風力/ソーラー/電池のコスト低減が化石燃料を締め付け

ブルームバーグ・ニュー・エネルギー・ファイナンス(Bloomberg New Energy Finance: BNEF)が発表した世界的な発電コスト比較調査報告によれば、昨年、陸上の風力及びソーラー発電の競争力に18%の向上が見られた他、電池の新規かつ急速な開発が見られた。その結果、石炭と天然ガスは、世界のエネルギー・ミックスにおける立場が脅威にさらされているという。BNEFが、あらゆる発電技術について均等化発電原価(levelized costs of electricity: LCOE)を算出した結果、2018年上半期に、陸上風力発電の世界的な標準LCOEは、1メガワット時当たり55ドルで前年度比18%減、太陽光発電(追跡システムなし)のLCOEも同じく18%減少した。また、リチウムイオン電池のコストは、2010年以来79%低下したという。 Bloomberg New Energy Finance “Tumbling Costs for Wind, Solar, Batteries Are Squeezing Fossil Fuels” (3/28/18)

カナダ、米国の人材を横取り

カナダ政府は3月29日、「カナダ150周年研究委員長(Canada 150 Research Chairs)」としてカナダの大学で新たなポジションに着任する24名を、海外の学術機関から選出した」と発表した。カナダ150周年研究委員長は7年間の学術ポジションで、政府から年間約27万1,600米ドルあるいは77万6,000米ドルの助成金を受益する。カナダ政府は、記者発表で本件について「頭脳獲得(brain gain)」と描写したが、間違いなくこれは米国にとって「頭脳流出(brain drain)」である。というのは、カナダ150周年研究委員長に就任する24名の研究者のうち、半数以上(13名)が現在米国在住者となっているためである。本助成計画は、昨年、カナダの建国150周年記念とあわせて発表されたものである。 Inside Higher ED “Poaching Talent From U.S.” (3/30/18)

「オフショア風力ファームの建設は7万5,000人以上の雇用を創出可能性がある」との報告

センター・フォー・アメリカン・プログレス(Center for American Progress)とニュージャージー労働環境評議会(New Jersey Work Environment Council: WEC)が発表した報告書「オフショア風力は沿岸州のブルーカラー雇用を意味する(Offshore Wind Means Blue-Collar Jobs for Coastal States)」と題する報告書を発表した。それによれば、ニュージャージー州及びその他の沿岸州は、新たなオフショア風力ファームの建設によって、7万5,000人以上のクリーン・エネルギー雇用が創出される可能性があるという。欧米での事例は、適切な政策が実施されれば、オフショア風力開発は、広範な雇用創出と有技能労働者の需要につながる可能性があることを示している。 Center for American Progress “RELEASE: Construction of Offshore Wind Farms Could Create More Than 75,000 New Jobs, Says Report from CAP and the New Jersey Work Environment Council” (4/2/18)

DARPA、第二の「スワーム・スプリント」への提案を募集

「スワームによる攻撃的な戦略(OFFensive Swarm-Enabled Tactics: OFFSET)」プログラムを進めている国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、第二の「スワーム・スプリント」への提案を募集する。スワーム・スプリントには、①スワーム戦略(Swarm Tactics)、②スワーム自治(Swarm Autonomy)、③人間-スワーム・チーム(Human-Swarm Team)、④仮想環境(Virtual Environment)、⑤物理的テストベッド(Physical Testbed)という5つの中核スプリントがあり、今回の重点対象は、②スワーム自治、である。今回選出されるスワーム・スプリンターは、スワームの自治性を強化するための戦略及びアルゴリズムを開発・評価することを目的として、OFFSETスワーム・システム・インテグレーター・チーム(OFFSET Swarm Systems Integrator team)と協力する機会を得る。今回の第二次スワーム・スプリント募集発表の前には、第一次OFFSETスワーム・スプリンターとして、ロッキード・マーティン社(Lockheed Martin)の先端技術研究所(Advanced Technology Laboratories、ソアーテック社(SoarTech, Inc.)など5機関に契約発注が行われた。これらの機関は、スワーム戦略の創出に重点を置いた活動に取り組む。 Defense Advanced Research Project Agency “OFFSET “Sprinters” to Pursue State-of-the-art Solutions for Second Swarm Sprint” (3/30/18)

NSF、超電導磁石の研究所に1億8,400万ドルの更新助成

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は、米国国立高磁場研究所(NHMFL:National High Magnetic Field Laboratory: MagLab)への支援を更新し、新たに5年間で1億8,400万ドルを提供する。この助成金額は前回の助成から9%以上の増額となる。今回の決定は、2017年8月の米国科学審議会(National Science Board:NSB)の承認に続くもので、NSFによるMagLabへの投資額は累計8億6,700万ドルとなる。NSFの支援を受けたMagLabは、優れた様々な設備(45テスラの強さを持つ世界最大の定常磁場を含む)へのアクセスを提供することで科学者のニーズに対応している。 National Science Foundation “NSF ‘supermagnet’ laboratory receives $184 million renewal” (4/2/18)

ギャラップ社調査:米国民のエネルギーに関する懸念は低く、供給の強化は優先案件ではない

ギャラップ社(Gallup)が毎年行っている環境世論調査で、米国のエネルギー状況に関する米国民の二つの大きな見解が浮き彫りになった。一つは、米国のエネルギーの有用性と値ごろ感(affordability)に強い懸念を持つ米国民は25%で、ここ18年間のトレンドで新たな低水準となっている(ただしこれまでに比べて極めて低いわけではない)。二つ目の見解として、米国民は従来型のエネルギー生産を増加させるよりも、環境保護やエネルギー保全、代替エネルギー開発をより支持していることが明らかになっている。  Gallup “U.S. Energy Concerns Low; Increasing Supply Not a Priority” (4/2/18)

ファーストエナジー社の発電所ビジネスが破産法適用を申請

電力大手のファーストエナジー社(First Energy Corp.)の発電所ビジネス部門が、破産法第11章の適用を申請した。これは、米国の石炭及び原子力発電所運用者が直面している財政的負担を浮き彫りにしている。破産法適用の対象には、中西部及び中部大西洋沿岸地域で小売や卸売業者に電力を販売するファーストエナジー・ソリューション社(FirstEnergy Solutions Corp.)が含まれる。倒産したファーストエナジー社の子会社は、中西部の電力市場で7つの発電所を運営しており、より安価なガス及び再生可能エネルギー源から厳しい競争を強いられてきた。ファーストエナジー・ソリューションズ社は3月29日、中西部における石炭及び原子力発電所を支援する策(地域のグリッド運用者がより好ましい契約を石炭・原子力発電所と締結するよう義務付ける)を実施するよう、エネルギー省(Department of Energy)に請願した(同省は、「一般的なプロセスを経て請願を審査する」と回答)。 Wall Street Journal “Some of FirstEnergy’s Power-Generation Businesses File for Bankruptcy” (4/1/18)

モノのインターネットに関する特許出願件数が8,500件を超える

モノのインターネット(IoT)関連の特許出願件数が増加している。VDCリサーチ・グループ(VDC Research Group)が米国の特許出願を分析したところ、これまでに8,500件以上の特許出願でモノのインターネットの使用事例が言及されている。そのうち、1,900件に特許が付与され、付与件数は毎年増加している(2014年に25件、2015年に107件、2016年に368件、2017年に1,334件)。モノのインターネット関連の特許が最も多いのはシスコ社(Cisco)の200件で、次いでサムスン社(Samsung、151件)、インテル社(Intel、136件)となっている。 MediaPost “IoT Patent Applications Top 8,500” (3/29/18)

MITの新工学教育トランスフォーメーション(NEET)イニシアチブが報告書を発表

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institutes of Technology: MIT)の新工学教育トランスフォーメーション(New Engineering Education Transformation: NEET)イニシアチブは、「工学教育の世界最新事情(Global State of the art in engineering education)」と題する報告書を発表した。NEETは、大学工学教育で世界の先を行くプログラムを開発及び実施することを目的としたイニシアチブである。報告書は、世界的な工学教育で変わりつつある状況のトレンドに注目し、同部門における現在及び新興のリーダーを特定し、将来の方向性の一部について概説している。 Massachusetts Institute of Technology “Reimagining and rethinking engineering education” (3/27/18)

フランス、人工知能分野で米国、中国と競争するため、18億ドルを支出へ

フランスのエマニュエル・マクロン大統領(Emmanuel Macron)は、現在、人工知能分野で懸念されているフランスの人材流出を逆行させ、同分野のトップである米国と中国に追いつくことを目的として、2022年までに18億5,000万米ドルの公的資金を拠出することを約束した。この投資は、マクロン大統領による人工知能戦略の一部であり、同分野におけるフランスの資産と欠点を指摘した報告書(「フランスの人材がシリコンバレーに流出していることは、フランスの学校が卓越していることを示す」と主張している他、官民のさらなる協力の必要性を指摘)に基づくものである。企業寄りのマクロン大統領は、フランスを「スタートアップ国家」へと転換したいと望んでおり、労働法の緩和と技術への更なる投資によって雇用が創出されることを期待している。優れた科学者や企業を誘致しようとするマクロン大統領の取り組みは少しずつ実を結び始めたようで、サムスン電子や富士通、その他の技術系企業大手が、フランスでの事業強化に乗り出している。 Reuters “France to spend $1.8 billion on AI to compete with U.S., China” (3/29/18)