トランプ政権、医療高等研究計画局長を解任

2月14日、医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health: ARPA-H)の初代局長だったレネ・ウェグリン氏(Renee Wegrzyn)が、4年間の任期を1年以上残してトランプ政権によって解任された。厚生省(Department of Health and Human Services)は、「新政権では大統領の優先順位に合わせるために指導者の交代がしばしば起こる」と説明している。ウェグリン氏は退任にあたり、初代局長を務めることができて「光栄だった」と記している。政権はまだ後任を明らかにしていない。ARPA-Hは、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)に倣って2022年に設立された組織で、年間予算は15億ドルである。 American Institute of Physics “ARPA-H Director Fired by Trump Administration” (02/14/25)

2024年は仮想発電所政策にとって「極めて重要な年」

2月10日、NCクリーンエネルギー技術センター(NC Clean Energy Technology Center: NCCETC)とスマート電力連合(Smart Electric Power Alliance: SEPA)は、38州とコロンビア特別区が2024年、仮想発電所(Virtual Power Plants: VPP)と分散型エネルギー資源(Distributed Energy Resource: DER)統合に関する合計105件の政策を実施したとの調査結果を明らかにした。特に、カリフォルニア州、テキサス州、イリノイ州を含む10州では、バッテリー貯蔵と複数タイプのDERに焦点を当てた4件以上の政策が実施され、2025年もこの勢いが続くとみられている。SEPAは、民間の大規模電力会社が拠点を置いたり、大幅な負荷増加が予測されたりしている州において、さらなる政策やプログラムの実施が予想されるとしている。 Utility Dive “2024 ‘a pivotal year’ for virtual power plant policy: report” (02/12/25)

国務省のデータ・AI担当トップが辞任

2月11日、国務省(Department of State)で初の最高データ・人工知能責任者だったマシュー・グラビス氏(Matthew Graviss)が辞任したことが分かった。同氏は2020年に最高データ責任者として着任し、AIチャットボット「ステートチャット(StateChat)」の立ち上げなど、国務省のAI技術活用を主導した。国務省関係者によると、グラビス氏の辞任を受けて、現在はエイミー・リチュアロ氏(Amy Ritualo)が最高データ・AI責任者代理に就任した。グラビス氏は国務省入省前は、国土安全保障省(Department of Homeland Security)や民間企業における勤務経験を持つ。 FedScoop “State Department’s top data and AI official departs” (02/11/25)

世界資源研究所等、世界のエネルギー転換加速へ助成1億ドル受理

2月12日、世界資源研究所(World Resources Institute: WRI)とシカゴ大学(University of Chicago)は、マイケルとターニャのポルスキー夫妻(Michael and Tanya Polsky)から、ポルスキー財団(Polesky Foundation)を通じて1億ドルの寄付を受けたと発表した。世界的なエネルギー転換を加速し、未来のエネルギー・イノベーターを育成することが目的とされている。このうちWRIへの7,500万ドルの寄付は、エネルギーに特化した寄付としては史上最高額で、世界エネルギー転換WRIポルスキー・センター(WRI Polsky Center for the Global Energy Transition)の設立を通じたエネルギー・グリッドの最新化、資金調達と展開の拡大、重要鉱物の安定的な調達、熟練労働力の育成に充てられる。さらに、シカゴ大学への2,500万ドルの寄付により、ポルスキー・エネルギー転換リーダーシップアカデミー(Polsky Energy Transition Leadership Academy)が設立される。 World Resources Institute “RELEASE: WRI and University of Chicago Announce $100 Million Gift from Michael and Tanya Polsky to Accelerate the Global Energy Transition” (02/12/25)

新米国安全保障センター、AIと核の結合に関する新たな報告書

2月13日、新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は、「AIハルマゲドンの回避(Averting AI Armageddon)」と題する報告書を発表した。報告書では、中国がAIの急速な進歩の中で核兵器の数と技術をともに増強させ、世界の核秩序は米国とロシアの2極から中国を加えた3極に移行したことを強調している。報告書ではこの現象を「AI・核の結合(AI-nuclear nexus)」と名付け、核の指揮・統制・通信、戦略的安定性、AIを活用した通常システムと核リスクのカテゴリーに分けられると指摘している。そのうえで、政策立案者に、「AI・核の結合」に関する研究や外交イニシアティブへのAIの統合、核分野でのAI活用の安全規範の確立、人的監視を維持できる政策の策定などを求めている。 Center for a New American Security “The AI-Nuclear Nexus: New CNAS Report on Managing Artificial Intelligence and Nuclear Weapons amid U.S. Rivalry with China and Russia” (02/13/25)

米国科学振興協会総会、「科学への熱意を行動に」

2月13日、2025年の米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)年次総会の開会式で、AAASの幹部らは、大統領府による連邦政府コスト削減策によって米国の科学エコシステムが脆弱となる中、科学に対する熱意をインパクトのある行動に移すことの重要性を強調した。AAASのCEOらは、激動の時代における回復力と集中力の必要性を反映した総会のテーマ「科学が明日をつくる(Science Shaping Tomorrow)」に沿い、科学事業を長期的に継続し、研究や人材育成、創造的な投資を奨励するとともに、科学が社会に資するよう超党派の協力などの必要性などを主張した。 American Association for the Advancement of Science “AAAS Leaders: We Must Stay Focused Amid Turmoil” (02/15/25)

科学促進へ「アクセラレート・サイエンス・ナウ」が始動

2月7日、AIと革新的なテクノロジーを活用することで、科学的な新発見を促進し、米国民の利益に寄与することを目指す組織が集まり、「アクセラレート・サイエンス・ナウ(Accelerate Science Now: ASN)の立ち上げが発表された。ASNでは、AI等の最新技術分野において、関係組織間でのパートナーシップ構築や研究の実施を進めるほか、政策立案者や市民の啓蒙に取り組むことになる。非営利団体のシードAI(SeedAI)が主導するこの活動には、アマゾン・ウェブ・サービス社(Amazon Web Services)、メタ社(Meta)や大学などの多数の科学技術関連組織が参加している。AI能力の支援や総合的でアクセス可能な科学データの確保、学際的かつ官民に亘るパートナーシップの促進、コンピューティング能力における米国の優位性維持に重点を置いている。 SeedAI ““Accelerate Science Now” Launches to Make Science Deliver Faster for Americans” (02/07/25)

連邦政府の研究開発投資、想定以上の効果か

全米経済研究所(National Bureau of Economic Research: NBER)が1月に発表した報告書によると、連邦議会予算事務局(Congressional Budget Office: CBO)などが、連邦政府による研究開発投資の経済効果を過小評価している可能性がある。報告書は、連邦政府が資金を提供する研究開発の多くが物理的インフラなど他の投資よりも迅速かつ大きいリターンを生み出し、民間の研究開発投資を補完していることを強調している。また、基礎研究に重点を置くことが多い公的研究開発は、長期的な生産性向上につながる可能性がある点なども指摘した。さらに政府機関に対し、より正確な経済効果予測のためにモデルを改良するよう提言。これにより、議会は研究開発資金について、より多くの情報に基づいた判断をすることができるようになるとしている。 Association of American Universities “New Research Suggests Returns on Federal Investments in R&D Are Much Higher Than Current Estimates” (02/07/25)

NREL、新イノベーション担当副所長にワトソン氏

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は2月19日、アンドレア・ワトソン氏(Andrea Watson)をイノベーション・連携・アウトリーチ部門(Innovation, Partnering, and Outreach:IPO)の副所長(Associate laboratory director: ALD)に任命したと発表した。ワトソン氏は2009年に研究員としてNRELに入所し、2022年から戦略的パートナーシップ室の初代室長を務め、2023年度には過去最高となる1億4300万ドルの連携事業を実現した。また組織の戦略的アジェンダの策定や、外部資金の拡大を目指す「インパクト(Impact)26」の立ち上げにも貢献しており、2024年度には新規パートナーシップ契約で1億7000万ドルを達成した。同研究所のマーティン・ケラー所長(Martin Keller)は「NRELの技術とプログラムを前進させるパートナーシップの確保に優れた手腕を発揮してきた」と同氏の実績を評価し、ワトソン氏も引き続きImpact26の推進とパートナーシップ強化へ注力していくと抱負を述べている。 NREL “Andrea Watson Named Associate Director for Innovation, Partnering, and Outreach at NREL” (02/19/25)

ロスアラモス国立研究所、イオンビーム施設の解体作業開始

エネルギー省(Department of Energy)は2月19日、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Laboratory : LANL)のイオンビーム施設の廃止措置および解体作業を開始したと発表した。この作業は、マンハッタン計画と冷戦時代の核兵器開発に使用された施設の処理の一環として実施される。約5,600平方メートルの同施設には、かつて世界最大級のバンデグラフ加速器2基が設置され、1950年代から1960年代にかけて核実験研究において重要な役割を果たした。解体作業は環境管理局ロスアラモス事務所(Environmental Management Los Alamos Field Office: EM-LA)の委託業者であるアプティム・フェデラル・サービス社(Aptim Federal Services)が担当し、作業員や地域社会、環境の保護を優先しながら、施設内の汚染物質の除去を進めていく。施設の管理棟の解体は2025年秋に開始される予定で、プロジェクト全体の完了までには5年以上を要する見通しである。 Department of Energy “Initial Work Begins for Ion Beam Facility Deactivation, Decommissioning and Removal Project” (02/19/25)