Day: September 11, 2026
電力消費量が過去最高を更新へ EIA見通し
エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は9月3日、データセンターの開発や製造業の活性化に伴い、2026年、2027年の米国電力消費量がそれぞれ前年比約2%増加し、過去最高水準に達するとの見通しを発表した。また、総販売量も2027年に4兆2,110億キロワット時(kWh)に達する見込みで、商業部門が需要拡大を牽引すると予測している。2026年の電力販売量が3.3%、2027年が2.7%増加する中、各年の販売量増加分のうち63%と56%を占めるとし、発電量もこれに連動して増加する見通しとした。特に太陽光発電が2026年に21%、2027年に18%成長する見込みで、風力発電についてもそれぞれ7%、5%増が見込まれている。天然ガス発電も堅調に推移する一方、電力部門での需要減少により石炭火力発電は減少傾向が続き、国内の石炭生産量も削減される見通しである。PJM系統(PJM Interconnection)などの地域市場が全体の需要増加を支える中、EIAは再エネ拡大による電源構成の転換が進むと分析している。 EIA “Electricity, Coal, and Renewables” (09/03/26) https://www.eia.gov/outlooks/steo/report/elec_coal_renew.php 参照記事: Utility Dive “Solar generation expected to grow 21% this year, 18% in 2027: EIA” (09/10/26) https://www.utilitydive.com/news/data-centers-manufacturing-us-electricity-use-eia/830038/
NSFの天文学や材料科学を中心に助成件数が激減
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は9月9日、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)による2026年度の研究助成の採択件数が過去数年の平均と比べ、40%以上減少したと伝えた。フィジックス・トゥデー誌(Physics Today)の分析データによると、数学・物理科学局(Mathematical and Physical Sciences: MPS)における交付件数は1980年代以来の最低水準となり、天文学分野で半減、材料科学分野でも40%超減となるなど影響が深刻化している。また、物理学分野の減少幅は約13%と比較的軽微にとどまるものの、1件あたりの支給額は減少傾向にある。政府がNSF予算から10億ドル分の支給額を保留していることから、本年度助成総支給額が46%減になると予測されており、下院科学委員会では議論が紛糾している。専門家や関連学会からも助成金削減と先行きの不透明感が若手研究者の育成縮小や科学基盤の衰退につながると危惧する声が上がっているが、NSFは助成内容の変更に関するコメントを行っていない。 AIP “Astronomy, Materials Science Awards Plummet at NSF” (09/09/26) https://www.aip.org/fyi/astronomy-materials-science-awards-plummet-at-nsf
CISA、中国AI企業による大規模なモデル盗用を警告
サイバーセキュリティー・社会基盤安全保障庁(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency: CISA)は9月8日、中国の人工知能(AI)関連企業6社が米国の最先端AIモデルから技術や機能を抽出する大規模な知識蒸留攻撃を行っていると発表した。国家安全保障局(National Security Agency: NSA)、連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation: FBI)との共同勧告によると、ディープシーク社(DeepSeek)、アリババ社(Alibaba)などの中国企業が2024年後半あたりからプロキシ・ネットワーク経由で規制を回避し、思考連鎖(Chain-of-Thought: CoT)推論抽出などに関する技術を蒸留(窃盗)していた。偽アカウントの大量購入により「AIモデルの推論APIを悪用」する手口で、米国企業の利用規約に違反する形で開発コスト削減と期間短縮を図るなど、中国政府も認識していたと見られる。こうした背景から、国内企業に対して不審アカウントの検知強化など攻撃的かつ悪意のある標的型抽出活動への対抗措置の実行を勧告しており、情報共有の徹底を促している。 CISA “China-Based Artificial Intelligence Companies Conducting Industrial-Scale Distillation Campaigns Against U.S. AI Companies” (09/08/26) REPORT: U.S. Solar Capacity Can Now Power Over 50 Million American Homes 参照記事: Ars Technica “Six Chinese AI firms accused of aggressively copying US frontier models” (09/10/26) …
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太陽光発電容量、5,000万世帯への供給が可能に SEIA発表
太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association: SEIA)は9月10日、国内累計太陽光発電容量が全世帯の3分の1以上に相当する5,000万世帯分の需要をまかなえる水準に達したと発表した。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)との共同調査によると、2026年第2四半期は前年同期比45%増の11.4GWが新たに導入されたことがわかった。前期に比べても43%増となり、主に税額控除の適用期限であった7月を前に、駆け込み需要が加速したことを要因としてあげている。このほか、太陽光と蓄電池による発電は上半期の新規電源の7割を占めた。特に2024年大統領選でトランプ氏を支持した州における新規設置が71%を占めるなど、拡大が顕著であった。一方、税額控除失効による住宅向け市場の減速などの懸念要素はあるものの、今後5年間で市場規模はほぼ倍増すると予測されており、年間約44GW増のペースを維持する見通しを示している。 SEIA “REPORT: U.S. Solar Capacity Can Now Power Over 50 Million American Homes” (09/10/26) REPORT: U.S. Solar Capacity Can Now Power Over 50 Million American Homes
NNSAの受託事業、核安全保障に寄与 GAO調査
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月10日、国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)が実施する2019~2024年度における戦略的パートナーシップ事業(Strategic Partnership Projects: SPP)が総額約150億ドルに達したと発表した。政府の核兵器備蓄維持・整備方針によりNNSA業務が年々拡大する中、その事業遂行能力が懸念されていることからGAOが調査を実施したところ、9つの政府関連団体が事業遂行にSPPが不可欠と回答し、NNSA施設の有用性について強調した。調査によると、国防総省(Department of Defense)による国家安全保障関連事業がSPP全体の72%を占め、サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)がその半分以上を実施し、カンザスシティー国家安全保障キャンパス(Kansas City National Security Campus)は受託件数・規模ともに最も大きな伸びを見せた。GAOは、SPPの受託縮小により、NNSAの費用負担増加や、関連省庁の任務達成に悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。 GAO “Nuclear Security Enterprise: Strategic Partnership Projects Can Support Mission, Operations, and Research” (09/10/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108229
運輸省、「SPACEタスクフォース」を設立 宇宙開発促進へ
運輸省(Department of Transportation)は9月9日、宇宙分野における政策運営管理を担う省内組織「SPACEタスクフォース(Space Policy Administration, Coordination, and Execution: SPACE Task Force)」を設立したと発表した。民間宇宙イノベーションの促進と米国の同分野における主導権確保を目的としたトランプ政権方針に沿う取り組みで、打ち上げ回数の急増に伴い、発射インフラの拡張や規制緩和、ロケットの発着領域と民間旅客機利用空域の統合などの宇宙輸送政策を推進する。次世代宇宙輸送分野における対中国との開発競争に対し、国の安全保障及び経済的競争力を強化する役割も担うとし、新たな発射ルートの開発ほか、発射場の建設加速やライセンス交付の迅速化など、費用対効果の高い施策をもとに宇宙政策の調整を進めていく方針を示している。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Department Launches New SPACE Task Force to Unleash Commercial Space Innovation” (09/09/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-department-launches-new-space-task-force-unleash-commercial