製造業のエネルギー消費、増加傾向 MECS調査

エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)は3月25日、製造業のエネルギー消費量が2010年から2022年にかけて増加したと発表した。2022年の製造業エネルギー消費調査(Manufacturing Energy Consumption Surveys: MECS)によると、天然ガス消費の増加が特に顕著で、2018年比で他のエネルギー源の合計を上回った。また、製造業全体では天然ガスや電力の利用が増加した一方、石油コークスや蒸気などは減少した。今回から初めて計測された水素の消費量(170兆英国熱量単位:British Thermal Units: BTU)も、軽油81兆BTUの2倍以上となった。詳細なデータは2025~2026年に順次公開される予定であり、1985 年の調査開始以来、4年ごとに行われる製造業における1万5,000の事業所を対象とした全国調査は11回目を迎えている。 EIA “U.S. manufacturing energy consumption has continued to increase since 2010 low” (03/25/25) https://www.eia.gov/todayinenergy/detail.php?id=64804

エネルギー省、家電規制緩和でコスト削減へ

エネルギー省(Department of Energy)は3月24日、バイデン政権下の家電製品に関する規制3件の実施をさらに延期すると発表した。これはトランプ大統領の掲げる「規制緩和による繁栄実現(Unleashing Prosperity through Deregulation)」に関する大統領令に基づくもので、コスト削減や性能向上、消費者の選択肢拡大を目指すものである。具体的には、セントラルエアコンとヒートポンプの試験手順、プレハブ冷蔵・冷凍庫の省エネ基準、ガス瞬間湯沸かし器の3つの省エネ基準に加え、電動機、シーリングファン、除湿機、外部電源など4つの省エネ基準も撤廃する。クリス・ライトエネルギー長官(Chris Wright)は「国民に選択の自由を取り戻し、消費者が個々の生活や予算に最適な家電製品を選択できるようにする」と述べ、連邦政府による規制の撤廃を強調し、不必要な官僚主義や規制を排除する方針を示している。 Department of Energy “Energy Department Advances Efforts to Lower Costs and Increase Consumer Choice” (03/24/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-advances-efforts-lower-costs-and-increase-consumer-choice

現代自動車、米国に210億ドルの投資を発表

CNBCは3月24日、韓国の現代自動車グループ社(Hyundai Motor Group)が米国へ約210億ドルを投資すると発表した。ルイジアナ州に58億ドルの電気自動車(EV)生産向けの鋼材を供給する次世代製鉄所を建設し、1,400人以上の雇用を創出する。同社の鄭義宣(チョン・ウィソン)会長(Euisun Chung)は同日、トランプ大統領らとホワイトハウスで会談し、投資計画を公表した。既にアラバマ州とジョージア州に工場があるが、今回ジョージア州に3カ所目の自動車工場も開設する。今回の決定は4月2日の関税期限前の国際企業の関税回避に向けた「米国回帰」加速が背景にあり、同社のホセ・ムニョスCEO(José Muñoz)も「関税を乗り切るためには現地生産が最善」と言及した。最近では、台湾積体電路製造社(TSMC)やソフトバンクグループ社(SoftBank group)も米国への大規模投資を表明している。 CNBC “South Korea’s Hyundai announces $21 billion U.S. investment” (03/24/25) https://www.cnbc.com/2025/03/24/south-korea-hyundai-us-investment.html

リード・ヘイスティングス氏、ボウディン大学にAI研究向け5000万ドルを寄付

ニューヨークタイムズ紙(The New York Times)は3月24日、ネットフリックス社(Netflix)共同創業者のリード・ヘイスティングス氏(Reed Hastings)が、人工知能(AI)の影響を研究し、その有益な利用を導くために、母校である私立大学のボウディン大学(Bowdoin College)に5,000万ドルを寄付したと報じた。「AIと人間性(A.I. and Humanity)」イニシアチブは、AIのリスクと影響を研究するためのメッカとなることを目指しており、人間が話しているような文章を作成するだけでなく、新薬の化合物を生成する可能性のある新興技術への支援も行う。同大学の学長、サファ・R・ザキ氏(Safa R. Zaki)は、AIに関する基本的な問題を研究し、AIの倫理的枠組みを構築することの重要性を強調した。ヘイスティングス氏は、AIの進化が社会に与える影響は、ソーシャルネットワークの変化を超えると述べ、早期の研究の必要性を訴えている。 The New York Times ” Netflix’s Reed Hastings Gives $50 Million to Bowdoin for A.I. Program” (03/24/25) https://www.nytimes.com/2025/03/24/technology/reed-hastings-bowdoin-ai.html

AIブームでクラウドデータセンター巨大化

UTILITY DIVEは3月21日、人工知能(AI)の需要増加に伴い、クラウドデータセンターが巨大化していると報じた。調査会社のシナジー・リサーチ・グループ(Synergy Research Group: SRG)によると、ハイパー・スケール・プロバイダーのデータセンター数が2023年末の992カ所から2024年は1,136カ所に増加しており、アマゾン社(Amazon)、マイクロソフト社(Microsoft)、グーグル社(Google)の3社が全体の59%を占めたという。新設データセンターの平均規模も拡大傾向にあり、総容量はデータセンター数以上に急速に増加していくという。現在500以上の施設が計画・建設中で、アマゾン社やマイクロソフト社、グーグル社がAIインフラに数十億ドル単位の投資を計画している。エヌビディア社(Nvidia)は新しいプロセッサ「ブラックウェル・ウルトラ(Blackwell Ultra)」を発表し、AIモデルの計算能力を大幅に向上させていくとする一方で、オラクル社(Oracle)は小規模施設の展開を進め、世界68~101地域へと急速に拡大を進めている。 UTLITY DIVE “Cloud data centers get bigger, denser amid AI building boom” (03/21/25) https://www.utilitydive.com/news/cloud-ai-data-center-aws-microsof-google-oracle/743290/

テキサス州上院、ディスパッチ可能な電源クレジット取引法案を承認

UTILITY DIVEは3月24日、テキサス州上院において新たにディスパッチが可能な(dispatchable)電源クレジット取引プログラムを創設する法案(S.B. 388)が通過したと報じた。同法案は、2026年1月1日以降にテキサス電気信頼性評議会(Electric Reliability Council of Texas:ERCOT)管轄区域内の電力会社に対し発電容量の50%を、蓄電池を除く制御可能な発電から調達することを目指すものである。同州公共事業委員会(Texas Public Utilities Commission: PUC)が発電事業者にクレジット購入を求め、新規発電容量の55%未満になると判断された場合にクレジット取引を開始する仕組みで、電力セクターアナリストのダグ・ルーウィン氏は(Doug Lewin)はこの法案に対し「極めて反市場的」と指摘し、ガスタービン納入が2023年以降に延期される中、同州の経済成長を著しく損なう危険があると指摘する。法案は18対13の票差で可決され、現在同州下院での審議が待たれており、6月2日の会期終了までに成否が決まる見通しである。 UTILITY DIVE “Texas Senate passes bill to establish ‘dispatchable’ power credits trading program” (03/24/25) https://www.utilitydive.com/news/texas-senate-bill-dispatchable-power-credits-trading/743185/

IRA廃止はエネルギーコストを増加 雇用にも悪影響 シンクタンク報告

UTILITY DIVEは3月24日、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)の税額控除と資金援助プログラムを廃止すると、2030年までに米国の一般家庭の年間エネルギーコストが60億ドル増加し、2035年には90億ドルを超えると報じた。無党派のシンクタンク、エネルギー・イノベーション政策技術研究所(Energy Innovation Policy & Technology)の報告によると、IRA廃止により2030年までに約79万人の雇用が失われ、GDPも1,600億ドル以上減少し、特にテキサス州、カリフォルニア州、ペンシルベニア州、フロリダ州、ジョージア州が最も大きな影響を受けるという。一方、右派シンクタンクのケイトー研究所(Cato Institute)はIRAの税額控除には上限がないことから、今後10年間で9,360億ドルから2兆ドルのコストがかかる可能性があると指摘し、廃止を求めている。 UTILITY DIVE “IRA repeal would increase energy costs, hurt jobs: Energy Innovation” (03/24/25) https://www.utilitydive.com/news/ira-repeal-energy-costs-jobs-energy-innovation-cato-institute/743281/

国防総省、基礎研究予算を大幅削減へ AIP報告

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は3月21日、2025年度の国防総省(Department of Defense)の研究開発予算が前年比約5%減の1,410億ドルと伝えた。基礎研究費は25億ドル(6.7%減)、応用研究費は58億ドル(23.7%減)となる見通しに加え、研究・開発・試験・評価(Research, Development, Test, and Evaluation: RDT&E)は、国防総省の2025 年度予算要求額を 20 億ドル近く下回った。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)は、現行予算の8%となる約500億ドルを非致死性プログラム(nonlethal programs)から他の優先分野へ振り向けると表明し、社会科学研究プログラムの廃止や、多様性・公平性・包括性(Diversity, Equity and Inclusion: DEI)関連、気候変動、新型コロナ対策などの研究助成金3億6,000万ドルを削減する方針を示した。 AIP “Defense Research Cut in Final FY25 Budget” (03/21/25) https://ww2.aip.org/fyi/defense-research-cut-in-final-fy25-budget

ITIF、新貿易戦略「グローバリゼーション2.0」提唱

情報技術イノベーション財団(Information Technology and Innovation Foundation: ITIF)は3月24日、戦後型グローバリゼーションに代わる新たな通商戦略「グローバリゼーション2.0(Globalization 2.0)」の枠組みを提言した。同財団のロバート・アトキンソン会長(Robert D. Atkinson)は、従来の自由貿易政策は破綻したものの、保護主義的な米国単独路線への極端な転換も望ましくないと指摘。特に中国の台頭を重要な転換点と位置付け、先進技術産業における米国の優位性確保を軸とする、新たな通商政策の必要性を強調した。提言では、同盟国との自由貿易推進、中国などの競争相手との戦略的貿易関係構築、先進産業における重商主義への対抗など、12の基本原則を示すとともに、貿易紛争の解決手続きの整備や、国境を越えた規制の調和など、包括的な通商ルールの執行体制確立を求めている。なお、4月3日には専門家による報告会を開催し、政府や議会への具体的な政策提言を行う予定であるという。 ITIF “America Needs a New Approach to Trade and Globalization; ITIF Proposes a “Globalization 2.0” Framework for Advanced-Industry Leadership and National Power” (03/24/25) https://itif.org/publications/2025/03/24/america-needs-new-approach-to-trade-globalization-itif-proposes-globalization-2-0-framework-for-advanced-industry-leadership-and-national-power/

連邦政府のクラウド化に民間のベストプラクティスを活用 GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は3月24日、民間企業18社のクラウドコンピューティング導入における先進的実践例を調査し、連邦政府機関のクラウド化推進に活用すべきとする報告書を発表した。調査では、調達、サイバーセキュリティ、人材育成の3分野で19の主要実践例を特定し、具体的には、明確な契約条件の交渉、インシデント対応手順の導入、スキルギャップの特定などが含まれている。企業からは、マルチクラウド戦略の早期導入により、異なるプロバイダー間での柔軟性が向上したとの報告があった一方で、人材育成やセキュリティツールへの追加投資の必要性も指摘された。学術機関の専門家らも、これらの実践例が効果的なクラウド導入戦略として極めて重要であると評価している。GAOは、これらの知見が連邦政府機関のクラウドコンピューティング移行を成功に導く重要な指針になるとしている。 GAO “Cloud Computing: Private Sector Leading Practices in Acquisition, Cybersecurity, and Workforce Development” (03/24/25) https://www.gao.gov/products/gao-25-106369