中国で世界最大の電力会社が誕生へ

国有資産監督管理委員会(State-owned Assets Supervision and Administration Commission)は8月28日、中国政府が国内トップの石炭企業である神華集団(Shenhua Group Corp.)と国内最大規模の電力会社、中国国電集団(China Guodian Corp.)の合併を承認したと発表した。合併後の新会社は資産額1兆8,000億元(2,710億ドル)となり、売上額では世界で2番目に大きい企業、設置済み発電能力では最大規模の企業となる。中国政府の政策策定者は現在、国内電力業界の過剰能力と国営企業数の削減に取り組んでおり、神華集団と中国国電集団の合併は、中国電力業界における一連の合併の先端を切るものとしてみられている。 Renewable Energy World “China Is Creating the World’s Largest Power Company” (8/28/17)

エネルギー省、科学者に「気候変動」への言及を削除するよう要請

エネルギー省(Department of Energy)から助成を受けている複数の研究者が、「エネルギー省傘下の国立研究所の高官から、プロジェクトの説明文から『気候変動』や『地球温暖化』への言及を削除するよう要請された」と述べている。ノースイースタン大学(Northeastern University)の生態学者、ジェニファー・ボーエン氏(Jennifer Bowen)は、「エネルギー省傘下のパシフィック・ノースウェスト国立研究所(Pacific Northwest National Laboratory: PNNL)の高官から、トランプ大統領の予算文言上の制約を満たすため、グラント申請書から気候変動への言及を消去するよう要請された」と自身のフェイスブックに書き、高官からの電子メールを投稿した。ボーエン氏のプロジェクトはPNNLの環境分子科学研究所(Environmental Molecular Sciences Laboratory: EMSL)と合同ゲノム研究所(Joint Genome Institute:エネルギー省傘下の国立研究所が管理)からグラントを受益したが、同じようにグラントを受益した別の生態学者も、エネルギー省の高官から「プロジェクト概要から気候変動への言及を削除するように」との要請を受けたことを明らかにしている。 Nature “US energy agency asked scientists to scrub references to climate change” (8/25/17)

エネルギー省、大規模な化石燃料パイロット・プロジェクトに5,000万ドルの投資計画を発表

エネルギー省(Department of Energy)は8月24日、化石燃料局(Office of Fossil Energy)を通じて、変革的な石炭技術(石炭を燃料とするシステムの性能や効率性、排出削減、電力代を向上させる)の設計、建設、運用を目的とした2つの大型パイロット・プロジェクトに5,000万ドルを確保すると発表した。今回の資金提供公募に応募するには、小規模なパイロット段階で技術的成功を既に実証していること、受益金の少なくとも20%のコスト分担を引き受けることが義務付けられている。今回の資金提供公募はフェーズ1(フィージビリティ)、2(設計)、3(建設/運用)の3つのフェーズで行われる。 Department of Energy “Department of Energy Announces $50 Million for Large-Scale Pilot Fossil Fuel Projects” (8/24/17)

テスラ社、一度の充電で200~300マイル走行できる電気長距離トラックを発表か

情報筋によれば、テスラ社(Tesla Inc.)は9月、1回の充電当たり200~300マイル走行可能な電気長距離トラックを発表する計画である。これは、同社が商業運輸市場に参入する足掛かりとして地域運輸市場を狙いとしていることを示す。テスラ社の最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏(Elon Musk)は、テスラ・セミ(Tesla Semi)トラックのプロトタイプを9月に発表すると約束している。同氏は、従来型のディーゼル車(一度の給油で最高1000マイル走行可能)と競合する充電式大型トラックの可能性をトラック業界に提示している。運輸会社のライダー・システム社(Ryder System Inc.)の幹部は、テスラ社の電気トラックのプロトタイプは、「長距離トラック業界の専門家からは『短距離』と考えられる走行(一度の充電で200~300マイル)が可能なものとなるだろう」との見解を示している。 Reuters “Exclusive: Tesla’s ‘long-haul’ electric truck aims for 200 to 300 miles on a charge” (8/24/17)

国立再生可能エネルギー研究所、バッテリー型エネルギー貯蔵から恩恵を受ける可能性がある商業顧客を特定

国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、「顧客側に設置されるバッテリー型エネルギー貯蔵の潜在的市場を特定する:米国の需要課金に関する調査(Identifying Potential Markets for Behind-the-Meter Battery Energy Storage: A Survey of U.S. Demand Charges)」と題する白書を発表した。米国48州における1万件以上の電力需要課金制度(商業顧客の多くは、需要のピーク・レベルに応じて電力料金が割り増しされる)について調査したもので、それによれば、高額の需要課金の対象となる商業顧客は、バッテリー型エネルギー貯蔵を利用することで需要を管理でき、全体的な電力コストを削減できる可能性があるという。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Analysis Identifies Where Commercial Customers Might Benefit from Battery Energy Storage” (8/24/17)

国立再生可能エネルギー研究所が各種電力発電技術の基準コスト及びパフォーマンスの更新データを発表

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory: NREL)は、「2017年版年間技術ベースライン(2017 Annual Technology Baseline: ATB)」を発表した。発電技術のコストとパフォーマンスに関する主要データを更新したもので、これらは米国内の電力部門への支援及び情報提供として利用される。今年で3年目となるATBには、様々な発電技術(風力、ソーラー、地熱、水力、バイオマス、石炭、天然ガス、原子力を含む)別に情報が記載されている他、2050年までの鍵となるトレンドや予測が盛り込まれている。 National Renewable Energy Laboratory “NREL Updates Baseline Cost and Performance Data for Electricity Generation Technologies” (8/24/17)

カリフォルニア州、日食の間、電力の輸入と天然ガス発電量が増加

米国で8月21日に見られた日食の間、カリフォルニア独立システム・オペレーター(California Independent System Operator: CAISO)におけるソーラーの発電量は、太陽が部分的に隠れている間に減少した。そして、このソーラー発電の減少分のほとんどは、輸入電力の増加と主に天然ガスの燃焼による熱発電によって補充された。CAISOによれば、それより以前の5週間の平均では、CAISOのソーラー発電量は通常、午前10~11時の間に約9.1ギガワット(GW)に増加するが、8月21日の日食の間、CAISOの同発電量は同時間帯に3.6GWにまで減少した(通常の約60%以下)。CAISOは、日食中の正味負荷の急速な減少及び回復に備えるため、需給調整規制(需給の短期的なギャップを埋めるために利用される措置)によって100~150メガワットの追加増産を計画していた。 Energy Information Administration “California increased electricity imports and natural gas generation during solar eclipse” (8/24/17)

NSF、最初の「コンバージェンス」助成を発表

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、「未来のNSF投資のための10件のビッグ・アイデア(10 Big Ideas for Future NSF Investments)」の一つである「コンバージェント研究の成長(Growing Convergent Research)」を通じて、最初のコンバージェンス(科学的発見とイノベーションの進展を目的とした複数の学問分野の深い統合)助成を発表した。受益するのは、ワークショップや夏期講習、研究調整ネットワーク(Research Coordination Networks: RCN)など23件のプロジェクトで、その内容は、「未来のNSF投資のための10件のビッグ・アイデア」の5件(データ改革の育成、人間と技術フロンティアにおける取り組み、新北極圏の航海、など)に関係する大きな課題に対処するものとなっている。 National Science Foundation “NSF issues first Convergence awards, addressing societal challenges through scientific collaboration” (8/24/17)

NSF、学際型科学コミュニティが結集してデータ科学の基礎を開発する取り組みに助成

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は8月24日、「データ科学の原則的学際研究(Transdisciplinary Research in Principles of Data Science: TRIPODS)」プロジェクト(合計12件)に合計1,770万ドルを助成すると発表した。TRIPODSプロジェクトは、統計、数学、理論的コンピュータ科学のコミュニティが結集してデータ科学の基礎開発に取り組むもので、今回受益する14機関(11州に及ぶ)は学問的な境界を越えたデータ科学の長期的な研究及び研修活動を推進する。近年の技術的進展とコンピュータ・インフラへのアクセス拡大は、様々なソースから得られるデータの爆発的拡大につながっている。これらのデータの有用性はあらゆる科学・工学分野の研究に改革をもたらしている。今回発表されたTRIPODS助成は、「未来のNSF投資のための10件のビッグ・アイデア(10 Big Ideas for Future NSF Investments)」の一つである「データ革命の育成(Harnessing the Data Revolution)」を通じた最初の大型投資である。 National Science Foundation “New NSF awards will bring together cross-disciplinary science communities to develop foundations of data science” (8/24/17)

NIH、ウェブサイト上の「climate change」から「change」を削除

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)傘下の環境衛生科学研究所(National Institute of Environmental Health Science: NIEHS)は、ウェブサイト上のタイトルにある「climate change」から「change」を削除した。具体的には、従来、「気候変動と人間の衛生(Climate Change and Human Health)」とあったページ・タイトルは「気候と人間の衛生(Climate and Human Health)」に、「気候変動と子供の衛生(Climate Change and Children’s Health)」とあったメニュー項目は「気候と子供の健康(Climate and Children’s Health)」に変更されるなどしている。こうした動きに、環境保護団体は「浄化(cleansing)行為が続いている」と批判している。しかし、NIEHSのコミュニケーション部長は、「タイトルの変更は些細なことであり、我々が提供している情報に変化はない」と述べている。 Washington Post “NIH unit deletes references to climate ‘change’” (8/23/17)