エネルギー省、第9回クリーン・エネルギー大臣会合で2つの新しいイニシアチブを立ち上げ

エネルギー省(Department of Energy)のダン・ブルイエット副長官(Dan Brouillette)は5月24日、デンマークのコペンハーゲンで行われた第9回クリーン・エネルギー大臣会合(Clean Energy Ministerial: CEM9)で、2つの新たなクリーン・エネルギー・イニシアチブを始動させた。それらは、「原子力イノベーション:クリーン・エネルギーの未来(Nuclear Innovation: Clean Energy Future: NICE Future)」と、「炭素捕獲・活用・貯蔵(Carbon Capture, Utilization, and Storage: CCUS)イニシアチブ」の2つで、いずれも昨年のCEMでエネルギー省のリック・ペリー長官(Rick Perry)が提案したものであり、今回正式な始動となった。前者(NICE Future)は、原子力エネルギーの価値(クリーンで信頼性が高いエネルギー資源)を強調することをミッションとした取り組みで、米国、カナダ、日本が主導するパートナーシップである。後者(CCUSイニシアチブ)は、官民セクターのCCUSに関する協調的パートナーシップを構築するための枠組み強化に重点を置く取り組みである。 Department of Energy “Department of Energy Launches Two New Clean Energy Initiatives at Ninth Clean Energy Ministerial” (5/24/18)

クリーン・エネルギー・ポートフォリオの経済性に関する報告書

ロッキー・マウンテン研究所(Rocky Mountain Institute: RMI)は、「クリーン・エネルギー・ポートフォリオの経済性(The Economics of Clean Energy Portfolios)」と題する報告書を発表した。報告書は、「米国電力システムにおけるグリッドの中核インフラは老朽化しており、2030年までに約500ギガワットの既存発電所(石炭、原子力、天然ガス系の発電所)が閉鎖される見込みで、発電能力の溝を埋める新たな投資が必要」とした上で、今後最大1兆ドルを投じて建設が予定されている天然ガス火力発電所と、再生可能エネルギー及び分散型エネルギー資源の進展による恩恵を比較している。それによれば、再生可能エネルギーと分散型エネルギー資源の進展は、より低料金で排出ゼロのエネルギーをもたらす他、建設が予定されている新規発電所と同様のグリッド信頼性を提供できるという。 Rocky Mountain Institute “The Economics of Clean Energy Portfolios” (May 2018)

トランプ大統領、神経科学者で政策経験者のクリス・フォール氏をエネルギー省科学局のトップへ使命へ

トランプ大統領は5月18日、エネルギー省(Department of Energy)の技術商業化プログラムの上級高官で、オバマ前政権で大統領府スタッフのメンバーを務めた経験もあるクリス・フォール氏(Chris Fall)を、同省の科学局(Office of Science)のトップに指名すると発表した。フォール氏は現在、エネルギー高等研究局(Advanced Research Projects Agency-Energy: ARPA-E)の首席副長官(principal deputy director)を務めている。ARPA-Eに所属する前は、海軍研究局(Office of Naval Research)に6年間務め、その際にはオバマ前政権下で科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)に3年間所属した経験もある。フォール氏は、オバマ前政権時代のOSTP高官でトランプ政権後も残っている数少ない高官の一人である。 Science “Trump to nominate Chris Fall, neuroscientist and policy veteran, to lead DOE science” (5/18/18)

エネルギー省、3,400万ドルの中小企業向け研究開発グラントを発表

エネルギー省(Department of Energy)のリック・ペリー長官(Rick Perry)は5月21日、全国で183の中小企業(41州)に219件のグラントとして、合計3,400万ドルを提供すると発表した。同省の中小企業技術革新制度(Small Business Innovation Research: SBIR)及び中小企業技術移転制度(Small Business Technical Transfer:STTR)を通じてフェーズIの研究開発プロジェクトに提供される。 Department of Enregy “The U. S. Department of Energy Announces $34 Million for Small Business Research and Development Grants” (5/21/18)

トランプ大統領の元エネルギー担当顧問、新たな投資家キャンペーンのトップに就任

トランプ大統領の元エネルギー顧問トップであるジョージ・デイビッド・バンクス氏(George David Banks)が、大手投資会社が気候変動などの論争的な問題で株主決議に影響を及ぼすことを制限することを狙いとした巨額のキャンペーンを主導する。トランプ政権が気候政策で後退しつつある中、株式公開企業の投資家らは、気候政策が事業にどのような影響を及ぼし得るかについて更なる情報開示を求める決議(拘束力はないものの、象徴的に重要な行動)を推進している。具体的に、バンクス氏は、新たなキャンペーン「メイン・ストリート・インベスターズ(Main Street Investors)」のエグゼクティブ・ディレクターに就任する。同キャンペーンの背後には、ブラックロック社(BlackRock)やバンガード・グループ(Vanguard Group)といった大手資産管理事業者(伝統的に受動的な投資家であった)が、株主決議のプロセスに過剰な権力を行使し、個人投資家を偽性にしているとの考えがある。 Axios “Former Trump energy aide to head new investor campaign” (5/22/18)

シリコンバレーにおける中国系アクセラレーター、スタートアップを中国に連れ帰ることを狙う

シリコンバレーで、中国に重点を置いたアクセラレーターの数が急増していることは、大規模な中国発投資の波の一部である。技術部門データ会社のクランチベース社(Crunchbase)によれば、2013年以来、少なくとも11のこうしたプログラムがサンフランシスコのベイエリアで創出されているという。その一部は中国政府から直接資金を得ている。ロイター社(Reuters)が複数のインキュベーターを対象にインタビューしたところによれば、その多くが米国のスタートアップを中国に連れ帰ることを狙いとしているという。米国政府の高官は、ハイテク部門で中国のこうした影響が増大していることを認識しており、アクセラレーター・ブームは、「米国の技術ノウハウが、投資や合弁事業、ライセンス合意を通じて中国に移る」という懸念を再認識させるものとなっている。 Reuters “In Silicon Valley, Chinese ‘accelerators’ aim to bring startups home” (5/17/18)

エネルギー部門は2017年に13万人以上の雇用増を記録

エネルギー・フューチャー・イニシアチブ(Energy Futures Initiative: EFI)と全国州エネルギー高官協会(National Association of State Energy Officials: NASEO)は5月16日、「2018年米国エネルギー及び雇用報告(2018 U.S. Energy & Employment Report: USEER)」を発表した。これは、エネルギー省(Department of Energy)が2016年に立ち上げた全国のエネルギー雇用に関するアンケート調査の結果をまとめたもので、今年で3回目となるが、今年はアーネスト・モニツ元エネルギー長官(Ernest Moniz)が率いる非営利シンクタンクのエネルギー・フューチャー・イニシアチブとNASEOのパートナーシップが民間資金を獲得して実施した。報告書によれば、2017年におけるエネルギー部門の雇用は650万人で前年から13万3,000人増加した。伸び率は2%で、これは全国平均の1.7%を上回ったという。また、エネルギー部門の4つの部門のうち、最も新規雇用が多かったのはエネルギー効率部門で6万7,000人の純増となり、新規増加分のほぼ半分を占めた。 US Energy Jobs.org “Energy Sector Adds Over 130,000 Jobs in 2017″ (5/16/18)

連邦見習い制度への新しいアプローチを提案

トランプ大統領は昨年、見習い制度の機会拡大を求めると同時に、関係プログラムへの連邦資金を約1億ドル増加するよう求める行政命令(executive order)を発表した。これを受けて、労働省(Department of Labor)は、教育省(Department of Education)、労働省、商務省(Department of Commerce)の長官を始めとする約20名の専門家による作業部会を設立した。この作業部会が5月10日に大統領府に提出した報告書では、見習い制度進展のためのロードマップが示されており、これには新規かつより柔軟な見習い制度モデルの開発、業界認定の見習い制度なども含まれている。報告書はまた、「伝統的な高等教育は、労働力の適切な準備育成を怠っている」との批判も行っている。 Inside Higher ED “New Approach to Apprenticeships” (5/11/18)

アラスカ州、気候変動対策計画に取り組む

トランプ政権において、気候変動政策を主導するのは主に民主党系の州で、カリフォルニア州やニューヨーク州は温室効果ガスの排出削減で野心的な目標を設定している。そのような中、圧倒的な共和党州として知られるアラスカ州が、その仲間入りをする可能性がある。主要な原油・天然ガス生産州である同州は現在、独自の気候変動対策計画を作成中である。アラスカ州は既に地球温暖化の影響を直接感じており、地元の政治家が回避できない難しい問題となっている。アラスカ州のビル・ウォーカー知事(Bill Walker)は昨年10月、バイロン・マロット副知事(Byron Mallott)をトップとする作業部会を設置し、排出削減及び地球温暖化の影響への順応に関する具体的な政策を提案するよう要請しており、勧告は9月に提出される予定である。4月に発表された草案には、「2025ネまでに州内の電力の50%を再生可能資源由来とする」「2025年までに州全体の温室効果ガス排出を2005年レベルの3分の1にする」「二酸化炭素排出企業への課税案」といったアイデアが記述されている。 New York Times ” ‘Impossible to Ignore’: Why Alaska Is Crafting a Plan to Fight Climate Change” (5/15/18)

NIH、3件の国立低温電子顕微鏡サービス・センターと新規の顕微鏡使用者研修に資金を提供

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は、構造生物学に変革をもたらしつつある「低温電子顕微鏡(cryo-electroni microscopy: cryo-EM)」に生物科学者がよりアクセスできるよう支援するため、「トランスフォーマティブな高解像度低温電子顕微鏡プログラム(Transformative High Resolution Cryo-Electron microscopy program)」として、3つの国立低温電子顕微鏡サービス・センターを作ると共に、同顕微鏡を使う労働力を構築するため、低温電子顕微鏡研修カリキュラムの開発を支援する。助成金額は合計1億2,950万ドルが見込まれている。今年後半には限定的なサービスが提供開始となる予定である。センターが設立されるのは、ニューヨーク構造生物学センター(New York Structural Biology Center)、オレゴン医療科学大学(Oregon Health & Science University)、SLAC国立加速器研究所(SLAC National Accelerator Laboratory。スタンフォード大学(Stanford University)内)の3か所。 National Institutes of Health “NIH funds three national cryo-EM service centers and training for new microscopists” (5/15/18)