Day: September 28, 2026

連邦控訴裁、アンソロピック社のブラックリスト入りを支持

ディフェンスニュース(Defense News)は9月26日、ワシントンの連邦巡回控訴裁判所が人工知能(AI)開発企業のアンソロピック社(Anthropic)を安全保障上の供給網(サプライチェーン)リスクとして指定した国防総省(Department of Defense)の決定を支持する判決を下したと伝えた。同社は今年3月、同省による軍事契約からの除外措置を不当として差し止めを申し立てていたが、2対1の多数決により、その請求を退けられる形となった。自律型兵器や大規模監視への自社製品利用を拒否したことでブラックリスト入りしたことが背景にあり、AI安全性と人権を巡る見解の相違から報復措置を受けたと同社は主張している。数十億ドルの事業損失を受け、同社は今回の判決に対し敬意を表しつつも、不服を申し立てる意向を示した。なお、サンフランシスコ地裁では別の法律に基づく政府指定が無効と判断された経緯もあり、法的な議論が続いている。 Defense News “US appeals court upholds Pentagon’s blacklisting of Anthropic” (09/26/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/09/25/us-appeals-court-upholds-pentagons-blacklisting-of-anthropic/

メリーランド州、量子投資誘致に向けVCと提携

NEXTGOV/FCWは9月24日、量子技術の振興とスタートアップ支援に向け、メリーランド州がパラディン・キャピタル・グループ社(Paladin Capital Group)と提携すると報じた。2030年までに官民で総額10億ドル規模の量子投資誘致を目指す州の「量子計算の首都(Capital of Quantum)」構想の一環で、2025年1月の開始以来、技術エコシステム構築に向け既に5億ドル超投資が約束されている。23の連邦機関と研究所に加え、33の量子関連企業、25の大学・研究施設が参画しており、同州のウェス・ムーア知事(Wes Moore)は地域経済の成長を促進すると意欲を示した。また、最先端分野における雇用創出と世界的な量子技術イノベーション拠点としての地位を確固たるものにしたいとの考えも示している。 NEXTGOV/FCW “Maryland governor touts new quantum partnership with venture capital firm” (09/24/26) https://www.nextgov.com/emerging-tech/2026/09/maryland-governor-touts-new-quantum-partnership-venture-capital-firm/416212/?oref=ng-homepage-river

GAO、海軍造船所のインフラ刷新計画の情報開示を要求

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は9月25日、海軍が推進する2,000億ドル規模の造船所4カ所のインフラ最適化計画(Shipyard Infrastructure Optimization Program: SIOP)について、意思決定に必要な包括的情報が不足しているとする報告書を発表した。海軍計画の総コストが2,000億ドルに上るほか、工期も当初予定を大幅に遅延し、実施には50年以上かかる可能性があるにもかかわらず、議会や防衛指導部に定期的な費用やリスク評価が提示されていない現状を問題視している。特に、地震対策による追加作業が発生したプージェット・サウンド海軍造船所の事例を挙げ、原子力艦艇や潜水艦の運用能力を維持するには、予算執行状況やリスクの定期開示などの監視体制の構築が不可欠と指摘している。その他防衛装備品の調達なども含め、海軍と議会に対して情報公開基準の標準化と定期的見直しを強く求めており、海軍もこれに同意し、実施計画を提示すると回答した。 GAO “Naval Shipyards: Complete Information Needed for Decision-Making on Multibillion-Dollar, 50-Year Infrastructure Program” (09/25/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107830

ARPA-I、総額100万ドルのアイデアコンペ受賞者を発表

運輸省(Department of Transportation)傘下のインフラ高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency-Infrastructure: ARPA-I)は9月25日、次世代インフラ技術イノベーションを促進する100万ドル規模のアイデア・イノベーション・チャレンジ(Ideas and Innovation Challenge)の受賞者を発表した。道路や橋梁など既存インフラの安全性向上や運用効率化を実現する革新的なアイデアを全米から公募し、最優秀賞として選ばれた中間輸送業務における安定した物流運用を実現する自律型人工知能(AI)を開発した貨物輸送エージェント型AI社(Agentic AI for Freight)に30万ドルを付与した。このほか生物学的手法で高耐久性インフラを構築するバイオビルズ社(BIO-BUILDS)に20万ドル、共有型モビリティ向けAI情報基盤を開発したプリズム社(PRISM)に15万ドル、なりすましなどに対応する高度セキュリティ機能を搭載したGPSナビ受信技術を開発するナブセンチネル社(NavSentinel)に5万ドルがそれぞれ拠出される予定となっている。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Department Announces Winners of $1 Million ARPA-I Ideas Challenge” (09/25/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/events/trumps-transportation-department-announces-winners-1-million-arpa-i-ideas

DARPAの受動的測距技術開発コンペ、最終受賞者はなし 

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は9月25日、電波などを自ら照射せずに対象との距離を測定する受動的測距技術の精度向上を目指した「計算画像検出・測距(Computational Imaging Detection and Ranging: CIDAR challenge)」コンペにおける最高賞金受賞者はなかったと発表した。センサーデータ処理やアルゴリズムによって技術的には大きな進展が見られたものの、最大10kmの距離測定が可能な低遅延受動画像処理アルゴリズム開発という極めて高い難易度基準に届かなかったという。一方で、DARPAは意図的に掲げた高い目標により受動的測距における技術的限界を特定することができ、また、その解決策も明確になったと分析しており、今回の取り組みについて非常に価値のある進歩と評価した。2024年12月に開始したCIDARは複数の段階を経て進行し、初期段階で5つの中小企業と大学機関がそれぞれ20万ドルを獲得したほか、今年1月に行われた準決勝で5チームが5万ドルの賞金を獲得している。 DARPA “CIDAR challenge pushes the limits of passive ranging” (09/25/26) https://www.darpa.mil/news/2026/cidar-challenge-pushes-limits-passive-ranging

NSF、43の知識グラフを結ぶオープンデータ基盤を創設

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は9月25日、人工知能(AI)を活用した発見加速に向け、知識(ナレッジ)グラフ(知識概念を結んでその関係を可視化する技術)を接続して構築した国家規模のオープンデータ基盤「オープン・ナレッジ・ネットワーク(Open Knowledge Network: OKN)」の運用を開始した。健康、環境、司法、製造、安保など43分野のナレッジグラフと数百億件にわたるその関連情報を結びつけた相互運用可能なデータ共有エコシステムで、既に稼働を開始し、一般公開している。あらゆる知識グラフを網羅したクエリ機能を搭載した基盤で、例えば供給網データと製造データを連携させることで247社、7,000種類以上の半導体製品におけるサイバーセキュリティリスクをマップ化できるほか、汚染データと土壌生産性データ連携により、これまで別々に扱われていた環境と農業の問題を結びつけることが可能となるなど、NSFは分野の垣根を超えて課題に答える公共インフラとして、広く有効活用するよう促している。 NSF “NSF launches the Open Knowledge Network, a national open-data platform connecting more than 40 knowledge graphs to power the new wave of AI-enabled discovery” (09/25/26) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-launches-open-knowledge-network-national-open-data

エネルギー省、ジェネシス・ミッション枠組みに関する調査報告発表

エネルギー省(Department of Energy)は9月25日、科学局諮問委員会(Office of Science Advisory Committee: SCAC)が作成した「人工知能(AI)による国家的ブレークスルー加速に向けたジェネシス・ミッション枠組み(Genesis Mission Frameworks for AI-Accelerated National Breakthroughs)」報告書の公開を発表した。AIや高性能スパコン、量子システムと全米の科学研究インフラを連携して基礎科学のイノベーションを劇的に加速させる戦略指針を示すもので、33の国家的な科学技術課題に取り組む。具体的には二酸化炭素をジェット燃料に変換する微生物開発や9カ月でのがん遺伝子治療薬設計に加え、核融合エネルギーではプラズマ加熱反応をリアルタイムで予測し、2030年から2035年に核融合実証プラントを通じた電力を供給する計画や、国内廃棄資源から重要素材を自動回収するリサイクルシステムによる高性能磁石開発など、複雑な科学データの解析時間を短縮するとし、次世代エネルギー技術や新素材開発に注力する方針を示している。 Department of Energy “Genesis Mission Frameworks: Advancing the Frontiers of American Discovery” (09/25/26) https://www.energy.gov/science/articles/genesis-mission-frameworks-advancing-frontiers-american-discovery https://science.osti.gov/-/media/About/pdf/scac/reports/SCAC_Genesis_Mission_Frameworks_report.pdf