Day: June 29, 2026
EPA、NEPA改革案を提示 環境審査を簡素化
環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は6月24日、環境審査を迅速化・明確化する国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)の改革案を発表した。インフラ建設促進に向け、従来の環境保護基準を完全に維持したまま、これまで平均4年かかっていた環境影響評価書(Environmental Impact Statement: EIS)の作成期間を2年以内へと制限する。また、平均661ページに及ぶ文書を原則150ページ以内(極めて複雑な事案は300ページ)とするなど、実務的効率化も盛り込んだ。同法を巡っては、訴訟や書類手続きの複雑さから重要インフラ事業の遅延につながっているとの批判があったが、リー・ゼルディン長官(Lee Zeldin)は、煩雑な手続きを簡素化することで、迅速かつクリーンな政府機能を実現していくと強調した。同庁は今後、大統領令や連邦政府全体の規制緩和方針に沿い、他省庁とも連携しながら、より安価で容易な国内建設プロセスの構築を進めていく方針を示している。 EPA “EPA Proposes Commonsense NEPA Reforms to Get America Building Again” (06/24/26) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-proposes-commonsense-nepa-reforms-get-america-building-again
エネルギー省、イリジウム192の国内生産体制を確立
エネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)傘下の同位体研究開発・生産室(Isotope R&D and Production: IRP)は6月25日、オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)において放射性同位体のイリジウム192(Ir-192)の国内生産体制を確立したと発表した。QSAグローバル社(QSA Global)との共同開発契約から約2年で国内初の高比放射能Ir-192線源製造に成功し、現在、量産体制に移行している。金属部品の非破壊検査に不可欠な同元素は、20年以上に亘り海外供給に依存してきたが、国内生産の再開により、造船や自動車、航空宇宙、石油・ガスパイプラインといった重要インフラの安全性と効率的な運用を確保することが可能となるという。国内の産業・エネルギー部門に必要な資材の供給網のさらなる強化に向け、同省は引き続き民間製造力や国立研究所の専門知識を融合させ、安定した供給独立性の確保と経済競争力の支援に尽力していく方針を示している。 Department of Energy “DOE Strengthens Domestic Supply Chain for American Energy and Manufacturing” (06/25/26) https://www.energy.gov/science/articles/doe-strengthens-domestic-supply-chain-american-energy-and-manufacturing
ワシントン州、カリフォルニア州主導の炭素市場に参画
カリフォルニア州大気資源局(California Air Resources Board: CARB)は6月25日、ケベック州と連携する炭素市場にワシントン州が参画したと発表した。各州の温室効果ガス排出量取引(キャップ・アンド・インベスト)プログラムを統合し、市場安定化や効率性向上、クリーン燃料や技術への投資を促進していくことを目的とする取り組みで、カリフォルニア州が2006年から開始した同取引制度に2014年からケベック州が参加しており、今回これにワシントン州が加わることとなった。さらなる排出削減とクリーンエネルギー需要の拡大を見込んでおり、CARBは気候変動への成果を高め、規制遵守の柔軟性を向上させる重要な節目になると強調した。これに対し、ワシントン州やケベック州も国境を越えた連携により、経済成長を支えつつ低炭素社会を築いていくと表明しており、各州政府は連携を通じて強靭な経済の構築に取り組む方針である。 CARB “California and Quebec sign agreement with Washington to begin process to link carbon markets” (06/25/26) https://ww2.arb.ca.gov/news/california-and-quebec-sign-agreement-washington-begin-process-link-carbon-markets
ミサイル防衛局、ロッキード社と350億ドル超の契約 THAAD生産増強
ディフェンスニュース(DefenseNews)は6月26日、ミサイル防衛局(Missile Defense Agency: MDA)とロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)による350億ドルを超える大型契約締結について報じた。高高度迎撃(Terminal High Altitude Area Defense: THAAD)システム生産数を7年間で4倍に拡大するための契約で、イランとの戦争やその他紛争支援などにより迎撃兵器在庫が枯渇しつつあり、供給量に対する懸念が高まっていることが背景にある。備蓄回復には最低3年かかるため、西太平洋地域などにおける潜在的紛争も念頭に置きつつ、年間生産能力を96基から400基へと引き上げる計画で、同社は国防産業基盤の強化に向け、前例のないスピードと規模で戦力を提供すると強調した。これに伴う生産体制強化に向け、テキサス州とカリフォルニア州の既存製造施設に加え、アラバマ州やアーカンソー州での新たな施設建設も着工しており、契約に基づく固定価格でのミサイル提供を2032年6月まで実施する予定であるという。 DefenseNews “Lockheed Martin wins over $35 billion contract to quadruple THAAD production” (06/26/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/06/25/lockheed-martin-wins-over-35-billion-contract-to-quadruple-thaad-production/
中国系ポールスター社、米国から撤退 コネクテッドカー規制で初
アクシオス(Axios)は6月25日、中国系電気自動車(EV)メーカーのポールスター社(Polestar)が米国市場から撤退すると報じた。中国資本によるコネクテッドカー技術を搭載した2027年型モデル以降の車両輸入・販売を禁止するバイデン前政権下規制による初の対象企業となる。同社は規制の適用免除を申請していたが、安全保障上の懸念を理由に商務省(Department of Commerce)が国内での販売禁止を決定した。これを受け、同社は販売全体の約8割を占める欧州市場への戦略的注力を強める意向を示した。記事は、同社の米国での第1四半期販売シェアは約6%に留まるため、ブランド全体へ影響は避けられるが、国内ディーラーや顧客にとっては大きな痛手となると伝えている。なお、同じく中国の浙江吉利控股集団(Geely Holding)傘下のジーカー社(Zeekr)が製造するベース車両をロボタクシーに導入しているウェイモ社(Waymo)は、米国製自律走行ソフトウェアを米国内工場で組み込んでいるため、同様の監視対象にはならないとの見解を示した。 Axios “Polestar blocked from selling cars in U.S. over national security concerns” (06/25/26) https://www.axios.com/2026/06/25/polestar-china-ev-national-security
国防総省、軍事技術開示プロセス改革を推進 11月までに完了見通し
政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は6月26日、国防総省(Department of Defense)が同盟国への軍事技術や機密情報の開示・売却(Technology Release and Foreign Disclosure: TRFD)プロセスを改善するため、組織改革を進めているとの報告書を発表した。同プロセスを巡っては、安全保障上の影響評価に時間がかかることや、意思決定に関与する関係者が多く、連携が複雑化しているなどの課題が指摘されていた。これに対し同省は、政策や判断を追跡する知識リポジトリ・システムの構築といった実務的な改善策に着手していると説明した。さらに2024年の報告書や大統領令に基づく33項目の組織改革のうち、今年5月時点で既に26項目を完了させ、11月までにすべての改革を終える見通しであることも示した。 GAO “Technology Release and Foreign Disclosure: DOD Is Taking Action to Help Improve Its Processes” (06/26/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108435
住宅建設費、年92億ドル増加の試算 国際省エネ基準導入で
エネルギー省(Department of Energy)は6月26日、2024年版の国際省エネルギー規定(2024 International Energy Conservation Code: IECC)導入により、住宅建設コストが2006年比で年間92億ドル以上、全米で累計1,270億ドル以上増加するとの新たな分析結果を発表した。標準的な戸建て住宅の建設費は最大1万4,000ドル、投資回収期間も10年から20年を超える可能性があるとし、クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)は、気候変動活動家による規制推進が住宅価格高騰を招いたと指摘した。これに合わせ、国際基準評議会(International Code Council: ICC)への書簡で、建設費コスト増を招くオンサイト発電や電気自動車(EV)インフラ、温室効果ガス抑制要件の排除を促しており、住宅建設の規制排除に関する大統領令に沿い、州や関連機関と連携しつつ、手頃な価格で安定した電力提供に向け、引き続き尽力していく姿勢を示している。 Department of Energy “Energy Department Analysis Finds Proposed International Building Codes Would Cost Americans $9.2 Billion Annually” (06/26/26) https://www.energy.gov/articles/energy-department-analysis-finds-proposed-international-building-codes-would-cost