AI戦略 産業界が政府へ要望書 

NEXTGOV/FCWは3月17日、米国のAI政策において、優位性の保持や輸出規制の強化、政府によるAI技術の積極的な導入などを要望する各社公開コメントについて報じた。各社の要望はトランプ政権の姿勢と一致しており、オープンAI社(OpenAI)は、技術革新と連邦政府がAI技術を積極的に導入・活用することを奨励する政策やルールを策定するアプローチを提唱した。モジラ社(Mozilla)も公平かつ開かれた競争環境の整備などのAI政策の必要性を強調し、IBM社(International Business Machines: IBM)はオープンソースのAIソフトウェアの導入を加速し、リスクベースのアプローチを優先するよう求めた。またアライアンス・フォー・デジタル・イノベーション社(Alliance for Digital Innovation: ADI)はリスク軽減とイノベーションを結びつけるAIガバナンスを提案し、AI技術の政府調達プロセスの合理化するなど、官民連携を促進、人材育成へ投資することなどを提案した。 NEXTGOV/FCW “Inside industry’s wishlist for a new national AI strategy” (03/17/25) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2025/03/inside-industrys-wishlist-new-national-ai-strategy/403809/?oref=ng-homepage-river

DARPA、実戦想定のレッドチーム結成 AI兵器の脆弱性評価

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)は3月17日、AI兵器の実戦における脆弱性を評価するためのレッドチーム(攻撃者の視点から組織のセキュリティ評価を行う専門チーム)のフレームワーク構築を目指す「戦場におけるAIの堅牢性確保(Securing Artificial Intelligence for Battlefield Effective Robustness: SABER)」プログラムを発表した。AIは様々な攻撃で操作される可能性があるため、AIの脆弱性を評価する必要があり、自律型AIを搭載した陸上・航空システムの高精度な実戦環境演習を繰り返し実施し、現実的な脅威を評価するという。敵対勢力の攻撃を想定し、AIシステムの脆弱性に対する対策を強化することで、安全性と耐性を向上させ、レッドチームのエコシステム構築を目指すという。同プログラムの実施期間は2年間で、同局は開発や採用、統合フレームワークのアイデアを募集する。概要と提案書の提出期限はそれぞれ3月31日と5月6日となっている。 DARPA “Sharpening AI warfighting advantage on the battlefield” (03/17/25) https://www.darpa.mil/news/2025/saber-warfighter-ai

国防総省、気候変動研究の予算削減を発表

国防総省(Department of Defense)は3月14日、気候変動に関する研究の予算を削減すると発表した。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は、軍の戦闘力と準備態勢の向上に注力するため、気候変動関連のプログラムを見直す方針を示した。これにより、同省は研究工学担当次官室(Office of the Under Secretary of Defense for Research and Engineering)における90以上の研究を削減し、初年度で3,000万ドル以上のコスト削減を見込んでいる。削減対象には、気候変動の影響による世界規模の移住パターンや社会動向に関する研究が含まれる。同長官は、同省の使命に一致しないプログラムを廃止し、殺傷力や戦闘力、即応性の向上など戦闘任務に専念することを強調した。 Department of Energy “DOE Approves Loan Disbursement for Palisades Nuclear Plant” (03/17/25) https://www.energy.gov/articles/doe-approves-loan-disbursement-palisades-nuclear-plant

エネルギー省、パリセイズ原発再稼働へ2回目の融資承認

エネルギー省(Department of Energy)は3月17日、パリセイズ原子力発電所(Palisades Nuclear Plant)の再稼働に向け、ホルテック社(Holtec)への2回目の融資を承認したと発表した。融資額は約5,680万ドルで、総額15億2,000万ドルの融資保証の一部で、同発電所はミシガン州向けに安定したベースロード電力800メガワットを供給する予定である。これを受け、エネルギー省のクリス・ライト長官(Chris Wright)は「手頃な価格で信頼性の高い、安全なエネルギー源を全て活用することが重要」と言及した。同プロジェクトは、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)の認可を条件に、米国で初めて運転を停止した商業用原子炉の再稼働となり、地域の熟練労働者約600人の雇用維持にもつながるという。 Department of Energy “DOE Approves Loan Disbursement for Palisades Nuclear Plant” (03/17/25) https://www.energy.gov/articles/doe-approves-loan-disbursement-palisades-nuclear-plant

CSET 包括的なAI政策提言を発表

新米国安全保障センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は3月14日、米国の人工知能(AI)競争力強化と安全な研究開発に向けた包括的な政策提言を科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)に提出したと発表した。提言では、米国のAIリーダーシップの確保と推進、米中技術競争への対応、AIの利益実現とリスク管理など、3つの重点分野で具体的な施策案を示している。特に、大学や国立研究所などへの研究資金支援やバイオテクノロジーなどの重要分野を含む科学のための AI に投資し、インフラストラクチャとデータリソースを拡大することを提示している。またAIの公平な競争環境の整備、技術系人材の育成強化にも注力し、技術移転の監視体制強化なども重視するものとなっている。急速に進化する中国のAI能力に注視し、技術的脅威を予測し対抗するために民間部門との協力体制を改善して、AIインシデント報告制度の確立やバイオ安全保障の強化、調達基準の統一化なども提案している。 CNET “CSET’s Recommendations for an AI Action Plan” (03/14/25) CSET’s Recommendations for an AI Action Plan

ジョンズ・ホプキンス大学、2,000人超の人員削減へ

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は3月13日、トランプ政権による8億ドルの補助金削減を受け、ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University: JHU)が世界で2,000人以上の職員を解雇すると報じた。同大学は、国際開発局(Agency for International Development: USAID)への資金削減の影響を最も大きく受けた高等教育機関の一つで、既に世界44カ国で1,975人、米国で247人の人員削減を開始したという。またメリーランド州経済にも大きく貢献していたこともあり、同州知事のウェス・ムーア氏(Wes Moore、民主党)は懸念を表明し、地域経済への波及も避けられないと声明を出した。大学側は、母親と乳幼児のケアや病気との闘い、安全な飲料水の提供など世界中で行ってきた活動を誇りに思うとしながらも、今回の決定を「コミュニティ全体にとって困難な日」とした。 The Washington Post “Johns Hopkins University to slash 2,000 jobs after $800M in federal cuts” (03/13/25) https://www.washingtonpost.com/education/2025/03/13/johns-hopkins-layoffs-federal-funding-cuts/

2024年世界大学特許ランキング発表 全米発明家アカデミー

全米発明家アカデミー(National Academy of Inventors:NAI)は3月11日、2024年に米国特許を取得した世界のトップ100大学を発表した。サウジアラビアのキング・ファイサル大学(King Faisal University)が631件で1位、カリフォルニア大学(The Regents of the University of California)が540件で2位、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)が295件で3位だった。ランキングは、学術機関における重要な研究とイノベーションに焦点を当てており、大学が保有する米国特許の数に基づいている。NAIのポール・サンバーグ会長(Paul R. Sanberg)はこのリストについて「学術機関が技術を市場に出すための重要なステップ」と位置づけ、社会や経済に有益な影響を与える可能性のある技術の商業化を追求することを奨励し、知的財産の重要性を再認識させるものと説明した。NAIによると、トップ100の大学が合計で9,600件以上の特許を保有し、NAIの会員機関がその58%となる5,600件を保有しているという。 National Academy of Inventors “2024 Top 100 Worldwide Universities Announced by the National Academy of Inventors” (03/11/25) https://academyofinventors.org/2024-top-100-worldwide-universities-announced-by-the-national-academy-of-inventors/

NIH拠出、945.8億ドルの経済効果と41万人の雇用を創出

医学研究連合(United For Medical Research:UMR)は3月11日、2024年度の国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)の研究資金が、研究資金1ドルにつき2.56ドルの経済効果を生み出し、米国の経済と雇用を大きく支えていると発表した。UMRによると、2024年度NIHが拠出した369.4億ドルの研究資金は各州の研究機関に配分され、研究関連の物品やサービス購入や雇用を支え、全米で945.8億ドルの経済効果と40万7782人の雇用を創出したという。2015年度以降、NIHの研究資金による経済効果は累計7,870億ドルを超え、年間平均37万人以上の雇用を維持したとし、UMRはNIHへの継続的な資金提供は米国の健康、経済、そして世界のリーダーシップ維持に不可欠であると強調した。特に大学への研究支援は商業化に向けた発見や新興企業のスピンアウトにつながり、さらなる経済活動と成長を生み出すと指摘している。 United For Medical Research “2025 UPDATE NIH’S ROLE IN SUSTAINING THE U.S. ECONOMY” (03/11/25) Annual Economic Report

特許商標庁、AI戦略を撤回 企業の自主戦略策定促す

マナット・フェルプス&フィリップス法律事務所(Manatt, Phelps & Phillips, LLP:MP&P)は3月13日、米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office:USPTO)が人工知能(AI)戦略を撤回し、産業界に自主的な対応を迫っていると発表した。USPTOは2025年1月14日に発表したAI戦略を見直すとし、ウェブサイトから同技術の安全性を確保し責任ある開発を強調するとした関連報告書も削除した。現在、大統領府や商務省(Department of Commerce)の方針を反映した新戦略を策定中であるという。これに対しMP&Pは、AI関連開発の初期段階であるにもかかわらず、AIにおける米国のリーダーシップ維持を最優先事項とするUSPTOが今回の見直しを決めたことは、企業のAI戦略策定に影響を与えると指摘しており、AI関連企業は、独自の戦略策定や他社との連携による統一戦略の構築を検討する必要があると提言している。 Manatt, Phelps & Phillips “U.S. Patent Office Alert: AI Strategy Withdrawn – What Now?” (03/13/25) https://www.manatt.com/insights/newsletters/u-s-patent-office-alert-ai-strategy-withdrawn-what-now

連邦政府機関の職員大量解雇は無効 裁判所が言い渡し

FEDSCOOPは3月13日、カリフォルニア州北部の地方裁判所が、複数の連邦政府機関における試用期間職員の大量解雇を無効とし、即時復職を命じたと報じた。ウィリアム・アルサップ判事(William Alsup)は、人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)に対し、退役軍人省(Departments of Veterans Affairs)や農務省(Department of Agriculture)、内務省(Department of Interior)、エネルギー省(Department of Energy)、国防総省(Department of Defense)、財務省(Departments of Treasury)などの職員解雇に関する一時差し止め命令を認め、さらに延長した。これを受け、全米政府職員組合(American Federation of Government Employees: AFGE)のエベレット・ケリー委員長(Everett Kelley)は声明で「数万人の連邦職員の不当解雇を是正する同判事の判決を歓迎する」と言及した。裁判所はOPMに対し、各機関への解雇指導を禁止するとともに、命令遵守状況の報告を求めている。 FedScoop “Federal judge orders reinstatement of workers at multiple agencies, unions say” (03/13/25) Federal judge orders reinstatement of workers at multiple agencies, unions say