EPA、エネルギー産業の排水規制を大幅改定

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月12日、石油・ガス抽出施設の排水規制を現代の技術に合わせて近代化し、水の再利用を促進する方針を発表した。トランプ大統領が掲げるエネルギー政策の推進へ向け、1970年代からの排水規制を見直し、人工知能(AI)やデータセンターの冷却、牧草地の灌漑、防火、発電など幅広い分野での処理水活用を検討する。現行の規制では西部地域の農業や野生生物用の用水所に限定されていた処理水の排出を、全米に拡大することや、リチウムなどの重要鉱物抽出への応用も視野に入れている。EPAのリー・ゼルディン長官(Lee Zeldin)は、この規制改定により、エネルギー生産コストの削減と水資源の有効活用を同時に実現できると強調した。水質浄化法(Clean Water Act)に基づき、EPA は汚染防止技術の革新に合わせて、業界全体の廃水処理制限(排水制限ガイドライン: Effluent limitations guidelines)を改訂することが義務付けられている。 Environmental Protection Agency “EPA Will Revise Wastewater Regulations for Oil and Gas Extraction to Help Unleash American Energy” (03/12/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-will-revise-wastewater-regulations-oil-and-gas-extraction-help-unleash-american

DIU、量子センシング技術の軍事応用 実地試験へ

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit:DIU)は3月12日、量子センシング移行(Transition of Quantum Sensing: TQS)プログラムにおいて、測位・航法・タイミング(Positioning, navigation, and timing: PNT)や異常検知などの戦略的軍事能力を強化する量子センサーの実地試験を開始すると発表した。初期段階の約12カ月に亘り、空中、地上、海上の各領域で10以上のフィールド試験を予定しており、慣性センサー、重力計、磁気異常検出、磁気航法の各分野で、従来のセンサーを大幅に上回る精度と感度の実現を目指すという。アンドゥリル社(Anduril)やハネウェル社(Honeywell)、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)など18社が参画し、量子力学の最新知見を活用した革新的なセンサー技術の実用化に挑戦する。 Defense Innovation Unit “DIU’s Transition of Quantum Sensing (TQS) Field Testing To Begin Across Five Critical Areas” (03/12/25) https://www.diu.mil/latest/dius-transition-of-quantum-sensing-tqs-field-testing-to-begin-across-five

エネルギー省、化石燃料重視も再生可能エネルギーの成長を注視

UTILITY DIVEは3月11日、エネルギー省(Department of Energy)長官のクリス・ライト氏(Chris Wright)が、トランプ政権は化石燃料生産の増加に重点を置く一方で、太陽光や蓄電、電気自動車(Electric vehicles: EV)などの再生可能エネルギーの成長にも期待するとS&PグローバルのCERAWeek(S&P Global’s CERAWeek)での基調講演で述べたと報じた。エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)の短期エネルギー見通し(Short-Term Energy Outlook: STEO)によると2025~2026年の太陽光発電容量は30ギガワット(GW)と大幅に増加し、発電量シェアも約45%となる一方で、天然ガスは2024年の42%から2025~2026年には40%へと若干減少する見通しという。リバティー・エナジー社(Liberty Energy)元CEOの同長官は、太陽光発電の急成長を認識し、天然ガスについても代替不可能な多用途性を持つとした。 EPA “DOE will prioritize fossil fuels, but it still expects strong growth from storage, solar, Wright says” (03/11/25) https://www.utilitydive.com/news/chris-wright-fossil-fuels-department-energy-solar-wind-storage/742209/

EPA 前政権の環境規制、クリーン・パワー計画2.0を見直し

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月12日、前バイデン政権の「クリーン・パワー・計画2.0(Clean Power Plan 2.0)」について見直すと発表した。EPAのリー・ゼルディン(Lee Zeldin)長官は、2022年に最高裁が無効とした2015年のクリーン・パワー計画(Clean Power Plan)について言及したうえで、前政権による同規制の代替案(Clean Power Plan 2.0)も権限を逸脱していると指摘した。そのうえで「大統領の公約を守り、法律を遵守した上で国民に安定したエネルギーを提供することを目指す」と述べ、発電所の閉鎖を誘発し一般家庭の家計負担を増加させている同規制を改め、安定したエネルギー供給と低コストを実現するための見直しを進めていく予定とした。最高裁判所は、ウェストバージニア州とEPAの訴訟で2015年のクリーン・パワー計画を無効とし、米国の電力燃料構成を変更することを禁じたが、その後バイデン政権が2024年に新たな規制を発表した経緯がある。 EPA “Trump EPA Announces Reconsideration of Biden-Harris Rule, “Clean Power Plan 2.0”, That Prioritized Shutting Down Power Plants While Raising Costs on American Families” (03/12/25) https://www.epa.gov/newsreleases/trump-epa-announces-reconsideration-biden-harris-rule-clean-power-plan-20-prioritized

温室効果ガス報告プログラムの見直しを発表

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月12日、温室効果ガス報告プログラム(Greenhouse Gas Reporting Program: GHGRP)の再考を発表した。リー・ゼルディン長官(Lee Zeldin)は、同プログラムの年間排出量の計算報告義務付けにより、国内8,000以上の施設とサプライヤーが年間数億ドルのコスト負担に陥っているとし、企業、特に中小企業の経済活動を阻害していると指摘した上で、トランプ大統領の規制緩和方針に基づき、環境保護と経済発展の両立を目指していくと述べた。また同長官は「GHGRPは、空気の質を改善しない官僚的な政府プログラムの例」と言及し、他の大気汚染規制と異なる直接的な規制目的を持たない情報収集プログラムで「アメリカン・ドリーム(American Dream)」の実現を妨げていると指摘し、企業の環境改善投資を促進する方針を示している。 EPA “Trump EPA Announces Reconsideration of Burdensome Greenhouse Gas Reporting Program” (03/12/25) https://www.epa.gov/newsreleases/trump-epa-announces-reconsideration-burdensome-greenhouse-gas-reporting-program

EPA、バイデン前政権の電気自動車規制を見直し

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月12日、バイデン政権の電気自動車規制を見直す方針を発表した。リー・ゼルディンEPA長官(Lee Zeldin)は、この規制により7,000億ドル以上の規制コストがかかることに加え、国民が安全で手頃な車を選ぶ選択肢も奪うことになるとし、2027年モデル以降の小型および中型車両の規制と大型車両の温室効果ガス排出基準を再考する意向を示した。同長官は「前政権の厳しい規制が米国の自動車産業を圧迫している」と言及し、消費者の選択肢と環境保護の両立を目指すことを強調した。また前政権の「クリーン・トラック計画(Clean Trucks Plan)」の見直しも進め、同計画に含まれる2022年の大型車両亜酸化窒素規制(2022 Heavy-Duty Nitrous Oxide rule)は多大なコストが発生し、生活必需品などトラックを輸送手段とする商品の価格が上昇する可能性があると指摘した。トランプ大統領と同長官は同国の自動車産業の復活を目指し、規制緩和を進める意向を示している。 EPA “EPA Announces Action to Implement POTUS’s Termination of Biden-Harris Electric Vehicle Mandate” (03/12/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-action-implement-potuss-termination-biden-harris-electric-vehicle

EPA、石炭火力発電所の排水規制見直しへ

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は3月12日、2024年に制定された石炭火力発電所の排水規制を見直し、コスト削減を通じて国民の電力料金負担を軽減すると発表した。トランプ氏の米国のエネルギー解放大統領令(Unleashing American Energy Executive Order)政策に基づくもので、電力供給の安定性と低コスト化を図りつつ、水質浄化法(Clean Water Act)の下で水資源も保護するものである。2024年に制定された蒸気発電業界の排水制限ガイドライン(Steam Electric Effluent Limitation Guidelines: ELG)は、発電所の排水に厳しい基準を設けており、EPAはこの規制が電力業界に多大なコスト負担を強いるだけでなく、消費者に転嫁される可能性があると予測している。そこでEPAは技術基準の見直しや膜ろ過技術のコスト再評価などを通じて、規制緩和の可能性を探るという。特に浸出水処理に関する規制は、電力業界に数億ドルのコスト増となると予測されており、早急な緩和策を検討する方針であるという。 EPA “EPA Announces It Will Reconsider 2024 Water Pollution Limits for Coal Power Plants to Help Unleash American Energy (ELG: Steam Electric)” (03/12/25) https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-it-will-reconsider-2024-water-pollution-limits-coal-power-plants-help

EPA、大気の質改善に向けた規制緩和策を発表 SIP計画推進へ

環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)は3月12日、「善良な隣人計画(Good Neighbor Plan)」の見直しと州との協力を通じて大気の質改善に取り組む方針を発表した。リー・ゼルディンEPA長官(Lee Zeldin)は、バイデン政権が全面的に拒否した州の実施計画(State Implementation Plans: SIP)を再検討し、連邦政府の一律的な規制から州の自主性を重視する姿勢を示した。2023年3月、EPAは国家大気環境基準(National Ambient Air Quality Standards: NAAQS)に影響を与える大気汚染の州間輸送に対処するため、23州を対象とした同規則を最終決定したものの、この規制が従来の発電所から州と業界に及んだことを受け、最高裁が2024年6月に同計画の執行を停止した。これを受け、トランプ政権は環境保護と州の権限のバランスを重視する新たな施策を打ち出し、EPAも環境保護という中核的な使命を果たすとという。EPAは、同産業の規制緩和と環境保護の両立を目指す政権の政策方針を支持すると表明している。 EPA “Trump EPA Announces Plan to Work with States on SIPs to Improve Air Quality and Reconsider “Good Neighbor Plan”” (03/12/25) https://www.epa.gov/newsreleases/trump-epa-announces-plan-work-states-sips-improve-air-quality-and-reconsider-good

EIA 2024年の蓄電池容量、66%増加と発表

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は3月12日、公益事業規模の蓄電池容量が2024年度に66%増加し、累計26ギガワット(GW)を突破したと発表した。同局の2025年1月の暫定月次発電機在庫(January 2025 Preliminary Monthly Electric Generator Inventory)によると、2024年度中に新規追加された蓄電池容量は10.4GWとなり、太陽光発電に次ぐ発電容量の増加となった。総発電容量1,230GWのうち、蓄電池容量はわずか2%にとどまっているものの、2025年度にはさらに19.6GWの容量拡大が計画されており、記録的な成長が期待される。蓄電池貯蔵システムは、燃料や天然資源を直接利用して電力を生産するのではなく、既存の電力を蓄える二次的電源の役割を果たすもので、その蓄電された電力は必要に応じて発電設備や電力網へ供給される仕組みとなっている。 EIA “U.S. battery capacity increased 66% in 2024” (03/12/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=64705

エネルギー省とJAEA、世界初の高速炉燃料安全性試験を実施

エネルギー省(Department of Energy)は3月12日、アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory: INL)で20年以上ぶりに高燃焼度高速炉燃料の安全性試験を実施したと発表した。日本原子力研究開発機構(Japan Atomic Energy Agency: JAEA)との共同プロジェクトの一環で、高速炉用燃料の開発と認定に向けた重要なデータを提供することが目的であるという。具体的には、INLのEBR-II炉での過去の照射試験から保管されていた高燃焼度の金属燃料を用いた過渡試験で世界初の試みという。INL過渡試験技術リーダーのコルビー・ジェンセン氏(Colby Jensen)は「高速炉燃料を最も弱い状態で試験し、その限界をより深く理解して、改良設計の開発に役立てる」とし、新たに設計された試験カプセルを使用し、試験中の燃料の挙動を多様なセンサーで監視すると説明した。両研究グループは今後数年間にわたり、追加の安全性テストを数回実施する予定であるという。 Department of Energy “U.S. and Japan Perform First Fast Reactor Fuel Safety Test of 21st Century” (03/12/25) https://www.energy.gov/ne/articles/us-and-japan-perform-first-fast-reactor-fuel-safety-test-21st-century/