表

エネルギー省(Department of Energy)の建造物技術局(Building Technologies Office: BTO)は、先端建造物技術及びシステムの研究開発(初期段階)でイノベーションを促進する13件のプロジェクトに、最高1,580万ドルを投資すると発表した。これらの研究開発は、将来の技術開発及び建造物のエネルギー消費削減の土台となることが期待されている。今年の「エネルギー効率フロンティア&イノベーション技術の構築(Building Energy Efficiency Frontiers & Innovation Technologies: BENEFIT)」助成を受益するのは、暖房/換気/空調/冷蔵(heating, ventilation, air conditioning, and refrigeration: HVAC&R)のプロジェクトが6件、センサー/コントロール/データ/モデリングのプロジェクトが5件、窓及び窓枠のプロジェクトが2件となっている。 Department of Energy “Department of Energy Announces Building Energy Efficiency Frontiers & Innovation Technologies (BENEFIT) Funding Awards” (8/2/17)

NSF EPSCoR、生命体の遺伝子と物理的特性の関係の理解を目的とした新プロジェクトに助成

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、生命体における遺伝子型(遺伝物質)と表現型(遺伝子発現及び環境の影響による物理的特性)の関係を理解する研究の能力強化を狙いとした8件のプロジェクトに助成を行うと発表した。助成金額は合計4,170万ドルとなっている。遺伝子型と表現型の関係は、様々な産業及び科学部門(医薬、農業、バイオテクノロジーなど)に重大な社会的及び経済的意味合いを持ち、この関係をより良く理解することは、作物生産の向上や人間の疾病リスクの予測、新たな医薬治療などの可能性につながる。本助成は、NSFの「競争的研究を促進する実験的プログラム(Experimental Program to Stimulate Competitive Research: EPSCoR)」の研究インフラ改良(Research Infrastructure Improvement: RII)トラック2(Track-2)の一環として行われ、モンタナ大学(University of Montana)、ネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska-Lincoln)などが受益プロジェクトのリード機関となっている。 National Science Foundation “NSF EPSCoR awards new projects to help understand connections between genes and organisms’ characteristics” (8/2/17)

エネルギー省、民間部門によるエネルギー・イノベーション支援の促進を目的として11件のプロジェクトに助成を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月1日、民間部門によるエネルギー・イノベーション資源を開放するため、11件のプロジェクトに合計780万ドルを提供すると発表した。エネルギー省の「革新的パスウェイ(Innovative Pathways)」プログラムを通じて行われるこれらのプロジェクトは、新興技術をエネルギー産業に統合するための新たな手法と、米国のエネルギー・イノベーションを支える民間資本を開放するための新たなモデルを開発・試験することを狙いとする。受益プロジェクトの一例として、標準化されたシンプルなパートナーシップ合意(大手企業と初期段階の技術デベロッパーのパートナーシップを形成するために必要な時間と複雑さを削減)の開発に取り組むアクティベーション・エネルギー社(Activation Energy)、中小企業の未知の可能性にアクセスを試みるADLベンチャーズ社(ADL Ventures)などがある。 Department of Energy “Energy Department Announces Eleven Projects to Boost Private-Sector Support of Energy Innovation” (8/1/17)