ケマーズ、NTTデータ、日比谷総合設備とデータセンター冷却技術試験で提携

HPCwireは3月18日、ケマーズ社(Chemours Company: CC)、NTTデータ社(NTT DATA)、日比谷総合設備社(Hibiya Engineering)が、次世代人工知能(AI)コンピューティング向けの画期的な液浸冷却技術の実証試験で提携すると報じた。この技術は、AIの急速な発展に伴う高性能コンピューティングの熱課題に対応し、環境負荷の大幅な低減を目指すもので、3社はデータセンターの二相式液浸冷却技術に焦点を当てた大規模実証試験を行う。具体的には、開発中の誘電性冷却液「オプテオン(Opteon)2P50」を使用し、データセンターのエネルギー消費を最大40%削減、冷却エネルギーも90%削減する技術を確立するもので、NTTデータ社技術コンサルティング部門の黒瀧浩平副部長は「データセンターの持続可能なIT サービスの実現に大きく貢献できる」と期待を寄せる。冷却液は地球温暖化係数が10(AR6)と極めて低く、水使用量の削減や騒音低減など、多面的な環境改善効果が期待されている。 HPCwire “Chemours, NTT DATA, and Hibiya Engineering Partner on Immersion Cooling Trial” (03/18/25) https://www.hpcwire.com/off-the-wire/chemours-ntt-data-and-hibiya-engineering-partner-on-immersion-cooling-trial/

核施設のドローン防衛強化へ 超党派議員が法案提出

FEDSCOOPは3月18日、連邦の核関連施設におけるドローン脅威に対抗するための新法案が超党派議員により提案されたと報じた。国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)の施設防衛能力を拡大する核エコシステム・ドローン防衛法(Nuclear Ecosystem Drone Defense: NEDD Act)が、ネバダ州、テネシー州、マサチューセッツ州選出の民主・共和両党議員により提出された。この法案は、核兵器関連施設や輸送車両の周辺を飛行する無許可のドローンに対抗するための技術開発と防衛権限をNNSAに付与するもので、これにより核兵器部品を保管する施設や核兵器の輸送に使用する車両の保護に加え、ドローン技術を購入し、脅威から身を守るシステムの開発が可能になる。無許可ドローン目撃情報が相次いでいることを受け、超党派の議員らが国家安全保障に深刻な脅威を与える可能性があると指摘しており、エネルギー省(Department of Energy)に包括的な防衛ツールを提供する必要性を強調している。 FEDSCOOP “Lawmakers seek drone-fighting abilities for federal nuclear facilities” (03/18/25) Lawmakers seek drone-fighting abilities for federal nuclear facilities

トランプ政権 AIモデルからイデオロギー的偏見の削除を指示

ワイアード誌(WIRED)は3月14日、トランプ政権が人口知能(AI)研究者に対し「イデオロギー的偏見」の削除を指示し、「AI安全性」や「責任あるAI」、「AI公平性」への言及を削除する新方針を示したと報じた。米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)が、AI安全研究所(AI Security Institute: AISI)と協力する科学者に対し通達した。これまでバイデン前政権が進めていた性別や人種、年齢、経済的不平等に関する差別的なモデルの特定とその修正における技術的な作業の廃止に加え、偽情報やディープフェイク追跡に関するツール開発の記述が削除されたという。JDバンス副大統領(JD Vance)は米国第一主義を強調しており、「AIの安全性について心配しているだけでは勝てない」とし、米国の世界におけるAI地位を確立するためのテストツールの開発を求めているという。研究者らはこれらの変更が、不公平かつ差別的で、安全でない、無責任なAIが展開されることにつながると警笛を鳴らしている。 WIRED “Under Trump, AI Scientists Are Told to Remove ‘Ideological Bias’ From Powerful Models” (03/14/25) https://www.wired.com/story/ai-safety-institute-new-directive-america-first/

止まらぬ頭脳流出 海外が獲得に躍起

サイエンス誌(Science)は3月17日、トランプ政権下で不安定な雇用状況に直面した研究者が、より安定した環境を求め海外の大学に応募するケースが増加していると報じた。フランスは研究者獲得に最も早く動き出した国の一つで、エクス・マルセイユ大学(Aix-Marseilles University: AMU)やパリ・サクレー大学(Paris-Saclay)は、米国の研究者を支援する取り組みを拡大している。また、トランプ政権によるコロンビア大学への助成金打ち切り発表後には、北京大学が同大学の研究者に連絡を取り、協力を申し出たという。バルセロナ大学でも今年、米国からの応募が急増し、欧州でも米国在住の科学者からの研究室への非公式応募が1月以来5倍に増加しているほか、オーストラリアやノルウェーもトップクラスの米国研究者に対する迅速なビザ発給を検討している模様である。その一方で、科学・高等教育予算削減に直面する海外大学もあり、米国からの研究者が望むポジションを見つけるのは容易ではないという側面も伝えている。 Science “Overseas universities see opportunity in U.S. ‘brain drain’” (03/18/25) https://www.science.org/content/article/overseas-universities-see-opportunity-u-s-brain-drain

2025年度最終研究開発歳出額 前年度比3.7%減

米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)は3月18日、2025年度の連邦研究開発(Research and development: R&D)歳出額推計は前年度比3.7%減の1,933億9,000万ドルと発表した。予算はつなぎ予算である「継続予算決議(Continuing resolution: CR)」に基づき、2024年度のR&D水準を基に算出された。国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)や米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、退役軍人省(Department of Veterans Affairs)などは、前年度と同水準のR&D予算となる見通しである。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)による2024年度の最終R&D拠出額が公表されるまで、2025年度歳出額は暫定的なものとなり、歳出額の詳細は2026年度予算要求と共に公表される予定という。 AAAS “Final FY 2025 R&D Appropriations” (03/18/25) https://www.aaas.org/news/final-fy-2025-rd-appropriations

DIU、eWARPプロジェクトで3社と契約 財務管理を合理化

国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit: DIU)は3月18日、人工知能(AI)を活用した予算執行とプロジェクト管理の効率化を目指すeWARPプロジェクト(Enterprise Workflow and Reporting Platform project: eWARP)を開始し、3社と契約したと発表した。公募を経て、コラス社(CORAS)、ガブシグナルズ社(GovSignals)、プリズム・ダイナミクス社(Pryzm Dynamics)が選択され、DIUはこれらのベンダーとともに新しい財務管理プラットフォームを開発する。これまで手作業で行われていた作業に最先端技術を導入し、効率的なプログラムと財務管理を実現することが目的で、予算計画の調整や資金の入金、契約変更などに加え、リアルタイムでステータスの更新を追跡できる迅速かつ包括的なソリューションを展開するという。 DIU “DIU Awards Three Contracts To Streamline DIU’s Budget Execution and Project Management” (03/18/25) https://www.diu.mil/latest/diu-awards-three-contracts-to-streamline-dius-project-management

DARPAのマイクロシステム技術室、革新的アイデアを募集

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)は3月18日、マイクロシステム技術室(Microsystems Technology Office: MTO)が開催する「MTOスパーク・タンク(MTO Spark Tank)」と招待制の「ピッチ・デー(Pitch Day)」を通じて、革新的なアイデアに最大40万ドルの資金提供を行うと発表した。7月24日から25日にコロラド州オーロラ(Aurora)で開催されるこのイベントは、中小企業やスタートアップを含む新規参入者を対象に、MTOのミッションや技術分野についての理解を深める機会を提供し、DARPAとの関わりを拡大することが目的で、非従来型コンピューティング、生物学的原理を活用した電子マイクロシステムの開発、商用規模の技術を活用した国防特定マイクロシステムの展開などの革新的なアイデアを募る予定であるという。MTO スパーク・タンクへの登録は 2025 年 4 月 10 日に開始され、ピッチ・デーへの申請方法の詳細は近日中に発表予定としている。 DARPA “Light the spark, watch it grow” (03/18/25) https://www.darpa.mil/news/2025/mto-spark-tank

政府職員、地裁命令で再雇用 大量解雇は違法と判断

フェデララル・ニュース・ネットワーク(Federal News Network)は3月18日、トランプ政権による試用期間中の連邦政府職員2万4,583人の大量解雇が違法と判断され、ほぼ全員が再雇用されると報じた。メリーランド州とカリフォルニア州の連邦裁判所が、人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)の解雇手続きが法的要件を満たしていないと判断し、行政機関に職員の復職を命じた。一方で、再雇用された職員が一斉に休職処分にされているという報道もあり、一部の裁判官は完全な再雇用を求めているという。政府機関に試用期間中の職員を解雇する裁量権がどの程度あるのか、またそうした解雇が個々の職員の行動や業績の問題に関係している必要があるかどうかが法的争点となっており、裁判所は大量解雇の正当性に疑問を呈したが、政権側はこの再雇用が行政に混乱をもたらすと主張している。国防総省(Department of Defense)など一部の機関は現在も係争中であり、最終的な解決には至っていない。 Federal News Network “25,000 fired feds reinstated after courts find probationary terminations illegal” (03/18/25) 25,000 fired feds reinstated after courts find probationary terminations illegal

国土安全保障省、8つの諮問委員会を廃止

国土安全保障省(Department of Homeland Security: DHS)は3月13日、8つの連邦諮問委員会を廃止すると発表した。トランプ大統領が2月19日に発令した大統領令に基づく措置で、DHSと調達庁(General Services Administration: GSA)の委員会管理事務局との協議を経て行われた。廃止される委員会には、国土安全保障学術連携協議会(Homeland Security Academic Partnership Council: HSAPC)、人工知能安全保障委員会(Artificial Intelligence Safety and Security Board: AISSB)、重要インフラ連携諮問委員会(Critical Infrastructure Partnership Advisory Council: CIPAC)などが含まれる。廃止は3月7日付で発効された。大統領令は、国家安全保障問題担当補佐官らに対し、30日以内に不要な政府機関や諮問委員会を特定し、大統領に報告することを求めていた。 DHS “Notice of Termination of Discretionary Federal Advisory Committees.” (03/17/25) https://www.federalregister.gov/documents/2025/03/13/2025-04011/notice-of-termination-of-discretionary-federal-advisory-committees

暫定歳出法案が通過 政府機関の一時閉鎖を回避

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は3月17日、共和党主導の暫定歳出法案が可決され、政府機関の一時閉鎖が回避されたと発表した。同法案は、2024年度歳出法水準を維持するもので、2025年9月末までの政府機能の継続が決定した。歳出法案は、国防費を60億ドル増額する一方、非国防費を130億ドル削減する内容で、下院で通過後、上院の民主党議員は、トランプ政権による連邦機関解体を加速させるとして反対姿勢を示していた。チャック・シューマー上院院内総務(Chuck Schumer、ニューヨーク州選出民主党)も当初は、同法案通過に反対し、(期限中に法案が通過しないために起こる)政府機関の一時閉鎖もやむなしとの立場を示していたが、「閉鎖による影響の方が深刻」として、最終的に法案成立に協力する方針に転じた。最終採決では賛成54、反対46で可決されたものの、上下院で民主党内の分裂を露呈する形となった。 AIP “FYI: Science Policy News Senate averts government shutdown” (03/17/25) https://ww2.aip.org/fyi/the-week-of-march-17-2025