エネルギー省 HPCコード生成のAI革新を支援

HPCwireは3月7日、ローレンス・リバモア国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory: LLNL)が、高性能コンピューティング(high performance computing: HPC)向けの大規模言語モデル(Large language models; LLMs)の画期的研究を進めていると報じた。エネルギー省(Department of Energy)のプロジェクト、科学のための人口知能(AI)イニシアチブ(AI for Science Initiative) 下で700万ドルの資金支援を受け、3年間実施される予定である。研究チームはHPCソフトウェア開発を革新するために、並列コードの生成や性能プロファイリング、コンパイルなどの専門タスクに特化したAIエージェントを開発し、ユーザーとの対話的な学習プロセスを通じてモデルの精度と信頼性を向上させていく。生産性向上に向け、AI普及が進んでいるものの、モデルの 文脈や並列セマンティクスやパフォーマンスのニュアンスが欠け、幻覚や推論エラーが起きていることが背景にあるという。 HPCwire “LLNL Advances Code LLMs for HPC with DOE-Funded Research” (03/07/25) https://www.hpcwire.com/off-the-wire/llnl-advances-code-llms-for-hpc-with-doe-funded-research/

AIブーム、データセンター建設が急増 電力需要と供給に大きな変化

UTILITY DIVEは3月5日、AIの急速な普及により、北米のデータセンター市場で前例のない建設ラッシュが起きていると報じた。CBRE社(Coldwell Banker Richard Ellis)のレポートによると、2024年の主要市場の電力供給は、前年比34%増の6,922.6メガワット(MW)に達し、さらに6,350MWが建設中であるという。空室率は1.9%まで低下し、250~500キロワット(kW)規模のスペースの平均料金も184.06ドル/kWと2.6%上昇した。北米最大のデータセンター市場である北バージニアに加え、アトランタやシカゴでも大規模な拡張が進んだ。投資家の関心も高く、2024年の不動産売買額は65億ドルに達し、4億ドルを超える大型取引が5件成立したという。報告書は、ピーク時の電力負荷を軽減し、安定した電力供給と施設の効率性が最重要課題であるとしながらも、再生可能エネルギーや天然ガス発電や植物油由来の環境に優しい燃料の活用も注目されていると伝えているという。 UTILITY DIVE “Data center supply, construction surged in 2024 amid AI boom” (03/05/25) https://www.utilitydive.com/news/data-center-supply-construction-surg-2024-ai-boom-cbre-vertiv-Tecogen/741910/

バタチャリヤ次期NIH所長 公聴会で科学への信頼回復を強調

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の所長として指名されているジェイ・バタチャリヤ氏(Jay Bhattacharya)は、3月6日、科学への信頼を回復し、自由な議論を奨励する方針を最優先とすると発表した。同氏は、スタンフォード大学(Stanford University)の医療経済学者で、同日行われた上院公聴会において所信表明を行い、研究の再現性向上や革新的課題への重点投資を掲げ、既存の定説に囚われない研究を推進する考えを示した。同氏はNIHを「米国のバイオ医療科学の要」と位置づけ、透明性と自由な科学的異議申立ての重要性を強調した一方で、パンデミック時の対応を批判した。公聴会では、研究費の間接経費削減や人員整理への懸念に対する質問が相次いだが、同氏は法に則り、慎重に検討すると述べるにとどまった。ワクチンについては科学的根拠を支持する立場を示しつつも、多様な意見を排除しない姿勢が求められると言及した。 NIH “NIH Director Nominee Bhattacharya Outlines Priorities” (03/06/25) https://ww2.aip.org/fyi/nih-director-nominee-bhattacharya-outlines-priorities

国立衛生研究所、助成審査ピアレビューを一元化

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は3月6日、全ての助成金の初期審査を科学審査センター(Center for Scientific Review: CSR)に集約し、効率化と審査の公正性強化を図ると発表した。現在、科学的・技術的な評価を行う第1段階(ピアレビュー)の78%はCSRにおいて行われている一方、残り22%は各NIH内研究所が擁する独自の審査組織が実施している。新方針は、この助成審査プロセスの第一段階審査をCSRへ一元化するというもので、これにより年間6,500万ドル以上のコスト削減が可能になる見込みであるという。従来は各研究所)が独自の審査組織を運営していたため、重複や非効率が課題となっていた。なお、第2段階の審査(各研究所の諮問委員会による最終判断)は従来通りで、資金配分の最終決定は、各研究所の研究目的や優先度に基づき行われるという。 NIH “NIH centralizes peer review to improve efficiency and strengthen integrity” (03/06/25) https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-centralizes-peer-review-improve-efficiency-strengthen-integrity

厚生省のパブリック・コメント制限方針 反発相次ぐ

STATは3月6日、ケネディ・ジュニア厚生省長官(Robert F. Kennedy Jr.)が同省(Department of Health and Human Services)の政策決定過程から、一般市民の参加を大幅制限する方針を打ち出したことに対する反発が相次いでいると報じた。1971年から続いてきた「リチャードソン免除(Richardson Waiver)」と呼ばれる一般からの意見募集プロセスが事実上廃止されることに対し、米国腎臓基金(American Kidney Fund: AKF)や米国肺協会(American Lung Association)など約20の患者支援団体が反対声明を発表しているという。専門家らは多くの厚生省の審議が非公開となり、数百万人の国民生活に影響を及ぼす重要な決定が透明性を欠いたまま行われる可能性を懸念している。民間企業も政策変更の影響を事前に把握できなくなることを不安視する向きもあり、非公式な形での働きかけが増える可能性を指摘した。同長官が排除を目指す「密室での影響力行使」がこの制限によりかえって増加する可能性があるとSTATは伝えている。 STAT “RFK Jr.’s muting of public comment in HHS rules draws pushback” (03/06/25) RFK Jr.’s muting of public comment in HHS rules draws pushback

SCC、脱炭素化へ4つの重点施策を発表

半導体気候コンソーシアム(Semiconductor Climate Consortium: SCC)は3月4日、2025年の脱炭素化促進と透明性向上に向けた4つの重点施策を発表した。施策の柱は、排出量データの収集・分析の標準化・合理化、温室効果ガス削減技術の開発促進、再生可能エネルギーの調達・導入拡大、省エネルギーのベストプラクティス共有である。また、エー・エス・エム社(ASM)のジョン・ゴライトリー氏(John Golightly)を議長、インテル社(Intel)のナターシャ・ホダス氏(Natasha Hodas)を副議長とする新たな運営評議会メンバーも発表した。さらに、デジタル技術の気候変動への影響と、フッ素化温室効果ガス(Flourinated-GHG: F-GHG)および亜酸化窒素の削減技術に関する2つの報告書も公開した。これらの取り組みにより、半導体業界全体でのネットゼロ排出に向けた取り組みを加速させる方針であるという。 SEMI “Semiconductor Climate Consortium Announces Key 2025 Initiatives to Accelerate Decarbonization and Promote Transparency in Semiconductor Sustainability” (03/04/25) https://www.semi.org/en/semi-press-release/semiconductor-climate-consortium-announces-key-2025-initiatives-to-accelerate-decarbonization-and-promote-transparency-in-semiconductor-sustainability

トランプ大統領、CHIPS法撤廃を要求 民主党は反発

NEXTGOV/FCWは3月5日、トランプ大統領が議会演説でCHIPS・科学法(CHIPS and Science Act)の撤廃を求めたことに対し、民主党が強く反発していると報じた。2022年に超党派の支持を得て成立した同法は、半導体製造の国内回帰を目指し500億ドルの連邦資金を投じる法案であるが、トランプ氏は「数千億ドルを投じても意味がない」と批判し、関税措置を通じた半導体メーカーなどの製造業誘致を主張している。これに対しチャック・シューマー上院議員院内総務(Chuck Schumer、ニューヨーク州選出民主党)は、同法により4,500億ドルの新規製造投資と10万人以上の雇用が創出されていると反論、またゾーイ・ロフグレン下院議員(Zoe Lofgren、カリフォルニア州選出民主党)も、政権による試用期間職員の解雇が研究開発計画に悪影響を及ぼしていると指摘した。法案支持派のトッド・ヤング上院議員(Todd Young、インディアナ州選出共和党)もトランプ氏の発言の真意について確認を求める姿勢を示している。 NEXTGOV/FCW “Democrats move to defend CHIPS following Trump’s calls for its removal” (03/05/25) https://www.nextgov.com/emerging-tech/2025/03/democrats-move-defend-chips-following-trumps-calls-its-removal/403501/?oref=ng-skybox-hp

国土安全保障省、オンライン本人確認技術競技会「RIVR」を公表

国土安全保障省(Department of Homeland Security)の科学技術局(Science and Technology: S&T)は3月6日、オンラインでの本人確認認証技術の安全性と正確性向上を目指す新たなコンペ「Remote Identity Validation Rally(RIVR)」を開始すると発表した。政府サービスの申請や銀行口座開設時の不正防止を狙い、商用技術の実力を競うもので、これまでの実証実験で得られた成果を基に、厳格な評価基準が設定されるという。評価内容は本人確認書類の認証、スマートフォンなどで撮影された「自撮り」写真の生体(ライブネス)判定などで、交通保安局(Transportation Security Administration: TSA)や米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)と協働して取り組んでいく。参加申請の締切は2025年4月11日となっており、オンラインID検証機能関連の技術開発者の参加を奨励している。追加の技術評価に関しては、年後半に発表される見通し。 DHS “DHS S&T Announces New Remote Identity Validation Rally” (03/06/25) https://www.dhs.gov/science-and-technology/news/2025/03/06/dhs-st-announces-new-remote-identity-validation-rally

NIST、DPガイドラインの最終決定を発表

米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)は3月6日、機密情報を含むデータベースから有用な洞察を抽出しつつ、個人のプライバシーを保護する手法である差分プライバシー(Differential Privacy: DP)の評価基準を最終決定したと発表した。DPは、個人を特定不能にするためデータにランダムな雑音(ノイズ)を加える技術で、統計的有用性を維持しつつ情報保護を実現する技術で、本評価基準は、企業や公共機関がこのDP技術を正しく評価し、誤った使用によってプライバシーが侵害されたりデータの実用性が低下したりするリスクを回避するために利用できる。2023年の草案を基に、明確な言語表現と具体的な導入支援ツールを盛り込むことで、利用者がDPのメリットとリスクのバランスをより正確に理解できるように編集されており、さらに、インタラクティブツールやフローチャート、サンプルコードも掲載し、利用者が適切なノイズレベルの選定に役立てることができるとしている。 NIST “NIST Finalizes Guidelines for Evaluating ‘Differential Privacy’ Guarantees to De-Identify Data” (03/06/25) https://www.nist.gov/news-events/news/2025/03/nist-finalizes-guidelines-evaluating-differential-privacy-guarantees-de

FAA、OpenAI技術導入へ

FEDSCOOPは3月5日、連邦航空局(Federal Aviation Administration: FAA)がマイクロソフト社(Microsoft)のアジュール(Azure)を介してオープンAI社(OpenAI)の技術を導入する8万ドルの契約を交わしたと報じた。契約にはゼネラル・ダイナミクス・インフォメーション・テクノロジー社(General Dynamics Information Technology: GDIT)も関与しているとみられるが、詳細は明らかになってない。FAAはかつて航空事故報告の質問応答にLLMを用いた例もあるとされるが大規模言語モデル(Large Language Models: LLM)の安全性を重視したソフトウェアの開発・検証に活用する研究を開始したばかりでチャットGPT(ChatGPT)の公式導入には至っていない。OpenAI社は政府機関用に「ChatGPT Gov」を提供、連邦リスクや承認管理プログラム(Federal Risk and Authorization Management Program: FedRAMP)認証取得も目指す。Azure OpenAIは最高機密情報にも対応可能で同局のIT近代化に寄与する可能性が高いと伝えている。 FEDSCOOP ” FAA has an agreement for OpenAI technology” (03/05/25) FAA has an agreement for OpenAI technology