エネルギー省、45ZCF-GREETモデルを更新 代替燃料市場へのアクセスを拡大

エネルギー省(Department of Energy)バイオエネルギー技術局(Bioenergy Technologies Office)は5月30日、国内のバイオエネルギー生産における障壁を排除するため、45ZCF-GREETモデリング・ツールを更新し、新たな原料及び生産方法を反映させた。これには、トウモロコシの湿式紛砕によるエタノールや炭鉱メタンガスによる天然ガスが含まれる。これらの措置により、広範な農家や企業は、米国で成長中の代替燃料市場での事業が可能になる。GREET(温室効果ガス/規制対象排出/技術におけるエネルギー使用(Greenhouse gases, Regulated Emissions, and Energy use in Technologies))モデル群はアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)が1994年に開発したもので、サプライチェーンの様々な段階における技術や燃料、製品、エネルギーシステムによるライフサイクルの影響を評価するために使用される。45ZCF-GREETモデルは、輸送燃料生産者が45Z(税額控除)の適格性を評価することを支援するため、財務省(Department of the Treasury)が採用している。 Department of Energy “Energy Department Expands Access to Thriving Alternative Fuels Market” (05/30/25) https://www.energy.gov/eere/articles/energy-department-expands-access-thriving-alternative-fuels-market-0

国防総省、商用船向けの無人護衛プラットフォームを模索

米軍は、非武装の商業船舶を、主に無人の水上艇からの非対称な脅威から保護するため、半自動の護衛ソリューションを模索している。このような中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、プーリング・ガード(Pulling Guard)プログラムを通じて、誘導型ミサイル駆逐艦や空母打撃群など、高価で数が限定的な護衛策の代替案を模索することを発表した。これにはセキュアな接続を通じて人間が遠隔で監視する自律システムが含まれる。本プログラムで想定されている海上プラットフォームは、センサーやエフェクターが装備され、将来のソフトウェアやハードウェアのアップグレードを組み込むことができるモジュラー設計となる。プログラムは2つのフェーズで構成され、最初のフェーズ(18か月間)では、複数の実施企業によるプラットフォームとセンサーの開発が行われる。 The Defense Post “Pentagon Seeks Unmanned Escort Platform for Commercial Ships” (05/26/25) Pentagon Seeks Unmanned Escort Platform for Commercial Ships

連邦最高裁、国家環境政策法による環境審査を制限

連邦最高裁は5月29日、国家環境政策法(National Environmental Policy Act: NEPA)に基づいて環境審査を実施する連邦機関は、許可申請評価対象となる輸送及びエネルギーインフラ・プロジェクトの影響についてより限定的な見方を取ることができるとの裁定を下した。本件は、ユタ州でワックス状の原油を輸送する88マイルの鉄道の許認可が関与しているもので、連邦最高裁の裁定(8対0)の前には、下級審が過去数年に亘り、液化天然ガスの輸出ターミナルプロジェクトや鉄道・パイプラインなどのエネルギー輸送プロジェクトの影響について、輸送された後に燃焼される化石燃料が気候に及ぼす影響などを広範に考慮するよう求める裁定を下していた。ブレット・カバノー判事(Brett Kavanaugh)は、「NEPAは広範囲なものではなく、一般的に連邦当局の最終判断を決定するものではない。NEPAの目的は、当局の意思決定への情報提供であり、それを麻痺させることではない」との意見を出している。業界や共和党員、そして一部の民主党員は長年に亘り、NEPAの審査は大規模化され、一部においては法的障害となっていると苦情を申し立てていた。 POLITICO “Supreme Court limits agency environmental reviews” (05/29/25) https://www.politico.com/news/2025/05/29/supreme-court-limits-agency-environmental-reviews-00374122

ヘグセス国防長官、国防総省試験局の人員を半減、新たなリーダーを任命

ピート・ヘグセス国防長官(Defense Secretary, Pete Hegseth)は、国防総省(Department of Defense)の上級指導部宛ての通達(5月27日付け)の中で、運用試験評価担当部長室(Office of the Director of Operational Test and Evaluation: ODOT&E)の規模を削減すると共により広範な組織再編の一環として新たに暫定部長を任命することを発表した。通達によれば、ODOT&Eの人員は、非軍人30名、軍人15名、上級リーダー1名になる。組織再編以前の人員は94名(非軍人82名、軍人12名)であり、今回の措置により50%以上削減される。国防総省は、今回の変更により、年間3億ドル以上を節約できると試算している。ODOT&Eは、国防総省内の兵器やプラットフォームの検証プロセスを監督する局で、軍にはそれぞれ試験チームがあるが、省レベルの局として政策の設定や、主要プログラムの監督などの責務を持つ。ヘグセス長官はまた、現在海軍の試験評価担当副部長(deputy for test and evaluation)であるキャロル・クエイド氏(Carroll Quade)をODOT&Eの部長職の実行者として任命した。 Defense News “Hegseth cuts Pentagon’s testing office in half, appoints new leader” (05/28/25) https://www.defensenews.com/pentagon/2025/05/28/hegseth-directs-reorg-of-pentagon-testing-office-appoints-new-leader/

カリフォルニア州、余剰の系統接続を使用することで発電容量倍増可能

カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)の研究者が発表した作業論文によれば、カリフォルニア州は、既存発電所の未活用系統接続地点に発電・蓄電設備を追加することで、クリーンエネルギーの導入を加速させ、数十億ドルを節約できる可能性があるという。論文は、「一般的に、再生可能エネルギー・火力発電所の双方において系統接続は十分に活用されていない」とし、州内の数百の既存の再生可能エネルギー及び火力発電所を分析した結果、余剰の系統接続を通じて、53ギガワット(GW)のクリーンエネルギー(風力、ソーラーを含む)と23GWの蓄電容量を追加できる可能性を特定した。本研究を有望視する専門家がいる一方、カリフォルニア独立系統運用機関(California Independent System Operator)は、本論文は、商業上の関心と実現可能性を大幅に誇張している可能性が高いとする。 Utility Dive “California could nearly double generation capacity using surplus interconnection: UC Berkeley report” (05/29/25) https://www.utilitydive.com/news/california-could-nearly-double-generation-capacity-using-surplus-interconnection-berkeley/749236/

トランプ政権、半導体設計用ソフトウェアの対中国販売を禁止へ

情報筋によれば、商務省(Department of Commerce)の産業安全保障局(Bureau of Industry and Security:BIS)は、半導体設計に使用されるソフトウェア、いわゆる「電子設計オートメーション(electronic design automation: EDA)」ツールを提供する米国企業に、中国への同技術の提供を止めるよう書簡を送付したという。こうした企業には、ケイデンス(Cadence)、シノプシス(Synopsys)、シーメンスEDA(Siemens EDA)の各社が含まれる。これは、中国による先端半導体開発をより困難にしようとする米政権の新たな試みである。商務省の高官は、「戦略的に重要な案件の対中輸出を見直しているところであり、既存の輸出ライセンスの停止や見直しが完了するまでの間に追加のライセンス要件が課される場合もある」と述べる。米中両国は最近、ジュネーブで貿易取引の合意を目指して90日間の報復関税停止に同意しており、BISの通達はこうした微妙な時期に行われた。 ARS Technica “Trump bans sales of chip design software to China” (05/29/25) https://arstechnica.com/tech-policy/2025/05/trump-bans-sales-of-chip-design-software-to-china/

エネルギー長官、ミシガン州石炭発電所継続命令 石炭支援の新たな段階を示唆

クリス・ライト・エネルギー長官(Chris Wright)は5月23日、ミッドコンチネント独立系統運用機関(Midcontinent Independent System Operator: MISO)及びユーティリティ企業のコンシューマー・エネルギー社(Consumer Energy)に対して、J.H.キャンベル火力発電所(J.H. Cambell plant)の稼働を少なくとも8月21日まで継続するよう命じた。同発電所は5月31日に終了予定であったが、ライト長官は、緊急事態権限を使い、「夏季に予想される需要に対して、指令可能な電源容量が不十分なため」とした。一方で、ミシガン州のユーティリティ規制局は、「州には充分な計画と大幅な生産能力があることから、本件は不要であり、費用の増加をもたらす」としている。トランプ政権2期目は、米国の電力構成における石炭の継続的な縮小を遅らせる姿勢を見せている。 AXIOS “Michigan order signals next stage of Energy Department’s coal support” (05/27/25) https://www.axios.com/2025/05/27/doe-michigan-coal-plant-miso

AIが大学卒業生の就職を阻む

オックスフォード・エコノミクス社(Oxford Economics)が連邦の失業率統計の分析を基に作成した報告書によれば、大学卒業生は就職に苦戦しており、人工知能(AI)がその一端を担っているという。これは、AIがホワイトカラーの労働者の職に取って代わりつつあるという報告や不安な警告に確かな証拠を加える形となっている。オックスフォード・エコノミクス社が、22~27歳の学士号取得者の失業率を調査し、3カ月移動平均で見た結果、そうした人々の失業率は4月にほぼ6%であったのに比べ、労働力全体のそれは4%強であった。AIは、技術の役割を奪い、一部の人が「ホワイトカラー不況(white-collar recession)」と呼ぶ状態を招きつつある。報告書は、「長年に亘り、コンピュータ科学の学位は良い職を得るために有利な学位とみなされてきたが、その有望性は薄れつつあり、技術系の大学卒業生の供給は需要と共に減少する。とはいえ、実際にそうなるにはある程度の時間がかかる」と分析している。 AXIOS “AI is keeping recent college grads out of work” (05/29/25) https://www.axios.com/2025/05/29/ai-college-grads-work-jobs https://www.oxfordeconomics.com/resource/educated-but-unemployed-a-rising-reality-for-us-college-grads/

半導体の労働力不足問題対策に地域間行動の必要性 INC報告書

米国が半導体製造で優れたセキュリティを実現するには、より広範でより良い訓練を受けた労働力が必要である。ネットワーク・コミュニティ研究所(Institute for Networked Communities: INC)が発表した報告書「地域の半導体労働力パイプライン構築における課題 テキサス州オースティンに学ぶ教訓と地域間学習議題(The Challenge of Building a Regional Semiconductor Workforce Pipeline: What Regions Can Learn from Austin, Texas and an Agenda for Cross-Regional Learning)」によれば、米国の半導体分野の求人数は2020年の約8,000人から2022年のほぼ2万5,000人と3倍増となり、2023年から2030年の間に11万5,000件の雇用が創出される。現在の学位取得率では、約6万7,000件の求人が埋まらない見通しである。報告書は、テキサス州オースティンでの実例を基に、業界主導で半導体労働力システムを構築する方法をまとめている。更に、他地域がオースティンの事例から得られる教訓や、地域間の学習と行動ネットワークが必要な理由について掘り下げている。 Institute for Networked Communities “The Challenge of Building a Regional Semiconductor Workforce Pipeline” (May 2025) https://static1.squarespace.com/static/63dbccb959285473ec327b94/t/681b96342f7aaf34476307b0/1746638390662/The+Challenge+of+Building+a+Regional+Semiconductor+Workforce+Pipeline.pdf https://ssti.org/blog/group-calls-cross-region-action-address-semiconductor-labor-shortages

米国計算機学会、科学組織における生成AIの活用実態と懸念事項を発表

米国計算機学会(Association for Computing Machinery)は4月25日、科学組織における知識労働者(ナレッジ・ワーカー)の生成人工知能(AI)活用実態と懸念事項に関する調査結果を発表した。具体的に、シカゴ大学(University of Chicago)とアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の研究チームは、科学・運営部門の計66名の従業員を対象に調査を実施したところ、生成AIは、コード作成(常時使用9.1%、頻繁に使用13.6%、時々使用15.2%)やメール作成(常時使用3%、頻繁に使用9.1%、時々使用22.7%)やライティングなどの草稿作成における適切なトーンへの変換や定型的な文書作成において活用されていることが明らかになった。研究者によるAIの利用形態は、共同作業型とワークフロー代行型の2種類に分類することができるという。一方で、誤情報生成やデータセキュリティ、学術出版への影響、雇用への影響などの懸念点も浮上した。特に科学組織特有の懸念として未発表・機密・独自データの扱いや学術論文作成における倫理的問題を指摘している。 ACM “Generative AI Uses and Risks for Knowledge Workers in a Science Organization” (04/25/25) https://dl.acm.org/doi/10.1145/3706598.3713827 参照:SSTI “Research provides insights into how employees are using AI and their concerns about the technology ” (05/29/25) https://ssti.org/blog/research-provides-insights-how-employees-are-using-ai-and-their-concerns-about-technology