Day: September 14, 2026

ワシントンDC、AIを活用し自動運転車の走行状態を独立監視へ

オンライン専門メディアのシティーズ・トゥデー(Cities Today)は9月11日、ワシントンDCのコロンビア特別区運輸局(District Department of Transportation: DDOT)が、自動運転車(AV)の挙動監視に向け、AIウェイジョン社(AIWaysion)の路側センサー技術を採用したと報じた。同社はパーソンズ・コーポレーション社(Parsons Corporation)と連携し、2027年1月から交通量の多い2カ所の交差点に移動式交通計測ユニットを設置する。具体的にはコンピューター・ビジョン(人の目に相当する技術)を活用してAVを追跡・解析するもので、人間による運転との比較データや市民の懸念事項を検証するなど詳細な走行軌跡データを生成する。まずは運用開始後1ヶ月以内の初期データを入手し、複数地域での試験運用を基に収集したデータを匿名化した上でこれを一般公開する計画である。同局は、取り締まりではなく観察が目的と強調し、業界や地域社会との対話を進めつつ、自動運転車の安全性を客観的に評価する判断材料として活用していく方針を示した。 Cities Today “Washington DC deploys AI to monitor AVs” (09/11/26) Washington DC deploys AI to monitor AVs

エネルギー省、科学研究専用のオープンAIモデル開発へ

サイエンス誌(Science)は9月11日、エネルギー省(Department of Energy)が国内新興企業のアーシーAI社(Arcee AI)と連携し、新たなオープンウェイト型AIモデルの開発に乗り出したと報じた。人工知能(AI)による科学研究加速構想の一環で、研究専用AI「ジェネシス・サイエンス1(Genesis-Science-1: GS1)」の年内公開に向けて取り組む。最も高性能なオープンウェイト型を中国企業が提供している現状や、オープンAI社(OpenAI)やアンスロピック社(Anthropic)など民間の非公開型(クローズド)モデルへの依存により、現場における開発遅延が懸念されていることから、同省は、各国立研究所が蓄積した膨大な実験データを同社と共有し、再現性の確保や安全な環境で運用する独自の高度自動化モデルを開発する。具体的には年末までのリリースを見込んでおり、同省は複雑な実験プロセスの設計・実行・データ解析の統合により、研究期間を大幅短縮につなげると説明している。 Science “Department of Energy bets on ‘open’ AI models for science ” (09/11/26) https://www.science.org/content/article/department-energy-bets-open-ai-models-science

石炭火力発電所の廃炉延期命令は権限逸脱 連邦控訴裁がエネルギー省の緊急命令を無効化

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月11日、ミシガン州の石炭火力発電所に対するエネルギー省(Department of Energy)による緊急廃炉延期命令を、連邦控訴裁判所が権限逸脱として無効にする判決を下したと報じた。裁判所は、連邦動力法(Federal Power Act: FPA)第202条(c)が定める「緊急事態」は、即座の対応が求められる一時的な電力供給リスクを指すもので、州独自の電力計画の権限を制限するものではないと指摘した。同命令による総負担額が6月末時点で2億5,900万ドルに上っていることを受け、アースジャスティス(Earthjustice)などの環境団体などが「緊急権限は真の緊急事態において行使すべき」と訴えるなど、連邦政府の不当介入を指摘していた。一方、同省は寒波時の停電回避が目的と説明しており、コンシューマーズ・エナジー社(Consumers Energy)のJ.H.キャンベル発電所の稼働継続を命じたほか、他の6つの発電所にも同様の命令を出している。 Utility Dive “Court rejects DOE ‘emergency’ order delaying coal plant retirement as overstep” (09/11/26) https://www.utilitydive.com/news/appeals-court-vacates-doe-emergency-order-michigan-power-plant/830189/

DIU、海洋情勢を把握する先進技術コンペ開催へ

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は9月10日、沿岸警備隊(United States Coast Guard: USCG)海洋情報統合センター(Maritime Intelligence Fusion Centers: MIFCs)、統合相互機関タスクフォース・サウス(Joint Interagency Task Force-South: JIATF-S)、シンガポール国防省(Singapore Ministry of Defence)と連携し、商用・オープンソースの海洋情報を活用した先進技術開発競技会「ディープ・ブルー・オブザーバー(Deep Blue Observer)」の公募を開始したと発表した。米国の排他的経済水域(EEZ)と国際海域境界における違法な海上活動監視に向け、目標認識の即時解析や分散データ統合・運用を改善する自動アルゴリズムを開発する。手動による分析負担軽減のほか、高精度な警戒情報を提供するとし、約6カ月間(全3段階)で実証評価を進め、第1段階で選出された上位10社に各5万ドルを授与する。将来的には量産契約への移行も視野に入れており、締め切りは9月24日(東部時間)までとなっている。 DIU “United States – Singapore Bilateral Prize Challenge Area of Interest: Deep Blue Observer” (09/10/26) https://www.diu.mil/work-with-us/submit-solution/PROJ00659

DIU、ミサイル脅威を特定するAI解析ツール開発で公募

国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は9月11日、宇宙・ミサイル脅威対応に向け、人口知能(AI)を活用し、分散したセンサーデータを即座に統合・解析するソフトウェア開発に関する公募を開始した。課題となっている近接物体識別や新型脅威の追跡精度向上に向け、衛星画像やレーダー、リアルタイム動画などの膨大なデータを即座に統合・相関分析し、人間の分析能力を超える隠れた脅威パターンや予測行動を検出するシステムを構築する。具体的には最前線のオペレーターが即座に理解できる可視化機能と自動指揮統制(Command-and-control: C2)システム向けの機械間連携機能(Application Programming Interface: API)提供に向け、データ受信から表示までの時間を最長5秒以内(目標2秒以内)、データ処理能力20~30メガバイト(MB)、データ対応能力を最大毎分5ギガバイト(GB)といった高速かつ高精度な処理性能を求めている。試作提案期限を9月24日(東部時間)とし、国内外からの参加を呼びかけている。 DIU “Space Threat Intelligence Synthesis Engine” (09/11/26) https://www.diu.mil/work-with-us/submit-solution/PROJ00716 参考記事:Military Times “Pentagon looks to AI to identify space and missile threats” (09/12/26) https://www.militarytimes.com/industry/techwatch/2026/09/11/pentagon-looks-to-ai-to-identify-space-and-missile-threats/

NSF、「メタサイエンス局」新設 最前線科学研究に注力

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月10日、変化する科学技術環境に対応し、卓越した研究を生み出すための新たな支援体制と組織改革に向け、メタサイエンス局(Office of Metascience)を新設したと発表した。同局を通じた各種取り組みの成果を厳密に評価し、従来の枠組みを超えた助成ポートフォリオ(構成割合)を構築する。効果的な研究の拡大を図ることが目的で、人工知能(AI)の急速な進展や民間・各種団体主体の開発台頭といった科学技術分野の構造変化に対応する計画である。また、研究内容に応じた柔軟な助成実施により、若手研究者を発掘し支援していくとし、NSFはバネバー・ブッシュ氏(Vannevar Bush)が1945年に提唱した『果てしないフロンティア(The Endless Frontier)』を継承し、米国における科学技術事業再建に向け様々な施策を通じて、優れた科学成果をより多く創出していく環境の構築を目指すと強調した。なお、今後数週間から数ヶ月にかけて、新たな助成機会や詳細な計画を順次発表していく方針も示している。 NSF “NSF leadership in a new golden age of science” (09/10/26) https://www.nsf.gov/news/nsf-leadership-new-golden-age-science