エヌビディア、米国に数千億ドル規模の投資を表明

AXIOSは3月20日、人工知能(AI)半導体大手のエヌビディア社(NVIDIA)が米国での製造強化に向けた大規模投資を表明したと報じた。同社のジェンスン・ファンCEO(Jensen Huang)は、英フィナンシャル・タイムズ紙(Financial Times)とのインタビューで、今後4年間で約5,000億ドル規模の電子機器調達を計画しており、そのうちの数千億ドルを米国内での製造に充てる意向を明らかにした。大手IT企業が米国への投資を相次いで発表している背景に加え、関税リスクを考慮し、アジアから米国へとサプライチェーンをシフトすることが目的とみられる。同氏は、カリフォルニア州サンノゼで開催されている開発者向け会議で「米国で数千億ドル相当の製造が可能」と言及し、大統領府はこの計画について、トランプ大統領が推進してきた米国製造業回帰政策の新たな成果として評価している。 AXIOS “Nvidia to spend hundreds of billions in U.S. during Trump’s term” (03/19/25) https://www.axios.com/2025/03/20/nvidia-spend-hundreds-billions-us-during-trump-term The White House “President Trump Positions U.S. as Global Superpower in Manufacturing” (03/20/25) https://www.whitehouse.gov/articles/2025/03/president-trump-positions-u-s-as-global-superpower-in-manufacturing/

EPA、アトランティック・ショアーズ洋上風力発電許可を差し戻し

UTILITY DIVEは3月18日、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)の大気浄化法(Clean Air Act)に基づく許可を受けた、ニュージャージー州沖合で進行中の1.5GWアトランティック・ショアーズ(Atlantic Shores Offshore Wind: Atlantic Shores)洋上風力発電プロジェクトが、環境控訴委員会(Environmental Appeals Board)によって差し戻されたと報じた。EPA第2地域事務所(EPA’s Region 2 office)は、洋上風力発電リースの一時停止と既存リースの見直しを指示する1月20日の大統領令を受け、許可を自発的に再検討すると委員会に申し出た。アトランティック・ショアーズ・オフショア・ウィンド社(Atlantic Shores Offshore Wind)は法的手続きを遵守し、複雑な許認可プロセスを経て最終承認を取得したと主張し、今回の決定に失望を表明した。決定は共同開発事業者であるEDFリニューアブルズ社(EDF Renewables)とシェル社(Shell)がそれぞれ9億8,000万ドルと10億ドルの減損処理を発表した1カ月後に行われた。 UTILITY DIVE “EPA yanks air quality permit for 1.5-GW Atlantic Shores offshore wind project” (03/18/25) https://www.utilitydive.com/news/epa-remands-clean-air-act-permit-atlantic-shores-offshore-wind-energy-trump/742885/

NISTの脆弱性情報データベース、未分析のバックログが増加中

NEXTGOV/FCWは3月19日、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)が、2024年の脆弱性に関する報告件数が32%増加し、2025年もこの傾向が続くと予測していると報じた。2024年2月以来、提出される報告に処理が追い付かず、NISTの基盤となる脆弱性データベース(National Vulnerability Database: NVD)には、未分析の脆弱性のバックログが蓄積されつつあるという。これを受け同局は、処理効率を向上させるために内部プロセスの改善や特定の処理タスクを自動化するための機械学習の導入を検討している。専門家はNVDが国家のインフラ保護においてますます重要になると指摘し、脆弱性の深刻度スコア機能を利用して影響を評価しているものの、ケースによっては対応にかなりの時間がかかるといい、バックログ解消にはさらなる努力が必要であるとしている。 NEXTGOV/FCW “NIST’s vulnerability database logjam is still growing despite attempts to clear it” (03/19/25) https://www.nextgov.com/cybersecurity/2025/03/nists-vulnerability-database-logjam-still-growing-despite-attempts-clear-it/403887/?oref=ng-homepage-river

UAEのADQファンドとデータセンターの電力供給で提携

AXIOSは3月19日、アラブ首長国連邦(United Arab Emirates: UAE)の資産運用ファンドのADQ社とエネルギー資本パートナーズ(Energy Capital Partners: ECP)が、データセンターやその他の産業向けの新たな電力供給に250億ドル以上を投資するパートナーシップを発表したと報じた。AIの電力需要の急増が背景にあり、米国でガス火力発電所をデータセンターを併設した追加的な発電所を新たに設置するという。従来の電力網からの電力使用の回避が目的で、約3年以内に稼働する見通しである。今後も電力需要の急増が予測される中、データセンターは2028年までに米国の電力使用量の6.7%から12%を占めると予測されている。ECPのダグ・キメルマン氏(Doug Kimmelman)は、トランプ政権の新たな化石燃料発電やパイプラインへの支援を含む経済・インフラ政策が強力な追い風となるとし、テキサスやオハイオ州を実施場所として候補に挙げている。 AXIOS “Exclusive: UAE, U.S. partnership to invest to power data centers” (03/19/25) https://www.axios.com/2025/03/19/exclusive-uae-us-partnership-to-invest-to-power-data-centers

トランプ政権、EPAの科学研究部門を廃止へ

ニューヨーク・タイムズ紙(The New York Times)は3月17日、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)が科学研究部門を廃止し、1,155人の科学者を解雇する計画を進めていると報じた。トランプ政権による連邦政府の規模を縮小する取り組みの一環で、リー・ゼルディンEPA長官(Lee Zeldin)は、同庁の予算を65%削減する意向を示しているという。同部門の廃止は、清浄な水や廃水の改善、大気の質確保、有毒な工業用地の浄化など環境政策の基盤となる同庁の研究を脅かすものであり、解散は違法である可能性があるという専門家の声もある。科学委員会トップのゾーイ・ロフグレン下院議員(Zoe Lofgren、カリフォルニア州選出民主党)は「EPAが下す決定は、人間の健康と環境の保護するものでなければならない」と述べ、同政権が汚染産業に対する規制を緩和するために、関連機関の科学研究を弱体化させていると言及した。一方、同庁の広報担当者は組織改善の一環としての変更を強調している。 Science “Genome chief out at NIH” (03/18/25) https://www.science.org/content/article/judge-backs-usaid-epa-research-targeted-nih-comings-and-goings-trump-tracker

国立衛生研究所のゲノムトップ、グリーン氏が退任

サイエンス誌(Science)は3月18日、国立ヒトゲノム研究所の(National Human Genome Research Institute: NHGRI)のエリック・グリーン所長(Eric Green)の退任を報じた。同研究所所長を16年間務めたグリーン氏は4期目の任期更新を厚生省(Health and Human Services)に申請していたが、医療系ニュースサイトのスタット(STAT)によると、更新は行われなかったという。先月突然、国立衛生研究所(NIH)の研究室を退職したフランシス・コリンズ元NIH所長(Francis Collins)の弟子である同氏の退任により、厚生長官のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(Robert F. Kennedy Jr.)や、上院の承認を待つスタンフォード大学の医療経済学者ジェイ・バタチャリヤ氏(Jay Bhattacharya)が、27の研究所とセンターの所長を一斉に交代させるのではないかという見方が広まっているという。また、改革案の中には所長の任期を10年に制限する提案も含まれているという。 Science “Genome chief out at NIH” (03/18/25) https://www.science.org/content/article/judge-backs-usaid-epa-research-targeted-nih-comings-and-goings-trump-tracker

反ユダヤ主義の疑いで59校を調査 コロンビア大への助成金削減に続く

サイエンス誌(Science)は3月18日、反ユダヤ主義を理由に、トランプ政権が国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)からのコロンビア大学(Columbia University)への助成金を削減する決定を受け、他の59の大学へも同様の調査が開始されているとし、波紋が広がっていると報じた。助成金拠出停止により同大学のアルツハイマー病や自閉症、がん研究などのプロジェクトが停止され、学生や研究者への影響が懸念されているという。同大学は法的措置を検討しており、法学者のサミュエル・バゲンストス氏(Samuel Bagenstos)は、この資金削減が違法であると指摘し、裁判で勝つ可能性が非常に高いと言及した。一方、トランプ政権は「同大学がユダヤ人学生の安全と幸福に配慮していない」と指摘し、反ユダヤ主義の定義の採用や特定の学部を外部管理下に置くことを要求した。同大学はガザ戦争に対するキャンパス抗議活動を行った学生の一部を退学や停学処分にするなどして対応しているという。 Science “After Columbia’s ‘nightmare,’ dozens more universities brace for Trump NIH cuts” (03/18/25) https://www.science.org/content/article/after-columbia-s-nightmare-dozens-more-universities-brace-trump-nih-cuts

エネルギー貯蔵市場、前年比33%増 ACP報告

アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)は3月19日、2024年のエネルギー貯蔵市場における新設導入が2023年比で33%の増の12.3ギガワット(GW)となり新記録を達成したと発表した。全体の新設出力は1万2,314メガワット(MW)、蓄電容量は3万7,143メガワット時(MWh)となった。大規模エネルギー貯蔵システムは、テキサス州、カリフォルニア州を中心に導入が進み、第4四半期は両州が全体の61%を占めた。一方、住宅用貯蔵システムも新記録を更新、2024年の導入容量は昨年度比で57%増の1,250MWを突破した。コミュニティ・商業・産業向け(Community-scale, commercial and industrial: CCI)についても導入が拡大し、22%増の145MWとなった。ウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)によると、2025年には総計15GWの新設が予測されているものの、税制や関税措置などの不確実性が今後の成長に影響を与える可能性があるという。 ACP “REPORT: Energy Storage’s Meteoric Rise Breaks Another Record” (03/19/25) REPORT: Energy Storage’s Meteoric Rise Breaks Another Record

宇宙軍 2025年度データ・AI戦略行動計画を公表

宇宙軍(United States Space Force: USSF)は3月19日、人工知能(AI)とデータに関する2025年度戦略行動計画を発表した。AIとデータを活用して戦争を抑止し、必要に応じて敵対勢力を決定的に打破する力を2025年度までに高める取り組みを明確にすることが目的で、計画では組織横断的なデータとAIガバナンスの整備や、デジタル・AIリテラシーの強化を重要な柱としている。また、革新的技術の迅速な導入と国内外との連携強化も推進し、データの可視化や信頼性向上を図る方針で、政府や学術・産業界、そして同盟国とのパートナーシップを強化する。サイバー・データ担当副作戦主任代行のネイサン・L・アイブン大佐(Nathen L. Iven)は、宇宙領域の優位性を維持するためにデータとAIが重要であると強調し、ガーディアン(Guardian、宇宙軍の隊員を指す正式名称)に最先端ツールを装備させ、技術革新を推進するための道筋を示すと述べた。 USSF “Space Force publishes 2025 Data, AI strategic action plan” (03/19/25) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4124351/space-force-publishes-2025-data-ai-strategic-action-plan/

上院議員、科学技術革新の加速を目指す新構想を発表

2025年3月、マイク・ラウンズ上院議員(Mike Rounds、サウスダコタ州選出共和党)とマーティン・ハインリッヒ上院議員(Martin Heinrich、ニューメキシコ州選出民主党)は、2030年までに米国の科学技術革新を10倍加速させることを目指して、米国科学加速プロジェクト(American Science Acceleration Project: ASAP)を立ち上げた。人工知能(AI)などの新興技術を活用し、バイオテクノロジーや材料科学、医療技術、エネルギー、農業など、様々な科学分野における革新的な発見と展開の機会が米国内にあるとしている。今後2030年までに、データや計算能力、AIへ大規模な投資を行って「科学のスーパーハイウェイ(superhighway for science)」を構築し、より幅広い協力を可能にし、さらに、技術革新への不要な障壁を削減して展開プロセスを合理化することが必要と訴えている。同プロジェクトには、各議員の地元州だけでなく、全国から科学技術関連の団体が賛同している。 Mike Rounds “American Science Acceleration Project” (March 2025) https://www.rounds.senate.gov/ASAP?et_rid=49308378&et_cid=5564465