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June 2026

国防総省、使い捨てドローン初受注 今夏に本選開催

国防総省(Department of Defense)は6月17日、安価で高性能な使い捨て型米国製攻撃ドローンを部隊に迅速配備する「ドローン優位性プログラム(Drone Dominance Program)」で、第1弾機体を受領したと発表した。大統領令に基づく2年間で11億ドルを投じる開発計画の一環で、同プログラムには49社79機種の無人航空機システムが参加し、今週ミシガン州で第2段階(Gauntlet II)の予選が終了した。敵対勢力の急速な技術拡大への対抗に向け、数年かかっていた調達期間を6カ月に短縮し、4段階の実戦試験を通過した優秀な機体を大量生産につなげる取り組みで、国内産業基盤への民間資本流入を促すことも狙いにある。既に3万機を発注、9月には追加で6万機を発注予定であるが、今後は機体単価を5,000ドルから約3,000ドルへ引き下げ、来年までに20万機以上の人工知能(AI)搭載ドローンを実戦配備して優位性を確保する方針も示した。今夏の本戦では、夜間や複雑な都市部や閉鎖空間での運用拡大に向け、大量生産が可能な企業を選定する方針である。 Department of Defense “Drone Dominance Program Receives First Order, Gauntlet II Gets Underway” (06/17/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4520698/drone-dominance-program-receives-first-order-gauntlet-ii-gets-underway/

国防総省、エナジー・フューエルズ社に条件付き融資 レアアース加工の規模拡大

国防総省(Department of Defense)の戦略資本局(Office of Strategic Capital: OSC)は6月18日、エナジー・フューエルズ社(Energy Fuels)に対し、条件付き融資契約に基づく7億2,500万ドルの支援を発表した。国内の希土類元素(レアアース)加工の規模拡大に向け、民間資本と協働し、国内にレアアースの分離・金属化施設を設立する。同社はこれまでウラン生産を専門としてきたが、特殊防衛・産業製品製造に向けた国内供給網(サプライチェーン)整備を推進するために、原料抽出や永久磁石生産の間を埋める高度技術が必要な中流工程へ進出する。現在、ユタ州ホワイト・メサ・ミルでウラン加工施設などを運営しているが、今後は融資実行に向け、デューデリジェンスなどの要件を満たすための取り組みを進めていく。OSCは、レアアースの中流加工拡大は国内のボトルネックを解消する重要な一歩で、産業基盤の脆弱性を克服し、国内供給網を確保する取り組みであると説明した。 Department of Defense “The Department of War’s Office of Strategic Capital Signs $725 Million Conditional Loan Commitment With Energy Fuels, Inc.” (06/18/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4520819/the-department-of-wars-office-of-strategic-capital-signs-725-million-conditiona/

NSF、海洋観測イニシアチブの機器撤去を停止 運用継続を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月18日、海洋観測用機器の撤去や規模縮小を中止し、計画されたメンテナンスを含む運用を継続すると発表した。2016年に開始した海洋データを収集する25年間の長期プロジェクト「海洋観測構想(Ocean Observatories Initiative: OOI)」データの利用者からの懸念を受け、撤去された沿岸用耐久ケーブルや関連機器(Endurance Array、オレゴン州とワシントン州の沖合、北東太平洋に位置)についても再配備する計画を進めている。今後は関係者からの意見を収集するための書簡(Dear Colleague Letter)を発出するほか、専門家パネルを招集して観測ニーズの評価や利用可能なデータソースを検討し、持続可能な道筋を特定する。同財団は海洋科学への貢献と研究インフラの責任ある管理、利用者の支援に尽力していくと説明している。 NSF “Update on Ocean Observatories Initiative” (06/18/26) https://www.nsf.gov/news/update-ocean-observatories-initiative 参照記事: OOI “Coastal Endurance Array” Coastal Endurance Array

ARPA-E、国内の重要鉱物探査と超強力磁石の製造支援に7,200万ドル

エネルギー省(Department of Energy)傘下のエネルギー高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency–Energy: ARPA-E)は6月18日、国内における鉱物探査推進や超強力磁石開発を推進する2事業に7,200万ドルを提供すると発表した。重要鉱物の自給自足を目指す大統領令を受けた取り組みで、先端掘削・センシング技術を開発するプログラム(Reliable Ore Characterization with Keystone Sensing: ROCKS)と、人工知能(AI)などを活用して産業・輸送分野向け小型軽量輸送モーター用の超強力磁石を開発するプログラム(Magnetic Acceleration Generating New Innovations and Tactical Outcomes: MAGNITO)を支援する。採択されたサウスダコタ鉱山技術地域大学(South Dakota School of Mines and Technology)は希土類元素の位置特定とマッピングを高速かつ低コストで行うセンシング技術の適応に取り組み、ヒューストン大学(University of Houston)は高性能計算を用いて新しい強力な永久磁石を開発していく予定である。 ARPA-E “Department of Energy Announces $72 Million for Domestic Critical Minerals and Ultra Powerful Magnet Production” (06/18/26) https://arpa-e.energy.gov/news-and-events/news-and-insights/department-energy-announces-72-million-domestic-critical-minerals-and-ultra-powerful-magnet-production

議会、艦艇の海外建造制限 大統領裁量の剥奪案

ディフェンスニュース(DefenseNews)は6月18日、トランプ政権が推進する外国製軍艦の調達方針に対し、議会の国防委員会が海外建造を制限する動きを講じていると報じた。海軍艦艇を海外で建造する権限について、上院軍事委員会がまとめた2027年度の国防権限法 (National Defense Authorization Act: NDAA)の修正案には、「国家安全保障上の利益」を理由に、海外での艦艇建造を承認できる大統領の特例権限を剥奪する規定が盛り込まれた。また、国防長官が同盟国の造船所で建造できる数も各艦種「最大2隻」に制限し、対象も燃料ばら積み船やロールオン・ロールオフ船(RORO船=車両輸送艦)などの補助艦艇に限定している。さらに、機密情報保護の規定や中核となるミッションシステムなどの国内設置、米国建造よりも早期納入など厳格な条件を課した。背景には2027年度に395隻、2031年度末までに450隻への拡大を目指す総額1.5兆ドルの巨額国防予算案があり、海軍は従来造船所への依存を回避しつつ、国内製造拠点を拡大していく考えである。 DefenseNews “Congress seeks to limit US Navy vessels built in foreign shipyards” (06/18/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/06/17/congress-seeks-to-limit-us-navy-vessels-built-in-foreign-shipyards/

炭素除去ファンドが購入計画を大幅拡充 アンソロピック社参画へ

アクシオス(Axios)は6月18日、二酸化炭素回収・貯留技術の普及を目指す大手企業による共同事業体「フロンティア(Frontier)」が新たに9億1,500万ドルの購入計画を発表し、新たに人工知能(AI)大手のアンソロピック社(Anthropic)が参画したと報じた。これにより炭素除去技術の商用化に取り組む新興企業に対する同団体の契約確約額はほぼ倍増することとなった。フロンティアはこれまで50社以上のスタートアップ企業との間で契約を仲介してきたが、今後はギガトン(10億トン)規模への拡大が見込める10〜15社に対象を絞り込む。8〜10年間の長期購入契約を通じて商用化を後押ししていくが、年間10億トン以上の炭素除去達成には最終的に世界各国の政府による関与が不可欠で、同団体は民間主導による技術の確立とリスク軽減を進めつつ、公的投資を呼び込む架け橋となるよう活動していく。将来的な政府主導の需要を見据え、現在直接空気回収事業のみに連邦税額控除が適用されているが、新たな政策実現につながる事業にも支援していく方針である。 Axios “Carbon removal group boosts spending, adds Anthropic” (06/18/26) https://www.axios.com/2026/06/17/frontier-carbon-removal-spending-anthropic

ロボタクシー市場、ウェイモが首位 中国勢が台頭

アクシオス(Axios)は6月18日、ロボタクシー市場においてアルファベット社(Alphabet)傘下のウェイモ(Waymo)が首位を獲得したと報じた。自動運転車(Autonomous vehicles: AV)の調査会社のアウトンミー社(Autnmy AI)が新たに発表したデータベースに基づくもので、この後を中国の3企業、百度社(Baidu)のアポロ・ゴー(Apollo Go)、ポニー・エーアイ(Pony.ai)、ウイーライド(WeRide)が続き、テスラ社(Tesla)やズークス社(Zoox)を引き離した。独自のAIアルゴリズムを用いた評価で、収益ベースに基づいた完全AV商用化実績を重視した結果、週50万回以上の有料乗車実績を持つウェイモが1位となった。中国勢はウーバー社(Uber)などの配車大手と提携し、欧州やアジア、中東で有料サービスを展開して規模を拡大した。一方、テスラ社はオースティン、ヒューストン、ダラスの3都市で完全無人ロボタクシーを運行して5位につけたものの、規制の制約から急速な規模拡大には至っていない。 Axios “Robotaxi rankings show Waymo lead, China’s rise” (06/18/26) https://www.axios.com/2026/06/17/robotaxi-rankings-waymo-china

米国主導の国際的なAI安全基準策定へ G7でトップ会談

アクシオス(Axios)は6月18日、フランスで開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)において、トランプ大統領が人工知能(AI)企業CEOらと米国主導のAI国際基準策定について議論したと報じた。デジタル時代をテーマとしたワーキング・ランチには、マルコ・ルビオ国務長官(Marco Rubio)ほか、オープンAI社(OpenAI)のサム・アルトマン氏(Sam Altman)やグーグル社(Google)のデミス・ハサビス氏(Demis Hassabis)、アンソロピック社(Anthropic)のダリオ・アモディ氏(Dario Amodei)といった業界トップらが参加した。最先端モデルへの継続的なアクセス確保に向け、民主主義を掲げる各国とAI研究所が安全基準確立に向けた「国際フォーラム」創設に向け連携を進めているとし、大統領は会見で「世界をリードしている」と成果を強調した。大統領はこれまで規制に寛容な環境を繰り返し求めてきたが、最近の動きを受け「非常に慎重になる必要がある」と述べるようになるなど、記事は、その姿勢が変化しつつあると指摘している。 Axios “Trump and AI CEOs discuss global AI rules” (06/18/26) https://www.axios.com/2026/06/17/trump-ai-ceos-global-ai-rules

ウエアラブル生体センサーの臨床展開へ課題特定 SEMI報告

国際半導体製造装置材料協会(Semiconductor Equipment and Materials Institute:SEMI)は6月17日、ウエアラブル生体センサーを日常の健康管理レベルから臨床現場で承認される医療ソリューションへと発展させるため、技術イノベーションと大規模臨床展開におけるシステム上の障壁を検証したと発表した。半導体技術やエッジコンピューティングと人工知能(AI)を融合したエッジAIの進歩でウエアラブル機器開発は急速に進んでいるものの、半導体部品の統合不全が臨床現場で要求される性能開発を阻んでいる。センサーの核となる両分野の測定技術は類似しているが、検証要件やデバイス用途、規制枠組みが異なる上、生体信号の取得精度のばらつきやソフトウェアの相互運用性、データプライバシー、不透明な経済的インセンティブ、後付けのサイバーセキュリティといった複雑な課題が統合を遅らせているという。データの信頼性と明確さが不可欠とし、構造的課題への対応が必要性を強調しており、SEMIは産学官一体での分野横断的な連携を呼びかけている。 SEMI “SEMI Smart MedTech Initiative Identifies Obstacles and Opportunities to Scale Wearable Biosensors for Clinical Use” (06/17/26) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semi-smart-medtech-initiative-identifies-obstacles-and-opportunities-to-scale-wearable-biosensors-for-clinical-use

対中影響力阻止に12億ドル、成果評価の徹底を GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO)は6月17日、国務省(Department of State)と国際開発庁(U.S. Agency for International Development:USAID)が2020~2023年度に実施した中国の影響力に対抗するプログラムについて、約470事業に総額12億ドル近くを拠出したものの、包括的な成果評価が行われていないと報告した。2020年以降、世界における中国の影響力への対抗措置に議会は16億ドル以上の予算を命じ、両機関は経済的圧力や軍事輸出への対抗する事業へ資金を配分してきたが、事業の選定段階で専門家らの知見を義務付けていなかった。管理データにも誤りがあり、一部事業の実施期間や資金使途の詳細も把握できていないという。また、成果評価の枠組み構築も大統領令による外国援助資金の執行停止などを受けて初期段階で停滞しており、効果検証の仕組みが欠如していることが判明した。GAOは資金配分の最適化に向け、専門家意見の反映や包括的なデータ収集、成果評価プロセスの開発などを勧告し、同省はこれに同意している。 GAO “Countering China: Agencies Provided Over $1 Billion but Have Not Assessed Overall Results of Projects” (06/17/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107822