エネルギー省、小型モジュール原子炉開発に9億ドル支援

エネルギー省(Department of Energy)は3月24日、小型モジュール原子炉(Small Modular Reactors: SMR)の商業展開促進に向け、9億ドルの支援を実施すると発表した。支援は2段階で実施され、第1段階では電力会社や原子炉ベンダー、建設会社などで構成される「ファースト・ムーバー・チーム(First Mover Team)」に最大8億ドルを提供し、第2段階では設計、認可、サプライチェーン整備などSMRの追加導入を促進するために1億ドルを充てる。クリス・ライト長官(Chris Wright)は「米国の原子力エネルギー復興が始まる」と言及し、経済発展と安全保障に向けたエネルギー確保の重要性を強調した。人工知能(AI)の普及やデータセンターの増加に伴う電力需要の急増が背景にあり、コンパクトなSMRはモジュール設計により柔軟な導入が可能な上、既存の軽水炉のサプライチェーンなどを活用できる利点がある。入札の申請期限は2025年4月23日午後5時(東部時間)で、技術面を重視し審査・選定が行われるという。 Department of Energy “$900 Million Available to Unlock Commercial Deployment of American-Made Small Modular Reactors” (03/24/25) https://www.energy.gov/ne/articles/900-million-available-unlock-commercial-deployment-american-made-small-modular-reactors

エネルギー省 ベンチャー・グローバルのCP2 LNG輸出認可を承認

エネルギー省(Department of Energy)は3月19日、ベンチャー・グローバル社(Venture Global)のCP2液化天然ガス(Calcasieu Pass 2 Liquefied natural gas: LNG)輸出計画への輸出認可を承認したと発表した。ルイジアナ州キャメロン郡に建設が予定されている同計画は、トランプ政権下で5番目のLNG関連承認となり、1日当たり最大39.6億立方フィートのLNG輸出が可能となる。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(The Wall Street Journal)によると、バイデン前政権は2024年1月にLNG計画の承認を一時停止、その判断の根拠となった2023年秋の同省内部調査では、LNG輸出拡大は国内価格への影響が軽微で温室効果ガス排出削減にも寄与するとの結論が出ていたという。同省のクリス・ライト長官(Chris Wright)は「国内だけでなく同盟国へより手頃な価格で信頼性の高い米国産エネルギーを供給できるようになり、LNG輸出拡大のメリットが明確になっている」と所感を述べている。 Department of Energy “Secretary Wright Signs Export Authorization for Venture Global CP2 LNG” (03/19/25) https://www.energy.gov/articles/secretary-wright-signs-export-authorization-venture-global-cp2-lng

トランプ批判の仏研究者を強制送還

英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education: THE)は3月21日、トランプ大統領を批判するメッセージが携帯電話から見つかった仏研究者が国外追放を受け、欧州の研究者らの間で米国での学会参加をボイコットする動きが広がっていると伝えた。仏国立科学研究センター(Centre national de la recherche scientifique: CNRS、French National Centre for Scientific Research)の宇宙科学研究者は、ヒューストンで3月中旬に開催された約2,000人の国際科学者が集まる月惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference: LPSC)に出席するため入国しようとしたが、入国審査で携帯電話から同政権への研究費削減を批判するメッセージが見つかり「憎悪的かつ陰謀的」かつ「テロとも言える」と判断され、翌日強制送還された。仏フィリップ・バティスト高等教育・研究相(Philippe Baptiste)は「研究と学問の自由を守る」と言及し、欧州の研究者らの間でも、米国での学会参加を見直す動きが広がっているという。 Times Higher Education “US conference boycott urged after French scientist deported” (03/21/25) https://www.timeshighereducation.com/news/us-conference-boycott-urged-after-french-scientist-deported

ボーイング社、次世代戦闘機F-47の契約を獲得

DefenseNewsは3月22日、国防総省(Department of Defense)が次世代航空優勢(Next Generation Air Dominance: NGAD)戦闘機F-47の契約をボーイング社(Boeing)と結んだと報じた。F-22ラプター(Raptor)の後継機として位置づけられ、最新のステルス技術を搭載したこの第6世代戦闘機は、無人機の僚機(wingmen)と共に運用される。同社は「この契約を通じて防衛事業史上最大の投資を行う」と声明で発表し、空軍の高官はF-47を「最も強力かつ先進的で適応力のある戦闘機」と表現し、敵に対する警告と優位性を確保するためのものと強調した。トランプ大統領は、長年に亘るF-47の開発とその性能を評価し、敵対勢力はその存在を察知できないだろうと言及した。ノースロップ・グラマン社(Northrop Grumman)が2023年に主契約業者としての受注は狙わないとの発表を受けて、 NGADプログラムをめぐる競争はロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)とボーイング社の間で行われた。 DefenseNews “Boeing wins contract for NGAD fighter jet, dubbed F-47” (03/22/25) https://www.defensenews.com/air/2025/03/21/boeing-wins-contract-for-ngad-fighter-jet-dubbed-f-47/

日産自動車、SK オンとEVバッテリー供給契約を締結

UTILITY DIVEは3月20日、日産自動車社(Nissan Motor)が韓国のSKオン社(SK On)と6億6100万ドルのバッテリー供給契約を結び、北米における電気自動車(EV)生産を強化することを報じた。この契約により、SKオン社は2028年から2033年までの間に約100ギガワット時(GWh)の高ニッケルバッテリーを日産に供給し、日産は自社のEVにこのバッテリーを使用する予定で、ミシシッピ州のキャントン工場に5億ドルを投じてEV生産能力を拡大するという。2028年から16台の新型EVを市場に投入する計画を発表で、SKオン社にとっては、日本を拠点とする自動車メーカーとの初の供給契約となる。これは日産の米国におけるEV製造能力を拡大するための取り組みの一環で、より早くEV車を市場に投入するために 新たな提携先を見つけることにも注力しているという。 UTILITY DIVE “Nissan, SK On announce $661M EV battery supply deal” (03/20/25) https://www.utilitydive.com/news/nissan-sk-on-ev-battery-supply-deal/743191/

エネルギー貯蔵設備、2024年は過去最高 今後の動きは政策次第

UTILITY DIVEは3月21日、米国のエネルギー貯蔵設備導入量が2024年に12.3 ギガワット(GW)/37.1ギガワット時(GWh)に達し、過去最高を記録したものの、第4四半期には前年同期比で20%の減少となり、政策の不透明感により中期的な見通しは不透明と報じた。エネルギー調査会社のウッド・マッケンジー社(Wood Mackenzie)とアメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)の最新レポートによると、2025年には15 GW/48 GWhの導入が見込まれており、特にユーティリティ規模の貯蔵が強い成長を示し、住宅用は47%の増加を予測しているという。また、カリフォルニア州とテキサス州以外での導入が増加しているものの、政府のクリーンエネルギー税額控除や関税政策の不確実性が、今後の成長に影響を与える可能性があると指摘している。 UTILITY DIVE “US deploys record energy storage in 2024, but Trump policies cloud outlook: WoodMac/ACP” (03/21/25) https://www.utilitydive.com/news/energy-storage-record-deployment-trump-policies-uncertainty/743193/

FCC、中国企業の米国での活動を調査へ

NEXTGOV/FCWは3月21日、連邦通信委員会(Federal Communications Commission: FCC)が、以前に制限対象となった中国のテクノロジー及び通信企業の米国内での活動について、調査していると報じた。FCCのブレンダン・カー委員長(Brendan Carr)はカバー・リスト(Covered List)に掲載されているファーウェイ社(Huawei)、中興通訊社(ZTE)、ハイテラ・コミュニケーションズ社(Hytera Communications)、ハイクビジョン社(Hikvision)、ダーファ・テクノロジー社(Dahua Technology)、中国移動社(China Mobile、チャイナ・モバイル)が規制を回避しようとしている可能性があると警告し、調査を進める意向を示した。これらの企業は国家安全保障上のリスクと見なされ、重要インフラ機器やサービス供給を禁じられている。調査は2024年に発覚した中国のソルト・タイフーン(Salt Typhoon)ハッキングに端を発しており、業務評価のための質問状と1通の召喚状が送付されたという。 NEXTGOV/FCW “FCC to investigate potential US operations of restricted Chinese firms” (03/21/25) https://www.nextgov.com/cybersecurity/2025/03/fcc-investigate-potential-us-operations-restricted-chinese-firms/403954/?oref=ng-homepage-river

米科学者のIPCC参加を支援する大学連合が発足

AXIOSは3月21日、次回の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)報告書への米国科学者の参加が不透明な中、世界最大の地球・宇宙科学者の団体である米国地球物理学連合(American Geophysical Union: AGU)が主催する「米国学術連盟(U.S. Academic Alliance)」が新たに設立されたと報じた。IPCCの第7次評価報告書作成のための著者およびレビュアーを募集しており、米国の科学者が引き続きIPCCの厳格な査読評価に貢献できるよう支援することが目的であるという。設立メンバーにはプリンストン大学(Princeton University)、ウッズホール海洋研究所(Woods Hole Oceanographic Institution)、イェール大学(Yale University)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California-San Diego)が名を連ねる。トランプ政権の気候科学に対する否定的な姿勢を受け、大学が主導して米国の科学界におけるプレゼンスを確保する動きが強まっている。 AXIOS “Universities team up to get U.S. scientists into IPCC” (03/21/25) https://www.axios.com/2025/03/21/academic-alliance-scientists-ipcc

トランプ政権、NIHの助成金審査を再開

サイエンス誌(Science)は3月20日、トランプ政権が国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の助成金審査を再開すると報じた。年3回開催されていたNIH傘下の27の研究所の委員会会合が、大統領就任後の1月20日からコミュニケーション停止命令の一環で見送られていたが、政府はこれを解除し、4月8日に最初の会合となる国立補完統合健康センター(National Center for Complementary and Integrative Health:NCCIH)委員会が開かれることとなった。国立アルコール乱用・依存症研究所(National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism: NIAAA)と国立眼科研究所(National Eye Institute: NEI)の委員会もそれぞれ4月17日と21日に非公開で開催される。委員会会合の停止により膨大な数の申請が滞っていることが背景にあり、例年この時期であれば15億ドル以上の助成金の支払いが行われていると伝えている。 Science “NIH councils back on track” (03/20/25) https://www.science.org/content/article/nih-council-meetings-back-questioning-scientists-slow-payments-niaid-trump-tracker

デジタル・シルクロードに対抗する代替案をインドネシアへ CNAS提言

新アメリカ安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は3月20日、インドネシアにおける中国のデジタル・シルクロード(Digital Silk Road: DSR)に対抗するための戦略を提言する報告書を発表した。報告書は、クラウド移行やAI導入を加速するインドネシアに対し、米国が重要な公私契約を確保する機会を捉えるべきと指摘し、10年目を迎える中国のDSRがインドネシアへのデジタル経済に及ぼす影響を分析しつつ、より競争力のある代替案を提供するための具体的な戦略を提案している。具体的には、AI普及拡大や海底ケーブルなどのデジタル・インフラ・プロジェクトにおける中国の影響力の抑制に加え、国際開発金融公社の支援強化、スマートシティ構想の支援を通じて、民主的価値を共有しつつインドネシアへのインセンティブを組み合わせるべきと提案しており、米国の技術的・経済的国家戦略の強化策を示している。 CNAS “New Report Reveals How U.S. Can Counter the Digital Silk Road in Indonesia” (03/21/25) https://www.cnas.org/press/press-release/new-report-reveals-how-u-s-can-counter-the-digital-silk-road-in-indonesia