Category:その他
トランプ大統領、バイデン前政権による冷媒規則を撤廃
トランプ大統領は5月21日、冷蔵庫や空調機に大幅な負担と要件を強いていたバイデン前政権による冷媒規則を撤廃すると発表した。これらの規則は不必要かつ大幅に冷蔵品の輸送及び保管費用を引き上げ、米国民が日常的に購入する食品等の価格上昇を招いていたと大統領府は説明する。大統領府によれば、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)は2023年の技術移行規則(Technology Transitions Rule)の改訂を最終決定し、ハイドロフルオロカーボンの使用に関する順守期限を延長し、これによって企業はより多様で手頃な費用の冷媒を利用できるようにした。トランプ大統領はまた、「2024年の排出削減及び回収規則(2024 Emissions Reduction and Reclamation Rule)は、ほぼ全ての既存の大規模冷媒システムに厳しい漏洩修理要件を義務付けている」として、同規則の修正も提案している。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Reverses Biden-Era Refrigerant Rules” (05/21/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/05/fact-sheet-president-donald-j-trump-reverses-biden-era-refrigerant-rules/
米国山岳西部の4州、地熱エネルギー開発加速で協力
ユタ・ニュース・ディスパッチ(Utah News Dispatch)は5月21日、ユタ、コロラド、アリゾナ、ニューメキシコの4州が「山岳西部地熱コンソーシアム(Mountain West Geothermal Consortium)」を発足し、山岳西部地域で数百ギガワットのクリーンエネルギーを常時供給できる可能性がある地熱資源の活用に取り組むと報じた。コンソーシアムは、地熱開発の加速に向けて、上記4州の政府当局に洞察や資源を提供するという。また、投資リスクを低減し、電力利用者を保護するための革新的な金融手法や明確な規制体制の策定にも取り組むという。ユタ州のスペンサー・コックス知事(Spencer Cox)は、「このコンソーシアム発足は、大きな賛否を招いている大型データセンター建設計画に関して、人々が抱いている多くの疑問に対する答えともなる」と述べた。 Utah News Dispatch “Four Mountain West states join forces to accelerate geothermal energy development” (05/21/26) https://utahnewsdispatch.com/2026/05/21/four-mountain-west-states-join-geothermal-consortium/`
海軍、レーザー艦隊の構築を加速も電力不足 コンテナ化で対応へ
ディフェンス・ニュース(Defense News)は5月22日、現行艦艇の電力不足により全艦船へのレーザー導入構想の実現には想定以上の時間がかかる見通しと報じた。海軍はミサイル防衛用の高出力レーザー兵器(指向性エネルギー兵器:Directed Energy Weapons: DEW)導入を急ぐものの、エピック・フューリー作戦など、実戦での駆逐艦の垂直発射システム(Vertical Launching System: VLS)の約4分の3が自衛用迎撃ミサイル用で攻撃力が制限されたため、1発10ドルで交戦可能なレーザーへの移行が不可避と指摘している。現行のアーレイ・バーク級駆逐艦フライトIIIなどは新型レーダーに電力を取られ運用能力がないため、海軍は、2028年以降調達予定の次世代型原子力戦艦などの新艦艇に設計段階からレーザーを組み込む長期計画を進める一方、短中期の解決策として、艦船構造を変更せずに既存基盤に配備できる「コンテナ化したレーザー」の技術開発と実証実験を急ぐ構えである。 Defense News “The US Navy is full speed ahead on building a laser fleet” (05/22/26) https://www.defensenews.com/industry/techwatch/2026/05/21/the-us-navy-is-full-speed-ahead-on-building-a-laser-fleet/
トランプ政権、学術出版費用への公的支出を禁止 成果の無料公開方針も撤回か
米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は5月20日、トランプ政権が学術雑誌の高額な購読料や論文出版費用(一般公開費用)の支払いを一律で禁止すると報じた。研究費、出版費、閲覧料の三重支払いになっているとし、既に航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)や米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)の予算案には公的資金による論文購入や出版費負担の取りやめを明記し、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)も出版費補助を上限設定、もしくは全面廃止する方向で調整を進めている。また、バイデン前政権による「政府資金による研究成果の即時無料公開方針(Nelson Memorandum、ネルソン覚書)」の撤回も進めており、連邦政府が年間3.9億〜7.9億ドルと試算する論文関連の公的負担削減を狙うほか、農務省(Department of Agriculture)では中国などの「懸念国」に編集部を持つ学術誌での論文発表を禁止する条項も盛り込まれ、業界に波紋が広がっている。 AIP “Scholarly Publishing Costs Under Scrutiny by Trump Administration” (05/20/26) https://www.aip.org/fyi/scholarly-publishing-costs-under-scrutiny-by-trump-administration
太陽光・蓄電併設型の市場価格、理想値と乖離 LBNLが調査発表
ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)は5月21日、大型太陽光発電・蓄電併設型(Photovoltaic-plus-storage: PV+S)事業の市場卸売価格を調査し、理想値と実測値の乖離について発表した。2024年に稼働中の280事業(全米の約95%)を対象に、電力、容量、系統安定化(アンシラリー)サービスの各市場における時間ごとの最適運用をシミュレーションしたところ、蓄電池併設により、市場平均価格が従来の単独太陽光の29ドル/メガワット時(MWh)から75ドル/MWhへと上昇した。税額控除を考慮した2020〜2024年最適価格も平均発電コストを1MWhあたり約35ドル上回った。一方で、実際の運用・収益データが収集できた51事業では、2024年収益は39ドル/MWhにとどまり、理想値の62%となった。市場価格にプレミアムを上乗せした蓄電価格も理想値の38%にとどまり、市場への参加形式や二国間取引の価格設定、古い施設での系統充電制限、価格・発電量予測の誤差、契約上のインセンティブがその原因となっている。 ETA “Modeled vs. empirical wholesale market value for co-located solar + storage projects” (05/21/26) https://emp.lbl.gov/news/modeled-vs-empirical-wholesale-market-value-co-located-solar-storage-projects
輸出入銀行、AI輸出を支援する新枠組みを審議へ
NEXTGOV/FCWは5月21日、輸出入銀行(Export-Import Bank: EXIM)が、米国製の人工知能(AI)システムやサービスの海外輸出を支援するための新たな枠組み「輸出AI構想(ExportAI Initiative)」について、同日中に採決を行う見通しであると報じた。中長期の融資保証や輸出保険などの金融支援を活用し、海外の買い手がクラウドシステム、サイバーセキュリティ、海外でのAIデータセンター建設などといった米国の先端AI技術確保を容易にすることを目的とするもので、特に国家資金を通じて海外進出を強める中国などの競合を念頭に、国内企業の競争力を高める狙いがある。具体的には、商務省(Department of Commerce)が輸出を承認したAI技術と連動し、輸出手続きも簡素化する。なお、今回の枠組みには、中国への限定的な販売許可を巡り、議論が紛糾しているエヌビディア社(NVIDIA)製H200といった最先端半導体(ハードウェア)の輸出規制に関する直接的な記述は含まれていないという。 NEXTGOV/FCW “Export-Import Bank set to consider framework backing US AI exports” (05/21/26) https://www.nextgov.com/policy/2026/05/export-import-bank-set-consider-framework-backing-us-ai-exports/413685/?oref=ng-homepage-river
トランプ大統領、AI規制の大統領令署名を延期
ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は5月22日、トランプ大統領による人工知能(AI)の監視を強化する大統領令への署名延期について報じた。大統領は記者団に対し、「内容が気に入らなかった」と述べ、規制が米国の技術的覇権を阻む障害になるとの懸念を明かした。大統領令はこれまでの不介入方針から一転し、公開の90日前までに企業が政府へ新型AIモデルを自主的に提供し、国家安全保障局(National Security Agency: NSA)や財務省(Department of Treasury)などが脆弱性を検証・防御する体制構築や、サイバー人材の増員などを盛り込んだ内容であった。この背景には、コードの脆弱性発見などに優れたアンソロピック社(Anthropic)の最先端AIモデル「ミュトス(Mythos)」などの登場があり、この最新モデルのハッキングなど悪用を危惧し、国家安全保障上リスクの観点から規制強化が求める声が政権内で上がっていた。トランプ氏は先週の訪中時に習近平国家主席とAIの安全性について議論したことにも触れ、今後の政府対応に注目が集まっている。 The Washington Post “Trump delays executive order on AI oversight hours before planned signing” (05/22/26) https://www.washingtonpost.com/technology/2026/05/21/white-house-tore-down-ai-rules-now-its-building-new-defenses/
米国政府、外国人研究者との共同論文に新たな制限か NIHやNASAの対応に現場は混乱
サイエンス誌(Science)は5月20日、国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)や航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)が、海外機関と共著した米国研究者の論文発表に対し制限を課していると報じた。NIHでは事前に許可を求めるよう非公式に指示したほか、これまでの年次経過報告書から該当する論文を削除するよう求めるケースもあり、現場では不当評価や外国人排除につながる動きとして懸念が広がっている。一方、NASAは中国機関所属研究者との共同論文について、資金が海外に渡っていない場合でも二国間協力を禁じる法律(ウルフ修正条項)に違反する可能性があるとして、一部の受給機関に警告を行った。両機関は公式指針を発表しておらず、個別対応にとどまるが、専門家は安全保障上のリスク評価は理解しつつも、一律規制への移行は科学発展を阻むと指摘した。記事はまた、政府による生産性評価について疑問を呈する声が、現場で広がっているとも伝えている。 Science “U.S. researchers face new restrictions on publishing with foreign collaborators” (05/20/26) https://www.science.org/content/article/u-s-researchers-face-new-restrictions-publishing-foreign-collaborators
次世代地熱投資で最大440億ドルの年間コスト削減が可能に CATF報告
クリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force:CATF)は5月21日、カリフォルニア州における次世代地熱エネルギー投資により、2045年までに年間最大440億ドルのコスト削減が可能になるとする最新の報告書を発表した。クリーン電力100%達成に向け、同州は2045年までに5〜10ギガワット(GW)の新規地熱容量を必要としているが、地下データ不足や資金調達が壁となり、現在はユタ州やネバダ州の地熱開発に投資して電力を確保している。州内開発により、州外調達に比べ年間35億〜55億ドルを節約できるほか、ボトルネックである州間送電網の拡張負担も大幅に軽減できることから、マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology:MIT)などのモデルを用いた分析を用いて、既存の石油掘削技術の転用による雇用移行や税収増といった経済効果について紹介した。CATFは、過去に屋根上太陽光や電気自動車(EV)の商業化を成功させた同州の実績に触れ、民間投資を呼び込むための地下探査や試験場の早期開設を促している。 CATF “California could cut 2045 electricity costs by up to $44 billion a year by investing in next-generation geothermal, finds new CATF report” (05/21/26) California could cut 2045 electricity costs by up to $44 billion a year by investing in next-generation geothermal, finds new CATF report
クリーンエネ製造業が急拡大 ACP報告書
アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association:ACP)は5月21日、国内クリーンエネルギー製造業拡大により、産業活性化や国家安全保障の強化につながっていると発表した。最新の年次報告書によると、同産業における雇用は21万6,000人にのぼり、国内総生産(GDP)は年間310億ドルに達した。2025年に70の製造施設が稼働し、全50州で計825以上の施設が展開するなど、各地で産業基盤の構築が進んでいることが背景にある。国内製造能力は太陽光や蓄電モジュール、風力発電の中核部品などの需要を完全に満たせる水準に達しており、海外資源や供給網(サプライチェーン)への依存を減らすことで安全保障上のメリットも生み出している。また賃金は全米平均を35%上回り、特に工場における雇用は高い経済波及効果があり、1人の雇用が関連産業などでさらに4人の間接雇用を創出している。ACPは増大する電力需要対応に向け、国内生産の重要性を強調しており、好況維持に向けた明確な通商政策や規制整備を促している。 SEMI “REPORT: U.S. Adds 10 GWh of New Energy Storage Capacity in First Quarter, Marking Largest Q1 on Record” (05/21/26) REPORT: U.S. Adds 10 GWh of New Energy Storage Capacity in First Quarter, Marking Largest Q1 on Record