米国、中国市民へのビザ発給を制限へ

国務省(Department of State)が5月29日に発表したところによれば、トランプ政権は、中国市民へ発給する一部のビザに制限を課す計画である。変更は6月11日から開始される。新たな方針の下、米国の領事担当官はビザの有効期限を制限することが可能となる。国務省は詳細を明らかにしていないが、ある米政府高官によれば、ロボティクスや航空、ハイテク製造などの分野で学ぶ中国人大学院生に発給されるビザは1年に制限される。また、商務省(Department of Commerce)の事業体リストに記載されている企業で研究者あるいはマネジャーとして働く場合、複数の連邦機関による特別の身元調査が義務付けられるという。 AP News “AP sources: US to impose limits on some Chinese visas” (5/29/18)

ハンファQセルズ・コリア社、ジョージア州にソーラー・モジュール製造工場建設計画を発表

トランプ大統領は最近、ソーラー製品への追加関税を発表したが、複数のソーラー企業はそれに対応する道を見つけようとしている。例えば、ハンファQセルズ・コリア社(Hanwha Q Cells Korea Corporation)は5月30日、ジョージア州ウィットフィールド郡に太陽光発電(PV)用モジュールを製造する施設を建設する計画を発表した。2018年に着工し、2019年に完成予定である。新工場の具体的な生産能力は発表されていないが、年間1.6ギガワットを上回ることは確認されている。この発表の4か月前には、トランプ政権が通称201条に基づいて輸入ソーラー・セル及びモジュールへの追加関税を発表しており、ハンファ社の決定に影響を及ぼしたものと考えられている。同社は記者発表の中で、「この新たな製造工場は、最近の新たな貿易障壁にもかかわらず、ハンファQセル・コリア社の米国市場に対するコミットメントを示す証である」と述べている。 Green Tech Media “Hanwha Q Cells Korea Announces Solar Module Manufacturing Plant in Georgia” (5/30/18)

GAO、気候変動に関する連邦資金状況を分析

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は、「気候変動:報告されている連邦資金に関する分析(Climate Change: Analysis of Reported Federal Funding)」と題する報告書を発表した。行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)の報告では、2017年における気候変動に関する連邦資金は19の連邦機関で合計132億ドルであった。GAOがこのうち6機関にインタビューをしたところ、報告されている気候変動資金の94%が、気候変動に関連はしているけれでも直接的ではないプログラム(原子力エネルギー研究など)に充当されていることがわかった。GAOは、OMBに対して、今後議会へ提出する報告の情報を強化するよう2つの勧告を行っている。 Government Accountability Office “Climate Change: Analysis of Reported Federal Funding” (5/30/18)

連邦ネットワーク及び重要インフラのサイバーセキュリティ強化に関する行政命令13800

サイバー攻撃のリスク及び米国電力グリッドへの脅威が増大し、それへの対処が米国国家安全保障上の急務となっているとして、トランプ大統領は1年前、行政命令13800(Executive Order 13800)「連邦ネットワーク及び重要インフラのサイバーセキュリティ強化(Strengthening the Cybersecurity of Federal Networks and Critical Infrastructure)」を発布した。その中で、エネルギー省(Department of Energy: DOE)と国土安全保障省(Department of Homeland Security)がその他の連邦機関、電力業界関係機関と協力し、重要なサイバー事故に伴う長期的な停電の規模や期間の可能性について評価するよう要請した。その報告書「セクション2(e):電力混乱事故対応能力の評価(Section 2(e): Assessment of Electricity Disruption Incident Response Capabilities)」は昨年8月に作成され、今年5月30日に公表されている。 Department of Energy “Executive Order 13800 on Strengthening the Cybersecurity of Federal Networks and Critical Infrastructure: Assessment of Electricity Disruption Incident Response Capabilities” (5/30/18)

DARPA、保護遺伝子の活動を安全かつ一時的に調整する新たな医療対策手段の開発を狙いとした「PREPARE」を発表

多くの病原菌や環境ストレスに対応する保護機能は人間のDNAに組み込まれているが、それらは必ずしも迅速、強力、適切ではない。こうした健康問題の最悪の結果を回避するため、医薬品やワクチン、生物製剤の開発に官民の投資が行われているが、現在の策はしばしば緊急時における有効性と有用性で限定的である。こうした中、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)は、「保護的対立遺伝子及び反応エレメントの先制的出現(Preemptive Expression of Protective Alleles and Response Elements: PREPARE)」プログラムを開始する。同プログラムは、生物学的/化学的/放射性脅威に対して、体内の防御作用を強化あるいは直接的に脅威を中和させるため、遺伝子の発現を一時的かつ可逆的に調整する手法を模索することを狙いとする。 Defense Advanced Research Project Agency “Dialing Up the Body’s Defenses Against Public Health and National Security Threats” (5/25/18)

IBM、自然災害対応にクラウド、データ、人工知能などを使う「コール・フォー・コード」イニシアチブを主導

IBM社及びパートナー機関は5月24日、スタートアップや学術機関、エンタープライズのデベロッパーが結集して、自然災害の防止/対応/救助という現代の最も急務な社会的問題の一つを解決することを目的とした「コール・フォー・コード・グローバル・イニシアチブ(Call for Code Global Initiative)」を開始した。パリで行われた会議で基調講演を行ったIBM社の会長・社長・最高経営責任者(CEO)であるジニ・ロメッティ氏(Ginni Rometty)は、技術産業がより良い未来の構築支援のために一致団結することを呼び掛け、同社がイニシアチブに今後5年間で技術と3,000万ドルを提供することを約束した。イニシアチブの目標は、世界のデベロッパーを団結させること、データや人工知能、ブロックチェーン、クラウド、モノのインターネット技術を活用して社会的課題に取り組むことである。 PR News Wire “IBM Leads ‘Call for Code’ to Use Cloud, Data, AI, Blockchain for Natural Disaster Relief” (5/24/18)

グーグル社のスピンオフ、ダンデライオン社、地上のエネルギーを使って住宅を冷暖房する機器を発表

グーグル社(Google)の親会社、アルファベット社(Alphabet)が運営する研究開発ラボ「エックス(X)」から生まれ、昨年新会社として設立されたダンデライオン社(Dandelion)が5月30日、地面のエネルギーを使って住宅の室温を調整するスマート冷暖房空調システム「ダンデライオン・エア(Dandelion Air)」を発表した。同システムは、プラスチック製のパイプとポンプを使って、冬季は地面の熱を室内に送り込み、夏季は熱を地面に逃がすシステムである。効率性は、通常の空調システムの約2倍、従来型の暖房炉(ファーネス)の4倍であるという。設置費用は約2万ドル(住宅の規模及び州・連邦政府のインセンティブによる)であるが、住宅冷暖房費を年間約20%節約できるという。  Cnet “Google spinoff Dandelion uses ground energy to heat, cool homes” (5/31/18)

エネルギー省、非在来型原油・天然ガス回収プロジェクトに700万ドル提供を発表

エネルギー省(Department of Energy)の化石エネルギー局(Office of Fossil Energy)は、非在来型原油・天然ガス(unconventional oil and natural gas: UOG)の回収に関するコスト分担型研究開発プロジェクト(1件)に約700万ドルの連邦資金を提供すると発表した。受益するアラスカ大学フェアバンクス校(University of Alaska at Fairbanks)は、貯留層の動きに関する理解、最適な坑井仕上げ戦略、次世代の表面下診断技術、先端オフショア技術に関する研究開発に取り組む。 Department of Energy “Department of Energy Announces $7M for Unconventional Oil and Natural Gas Recovery” (5/30/18)

米国アカデミー、STEM分野における大学院教育の向上を要請

米国アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)は、「21世紀の大学院STEM教育(Graduate STEM Education for the 21st Century)」と題する報告書を発表した。報告書は、学生や科学事業、国の進化し続けるニーズに対応するため、STEM分野における大学院教育を大幅に変更することを勧告している。また、理想的な大学院教育について記述している他、博士課程及び修士課程の学生が習得すべき中核コンピテンシーを特定している。そして、こうしたビジョンを達成するには、大学院教育システムを、現在のインセンティブ・システム(主に研究アウトプットに基づいて教員に報酬を与える)から、学習指導及びメンターシップを強調する形へとシフトさせる必要があるとしている。 National Academies “Report Urges Improvements to Graduate Education in STEM Fields; Incentive System in Academia Must Shift to Strengthen Emphasis on Teaching and Mentoring” (5/29/18)

MITとタフツ大学、トランスレーショナル研究の進展で協力

マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology: MIT)とタフツ臨床・トランスレーショナル科学研究所(Tufts Clinical and Translational Science Institute: CTSI)は、臨床研究のための機器開発を加速させることを狙いとして新たな協力体制を確立する。MITの医療工学・科学研究所(Institute for Medical Engineering and Science: IMES)がCTSIと共同主導する「医療機器T.5能力プログラム(T.5 Capacity in Medical Devices Program)」は、医療機器あるいは診断ツールがまだプロトタイプの段階であるトランスレーショナル科学の早期かつ重要なステージに重点を置いて活動する。トランスレーショナル研究は一般的に、T1からT4の4段階に分類されるが、MITとタフツCTSIによるT.5プログラムでは、臨床的洞察を用いて、対象機器がより優れた医療的応用につながるよう初期試験及び設計の微調整に取り組む。 Massachusetts Institute of Technology “MIT-Tufts collaboration aims to advance translational research” (5/29/18)