Day: September 23, 2026
バイ・ドール法による米国経済効果、3.3兆ドル
バイ・ドール連合(Bayh-Dole Coalition)は9月22日、バイ・ドール法(Bayh–Dole Act)に基づく技術移転が米国経済に最大3兆3,000億ドルの効果をもたらしたとする報告書を発表した。バイタル・トランスフォーメーション社(Vital Transformation)と米国大学技術管理者協会(Association of University Technology Managers: AUTM)による1996年から2025年までの約30年のデータに基づき連邦資金による研究成果の活用状況を試算したもので、同法によりGDP1.7兆ドル、約600万人の雇用が創出されたと明らかになった。特許出願件数も年間70倍以上となり、同連合は1980年に成立した同法が過去45年間に亘りイノベーションを支えたと強調した。2001年から2025年では1万7,000件以上の新製品と1万9,000社を超える新興企業が誕生し、約800万人の雇用を創出、2021年から2025年の経済効果は5,770億ドルに達するなど、連邦資金活用による研究の製品化を促す仕組みが国民への還元につながるとし、政策立案者に対し同制度の重要性を訴えている。 Bayh-Dole Coalition “New Report Shows $3.3 Trillion in U.S. Economic Output from Bayh-Dole Innovation” (09/22/26) New Report Shows $3.3 Trillion in U.S. Economic Output from Bayh-Dole Innovation
カリフォルニア州、データセンター建設監視を強化
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月22日、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Gavin Newsom)がデータセンターのエネルギー及び水の使用量に対する監視を強化する7件の州法案に署名したと報じた。データセンター事業者に対し、電力網の整備費用や地方自治体への水使用量の開示に加え、山火事対策費用の負担を求めるなど、電力や資源の使用状況に関する情報開示や環境影響評価を義務付ける。同州は、人工知能(AI)の普及に伴う電力需要の増大による住民の公共料金高騰につながる事態を防ぐとし、データセンターが自社サービス提供に必要なインフラ整備を自己負担させる規制体系を整備すると説明した。現在、カリフォルニア州内のデータセンター数は296に上り、全米3位の規模を誇るが、電力需要の急増、水使用量、汚染といった地域社会への影響懸念が高まるなか、州は法律制定により、地域住民に対する秩序を保つ方針を示す形となった。 Utility Dive “California tightens oversight of data center energy use, grid costs” (09/22/26) https://www.utilitydive.com/news/california-tightens-oversight-of-data-center-energy-use-grid-costs/831037/
第2四半期の蓄電池導入、過去最高の18.9 GWh ACP報告
アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)は9月22日、2026年第2四半期の国内蓄電池システム市場における設置容量が、前年同期比17%増となる過去最高の18.9 ギガワット時(GWh)に達したと発表した。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)との共同レポートによると、長時間貯蔵システムの需要増やカリフォルニア州、テキサス州での大型事業が市場を牽引したとし、特に1システムあたりの平均稼働時間は従来の2.8時間から3.5時間へと拡大したという。住宅部門における導入も前年同期比3%増の676メガワット(MW)と堅調であった一方で、税額控除の廃止に端を発した購買意欲の低下、第3者への所有移行が困難であることを背景に、2026年度の住宅向け蓄電導入は4%縮小すると予想している。一方、データセンターによる電力需要増加に伴い、ガス火力よりも安価かつ迅速に提供できる蓄電池の需要は拡大傾向にあり、同協会は今後5年間で蓄電容量が50%以上拡大すると予測している。 ACP “U.S. Energy Storage Market Posts Record 18.9 GWh in Q2 as Longer-Duration Systems Drive Growth” (09/22/26) U.S. Energy Storage Market Posts Record 18.9 GWh in Q2 as Longer-Duration Systems Drive Growth
外国製通信機器禁止に関する情報共有の徹底を GAO提言
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、国内通信事業者における外国製機器の禁止措置遵守に向け、連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)や関係機関などに対する情報共有の改善が必要であるとするレポートを発表した。政府は2019年に政府機関による中国企業5社製機器購入を禁じる国防権限法(National Defense Authorization Act: NDAA)を制定し、購入禁止品目などに関する内容を定めたにも関わらず、国防総省(Department of Defense)と一般調達局(General Services Administration: GSA)が詳細な情報を共有していないと指摘し、これら情報の周知徹底を促している。特に、同法第889条禁止事項の実施から得られた知見共有を推奨しており、半導体など今後施行予定の法定禁止事項への対応につながると説明した。十分なリスク情報の共有に対応することで、法令遵守の実効性も高められるとし、こうした省庁間連携強化により、国内通信インフラの保護を一段と強化していくよう求めている。 GAO “Telecommunications: Better Information Sharing Needed to Ensure Compliance with Foreign-Sourced Equipment Prohibitions” (09/22/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108630
ARPA-H、救命医療変革に向けた研究チームを選定
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は9月22日、集中治療室における患者の免疫応答をリアルタイムで追跡し、医療介入する技術を開発する「重症疾患免疫再プログラミング・制御ポイント学習エンジン(Critical Illness Immunological Reprogramming and Control Point Learning Engine: CIRCLE)」事業に参画する研究チームを選定した。選定されたのはバーモント大学(University of Vermont)やスタンフォード大学(Stanford University)、ノベルナ社(Novelna)、ベリリー・ヘルス社(Verily Health)、セージ・バイオネットワーク社(Sage Bionetworks)、バンダービルト大学医療センター(Vanderbilt University Medical Center)で、5年間で最大1億4,490万ドルを投入する。死亡率の低下と退院後の後遺症防止を実現する革新的な技術基盤確立に向け、人工知能(AI)を活用したデジタルツイン構築を通じた臓器不全に至る免疫炎症を事前に予測・制御する技術を開発する。 ARPA-H “ARPA-H selects teams to transform critical care with new lifesaving technology” (09/22/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-selects-teams-transform-critical-care-new-lifesaving-technology
オークリッジ国立研究所とボーイング、航空機部品製造で提携
オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)は9月21日、ボーイング社(Boeing Company)との提携を通じて、熱可塑性複合材料の生産に向けた巨大スタンプ(プレス)成形用金型(Stamp Form Die: SFD)を3Dプリント技術で開発したと発表した。同金型は高さ6フィート、幅4フィート、重量約2トンにおよび、材料の切断や成形に使用されるパンチプレスで、航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)の高度複合材製造事業に使用される予定となっている。複合材を利用することで航空機を軽量化し、燃費効率を向上させ、コスト削減を図るとし、強度と剛性を確保するために構造部分には軟鋼を使用し、表面には耐食性を備えたステンレス鋼を用いるワイヤとアーク溶接を用いた積層造形(Wire-arc additive manufacturing: WAAM)技術を採用した。成形効率向上が狙いで、従来の金属加工よりも短時間かつ低コストで複雑な工具を製作できることから、エネルギーや自動車分野などの分野への応用も期待されている。 ORNL “Partnership between ORNL, Boeing advances manufacturing for aircraft parts” (09/21/26) https://www.ornl.gov/news/partnership-between-ornl-boeing-advances-manufacturing-aircraft-parts
エネルギー省、次世代原子炉開発加速に向け民間企業に希少溶融塩を提供
エネルギー省(Department of Energy)は9月22日、オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)と協力し、溶融塩炉(Molten Salt Reactors: MSR)に使用するフッ化物溶融塩「フライブ(FLiBe)」4,700ポンド超をナチュラ・リソーシズ社(Natura Resources)に提供したと発表した。同溶融塩はフッ化リチウムとフッ化ベリリウムを混合した物質で、加熱して液体にすることで原子炉システムを通じて熱を伝達する。この特性を利用して高温・低圧下における溶融塩炉運転を可能にし、発電効率の向上やパッシブセーフティ機能(自動的に放射性物質の飛散を食い止めるよう稼働する機能)強化につなげる。また、アビリーン・クリスチャン大学(Abilene Christian University)で開発中の研究用溶融塩炉「MSR-1」にこのFliBeを活用する計画で、1969年の溶融塩炉実験停止以来、ORNLが保管してきたこの貴重資源を民間イノベーションに引き継ぐことで、次世代原子炉開発加速を支援する。 Department of Energy “Department of Energy Provides Rare Salt Material to Natura Resources” (09/22/26) https://www.energy.gov/ne/articles/department-energy-provides-rare-salt-material-natura-resources