大統領府、人工知能に関する委員会を発足へ

大統領府は5月10日、人工知能(AI)問題を扱う特別委員会(Select Committee on Artificial Intelligence)を発足させると発表した。本件は、大統領府が民間リーダーらとAIに関する主要サミットを開催した日に発表された。特別委員会は、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)、米国科学財団(National Science Foundation: NSF)、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Project Agency: DARPA)、国家安全保障会議(National Security Council: NSC)などの代表で構成され、AIの開発における米国の優先事項と投資を調査することを狙いとしている。本発表は、技術業界が政権にAI技術開発により多くの支援を提供するよう要請したことを受けて行われたもので、米国の技術関係者は今回の動きを歓迎している。  The Hill “White House to create artificial intelligence committee” (5/10/18)

COP24に向けたラテン・アメリカの動き

国連機構変動枠組条約(UNFCCC)の締約国が、今年12月にポーランドのカトヴィツェで行われる第24回締約国会議(COP24)へ向けて準備を進める中、ラテン・アメリカがエネルギー近代化及び気候変動管理の世界的リーダーとして浮上しつつある。アトランティック・カウンシル(Atlantic Council)のエネルギー諮問グループ(Energy Advisory Group)委員長で、エイドリアン・アーシュト・ラテン・アメリカ(Adrianne Arsht Latin America Center)のシニア・フェローなどを務めるデイビッド・ゴールドウィン氏(David Goldwyn)は、報告書「ラテン・アメリカ:COP24に向けて順調?(Latin America: On Target for COP 24?)」を発表し、温室効果ガスの排出削減におけるラテン・アメリカの進展や、残存する主要課題などについて概説している。特に、ブラジル、アルゼンチン、メキシコを含むより広範なラテン・アメリカ経済は、再生可能エネルギー発電の推進と、ディーゼルから天然ガスへの移行を加速させることに成功しているという。 Atlantic Council “Latin America: On Target for COP24?” (5/10/18)

国防総省、オバマ前政権時代の報告書から、気候変動のリスクに関する記述を削除

オバマ前政権時に開始された、軍事基地・施設における気候変動の影響に関する調査報告に関して、ワシントンポスト紙(Washington Post)が入手した最終草案(2018年1月に議会に提出されたもので未公表)によれば、当初の草案(2016年12月)に比べ、気候変動の脅威に対する緊急性に関する記述が少なくなり、北極における気候主導型の変化及び海面上昇の潜在的リスクに関する言及が弱体化あるいは削除されているという。当初草案では、「気候変動」への言及が数多く行われていたものの、最終草案では、削除、または、「過度な気象」あるいは単に「気候」に変更されている。具体的に、「気候変動」という用語は当初草案では23回記載されているが、最終草案では1回だけとなっている。同省の広報官は草案へのコメントを拒否しており、ワシントンポスト紙は当初草案と最終草案の間の変更を誰が実施したのかについて特定できていない。 Washington Post “Pentagon revised Obama-era report to remove risks from climate change” (5/10/18)

エネルギー省、バイオ燃料、バイオエネルギー、バイオベース製品の進展を目的とした研究プロジェクトに300万ドルを助成

エネルギー省(Department of Energy)は5月9日、「バイオマス研究開発イニシアチブ(Biomass Research and Development Initiative: BRDI)」を通じて、バイオ燃料、バイオエネルギー、バイオベース製品の進展に最高300万ドルを提供すると発表した。エネルギー省は、テネシー大学(University of Tennessee)とノースウェスタン大学(Northwestern University)による2つのプロジェクトを選出しており、それぞれ100~200万ドルを受益することになる。BRDIは、同省と農務省(Department of Agriculture: USDA)による共同プログラムで、経済的及び環境的に持続可能なバイオマス源の開発と、価格競争力のある再生可能燃料及びバイオベース製品の有用性の強化などを支援する。今回受益する2つのプロジェクトは、バイオベース燃料の生産コスト低減及び共同製品(化学とその他の使用を目的とした)の開発に取り組む。 Department of Energy “Department of Energy Selects $3 Million in Research Projects to Advance Biofuels, Bioenergy, and Biobased Products” (5/9/18)

エネルギー省のサイクロトロン・ロード、新たに13名のイノベーターを第4次研究所組み込み型アントレプレナーシップ・プログラム・コホートに選出

エネルギー省(Department of Energy)は5月9日、同省傘下研究所組み込み型アントレプレナーシップ・プログラムの「サイクロトロン・ロード(Cyclotron Road)」の第4次コホートとして、13名のイノベーターを選出したと発表した。同プログラムは、革新的なポスドク研究者に、自分の研究を製品へとつなげ、アントレプレナーとなるための研修を受ける制度的拠点を提供するために創出されたプログラムで、サイクロトロン・ロードは、ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory)を拠点としている。選出されたイノベーターは、2年をかけて、自身の技術イノベーションを有望な概念から最初の製品へと進展させる。また、技術的アクセスとサポートに加え、アントレプレナーとしての見識やスキルを開発する研修を受け、商業及び投資面での機会を促進するために必要なエコシステムのパートナーへの紹介を受ける。 Department of Energy “Energy Department’s Cyclotron Road Selects 13 New Innovators to Join Fourth Lab-Embedded Entrepreneurship Program Cohort” (5/9/18)

FDA、承認されていない幹細胞治療を行う悪質クリニックを阻止へ

食品医薬品局(Food and Drug Administration: FDA)は5月9日、承認されていない幹細胞処置を行う二つのクリニックの差し止めを求めて、連邦裁判所に提訴したことを発表した。対象となっているのは、米国ステム・セル・クリニック(U.S. Stem Cell Clinic L.L.C.)(フロリダ州)とカリフォルニア・ステム・セル・トリートメント・センター(California Stem Cell Treatment Center)及びセル・サージカル・ネットワーク・コーポレーション(Cell Surgical Network Corporation)(カリフォルニア州)である。これらのクリニックは、患者の腹部にある脂肪を取り除き、その抽出物を膝や脊髄などに注入する処置を行っている(抽出物に含まれている幹細胞は怪我や病気による損傷を修復する置換細胞を提供するとの理論に基づく)。しかし、こうした処置の一部は、失明などの深刻な影響を患者にもたらしている。両機関は、「いかなる政府機関も、自分の体内にある幹細胞を利用する権利をはく奪すべきではない」「自分の体内にある幹細胞は医薬品に該当しない」との見解を示している。 New York Times “F.D.A. Moves to Stop Rogue Clinics From Using Unapproved Stem Cell Therapies” (5/9/18)

米空軍とNSFが科学工学研究でパートナーシップ

米空軍(US Air Force)のヘザー・ウィルソン長官(Heather Wilson)と米国科学財団(National Science Foundation: NSF)のフランス・コルドバ長官(France Córdova)は5月9日、国家安全保障を強化する科学・工学研究の協力のために新たなパートナーシップを作ることを記した趣意書(Letter of Intent)に署名した。この趣意書により、宇宙活動と地球科学、先端マテリアル科学、情報・データ科学、労働力とプロセス、の4つの分野の研究に重点を置いた戦略的パートナーシップがスタートする。このパートナーシップは、NSFが支援する基礎研究と、将来の空軍を支援するために必要な技術の間のパスウェイを作り出すことを意図したものである。 National Science Foundation “USAF and NSF announce partnership in science and engineering research” (5/9/18)

大統領府、温室効果ガス削減の検証を行うNASA研究を廃止

近年、衛星及び航空機器を利用して二酸化炭素及びメタンガスを遠隔監視する取り組みが開始されており、米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)では、炭素監視システム(Carbon Monitoring System: CMS)(研究予算は年間1,000万ドル)を通じて、それらの観測データをつなぎあわせて地球の炭素フローを示す高解像度モデルの作成を支援してきた。しかし、CMSは今般トランプ政権によって廃止された。大統領府は、気候科学を広範に批判し、NASAの地球科学予算(CMSを含む)の削減と気候ミッションの中止を繰り返し要請してきた。議会はそれらの要請を拒否してきたが、3月に署名された歳出合意はCMSに言及していなかったことから、政権はCMSを廃止することが可能になったと、ある専門家は説明する。(その後、5/17付けの最新情報として、下院歳出委員会は、CMS予算を復活させる修正事項を承認している) Science “Trump White House quietly cancels NASA research verifying greenhouse gas cuts” (5/9/18)

エネルギー省、水素・燃料電池年間メリット・レビュー及びピア評価会合での省庁間トラックを発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月9日、水素・燃料電池プログラム年間メリット・レビュー及びピア評価会合(Hydrogen and Fuel Cells Program Annual Merit Review and Peer Evaluation: AMR)で新たな省庁間活動(Interagency Activities)トラックを設置すると発表した。AMRは2018年6月13~15日にワシントンDCのマリオット・ワードマン・パーク・ホテル(Marriott Wardman Park Hotel)で開催される。同トラックでは、省庁間の協力と調整に焦点を当てる他、国防総省(Department of Defense)や米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration)、州政府などの関係機関による発表が行われる。 Department of Energy “Energy Department Announces New Interagency Track at Hydrogen and Fuel Cells Annual Merit Review and Peer Evaluation Meeting” (5/8/18)

NIST、連邦研究の投資リターン増加に関する意見を一般から募集

米国の経済成長と国家安全保障は、年間約1,500億ドルの連邦研究開発投資に依存している。その投資が最大の商業・経済リターンにつながることを確実にするため、商務省(Department of Commerce)傘下の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)と大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)は、最近公表された「大統領の管理議題(President’s Management Agenda)」の一環である「ラボから市場へ:省庁横断優先事項(Lab-to-Market Cross Agency Priority)ゴール」を共同主導している。そしてその取り組みを加速させることを目的として、NISTは、連邦の技術移転を向上させるイニシアチブ「投資リターン・イニシアチブ(Return on Investment (ROI) Initiative)」を開始しており、その初回会合が4月19日にワシントンDCで行われた。NISTは今後、関係機関の経験や意見、勧告を収集するため、全国各地で公共フォーラムを実施する計画である。 National Institute of Standards and Technology “NIST Seeks Public Input to Help Increase Return on Investment from Federal Research” (5/1/18)