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電力セクターの成長予測を上方修正 天然ガスは減少傾向に EIA報告

ユーティリティ・ダイブは9月10日、エネルギー情報局(Energy Information Administration: EIA)が電力セクターの成長予測を上方修正したと報じた。同局の短期エネルギー見通しによると、2025年の電力生産は2.3%、2026年には3%の成長が見込まれ、当初の予測を大きく上回るという。データセンターや産業界による電力需要の拡大に起因し、年頭の寒冬とテキサス州の電力信頼性協議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)やPJM系統(PJM Interconnection)の負荷増加が反映された。特に成長が見込まれるのは、33%増加が予想される実用規模の太陽光発電で、今年稼働する新規発電容量の半分以上を占めるという。風力、水力、原子力も増加が見込まれ、特にミシガン州のパリセーズ発電所の再稼働による原子力発電は2%増となる見込みである。一方、天然ガス発電は記録的な消費量であるにもかかわらず、新規ガス生産量を上回る輸出量の増加で、価格が昨年比約40%も高騰しており、発電量は3%減少すると予測している。 Utility Dive “Electric grid growing faster than anticipated: EIA” (09/10/25) https://www.utilitydive.com/news/electric-grid-growth-generation-natural-gas-solar/759745/

クリーンエネルギー投資は多様化し増加傾向 クルックス社報告

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月11日、政策圧力にもかかわらず、クリーンエネルギーへの投資が増加傾向にあり、その形態も多様化しつつあるというフィンテック企業のクルックス社(Crux)の報告を紹介した。2025年前半の同業界へのプロジェクト・ファイナンス貸付額は、約860億ドルに達し、2024年上半期の800億ドルから増加した。トランプ大統領の政策変更によりエネルギー貯蔵への税額控除措置が追い風となり、専門技術やスポンサーの多様化を促して成長を加速させつつあり、重要鉱物や原子力、バイオ燃料や先端製造などの分野も、超党派による支持により大規模投資が継続しているという。一方、需要は依然として高いものの、風力と太陽光への税額控除の縮小や外国の事業体(Foreign Entity of Concern: FEOC)規制による影響もあり、特に風力エネルギーへの新規投資は逆風に直面している。ただ、エネルギー需要と国内製造業の急激な拡大やエネルギー多様化の傾向がさらに顕著になることで、当面は増加傾向が続くと予測している。 Utility Dive “Amid policy pressures, clean energy investment is diversifying: Crux” (09/11/25) https://www.utilitydive.com/news/amid-policy-pressures-clean-energy-investment-is-diversifying-crux/759928/

FERC指名候補 上院委員会で承認

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は9月11日、上院エネルギー・天然資源委員会(Senate Energy and Natural Resources Committee)が、連邦エネルギー規制委員会(Federal Energy Regulatory Commission:FERC)の空席指名候補をめぐる承認投票で、ローラ・スウェット氏(Laura Swett)とデビッド・ラセルテ氏(David LaCerte)を12対8で承認したと報じた。アングス・キング上院議員(Angus King、メイン州選出無所属)が共和党と共に賛成票を投じ、民主党は指名に反対した。エネルギー分野に強い弁護士のスウェット氏はFERCの元職員で、ラセルテ氏は人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)で指導的役割を担い、大気浄化法(Clean Air Act)関連の訴訟を担当してきたという。上院での承認投票が行われる予定であるが、具体的な日程は未定という。 Utility Dive “Senate panel approves FERC nominees Swett, LaCerte in party-line vote” (09/11/25) https://www.utilitydive.com/news/senate-ferc-nominees-swett-lacerte/759893/

政府、大学特許収益の分配を要求

アクシオス(Axios)は9月10日、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)が、大学特許収益の政府への分配について言及したと報じた。同長官は、政府が資金提供した研究の成果が大学や特許保持者だけでなく、財源である政府にも利益をもたらすべきとし、政府が出資した資金分を回収し、国の財政赤字改善に充当する考えを示したという。実現した場合、特にバイオテクノロジー業界など、政府資金から始まるスタートアップのエコシステムに混乱をもたらす可能性があり、ベンチャーキャピタリストらは、研究成果の商業化プロセスに新たな費用やリスクが生じる可能性を懸念している。同長官は具体的な方法は明らかにしていないものの、すでにハーバード大学(Harvard University)に書簡を送り、カリフォルニア大学システム(University of California system)へも働きかける予定という。政府のこうした動きに対し、記事は、政府投資による見返りは、国民の健康増進や国家安全保障の向上など、公益という形で現れるものと指摘している。 Axios “Lutnick wants U.S. to profit from university patents, which could reshape VC math” (09/10/25) https://www.axios.com/2025/09/10/social-security-harvard-vc-lutnick-patents

NIH、バイオセーフティ監視強化イニシアチブを発表

国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)は9月9日、最高水準の生物学的安全性(バイオセーフティ)環境下で科学研究を実施するための新たなイニシアチブ「バイオセーフティ現代化イニシアチブ(Biosafety Modernization Initiative)」を発表した。50年前に導入された遺伝子組み替え研究に関するガイドラインを見直し、今世紀に相応しいバイオセーフティの枠組みを構築することが狙いとなっている。科学の学際化かつグローバル化により、既存の生体材料ガイドラインの枠を超えた包括的な取り組みが必要となっていることが背景にあり、遺伝子組換え技術や核酸合成技術以外の潜在的なリスク対処に向け、監督体制も刷新する。また、研究機関の施設内バイオセーフティ委員会(Institutional Biosafety Committees: IBC)への支援も強化し、同分野を先導すべく、透明性の高い、より効果的なシステムを構築していくと説明している。 NIH “NIH Launches Initiative to Modernize and Strengthen Biosafety Oversight” (09/09/25) https://www.nih.gov/about-nih/nih-director/statements/nih-launches-initiative-modernize-strengthen-biosafety-oversight

ドローン脅威への強化対策が急務 CNAS報告

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は9月10日、米国がドローン脅威に対する防衛準備ができていないという報告書を発表した。過去10年の防衛支出と中東での戦闘作戦を分析した「対スウォーム:ドローン時代における統合部隊の保護(Countering the Swarm: Protecting the Joint Force in the Drone Age)」で、中国との仮想演習による洞察を紹介し、中国の大量の小型ドローン攻撃による脅威対策が急務と提言している。具体的には、国防総省(Department of Defense)に対し、多層的な防衛システムを構築し、人工知能(AI)活用による迅速な対応を進めるよう提案しており、米軍はこれまで高価なミサイルで敵対国の安価なドローンを迎撃するという防御策を採用しているものの、大規模なドローン脅威に対する費用対効果は低く、持続可能なアプローチではないと指摘している。また報告書は、敵対国のドローン群による攻撃によって圧倒されることも想定し、早急な対応がなければ、台湾をめぐる戦いに敗北する可能性も言及している。 CNAS “CNAS Report Finds U.S. Military Unprepared for Drone Threat” (09/10/25) https://www.cnas.org/press/press-release/cnas-report-finds-u-s-military-unprepared-for-drone-threat

NSF、電力網の量子サイバーセキュリティ開発に130万ドル投資

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)の技術・イノベーション・パートナーシップ局(Technology, Innovation and Partnerships: TIP)は9月11日、テネシー州チャタヌーガ市の電力インフラ向け先進サイバーセキュリティ開発に130万ドルを投資すると発表した。重要インフラ、特に国内外のサイバー攻撃に対して脆弱な電力網を保護するため、量子インターネットのテストベッド(試験環境)「量子電力網革新ハブ(QuantumGrid Innovation Hub)」を構築し、スタートアップ企業や研究者、産業界が電力網セキュリティのための量子アプリケーションを開発できる環境を整備する。既存の量子ネットワーク、スマート電力網、イノベーション・エコシステムを基盤にして、技術的障壁の特定と解決策の検討、経済・労働力開発活動を展開する予定で、地元インフラや政府機関、非営利スタートアップアクセラレーター、テネシー大学チャタヌーガ校(University of Tennessee at Chattanooga)などと協力し、国家安全保障に重要な技術開発を主導していくという。 NSF “NSF invests in regional capacity to accelerate quantum- enabled advanced 1年に亘る助成により、cybersecurity for America’s power grid infrastructure” (09/11/25) https://www.nsf.gov/tip/updates/nsf-invests-regional-capacity-accelerate-quantum-enabled

エネルギー省、エネルギーアイコア参加チームを募集

エネルギー省(Department of Energy)の技術商業化局(Office of Technology Commercialization: OTC)は9月11日、2026年春に開始予定のエネルギーアイコア(Energy I-Corps)プログラムの募集を開始した。同省傘下の国立研究所・施設を対象に、商業化スキルや技術の民間セクターへの移行を促進するためのトレーニングや支援を提供する内容で、同省の旗艦プログラムと位置付けられている。今回募集するのは3つのトピック分野であるが、第1トピックのパイプライン開発以外については、2026年度歳出法で予算が確保できれば助成する予定となっている。パイプライン開発では、将来のエネルギーアイコアへの参加増進に向けた準備に10万~20万ドルが助成される。第2トピックは、第22回エネルギーアイコアプログラムの一環として、2ヶ月間のトレーニングプログラムに参加する研究者チームに10万ドルを提供するというもので、第3トピックは、エネルギーアイコア参加後の商業化活動となる。 Department of Energy “DOE Researchers Invited to Boost Commercialization Skills and Technologies via Energy I-Corps Spring 2026 Lab Call” (09/11/25) https://www.energy.gov/technologycommercialization/articles/doe-researchers-invited-boost-commercialization-skills-and

エネルギー省、核融合技術開発に1億3,400万ドルを投資

エネルギー省(Department of Energy)は9月10日、核融合技術における主導的地位の確立に向け、2つのプログラムに総額1億3,400万ドルを投資すると発表した。核融合研究の基礎科学と産業界を結ぶ7つの研究チームで構成される「核融合革新研究エンジン(Fusion Innovative Research Engine: FIRE)」協働プログラムに1億2,800万ドル、そして、民間企業と国立研究所・大学間の協力障壁を削減する「核融合エネルギー革新ネットワーク(Innovation Network for Fusion Energy: INFUSE)」プログラムに610万ドルを割り当てる。選定されたプロジェクトには、材料科学、レーザー技術開発、高温超伝導磁石評価、核融合モデリングおよびシミュレーションのためのAI学習などが含まれ、太陽や星と同じプロセスで豊富なエネルギーを生み出す核融合の商業化に向けて取り組む。同省は、今後4年間に亘りFIRE共同事業に計2億2,000万ドルの資金を投資する予定で、うち3,100万ドルは2025年度歳出分から充当する。 Department of Energy “Energy Department Announces $134 Million to Advance U.S. Fusion Leadership Through Targeted Research” (09/10/25) https://www.energy.gov/articles/energy-department-announces-134-million-advance-us-fusion-leadership-through-targeted

バイオVCの資金調達、早期段階に溝

SSTIによる最近の1億ドル以下のベンチャーキャピタル(VC)活動の分析によれば、今年これまでに1,040件の取引が行われ、投資金額合計は約130億ドルであった。バイオへの投資は、VC投資全体の取引件数で14%、投資金額で18%を占める。VC全体にバイオ投資が占める割合は、投資額と共に高まっている。例えば、50万ドル~100万ドルのVC活動においてバイオ投資が占める割合はわずか9%であるが、2,500万ドル~1億ドルの投資活動においては、金額の20%、取引数の19%を占める。また、バイオ投資の取引種別による分布をみると、9%が助成金で44%が後期段階のVCとなっている(これに対してVC全体では4%が助成金で28%が後期段階のVC)。一方で、バイオ企業は、インキュベータ/アクセラレータ、エンジェル、シードファンドの段階で資本へのアクセスが厳しいことも判明した。資金調達が後期段階の投資に集中し、リスク軽減支援として助成金へ依存している点は、初期段階の企業にとり体系的な課題となる可能性がある。 SSTI “Biotech VC funding points to early-stage funding gaps” (09/10/25) https://ssti.org/blog/biotech-vc-funding-points-early-stage-funding-gaps