Day: June 26, 2026
OMB、政府機関の量子耐性暗号への移行に向けた実施指針を発表
NEXTGOV/FCWは6月25日、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)が、量子コンピューターによる暗号解読リスクに対抗するため、政府システムを「ポスト量子暗号(Post-Quantum Cryptography: PQC)」基準へと移行させる手順をまとめた覚書を各連邦機関に送付したと報じた。トランプ大統領が6月22日に発した大統領令要件を拡張するもので、各機関はレガシーシステムや高価値資産の移行を最優先事項とし、デジタル網のインベントリ(IT資産目録)作成を含む移行計画を120日以内にOMBと国家サイバー長官室(Office of the National Cyber Director)に提出する必要がある。移行プロセスについては、計画、調査・発見、試験運用、全面移行と段階的に実施し、手動管理が困難な連邦政府のIT環境対応に向け、自動化ツールの活用を推奨し、2035年までの完全移行達成を求めている。またPQC要件を満たしたソフトウェア調達や暗号の機敏性(クリプト・アジリティ)担保ほか、第3者との連携手順を計画に含めることも指示した。 NEXTGOV /FCW “OMB issues instructions for agency migration to quantum-proof encryption” (06/25/26) https://www.nextgov.com/emerging-tech/2026/06/omb-issues-instructions-agency-migration-quantum-proof-encryption/414429/?oref=ng-homepage-river
民間企業・団体、AI経済への労働力移行支援に向け新組織発足
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は6月25日、前商務長官のジーナ・レイモンド氏(Gina Raimondo)やインディアナ前州知事のエリック・ホルコム氏(Eric Holcomb)らが、人工知能(AI)経済への円滑な労働力移行を支援する超党派の全国組織「レイズUS(RAISE US)」を立ち上げたと発表した。州知事や雇用主、労働者、訓練機関と連携し、従業員の再教育や再配置を促す新たな企業優遇制度、転職支援、変化する雇用需要に直結した新たな訓練モデル開発を行う予定である。AI分野における活動が急速に活発化していることから、他組織の活動と重複することなく進行中の取り組みを支援するとし、全国的なハブという位置付けで機能することを目指している。既に全米の主要企業や慈善団体など24以上が支援を表明しているほか、アーカンソー州やコネチカット州など複数の州との連携も始動している。運営は「州との提携」「雇用主の連合」「教育・訓練」「政策ラボ」という4つの領域を重点的に進めていく構えである。 SSTI “Corporations, former governors launch new national AI organization” (06/25/26) https://ssti.org/blog/corporations-former-governors-launch-new-national-ai-organization
運輸省、交通網をイノベーションするロボット技術で初のコンペ開催
運輸省(Department of Transportation)は6月25日、国内輸送網の安全性や効率性の向上、コスト削減に向け、ロボット技術を活用したアイデアを募る初のコンペ「運輸省ボット・チャレンジ(DOT Bots Challenge)」を開始したと発表した。安全検査や保守作業、建設現場などで活用が進むロボット技術をさらに進化させ、同業界のイノベーションを促進する。賞金総額は150万ドルで、概念実証、実証試験の2段階で実施する。第1段階では最大5組を採択して各10万ドルを付与し、第2段階の最優秀者には100万ドルを授与する。第1段階の応募締め切りは8月10日で、応募者に対し、既存基盤の改造、または新技術の開発を通じた実環境で動作する機能的なプロトタイプの製作を求めている。同省は開始に合わせ、近年のロボット技術の進歩や今後の課題をまとめた戦略報告書も同時に公開し、技術革新への投資を強力に推進していく意向である。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Launches Inaugural Robotics in Transportation Competition” (06/25/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-launches-inaugural-robotics
国防総省、サプライチェーン・インタラクティブ投資情報サイトを公開
国防総省(Department of Defense)の産業基盤政策担当次官補室(Office of the Assistant Secretary of War for Industrial Base Policy: OASW-IBP)は6月25日、国内供給網(サプライチェーン)構築・拡大に向け、投資状況を可視化する一般向けインタラクティブ型ウェブサイト「投資情報センター(Investment Intelligence Center)」を公開したと発表した。重要供給網の脆弱性を利用者が特定できるようにしたもので、国防生産法(Defense Production Act: DPA)や産業基盤分析・維持(Industrial Base Analysis and Sustainment: IBAS)事業を通じて2015年以降に実施された67億ドル以上の投資実績を網羅した。デジタル地図や各種チャート図、キーワード検索ほか、技術領域や地域、資金調達メカニズムごとのフィルタリングも可能で、これら機能により、重要製造業の国内回帰と敵対的なサプライチェーンへの依存脱却を強力に推進することができるとの考えを示した。同省は最優先事項の公開や透明性を高めた連携体制構築が、強靭な防衛産業基盤構築に不可欠と説明している。 Department of Defense “Department of War Launches Interactive Investment Intelligence Center Tracking Transformative Industrial Base Revitalization” (06/25/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4525699/department-of-war-launches-interactive-investment-intelligence-center-tracking/
国防総省、AIエージェント・ネットワークを発足 戦闘管理と標的設定を革新
国防総省(Department of Defense)は6月25日、戦闘管理や意思決定支援、標的設定プロセスを刷新する人工知能(AI)加速戦略の核心要素「エージェント・ネットワーク(Agent Network)」を立ち上げたと発表した。AIエージェントが防衛情報を継続的に精査し、数秒で指揮官に明確な選択肢を提示する、情報探知から行動までの時間を劇的に短縮する取り組みで、最高デジタル人工知能局(Chief Digital and Artificial Intelligence Office: CDAO)が主導し、太平洋軍(U.S. Pacific Command: USPACOM)など複数の統合軍と提携して実施される。同省はあらゆる標的決定や攻撃において人間の判断を中核に据えているとし、現場の指揮官が最新かつ正確な状況に基づいて行動できるよう支援するためのものと説明した。開発にはパランティア・テクノロジーズ社(Palantir Technologies)や新興のルンブラ社(Lumbra)が参画し、国の法的・倫理的義務を遵守した厳格な試験や運用評価を通じて、実戦に耐えうる能力を早期に提供していく方針である。 Department of Defense “DOW Unleashes ‘Agent Network’ to Transform AI-Enabled Battle Management and Targeting” (06/25/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4526862/dow-unleashes-agent-network-to-transform-ai-enabled-battle-management-and-targe/
商務省、I-Pulse社に2億5,000万ドル SiCパワー半導体開発を推進
米国標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology: NIST)は6月25日、商務省(Department of Commerce)のCHIPS研究開発局(CHIPS Research & Development Office)とアイパルス社(I-Pulse)によるCHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)に基づく2億5,000万ドルの資金提供に関する最終契約締結について発表した。技術的指導力向上と、極限環境下でも稼働する次世代炭化ケイ素(SiC)パワー半導体開発推進に向け、同社は国の研究機関や大学、専門メーカーと提携し、高温・高電流・高電圧に対応する新型固体スイッチなどの開発を進める。このSiC技術は、高エネルギーパルスをナノ秒単位で高速照射するパルスパワー技術への応用が期待されており、地熱発電や重要鉱物採掘作業の効率化、さらには先進製造業、医療、核融合発電といったイノベーションを可能にする。なお、今回の支援に伴い同省は、同社株式を取得した。同局は、引き続き国内のマイクロエレクトロニクス技術発展に寄与する研究提案を募集している。 NIST “Department of Commerce Announces Definitive Agreement with I-Pulse for a $250 Million CHIPS R&D Award to Develop Novel Silicon-Carbide Semiconductors” (06/25/26) https://www.nist.gov/news-events/news/2026/06/department-commerce-announces-definitive-agreement-i-pulse-250-million
NNSA、新デジタルインフラ施設が完成
国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は6月25日、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)の基幹網を刷新するデジタルインフラ能力拡張(Digital Infrastructure Capability Expansion: DICE)施設が6月9日に完成したと発表した。10年に亘る取り組みで、インターネット普及前の1985年に建設された旧施設に代わる、従来の3倍規模となる1万3,000平方フィートの拠点である。施設は人工知能(AI)やデータサイエンス、国家安全保障ミッションに伴う膨大なデータ需要を支える強靭なデジタル基盤として機能し、敷地内600以上の建物へ安全な通信を提供するため、最新のデータセンターや大容量光ファイバー網に加え、運用を止めずに保守が可能な高度な冗長システムを備えている。NNSAの効率化指針や民間手法導入により、パンデミックなどの混乱下でも予算内で計画通りに完成したとし、今後数カ月以内の全面稼働に向けてシステムの移行が進められる予定である。 NNSA “NNSA, LLNL officials celebrate completion of critical Lab digital infrastructure upgrade” (06/25/26) https://www.llnl.gov/article/54586/nnsa-llnl-officials-celebrate-completion-critical-lab-digital-infrastructure-upgrade
テネシー州、全米初の独自核融合規制枠組み導入
テネシー州環境保全局(Tennessee Department of Environment and Conservation: TDEC)は6月1日、核融合装置に関する全米初の独自規制枠組みを6月9日から導入すると発表した。世界の原子力エネルギーハブとしての地位確立に向け、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)の協定州として60年以上の専門知識を生かし、技術中立的アプローチを採用した核融合装置導入の許可要件を定めた。タイプ・ワン・エナジー社(Type One Energy)の商業敷地が初のライセンス取得者となる見通しで、同社はテネシー川流域開発公社(Tennessee Valley Authority: TVA)やオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)、テネシー大学(University of Tennessee)と連携し、400メガワット(MW)の核融合発電所「インフィニティ・ツー(Infinity Two)」建設を2028年から開始する。このほか同州では13億8,000万ドル、2億8,000万ドル規模の大型投資も予定されており、州政府も2,500万ドルを予算に計上するなど経済発展拡大に向け、強力に後押ししている。 TN.gov “Tennessee Powers Up With First-In-The-Nation Fusion Regulations Starting June 9” (06/01/26) https://www.tn.gov/environment/news/2026/6/1/tn-powers-up-first-in-the-nation-fusion-regulations-june-9.html 参照記事: NashvillePost “Tennessee to become first state to establish nuclear regulation framework” (06/04/26) https://www.nashvillepost.com/business/tennessee-to-become-first-state-to-establish-nuclear-regulation-framework/article_e10fbfa8-38d7-4fe8-bc9c-35218dafaf4f.html