データセンター電力コスト、消費者に転嫁の懸念 ハーバード大報告

UTILITY DIVEは3月10日、公益事業者がデータセンター向けインフラ投資の費用を、一般消費者に転嫁する可能性があると指摘したハーバード大学法学院(Harvard Law School)の論文について紹介した。「ハーバード電力法イニシアチブ(Harvard Electricity Law Initiative)」によると、アメリカン・エレクトリック・パワー社(American Electric Power)、ドミニオン・エナジー社(Dominion Energy)、ファーストエナジー社(FirstEnergy)などの公益事業会社が、特別契約や送電料金などの複雑な仕組みを通じた大規模投資を、アマゾン社(Amazon)やグーグル社(Google)などのデータセンター開発企業に行い、その後コストを電力消費者に負担させ、新しいデータセンターから利益を得るという事業形態をとっており、国民は重大なリスクに直面していると警笛を鳴らしている。州の公益事業委員会に対し、契約審査のガイドライン設定や透明性確保により消費者保護する必要性にも言及し、今後の成り行きを注視するよう促している。 UTILITY DIVE “Utilities may subsidize data center growth by shifting costs to other ratepayers: Harvard Law paper” (03/10/25) https://www.utilitydive.com/news/utilities-subsidize-data-center-growth-ratepayer-cost-shif-harvard-peskoe/742001/

トランプ政権のIRA資金凍結、クリーンエネルギー事業に打撃

UTILITY DIVEは3月7日、トランプ政権によるインフレ削減法(Inflation Reduction Act: IRA)関連プログラムの資金凍結が、全米の再生可能エネルギー事業に深刻な影響を与えていると報じた。コア・パワー社(Kore Power)のアリゾナ州に12億ドル規模の施設を建設する計画断念やフレイ・バッテリー社(Freyr Battery)のジョージア州での26億ドル規模の工場建設計画の撤回など、トランプ大統領の就任以来、少なくとも2つの数十億ドル規模のバッテリー工場プロジェクトが中止されている。このほかにも多くの事業が一時停止に追い込まれていることを受け、複数のクリーンエネルギー企業のCEOらが税控除の不透明感により今後のプロジェクトの先行きに対する懸念を示しているという。プロジェクトの財務モデル不確実性が計画構築の遅れにつながり、資本収益も不確実となるため、投資を敬遠する投資家もいるとの業界関係者の声もあるといい、議会共和党との対話を通じて、政策の明確化と支援継続を求めている。 UTILITY DIVE “IRA funding freeze has put ‘many’ clean energy projects on pause” (03/07/25) https://www.utilitydive.com/news/ira-funding-freeze-caused-clean-energy-projects-to-pause/741945/

日立エナジー、変圧器増産に2億5000万ドルを投資

UTILITY DIVEは3月10日、日立エナジー社(Hitachi Energy)が変圧器の生産能力を拡大するために2億5,000万ドルを投資すると報じた。人工知能(AI)やデータセンターの発展に伴う電力需要の急増により、変圧器需要が当初予想を超えて急増していることが背景にある。今回の投資の40%以上は米国に充てられる。また国内の主要部品製造を拡大して現地のサプライチェーンを強化するとし、100人以上の新規雇用も見込むという。これにあわせて欧州やインド、中国でも生産能力を拡大する計画も発表した。電力研究所(Electric Power Research Institute: EPRI)の報告書によると、データセンターからの電力消費は2030年までに米国の総発電量の9%以上に達する可能性があり、国家インフラストラクチャ諮問委員会(National Infrastructure Advisory Council: NIAC)も変圧器の調達リードタイムが120週に延びていると報告しており、データセンターから電力需要により、生産遅延の悪化が懸念されている現状があるという。 UTILITY DIVE “Hitachi Energy commits $250M to address transformer shortage” (03/10/25) https://www.utilitydive.com/news/hitachi-energy-commits-250-million-transformer-shortage/742010/

FERCの価格上限案 電力供給悪化で停電の可能性も

UTILITY DIVEは3月10日、FERCの価格上限案が電力供給危機を悪化させると報じた。PJMインターコネクション(PJM Interconnection)は連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission: FERC)に、年間容量取引価格上限を引き下げるために 、ペンシルバニア州など5 つの州と非公開で交渉した和解案を提出したが、UTILITY DIVEは、価格上限を引き下げて容量価格を人為的に下げても、PJMの電力供給問題の解決にはつながらないと指摘しており、むしろ投資を冷やし、停電リスクを高めると論じている。特に極端な気候下では健康と安全に影響が出るとし、2021年のテキサス州ウリ(Uli)のケースについて触れ、電力が最も必要な時期に中西部と中部大西洋岸の一部で停電が発生する危険性があるとしている。また電力需要の増加に対し供給が追いつかず将来的な価格上昇の可能性にも言及す、PJMは独立した市場形成者としての役割を果たすべきとし、短期的な政治的圧力に屈してはならないと提言している。 UTILITY DIVE “Proposed FERC price cap settlement will intensify looming electric capacity crisis” (03/10/25) https://www.utilitydive.com/news/proposed-ferc-pjm-capacity-price-cap-settlement/741938/

リーデル氏 エネルギー省CIO就任から2カ月で退任

NEXTGOV/FCWは3月7日、エネルギー省(Department of Energy)の最高情報責任者(Chief Information Officer: CIO)であるライアン・リーデル氏(Ryan Riedel)が、就任から2ヶ月足らずで退任したと報じた。退任の理由は明らかにされていない。リーデル氏の後任には、元エネルギー省副CIOのドーン・ジマー氏(Dawn Zimmer)が暫定CIOとして指名された。ジマー氏は、政権交代時、アン・ダンキン氏(Ann Dunkin)が辞任した際にも暫定CIOを務めた経験がある。同省のCIO職は1万5,000人の職員を抱える同省の技術政策とサイバーセキュリティを監督する役職で、リーデル氏は2月初めにスペースX社(SpaceX)での4年以上のネットワークエンジニア経験を経てCIOに就任した。トランプ政権下の政府効率化省(DOGE)による人員削減が続く中、エネルギー省の(National Nuclear Security Administration: NNSA)でも職員の解雇が行われたが、多くは後に撤回された。同省は本件に関するコメントを発表していない。 NEXTGOV/FCW “Energy CIO departs after short tenure” (03/07/25) https://www.nextgov.com/people/2025/03/energy-cio-departs-after-short-tenure/403596/?oref=ng-homepage-river

AI関連求人 ニューヨーク、シアトル、サンノゼで旺盛 

AXIOSは3月8日、ニューヨーク、シアトル、サンノゼが1月における人工知能(AI)職の求人が最も多かった都市と報じた。メリーランド大学(University of Maryland)と求人プラットフォームのリンクアップ社(LinkUp)、コンサルタントのアウトリガー・グループ社(Outrigger Group)がAI スキルを必要とする職種の求人情報を AI 分析した結果である。調査によると、AI技術の進展に伴い、AI が人間の仕事を奪うのではないかという懸念が広がっているものの、AI関連の職に就く人々が増加していると伝えている。具体的には、1月の求人件数はニューヨークが1,995件、シアトルが1,472件、サンノゼが1,228件であった。また、サンフランシスコ、ワシントンD.C.、ダラスも上位にランクインしており、従来のテクノロジー拠点が依然として有力であることが示されている。 AXIOS “Where the AI jobs are” (03/08/25) https://www.axios.com/2025/03/08/ai-job-hotspots

米国のAI技術研究、予算削減の危機に直面

AXIOSは3月10日、政府の科学技術機関における大規模な人員削減が米国の人工知能(AI)研究と技術革新に深刻な影響を与える可能性があると報じた。米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)と米国科学財団(National Science Foundation: NSF)で計240人以上の職員が解雇され、技術業界から強い懸念があがっているという。業界団体は同日、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)に書簡を送り、これらの措置が米国の世界におけるAIリーダーシップを損なう可能性があると警告した。特にNIST の標準規格の開発、官民連携の促進、国際基準の調和化の取り組みの重要性を強調し、1990 年代に行われたAI強化学習(今日のチャットボットの原動力となった AI アプローチ)の研究を支援したNSFの基礎研究が、今日の技術革新の源泉となった例も挙げ、短期的な効率化が同国の科学技術競争力を危うくするとし、長期的な研究支援と人材育成の重要性を強調している。 AXIOS “Exclusive: Science and tech agency cuts spark industry pushback” (03/10/25) https://www.axios.com/2025/03/10/ai-nist-nsf-cuts-industry-pushback

運輸省、インフラ政策転換 前政権の社会正義・環境政策メモを撤回

運輸省(Department of Transportation)は3月10日、バイデン政権が発行したインフラ資金調達の決定に社会正義と環境アジェンダを盛り込んだ2つの覚書(Policy on Using Bipartisan Infrastructure Law Resources to Build a Better America)を正式に撤回すると発表した。ショーン・ダフィー運輸長官(Sean P. Duffy)は、これらの覚書について、議会の意図と行政手続法に反して前政権によって一方的に発表されたもので、温室効果ガス排出と公平な取り組みに関し、根拠のない高コストな負担を追加したと説明した。同長官は「基本に立ち返り、トランプ大統領のリーダーシップの下、国民と商業の安全な輸送に焦点を当てるインフラ整備を行う」と述べ、前政権の「過激な社会的・環境的アジェンダ」を排除する方針を明確にした。 DOT “U.S. Transportation Secretary Sean P. Duffy Rescinds Memos Issued By Biden Administration That Injected Social Justice, Radical Environmental Agenda Into Infrastructure Funding Decisions” (03/10/25) https://www.transportation.gov/briefing-room/us-transportation-secretary-sean-p-duffy-rescinds-memos-issued-biden-administration

シーメンス、米国に2億8,500万ドル投資

APは3月7日、独シーメンス社(Siemens)が米国での製造に2億8,500万ドルを投じると報じた。カリフォルニア州とテキサス州に新たに2つの施設を建設する予定で、900人以上の雇用を創出する見込みという。同社はフォートワース(Fort Worth)とポモナ(Pomona)に電気製品の製造施設を2カ所開設する計画で、人工知能(AI)データセンターへの電力供給も担う。同社は過去20年間に米国へ900億ドル以上を投資しており、ミシガン州のソフトウェア会社アルティア社(Altair)の買収計画を含めると、投資総額は100億ドルを超える。ローランド・ブッシュCEO(Roland Busch)は「米国産業の革新と強さを信じている」と言及し、米国の経済成長に貢献していくことを強調した。今回の発表は半導体大手の台湾積体電路製造(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company: TSMC)が米国での投資650億ドルの投資に加え、さらに1,000億ドルを投資する計画を発表した後に行われた。 AP “Siemens announces $285 million investment in US manufacturing” (03/07/25) https://apnews.com/article/siemens-3256320c6977e21c679b2286ca45d694

中国、米国防企業25社に経済活動禁止措置

DefenseNewsは3月7日、米国との貿易緊張の高まりを受け、中国が25の米国防企業に対する経済活動禁止措置を発表したと報じた。トランプ氏による中国への関税表明の直後、中国商務省は、1月に輸出禁止措置を講じたロッキード・マーチン社(Lockheed Martin)やレイセオン社(Raytheon)などの26社に加え、今回、国家主権と安全を守るためとして新たに、国内最大の軍用造船会社、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ社(Huntington Ingalls Industries)やバイオテクノロジーのイルミナ社(Illumina)など10社を「信頼できない事業体リスト」に、15社を「輸出管理リスト」に追加した。トランプ政権が対象企業の輸出、輸入、中国への投資を全面的に禁止するとしているのに対し、中国外務省は圧力に屈しない姿勢を示しており、必要であれば最後まで戦うと強調している。この発表は年次政治会議「両会(2つの会議)」の最中に行われ、米中間の緊張関係がさらに悪化する兆候として注目されている。 DefenseNews “China bans more US defense firms” (03/07/25) https://www.defensenews.com/global/asia-pacific/2025/03/07/china-bans-more-us-defense-firms/