2050年までに139か国で電力が風力・太陽・水で完全調達される可能性

スタンフォード大学(Stanford University)「大気とエネルギー・プログラム(Atmosphere and Energy Program)」のソリューション・プロジェクト(Solutions Project)は、2050年までに139か国の電力を風力・水・太陽で完全(100%)調達するために必要なインフラの変化を概説した論文を発表した。効率的なクリーン再生可能電力を要因とするこの移行によって世界的なエネルギー消費は減少する一方、長期雇用は2,400万人増え、大気汚染による年間死者数が400~700万人減少し、エネルギー価格は安定し、健康や気候面のコストは年間20兆ドル以上の節約につながるという。論文によれば、人口一人当たりの土地面積が大きい国(米国、中国など)は風力・水・太陽エネルギーによる電力完全調達への移行が最も容易で、海に囲まれ人口が多い国(シンガポールなど)は、この目標を達成するのがより難しいという。 UPI “By 2050, 139 countries could be powered by wind, solar, water” (8/23/17)

大統領府インフラ安全保障評議会のメンバーが辞任

大統領府は8月19日、全国インフラストラクチャー諮問評議会(National Infrastructure Advisory Council: NIAC)の複数のメンバーが、四半期ビジネス会合(8月19日)の前日に辞任届を提出したことを認めた。NIACはジョージ・ブッシュ元大統領(George W. Bush)が創設したもので、大統領が民間セクターや学術機関、州・地方自治体から最高30名のメンバーを任命する(今回辞任したのは、前政権によって任命されたメンバー)。NIACの任務は、米国の重要インフラ及び情報システムについて、大統領及び国土安全保障省(Homeland Security Department)に助言することである。これらのメンバーの辞任の1週間前には、トランプ大統領が二つの主要なビジネス評議会の解散を発表している。先に発生した白人至上主義者の集会での暴動を受けてトランプ大統領が行った発言に反対する形で、複数の大統領諮問委員会のメンバーが次々に辞任してる。 The Hill “Members resign from White House council on infrastructure security” (8/22/17)

RGGI、プログラムの変更草案(2030年までに炭素排出上限を更に30%引き下げ)を発表

北東部州9州が参加する市場ベースの温室効果ガス排出規制プログラム、地域温室効果ガス・イニシアチブ(Regional Greenhouse Gas Initiative: RGGI)は8月23日、2020年以降のプログラムを確立するため、2030年までに2020年と比較して排出上限を更に30%引き下げることなどを盛り込んだプログラム変更草案を発表した。変更草案には、排出削減コストが予測よりも低い場合に、州政府が割当量を保管できる「排出抑止備蓄(Emission Containment Reserve: ECR)」の追加なども含まれている。RGGIは今後、草案への関係機関からのコメントを集め、それらの見直しと追加の経済分析を行い、更新版資料の発表などを行った後、RGGI参加州は州ごとの法定・規制プロセスに従い、それぞれの二酸化炭素予算取引プログラム(CO2 Budget Trading Programs)に更新を提案する。 Regional Greenhouse Gas Initiative “RGGI States Announce Proposed Program Changes: Additional 30% Emissions Cap Decline by 2030” (8/23/17)

エネルギー省、待望の電力グリッド調査報告を発表

エネルギー省(Department of Energy)による電力グリッドに関する報告書が発表された。報告書は、石炭火力及び原子力発電所を後押しする内容となっている。報告書は、過去16年間にわたって石炭火力・原子力発電所が閉鎖を余儀なくされている理由について、「最大の要因は、安価で豊富な天然ガスの存在であり、環境規制や再生可能エネルギー資源ではない」との見解を示している。勧告には、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)に石炭火力発電所への新規投資における要件を緩和することなどが含まれている。これらの勧告が採択されれば、電力市場における価格決定方法は変更され、石炭火力発電所に課せられる環境審査は緩和され、様々なエネルギー資源の許認可プロセスがスピードアップされることになるとみられる。報告書は、石炭及び原子力関係機関から称賛を受け、環境及びソーラーエネルギー関係機関からは厳しい批判を受けている。 Washington Post “Rick Perry gets his electricity grid study. The coal and mining industries like it.” (8/24/17)

DARPA、敵の小型無人航空機の阻止を狙いとしたモバイル部隊保護(MFP)プログラムで助成を発表

国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、モバイル部隊保護(Mobile Force Protection: MFP)プログラムの下、3件のプロジェクトにフェーズ1としての助成を提供した。現在、敵の小型無人航空機システム(small unmanned aircraft systems: sUAS)が拡散しており、これに対する米軍の懸念が増加していることから、sUAS対策に重点を置いたプログラムとして、MFPが開始された。スケーラブルかつモジュール組立型で手頃な費用のsUAS対策手法を、脅威や戦術、技術の進展にあわせて機敏に進化させる形で、今後3~4年で開発することを目標としている。今回受益するのは、ダイネティクス社(Dynetics, Inc.)、サーブ・ディフェンス・アンド・セキュリティUSA社(Saab Defense and Security USA, LLC)、SRC社(SRC, Inc.)である。MFPプログラムは、フェーズごとに合計3回の屋外実証が計画されている。 Defense Advanced Research Project Agency “Mobile Force Protection Aims to Thwart Adversaries’ Small Unmanned Aircraft” (8/21/17)

カール・アイカーン氏、トランプ大統領の特別アドバイザーから退く

巨額投資家のカール・アイカーン氏(Carl C. Icahn)は8月18日のツイッターで、「規制改革関連の問題でトランプ大統領の特別アドバイザーから退く」と投稿した。投稿のリンク先にある同氏のウェブサイトに掲載されている書簡は、「自分はトランプ政権で公式の職位を持ったことはない」と述べている。アイカーン氏がツイッターを行った数時間後には、ニューヨーカー誌(New Yorker)のウェブサイトに、アイカーン氏の特別アドバザーの役割が同氏のビジネスに利益相反をもたらしていることを伝える記事が掲載された。この記事を書いた記者は後に、「ホワイトハウスによれば、アイカーン氏は解雇された」とツイッターしている。アイカーン氏は、自身の投資の一部に恩恵をもたらし得る規制問題に強い意見を持っていたことから、トランプ大統領の助言役を務めていることに懸念が指摘されていた。 New York Times “Carl Icahn Quits as a Special Adviser to President Trump” (8/18/17)

合成生物学が呈する脆弱性を特定するための枠組みを提案する米国アカデミー報告書

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、「合成生物学が呈する潜在的なバイオ防衛の脆弱性を特定するための枠組み提案(A Proposed Framework for Identifying Potential Biodefense Vulnerabilities Posed by Synthetic Biology)」と題する報告書を発表した。報告書は、合成生物学の進展によってもたらされるバイオ防衛上の脅威の変化について、「合成生物学はどの程度、兵器開発のために利用される可能性があるか」という点に重点を置きながら分析したもので、2段階で行われる研究の第一弾である。本報告書で概説されている枠組みは、合成生物学の様々な技術と応用(遺伝子編集や指向性進化(directed evolution)など)について説明し、それらに関連する懸念の評価を行う際の指針となる一連の質問を提示している。報告書の最終版(第二弾)は、この枠組みを必要に応じて改定した上で、合成生物技術が呈する懸念の評価とその緩和の可能性について、国防総省(Department of Defense)へ報告する。 National Academies “New Report Proposes Framework to Identify Vulnerabilities Posed by Synthetic Biology” (8/21/17)

エネルギー省、コミュニティ・ベースの先端輸送プロジェクトに1,340万ドルの投資を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月22日、エネルギー効率の高い移動システム(コネクテッド及び自動運転車や代替燃料自動車、インフラなど)に重点を置いたコミュニティ・ベースでコスト分担型の5件のプロジェクトに1,340万ドルを投資すると発表した。本件は、自動車技術局(Vehicle Technologies Office: VTO)による投資で、プロジェクトから得られる実経験と知識・教訓は、米国のエネルギー安全保障の向上、エネルギー自立の支援、輸送効率性の向上、米国経済の競争力強化の一助となることが期待されている。受益するのは、エネルギー効率の高い輸送技術及びシステムについて、新しいアイデアの試験、データ収集、研究への情報提供となるプロジェクトが3件、代替燃料に関するコミュニティ・プロジェクトが2件となっている。 Department of Energy “Energy Department Announces $13.4 Million Investment in Community-based Advanced Transportation Projects” (8/22/17)

ARPA-E、産業及び消費者向けの高性能回路開発に取り組む21件のプロジェクトに助成

エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)は8月23日、「独創的なトポロジーと半導体を使った革新的かつ信頼性の高い回路の作成(Creating Innovative and Reliable Circuits Using Inventive Topologies and Semiconductors: CIRCUITS)」プログラムの一環として、21件の革新的なプロジェクトに合計3,000万ドルを助成すると発表した。CIRCUITSのプロジェクトチームは、革新的な電力コンバーターの開発と導入を加速させることに取り組む。受益チームは、現在主流となっているシリコンではなく、炭化ケイ素や窒化ガリウムといったマテリアルを使い、ワイドギャップ半導体(WBG)技術をベースとした効率的で軽量かつ信頼性の高い新クラスの電力コンバーターを活用する。 Department of Energy “Department of Energy Announces 21 New Projects to Develop High-Performance Circuits for Industrial, Consumer Use” (8/23/17)

エネルギー省、「大規模な水素」概念への研究提案を要請

エネルギー省(Department of Energy)は8月18日、「大規模な水素(Hydrogen at Scale: H2@Scale)」の概念に対応する研究プロジェクトの提案を要請した。H2@Scaleは、グリッドの対応力やエネルギー貯蔵と安全保障、国内雇用創出といった重要な問題に対処するため、水素の大規模な生産と使用を可能にする概念である。国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)による本要請を通じて、エネルギー省の燃料電池技術局(Fuel Cell Technologies Office: FCTO)は、応用研究への助成の影響を2倍にすることを狙いとし、①技術・経済モデル及び分析、②マテリアルの互換性に関する研究開発、③グリッド・シミュレーションと電解槽試験、といった点に重点を置く。また、本要請は、関連プロジェクトの投資とリーダーシップを通して、H2@Scale概念への産業及び関係機関の関与を増大させることも目的としている。 Department of Energy “DOE Announces Request for Proposals for H2@Scale” (8/18/17)