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September 2026

エネルギー省、核廃棄物集約・中間貯蔵に向け新構想

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は9月29日、エネルギー省(Department of Energy)が、使用済み核燃料を管理する「核ライフサイクル・イノベーション・キャンパス(Nuclear Lifecycle Innovation Campuses: NLIC)」新設に向けた法改正を議会に要望したと伝えた。国内唯一の核廃棄物処分場であるネバダ州ユッカマウンテンでの使用済み核燃料の長期保管に関して、地元が強く反対しており、暫定的な保管が続いていることから、この代替施設建設の必要性があるとしている。同省は受け入れに同意した州への中間貯蔵や再処理、最終処分を統合した新施設建設により、510億ドルの民間投資誘致や2万5,000人の雇用創出につなげる計画で、26州が同省の誘致要請に応じている。うちアイダホ州やルイジアナ州、オクラホマ州、テネシー州、ユタ州、ウェストバージニア州は拘束力のない覚書(MOU)に署名したが、同省は再処理によるプルトニウムとウラン回収も、再処理後残った放射性物質の永久処分場所となる可能性についても触れている。 AIP “DOE Floats Nuclear Waste Consolidation Plan Amid Staffing, Oversight Concerns” (09/29/26) https://www.aip.org/fyi/doe-floats-nuclear-waste-consolidation-plan-amid-staffing-oversight-concerns

政府機関は中小企業助成のデータ報告義務周知を GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月29日、中小企業イノベーション研究(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転(Small Business Technology Transfer: STTR)制度に関する報告書を公表し、製品化実績データの不備を改善するよう勧告したと発表した。これによると、両プログラムを通じ、2024年度は11機関から44億ドルが助成されたが、企業が成果を提出した割合は過去の助成案件の半数未満にとどまっていることがわかった。中小企業は助成支援を受けた活動に関する報告を中小企業庁(Small Business Administration: SBA)に報告することが義務付けられているが、各企業はそのことを認識しておらず、同庁もデータの検証手段を欠いているという。こうした背景から、GAOは参加機関に対し、応募者へ成果報告の周知とその証明提出を義務付けるよう求めたほか、SBAにはデータの信頼性向上に向けた法的措置などの推進を勧告し、連邦予算による研究開発投資の経済的還元を可視化する重要性を強調している。 GAO “Small Business Research Programs: Better Data Could Improve Insight into Companies’ Success” (09/29/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108750

DIU、低コスト空中偵察・監視システムの提案募集を開始

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は9月29日、低コストかつ高性能な空中情報・監視・偵察(Aerial Intelligence, Surveillance, and Reconnaissance: ISR)ソリューションの提案募集を開始したと発表した。従来機は高価格かつ発着陸場所確保の必要性により、危険地域などへの大規模配備が困難であることから、過酷な環境でも発進可能で機体に搭載した複数センサーにより収集した高精度情報を送信可能な中・長時間対空型の無人航空機システム(Unmanned Aerial Systems: UAS、ドローン)を求めている。具体的には3~24時間以上の耐久性に加え、様々な気象条件下でも対応可能かつ、現場における即座の意思決定を可能にする技術を開発した企業に総額1億ドルの賞金及び初期追加入札枠を用意している。さらに運用や量産化に向けて最大2億5,000万ドルを投じる計画で、2段階の飛行実証試験を通じて評価を進め、低コストかつ拡張性のある偵察能力の早期配備を図る方針である。 DIU “Low Cost ISR (LC-ISR)” (09/29/26) https://www.diu.mil/work-with-us/submit-solution/PROJ00711

CESERとアイダホ国立研究所、大型変圧器の耐震試験を開始

エネルギー省(Department of Energy)のサイバーセキュリティ・エネルギー安全保障緊急対応局(Office of Cybersecurity, Energy Security, and Emergency Response: CESER)は9月29日、同省電力局(Office of Electricity: OE)及びアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)と連携し、稼働中の230キロボルト(kV)電力用変圧器を用いた世界初の耐震試験を実施すると発表した。カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California San Diego)の世界最大級の大型高性能野外振動台(Large High-Performance Outdoor Shake Table: LHPOST)を活用し、地震時における機器の動作を検証する。自然災害や様々な動的脅威に対応する大統領令に基づく取り組みで、地震などの影響による停電や公共システム停止などの社会インフラ麻痺だけでなく、損傷した重要インフラ修繕に5年以上かかるリスクを踏まえた内容で、得られた試験データは設計改善や減震技術の開発に反映され、基幹電力網の耐震性向上に役立てられる方針である。 Department of Energy “CESER and Idaho National Laboratory are Testing Power Transformers Against Earthquakes” (09/29/26) https://www.energy.gov/ceser/articles/ceser-and-idaho-national-laboratory-are-testing-power-transformers-against

NNSAとJIATF-401がドローン脅威対抗で連携を強化

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は9月29日、国防総省(Department of Defense)の省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)と対小型無人航空機システム(C-UAS、ドローン)の技術・運用情報の共有強化に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。進化するドローン脅威から核施設や研究所などの国家安全保障上の重要インフラを保護することが目的で、JIATF 401が進めるドローン試験・評価の標準化に向けた取り組みを補完する内容となっている。試験データや現場知見を相互共有することで重複試験を削減し、小型ドローン開発・配備展開を加速する計画で、現場への迅速な最先端技術投入実現を図る。その上で、JIATF-401が3月に定めた評価基準を採用してデータ集約を進めていく計画で、この協定締結により、税金を有効活用して高度迎撃技術の早期配備を進めていく方針である。 Department of Energy “NNSA and the Joint Interagency Task Force 401 Strengthen Partnership to Counter Drone Threats” (09/29/26) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-and-joint-interagency-task-force-401-strengthen-partnership-counter-drone

主要STEM賞受賞者、留学生など海外出身が大半 CSET調査

安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は9月14日、国内の科学・技術・工学・数学(Science, Technology, Engineering, Mathematics: STEM)分野における国際人材の受け入れ経路を分析した調査報告書を公表した。これによると2014年から2024年にノーベル賞やその登竜門であるラスカー賞ほか、チューリング賞などのSTEM賞を受賞した米国在住者550人のうち47%が外国出身で、その約3分の2が留学生であったことがわかった。また残り3分の1もほぼ全員が博士研究員(ポスドク)や客員研究員として米国に来ており、米国の高等教育機関が世界最高峰の人材を引きつける極めて重要な人材獲得経路として機能しているという。一方で、入国規制やオプショナル・プラクティカル・トレーニング(Optional practical training: OPT、留学生に対する専攻分野での職業体験)の制限といった現政権による政策変更がこれらの経路を阻んでいるとし、CSETは科学技術分野での国際的な優位性維持に向け、若手研究者育成が重要になると指摘した。 CSET “How Global Talent Pathways Shape U.S. STEM Award Achievement” (09/14/26) How Global Talent Pathways Shape U.S. STEM Award Achievement

ニューヨーク州、蓄電と再エネ事業を多数選定 州目標に変更なし

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月28日、ニューヨーク州エネルギー研究開発局(New York State Energy Research and Development Authority: NYSERDA)が総容量約1.7ギガワット(GW)のクリーンエネルギー事業21案件を選定したと報じた。大型蓄電池事業として州初となる4~8時間放電可能な950メガワット(MW)規模のリチウムイオン電池事業を採択したほか、総容量719MW規模の太陽光や風力、水力発電などの再エネ事業を特定した。特に州内の事業用蓄電池容量を倍増させる計画で、各事業ともに2030年までの運転開始を目指す。州のクリーンエネ目標達成が遅延する中、今年初めに温室効果ガス削減目標達成の期限を延期したが、2030年までに再エネ比率を70%にする州目標は変更していないとし、今年末までに2回目の大規模蓄電に関する提案依頼書を発行し、総容量3GWを調達する意向を示している。同局は、この取り組みにより37億ドル以上の民間投資を呼び込むことで、1,000人の雇用創出につながると強調した。 Utility Dive “NYSERDA taps 950 MW lithium batteries, 700 MW renewables” (09/28/26) https://www.utilitydive.com/news/nyserda-taps-950-mw-lithium-batteries-700-mw-renewables/831455/

パデュー大学、原子炉の遠隔自動制御実験に成功

エネルギー専門のパワー誌(POWER)は9月23日、パデュー大学(Purdue University)の研究チームが研究用原子炉を用いた遠隔自動出力制御実験に全米で初めて成功したと報じた。インディアナ州にある同大学の小型研究用原子炉「PUR-1」を基盤とし、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)のディープリンクス(DeepLynx)高度データ・制御基盤と、バージニア州にあるマイクロソフト社(Microsoft)のクラウドシステム「アジュール(Azure)」を連携させて実施した。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(University of Illinois Urbana-Champaign)はノード間のデータ処理を支援した。研究チームは2023年に開発した同大学のデジタルツイン技術を活用し、遠隔地からのリアルタイム監視と出力調整を実証したもので、得られた成果は特殊炉運用や月面での利用などに向けた小型モジュール炉(SMR)やマイクロ炉の自動運転及び効率的なリアルタイムでの遠隔運用を実現する上で重要な技術的裏付けとなるという。 POWER “Purdue Nuclear Reactor Test Demonstrates Remote, Automated Power Control” (09/23/26) https://www.powermag.com/purdue-nuclear-reactor-test-demonstrates-remote-automated-power-control/

AI人材競争で米中のリード拡大 CEIP調査

カーネギー国際平和財団(Carnegie Endowment for International Peace: CEIP)傘下のシンクタンク、カーネギー・チャイナ(Carnegie China)は9月23日、世界の人工知能(AI)人材の動向を分析した最新調査報告書を公表した。これによると、中国が世界最大のAI人材供給源としてリードを拡大しており、中国で学士号を取得した2025年のAI人材割合は2022年と比較して11ポイント増の57%に達したことが明らかになった。一方の米国出身者の割合は13%に低下したものの、米国はAI人材にとって依然魅力的な環境と認識されており、米国で働くAI研究者に占める中国出身高度AI研究者の割合も2025年に4%増となった。一方で、昨今の米国によるビザ規制強化や産業強化策により、中国人研究者が母国で働く割合は2022年の57%から2025年には69%に増加した。このほか、韓国やシンガポールが台頭する一方、欧州やインドの主要機関は存在感を低下させた。 Carnegie China “Who’s Ahead in the Global AI Talent Race?” (09/23/26) https://carnegieendowment.org/china/features/whos-ahead-in-the-global-ai-talent-race

トランプ政権、NIH助成への介入計画を見直しへ

デジタルニュース・メディアのセマフォー(Semafor)は9月24日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)による研究助成の交付決定に対する政府による関与権限を強める大統領令の初期計画を緩和する方向で調整に入ったと報じた。当初の計画では、多様性や公平性を重視する(DEI)施策の抑制に向け、助成交付への直接的な関与権限を政府に付与する方針であったが、スーザン・コリンズ上院歳出委員長(Susan Collins、メイン州選出共和党)やスージー・ワイルズ主席補佐官(Susie Wiles)らの反発を受け、大統領府は見直しを余儀なくされつつあるという。政権側は「科学への政治介入」の批判を回避する形で、見直しを模索している模様で、中間選挙後にあらためて検討した上で大統領令を出すことも検討しているとの関係者の見方があるものの、法的効力の問題や12月11日に継続決議可決などのスケジュールも考慮すると、撤回はやむを得ないとの見方が広がっているという。 SEMAFOR “Exclusive / Trump administration backing off NIH grant order amid pushback” (09/24/26) https://www.semafor.com/article/09/23/2026/trump-administration-backing-off-nih-grant-order-amid-pushback