TEDのキュレーター、大規模な変化を意欲付ける「大胆プロジェクト」を発表

TEDカンファレンスのキュレーターであるクリス・アンダーソン氏(Chris Anderson)は4月4日、極めて大胆なアイデアに資金を提供するための協調的な新しい取り組み「大胆プロジェクト(Audacious Project)」を発表した。人々を支援するためのプロジェクトとして、営利目的の事業は資金を調達しやすいが、非営利目的の事業の場合、それは容易ではない。こうした状況に苛立ちを持っているのは資金調達に苦しむ社会的アントレプレナーだけではなく、提供できる資産を持つ民間のドナーも同じである。こうした中、TEDは財団及び個人のグループと3年間にわたる協議を行い、大胆なアイデアを行動に移すための新しいモデルの設計に取り組んだ。2018年4月11日には、TEDカンファレンス(TED Conference)とスコール世界フォーラム(Skoll World Forum)で本計画の発表が行われ、パイロット段階で選出された5つのプロジェクトが紹介される。大胆プロジェクトの中核となるアイデアは、①これまでに考えられたことがない世界最大の変化をもたらす人物を招待する、②実行、規模、影響に卓越した真のアイデアを吟味する、③それらを世界に向けて紹介する、というステップを同時に行うことである。 IDEAS.TED.COM “Introducing … The Audacious Project, a new model to inspire change at scale” (4/4/18)

2016年の博士号取得者数は過去最多水準

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の米国科学工学統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics: NCSES)が発表した報告によれば、2016年に米国の研究機関が授与した研究博士号は5万4,904件で、これは過去最多の前年(2015年)よりわずかに5件少ないだけであった。NCSESの報告は、連邦助成を受けて年間で研究学位の取得者数を調査している博士号取得調査(Survey of Earned Doctorates: SED)に基づいて作成された。SEDが1957年にデータ収集を開始して以来、科学工学(S&E)分野における研究博士号の授与数は、非S&E分野の数を上回り、その差は拡大し続けている。最新のファインディングとして、①2016年に授与された博士号で最も多いのは生命科学分野(ほぼ23%)で、次いで工学(17%)、心理学及び社会科学(16.5%)となっている、②学生が大学院に入学してから博士号を取得するまでの期間は過去20年間で全分野で短縮しているが、引き続きS&E分野よりも非S&E分野の方が博士号取得までの時間が長い、などが挙げられている。 National Science Foundation “Number of doctorates awarded by US institutions in 2016 close to all-time high” (4/3/18)

NIH、オピオイド被害の全国的まん延を阻止する科学的解決策を加速させるためのイニシアチブと助成金増額を発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のフランシス・コリンズ所長(Francis S. Collins)は4月4日、2018年全国処方箋訳不正及びヘロイン・サミット(2018 National Rx Drug Abuse and Heroin Summit)」で、オピオイドによる全国的な公衆医療危機の阻止を目的とした科学的解決策をスピードアップさせる積極的な機関横断型努力として、「HEAL(Helping to End Addiction Long-term(長期的な依存症終結の支援))」イニシアチブを発表した。また、NIHは、この取り組みのために、オピオイドの誤使用/依存症及び痛みに関する研究への助成金をほぼ2倍増(2016年度の約6億ドルから2018年度の11億ドルへ)とすることが発表された。 National Institutes of Health “NIH launches HEAL Initiative, doubles funding to accelerate scientific solutions to stem national opioid epidemic” (4/4/18)

エネルギー省、南東部アントレプレナーシップ・プログラムの第二次イノベーター・コホートを発表

エネルギー省(Department of Energy)は4月3日、米国南東部地域で最初のアントレプレナー研究開発プログラムである「イノベーション・クロスロード(Innovation Crossroads)」に参加するイノベーターの第二次コホートを発表した。このイノベーション・クロスロードはオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)を拠点として行われており、今回、競争的な応募者群の中から選出された5名が208年5月よりORNLで活動する。イノベーション・クロスロードは、エネルギー省の研究所組み込み型アントレプレナーシップ・プログラムで、優秀な技術系人材がアントレプレナー研究フェローとして国立研究所に参加し、製造業の課題のソリューションやエネルギー・イノベーションの進展に取り組むというもの。2017年春に最初のイノベーター・コホートが実施された。 Department of Energy “Energy Department Announces Second Cohort of Innovators in Southeast Entrepreneurship Program” (4/3/18)

国立エネルギー技術研究所、「炭素捕獲シミュレーション・ツールセット」をオープン・ソースとして公開

国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)による炭素捕獲シミュレーション・イニシアチブ(Carbon Capture Simulation Initiative: CCSI)は、CCSIツールセットをオープン・ソース・ソフトウェアとして公開した。CCSIツールセットは、炭素捕獲技術を拡大する段階において、学習の最大限化とコスト及びリスクの低減の一助となるよう設計されたコンピュテーショナル・ツール及びモデルである。ツールセットは設計と計算の多くの作業において極めて重要を担い、これによってパイロット・プロジェクト及び商業施設のコストを削減できる。業界や政府、学術機関の研究者は、炭素捕獲技術や関連技術の開発を支援する形で、自由にツールセットのコードを使用、修正、カスタマイズすることが可能である。 Department of Energy “NETL Releases Carbon Capture Simulation Toolset as Open Source Software” (4/2/18)

EPA、オバマ政権の自動車燃費基準の緩和へ

環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は4月2日、自動車燃費の現行基準の見直しの最終判断として、「現行の自動車燃費基準は過度に厳しく、見直されるべきである」との見解を発表した。EPAはまた、自動車業界が求めている汚染対策目標を緩和するプロセスを開始すること、カリフォルニア州が独自に厳しい燃費基準を設定することを容認する例外措置を取り消すかどうかを検討中であることを発表した。EPAのスコット・プリュット長官(Scott Pruitt)は声明の中で、「オバマ政権のEPAによる燃費基準は行き過ぎであり、その判断は誤りである」と述べた。プリュット長官の決定は予想通りで、消費者及び環境保護団体からは強い批判を招いている。 Bloomberg “EPA Moves to Cut Obama’s Auto Mileage Rules” (4/2/18)

カリフォルニア州公共事業委員会(CPUC)、州内の配車提供部門の電気化に関する報告書を発表

カリフォルニア州公共事業委員会(California Public Utilities Commission: CPUC)は4月2日、ゼロ排気自動車の普及を支援する継続的な取り組みの一環として、「カリフォルニア州内における配車提供部門の電気化:機会の評価(Electrifying the Ride-Sourcing Sector in California)」と題するスタッフ報告書を発表した。輸送ネットワーク企業(Transportation Network Company: TNC)から提供されたデータを基に、州内を走行するTNCの走行距離の分析などを行った同報告書によれば、TNCプラットフォームによる電気自動車の利用の割合は引き続き極めて限定的であり、2030年までに500万台の電気自動車を導入するというカリフォルニア州の野心的目標の達成に懸念をもたらしている。報告書は、重要な政策議論のきっかけとなることを意図したものである。 Public. “CPUC Issues Staff Report On Electrifying The Ride-Sourcing Sector In California” (4/2/18)

ダラス連銀エネルギー調査:第1四半期に石油・天然ガス活動は力強く拡大

ダラス連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of Dallas)は、3月14~22日にエネルギー企業140社の幹部を対象に行ったアンケート調査の結果を発表した。それによれば、エネルギー部門の活動は、2018年第1四半期に拡大した。調査の結果、同連銀が管轄する第11区内の企業の状況を広範に測定する事業活動指数は40.7となり、前期の38.1から上昇した。この上昇は、油田サービス部門によって牽引された。プラスの指数は一般的に事業の拡張を意味する。第1四半期の調査では、労働市場指数や企業見通し指数など、はほぼ全ての指数が業界の拡張を反映している。アンケート調査の回答者は、平均すると、ウェスト・テキサス・インターメディエイト(West Texas Intermediate: WTI)原油価格は2018年末までに1バレル当たり63.07ドルになると予測している。   Federal Reserve Bank of Dallas “Oil and Gas Activity Expands Robustly” (3/28/18)

配車サービスのドライバーにとって電気自動車は理想的

ロッキー・マウンテン研究所(Rocky Mountain Institute)の発表によれば、リフト社(Lyft)やウーバー社(Uber)、ライド・オースチン社(Ride Austin)などの輸送ネットワーク企業(transportation network company: TNC)は、電気自動車にユニークな機会を作り出しており、地域、ドライバー、乗員に恩恵をもたらすという。ニューヨークとサンフランシスコでは、週日に市内を走行する車の全走行距離の19%はTNCとタクシーが占める。これらのTNCのドライバーの半分が電気自動車を利用すると、毎年大気中の15億パウンドの炭素が相殺され、市内の大気質が改善される。こうした環境効果に加え、電気自動車はガソリン自動車に比べて安価に運用できる。初期費用は電気自動車の方が高いが、燃料と維持管理の費用が大幅に安く、例えば1週間に50時間働くTNCドライバーは、合計で年間平均5,200ドルを節約できるという。 Rocky Mountain Institute “Ride-Hailing Drivers Are Ideal Candidates for Electric Vehicles” (3/29/18)

2017年の米国の排出量

ロジウム・グループ(Rhodium Group)が今年1月に、2017年における米国の二酸化炭素排出の予備的試算を発表した際、「排出の減少は続いているものの、減少の割合は2005~2016年の年間平均1.3%から2017年は1%未満となっており、減少幅は縮小している」点が注目点となっている。なお、エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が先週発表した最終試算は、ロジウム・グループの年初の発表に沿った内容であった(2017年にエネルギー関連の二酸化炭素排出は0.66%減少した)。電力部門の排出は引き続き減少しているものの、輸送、ビル、産業部門からの排出が増加しており、電力部門による減少の半分が相殺された。航空部門における排出も増加しており、電力部門での石炭使用減に伴う排出減少の3分の1以上が相殺された。パリ気候協定における2025年の目標を達成するためには、米国の取り組みは今後大幅に改善される必要があり、年平均1.7~2%の減少が求められる。 Rhodium Group “Final US Emissions Numbers for 2017” (3/29/18)