労働省、太陽光業界向け訓練プログラムのガイドラインを承認

労働省(Department of Labor :DOL)は1月30日、国際再生可能エネルギー会議(International Renewable Energy Conference :IREC)と太陽エネルギー産業協会(Solar Energy Industries Association :SEIA)が提案した太陽光業界向け登録徒弟制度プログラムの全国ガイドラインを承認したことを発表した。このガイダンスは企業や教育機関、労働組合が連邦規制に準拠した質の高い徒弟制度を構築するためのテンプレートで、電気技師、大工、鉄工、運転技師など太陽光プロジェクトに従事する技能労働者が対象となる。IRECのリチャード・ローレンス氏(Richard Lawrence)は「クリーンエネルギー企業が高度に訓練された労働力を様々な分野で構築するための有効な戦略制度」と言及したほか、SEIAのエリカ・シモンズ氏(Erika Symmonds)も「ガイドライン導入により労働力が強化され、太陽光産業の成長につながる」と強調した。同プログラムに参加する大規模な太陽光建設プロジェクトは、税額控除の対象となる。 SEIA, “U.S. Department of Labor Approves Guidelines for Registered Apprenticeship Programs for the Solar Industry” (1/30/25)

DARPA、マイクロシステムの統合を目指すMICAプログラム開始

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は1月31日、MICAプログラム(Microsystem Induced Catalysis)を発表した。分子工学とマイクロシステム工学の統合技術を開発し、マイクロシステムが生成する物理的力を用いて触媒活性を向上させる新手法の確立するための革新的な提案を募集する。特に、複数の触媒が連携して反応を進める「カスケード反応」の実現に重点を置き、触媒を正確な位置に配置・固定し、適応性のある接続部分を設計し、分子触媒とマイクロシステムの効果的な連携を目指す。提案書の提出期限は、2025年3月20日午後1時(米国東部標準時)で、プログラムは2段階、39ヶ月の計画で進行する予定である。MICAでは、材料合成や医療、バイオセキュリティなど幅広い分野での新たな革新を目指すとともに、倫理的、法的、社会的影響などについての継続的な議論も行う予定となっている。 DARPA, “Closing the integration gap for molecules and microsystems” (1/31/25)

NIHの研究開発助成金、25年間で実質停滞

1月30日に発表された州科学技術研究所(The State Science & Technology Institute: SSTI)よる最新の分析によると、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の外部研究開発費は、2000年度以降インフレ調整後でわずか4%増に留まり、過去25年間ほぼ横ばいであることが明らかとなった。名目では毎年増加しているものの、実質的な購買力はインフレの影響で低下している。しかし、2023年度にはNIHの支出は1ドルあたり約2.5ドルの経済活動を創出しており、依然として主要な経済推進力となっている。全国では助成金の件数も4万8,000件から6万5,000件と35%増加し、特にカリフォルニア州が8,872件と最も多くの助成金を獲得した。次いでニューヨークが6,204件、マサチューセッツが5,783件、ペンシルベニア州が4,115件、テキサス州が3,680件と続き、上位20州で全体の86%を占めた。一方、ワイオミング州やアラスカ州などはそれぞれ20件、24件と少なく、州間の研究支援の格差が顕著となった。 SSTI “Useful Stats: A quarter-century look reveals relatively flat NIH R&D awards” (1/30/25)

マイクロソフト、チェストナット・カーボンと炭素クレジット700万トン購入で25年契約

マイクロソフト社(Microsoft)は1月30日、カーボン・オフセットの新興企業であるチェスナット・カーボン社(Chestnut Carbon)と炭素除去取引に関する新たな長期契約の締結を発表した。この25年間のオフテイク契約は、米国におけるARR(Afforestation, Reforestation, and Revegetation)プロジェクトの中でも最大規模の一つで、同社がブラジルの投資銀行でありBTGパクチュアル社(BTG Pactual)の森林部門と締結した800万トンのカーボン・オフ・クレジット契約に次ぐ。これにより、同社はアーカンソー州、テキサス州、ルイジアナ州での植林・再植林プロジェクトから700万トン以上の炭素除去クレジット取得が可能になり、チェスナット社は60,000エーカーの土地を再生して、3500万本以上の多様な樹木を植樹し、炭素を吸収・貯蔵し対応する。背景には近年のAI関連データセンターのエネルギー消費増加があり、本契約は自然ベースの炭素除去ソリューションへの関心が高まる中、持続可能な環境対策の一環として注目される。 AXIOS, “Exclusive — Microsoft backs nature-based carbon removal” (1/30/25)

NSF、全グラントの審査開始 大統領令に準拠

1月30日のサイエンス誌の報道によると、米国科学財団(National Science Foundation : NSF)はトランプ大統領の指示に基づき、グラントを対象に審査を開始した。これにより受給者の口座が一時凍結されるなど、学術研究コミュニティに混乱が生じている。トランプ大統領が批判する「行き過ぎたジェンダーイデオロギー(woke gender ideology)」や多様性、海外援助、環境技術に関する研究などに加え、国益を損なう非政府組織への支援が対象で、審査の間、該当資金へのアクセスがブロックされるなどの事態が発生している。また、NSF職員は該当プロジェクトが政治的基準に違反しているかどうかを判断するための明確な指針を受けておらず、倫理的な問題も浮上している。このような状況下で、NSFは長年続いてきた一部のプログラムの終了を決定、今後の提案も受け付けない方針を示している。 Science “NSF starts vetting all grants to comply with Trump’s orders” (1/30/25)

AI導入には重要インフラのストレステスト強化を

RANDは1月30日、生活に必要不可欠な重要インフラ分野への人工知能(AI)導入がもたらすリスクに警鐘を鳴らす声が高まるなか、AI導入の際に起こるリスクを検証すべく、米国土安全保障省(Department of Homeland Security :DHS)によるストレステスト実施の必要性を提言する論説を掲載した。イスマエル・ルエダ氏(Ismael Rueda)とダニエル・タピア氏(Daniel Tapia)は、AIがデータ処理や意思決定の改善に寄与する一方で、判断ミスがシステム全体に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘する。特に電力網のような相互依存するネットワークでは、障害が他のインフラに連鎖するなどの致命的な結果を招く恐れもあるとしている。そのうえで、DHSがステークホルダーと緊密に連携し、AIモデルのリスクやマルチエージェントシステム(Multi-Agent System: MAS)の課題、そして人間とAIの共存に関する課題を考慮することの重要性を強調している。また、地域ごとの特性に応じたストレステストを実施することでリスクを評価し、AIの信頼性を高めていくべきと結論づけている。 RAND “The United States Needs to Stress Test Critical Infrastructure for Different AI Adoption Scenarios” (1/30/25)

AI安全保障に向け、中国との協力関係構築を提言

RANDは1月30日、人工知能 (AI)安全保障に関してカールソン・エルムグレン氏(Karson Elmgren)による論説を掲載した。その中で、AIの安全性に関する科学技術を推進する、米AI安全研究所(AI Safety Institute: AISI)について、AIの安全性に関するベストプラクティスを国際的に普及させるためのグローバルネットワークの構築を目指していると指摘したうえで、同機構を通じた中国との協力関係の構築の重要性に言及した。冷戦時代におけるロシアとの核兵器管理技術の共有の事例を挙げ、中国の専門家とAI安全保障に関する対話を促進することが、米国自身の安全性確保につながると説明している。一方で、技術の共有は様々なリスクを伴うため、リスク管理やインシデント報告といった非技術的なテーマに焦点を当てることの重要性を説いた。また、中国のAIの安全性に関する知見を学ぶことは、米国の同技術への政策形成にも役立つと強調している。 RAND “How Might the United States Engage with China on AI Security Without Diffusing Technology?” (1/30/25)

2023年度州政府R&D職員、4州が全体の半数以上

2023年度の州政府の研究開発(R&D)職員は、全米50州とワシントンDCで合計9,924人に達した。ニューヨーク州は全体の約3分の1を占め、フロリダ州、ワシントン州、カリフォルニア州と合わせると、4州で全体の55%を占めることが明らかになった。R&D活動は州によって異なるため、スタッフの数に大きな差が出ている。独自プログラムが充実している州がある一方で、大学や企業などの外部機関にR&Dを拠出する州もある。なお、R&D職員には研究者、技術者に加え、支援スタッフも含まれる。詳しい内容は、国立科学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)のホームページで確認が可能である。 National Center for Science and Engineering Statistics “Four States Accounted for More than Half of All State Government Intramural R&D Personnel in FY 2023″ (1/30/25)

ロスアラモス国立研究所、OpenAIと提携 最新AIモデルを導入

ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory)は1月30日、オープンAI(OpenAI)と提携し、ベナド(Venado)スパコンにo(オー)シリーズの最新モデルを導入することを発表した。このモデルは複雑な科学問題に対する専門的な推論能力を持ち、国家安全保障研究に活用されるという。同研究所所長のトム・メイソン氏(Thom Mason)は、「国家に対する脅威がますます複雑化する中、新しいアプローチと先端技術が必要」と述べ、オープンAIのモデルが国の重要課題を解決するための大きな糸口になるとした。人工知能(AI)活用により、疾病予防やエネルギーインフラの革新、サイバーセキュリティの強化など、科学の進展に期待を寄せる。Venadoは安全なネットワークに移設され、ロスアラモス、ローレンス・リバモア(Lawrence Livermore National Laboratory)、サンディア(Sandia National Laboratories)の各国立研究所の研究者らの共有リソースとなる予定である。 Los Alamos National Laboratory “Los Alamos National Laboratory partners with OpenAI to introduce latest AI models” (1/30/25)

トランプ氏の大統領令、クリーンエネルギー業界に混乱

トランプ大統領が就任直後に発表した一連の大統領令により、クリーンエネルギー業界へ激震が走っている。大統領は1月20日、連邦管理海域における洋上風力開発の6ヶ月間の停止や、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)および超党派インフラ法(Bipartisan Infrastructure Law:BIL)に基づく資金の一時停止、連邦補助金と融資の凍結などに関する内容に署名した。関係機関から複数の指針が発表されてはいるものの、具体的なプロジェクト名や詳細については明らかになっていない。業界関係者は「投資やプロジェクトの進行に影響を与え、数十億ドルの資本と労働力にリスクが出る」と指摘したうえで、「限られた情報の中で最善を尽くしている」としている。EYアメリカズパワー(EY Americas Power)のブライアン・マーフィー氏(Brian Murphy)は、「再生可能エネルギーの投資税控除は現時点で安全と見なされているが、開発者は今後90日間の情報収集が重要」と注意を促している。 UtilityDrive “Trump’s executive orders cause hesitation, confusion for clean energy developers” (1/30/25)