トランプ大統領、農務省の首席科学者に科学的経歴のない人物を選出か

情報筋によれば、トランプ政権は、現在、農務省(Department of Agriculture)の上級ホワイトハウス・アドバイザーであるサム・クロヴィス氏(Sam Clovis)を農務省の研究・教育・経済担当次官(undersecretary of research, education and economics)に指名する計画であるという。このポジションは省内における広範な科学ミッションを監督することから、従来は農業研究の専門性を有する高レベルの科学者が指名されている(共和党、民主党の両政権において)。しかし、元経済教授でトーク・ラジオのホストを務めた経験もあるクロヴィス氏には科学的経歴がない。クロヴィス氏は、トランプ大統領候補の最初の政策アドバイザーの一人となり、当選後は農務省のホワイトハウス上級アドバイザーとして省内で重要な役割を果たしてきた。 Washington Post “Trump’s expected choice for USDA science job lacks hard-science background” (5/13/17)

リフト社とウェイモ社が自動運転車で提携

自動運転車を巡る競争が激しくなる中、シリコンバレーで最も有望な2社が提携する。情報筋の話によれば、グーグル社(Google)の自動運転車部門から独立したウェイモ社(Waymo)が、配車サービスのスタートアップ、リフト社(Lyft)と、パイロット・プロジェクトと製品開発努力を通じて自立運転技術を市場化する取り組みで協力する契約を交わしたという。本件についてリフト社とウェイモ社は認めている(詳細は不明)。本提携は、ウェイモ社が、自動運転車の技術は研究段階を終えて商業化へ向けた段階にあると考えていることを示唆する。リフト社は配車サービス業界で最大手のウーバー社(Uber)との間に開きはあるものの業界2位であり、一方、ウェイモ社は自動運転車技術の機密情報を盗んだとしてウーバー社を訴えている。 New York Times “Lyft and Waymo Reach Deal to Collaborate on Self-Driving Cars” (5/14/17)

プラグイン式自動車の世界売上の42%を中国が占める(2016年)

エネルギー省(Department of Energy)の報告によれば、2016年には世界で約75万6,000台のプラグイン式電気自動車(plug-in electric vehicles: PEV)が販売され、その95%を中国、欧州、米国、日本、カナダが占めたという。また、中国だけで売上の42%(31万6,800台)を占めている。中国のPEVの売上は前年から53%増加し、その多く(44%)は完全電気自動車(all-electric vehicles: EV)であった。一方、プラグイン式ハイブリッド電気自動車(plug-in hybrid electric vehicles: PHEV)の売上は7万2,900台であった。 Green Car Congress “DOE: China alone accounted for 42% of global plug-in vehicle sales in 2016” (5/17/17)

「2017年世界脅威評価」報告書、気候変動は依然安全保障脅威と記述

ダニエル・コーツ国家情報長官(Daniel R. Coats, Director of National Intelligence)は5月11日、2017年の「世界脅威評価(Worldwide Threat Assessment)」を議会へ提出、公表した。それによれば、米国の国家安全保障は、人工知能(AI)とゲノム編集の向上、気候変動の影響、魚の乱獲、生物多様性の損失によって脅かされているという。昨年の脅威リストから抜けたものには、他国によるビッグデータ分析の向上、仮想現実の向上がある。一方、新しいものには、米国半導体業界の進展ペースが鈍化している点と、中国が引き続き自国のチップ能力強化に取り組んでいる点が含まれている。気候変動については、「気候変動が安全保障にもたらす意味合いを評価しているが、気候変動科学に関する判断はしない」としている。これは、「温室効果ガス排出の生成と土地利用を含む人的活動は、過酷な気象に寄与している」とした昨年の文面とは大きく異なっている。 Science “U.S. spy agencies wimp out on science of climate change, but still say it’s a security threat” (5/11/17)

「士官学校スワーム(大群)チャレンジ」で自立スワーム能力の拡大が実証される

先月、カリフォルニア州の陸軍州兵地(Army National Guard post)、キャンプ・ロバーツ(Camp Roberts)で行われた「士官学校スワーム(大群)チャレンジ(Service Academies Swarm Challenge)」で、40名以上の士官候補生が、高度に自立した無人航空機(unmanned aerial vehicle: UAV)のスワーム(大群)を操作する革新的な戦術能力を競った。3日間にわたって行われた本チャレンジでは、海軍士官学校(Naval Academy)が、陸軍士官学校(Military Academy)と空軍士官学校(Air Force Academy)を抑えて勝利した。試合は、キャプチャー・ザ・フラッグ(Capture the Flag)を基にした形式で行われ、一度に2チームが対抗した。チャレンジを通じて、スワーム関連の将来の研究に多くの可能性を見ることができたと、チャレンジを主催した国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)のプログラム・マネジャーは述べている。 Defense Advanced Research Project Agency “Service Academies Swarm Challenge Pushes the Boundaries of Autonomous Swarm Capabilities” (5/11/17)

エネルギー省の第3回中小企業バウチャー・パイロットでビル技術関連の中小企業3社が受益

エネルギー省(Department of Energy)は、3回目となる中小企業バウチャー(Small Business Vouchers: SBV)パイロットを受益する38の中小企業を選出した。その中には、ビル関連の問題に取り組む中小企業3社が含まれている。SBVは、中小企業がエネルギー省の国立研究所が持つ知的及び技術的資源を活用し、先端エネルギー製品の技術課題の克服と国際競争力を得られるようにすることを目的としている。今回選出されたビル技術分野の3社は、より効率的な商業冷媒システムや先端モデリング・ツール、高価でない非侵襲性のBTUメーターの開発に重点を置いた研究開発活動に取り組む。 Department of Energy “Third Round of Small Business Vouchers Pilot Awards 3 Small Businesses in Buildings Sector” (5/10/17)

ゴットリーブ氏、FDA長官として承認される

上院は5月9日、スコット・ゴットリーブ氏(Scott Gottlieb)を食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)の次期長官として承認した。保守派で製薬業界と強いつながりを持つインサイダーがFDA長官となり、トランプ大統領が約束した「医薬品価格の高騰への対応」を巡る論争に加わることになる。FDA及びメディケア・メディケイド・サービス・センター(Centers for Medicare and Medicaid Services: CMS)の元高官で、今回の承認前には多くの製薬大手との接触があるベンチャー・キャピタル企業のパートナーであったゴットリーブ氏は、FDA長官として、1万5,000人の職員と50億ドルの予算を主導する。民主党は、製薬業界と深いつながりを持つ同氏の指名に懸念を示していたが、ゴットリーブ氏はトランプ大統領が当初、次期FDA長官として検討していたその他の候補者に比べれば、かなり伝統的な候補者である。ゴットリーブ氏は、トランプ大統領が選挙中に主張していた医薬品価格の抑制策については明言を避けている。 Politico “Gottlieb confirmed as FDA chief” (5/9/17)

介護技術は身体障害者の就職を可能にするが、環境的・個人的要素が依然として障害になるとの報告

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)が発表した報告書「活動と労働への参加を強化する介護技術の有望性(The Promise of Assistive Technology to Enhance Activity and Work Participation)」によれば、車椅子や上肢人工装具、補聴器といった介護製品及び技術には、障害の影響を部分的あるいは十分に緩和し、身体障害者の就職を可能にする有望性があるが、一部のケースでは(職場や社会の)環境的及び人的要素が更なる障害を生み出しているという。更に、メディケア(Medicare)やその他の保険会社によってカバーされる製品と、利用者のニーズに最も合致する製品との間に不均衡が生じるなど、その他の問題もあるという。 National Academies “While Assistive Technologies Can Enable Those With Disabilities to Work, Environmental and Personal Factors Still Create Barriers” (5/9/17)

ビジネス・リーダー、ホワイトハウスにNIHの重要性を主張する

約2か月前、トランプ政権が国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)の予算18%削減を提案したことに、バイオ医療研究コミュニティは震撼した。しかし5月8日にホワイトハウスで行われた会合で、そのムードは一変したようである。バイオ医療業界の幹部らによる代表団に率いられ、NIHの指導者らはトランプ政権のトップと2時間にわたる協議を行い、医療科学への連邦投資が経済と人間の健康にもたらす重要性について慎重な説明を行った。フランシス・コリンズNIH長官(Francis S. Collins)は、明らかな勝利宣言は避けたが、ホワイトハウスでの会合は2か月間にわたるNIH予算への不安をかき消したようである。本会合は、投資銀行家で高等教育とトランプ政権とのつながりを持つウィリアム・フォード氏(William E. Ford)の提案によって行われた。 The Chronicle of Higher Education “Called to the White House, Business Leaders Attest to NIH’s Value” (5/9/17)

ARPA-Eのグラントを巡る争いがエスカレート

エディー・バーニス・ジョンソン下院議員(Eddie Bernice Johnson、テキサス州選出民主党)は、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)のジーン・ドダロ長官(Gene Dodaro)宛てに書簡を送り、エネルギー省(Department of Energy)のエネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)が拠出を約束した数千万ドルの研究助成金の手続きを進めていないことでエネルギー省を提訴するよう要請した。ジョンソン議員は、「エネルギー省の行為は、連邦機関が議会が付与した資金を支出するよう義務付けた1974年の法に違反している」と主張する。対象となっている助成金の契約交渉の一部は昨年11月に遡り、先月突然停止された。ジョンソン議員は4月26日、エネルギー省のリック・ペリー長官(Rick Perry)にこうした助成金問題の現状について明確にするよう求める書簡を送った。エネルギー省は5月4日に声明を発表したが、ジョンソン議員はその返答は不十分であるとして、GAO長官に対して連邦機関に充当された資金を支出するよう求める民事訴訟を起こせる権限を行使するよう要請した。 Science “Fight escalates over ARPA-E grants” (5/8/17)