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その他

アイダホ国立研究所、次世代原子力研究に向けた構造特性研究所を開設

アイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)は5月18日、原子力エネルギーの研究開発とイノベーションを推進する構造特性研究所(Structural Properties Laboratory: SPL)の稼働開始について発表した。同研究所材料・燃料複合施設(Materials and Fuels Complex: MFC)内での原子炉用材料の試験・研究を通じて、既存原子力発電所の運転延長や次世代原子炉開発を安全に行うよう支援するもので、1月下旬から本格稼働した。総額1億6,600万ドルの連邦議会予算による資本建設事業として2020年3月に着工開始し、予算内かつ予定よりも早く完工したとし、安全操作を備えた先端ロボット技術を整備している。特に高放射性物質を扱うホットセルの新規設備導入は、エネルギー省(Department of Energy)傘下の施設では40年以上ぶりとなった。今後数ヶ月で高温燃料試験施設、先進試験炉など他の施設から材料を受け入れ、材料ライブラリを拡充し、研究事業の運用支援を拡大していくという。 INL “Idaho National Laboratory opens Structural Properties Laboratory for advanced nuclear research” (05/18/26) https://inl.gov/news-release/idaho-national-laboratory-opens-structural-properties-laboratory-for-advanced-nuclear-research/

コネチカット州、コネチカット大学に3,500万ドル支援 連邦助成減を一部補填

ニュースサイトのCTインサイダー(CT INSIDER)は5月14日、トランプ政権による連邦助成削減を補うため、コネチカット州のネッド・ラモント知事(Ned Lamont)がコネチカット大学(University of Connecticut: UConn)の研究プログラムに対する3,500万ドルの拠出計画を発表したと報じた。連邦政府による助成削減の影響を受けた同大学や傘下のヘルスセンター(UConn Health)の学術研究支援に向け、州議会が昨秋に設けた準備基金から拠出する。同知事は記者会見で、研究開発費の削減が進む現状に強い懸念を示した上で、同大学の研究が州や国、世界に極めて重要と強調し、同大学のラデンカ・マリッチ学長(Radenka Maric)も計9,500万ドルの連邦資金を失った現状に触れ、州による支援は研究存続と健全性確保に向けた極めて重要な「生命線」と位置付けた。州政府は、全ての削減を補填することは不可能としながらも、経済や労働力強化に直結する重要分野を最優先投資先とし、今後も学術・研究基盤の維持していく方針を示している。 CT INSIDER “Connecticut to give UConn $35 million for research to offset cuts by Trump administration” (05/14/26) https://www.ctinsider.com/news/education/article/uconn-state-funding-federal-funding-gaps-ct-22259057.php

NASA、ミッション遂行加速に向けた組織再編を発表

航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)は5月22日、国家宇宙政策の進展と国家最優先事項の迅速な達成に向けた組織再編を発表した。アルテミス計画(Artemis program)の加速や月面基地の建設、宇宙用原子炉の開発といった優先事項に対し、人材と資源を集中させ、各局を長官直属とし、意思決定の迅速化を図る。また、各部門の専門性を高める体制構築に向け、有人宇宙飛行分野では探査システム開発と宇宙運用の両局を統合し、有人宇宙飛行局(Human Spaceflight Mission Directorate: HSMD)を新設した。さらに、航空研究と宇宙技術の両局を統合した研究技術局(Research and Technology Mission Directorate: RTMD)を設立し、原子力発電及び推進システム開発を強化する。ジャレッド・アイザックマン長官(Jared Isaacman)は最も困難な工学的課題に挑む文化醸成に向け、不必要な官僚主義を排除していくと強調した。なお、人員削減やプログラムの中止は行わず、効率的な執行を通じてコスト削減を実現する方針を掲げている。 NASA “NASA Announces Realignment to Accelerate Mission Delivery” (05/22/26) NASA Announces Realignment to Accelerate Mission Delivery

上院、NIST次期所長にアービンド・ラマン氏を承認

米国規格協会(American National Standards Institute: ANSI)は5月20日、上院がアービンド・ラマン氏(Arvind Raman)を米国標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology: NIST)の次期所長に承認したと伝えた。ラマン氏にとって初の連邦政府公職で、商務次官(標準・技術担当)も兼任する。昨年1月より代理所長を務めてきたクレイグ・バークハート氏(Craig Burkhardt)の後任として昨年10月に大統領から指名を受け、今回、正式に就任が決まった。同氏はパデュー大学(Purdue University)で機械工学の修士号を取得し、カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)で機械工学の博士号を取得した。2012年からパデュー大学で機械工学教授として教壇に立ち、直近では同大学工学部の学部長を務めた。同大学在職中には米国国際開発局(US Agency for International Development: USAID)が資金提供するレイザー・パルス・コンソーシアム(LASER PULSE Consortium)の主任研究員兼ディレクターも務めた。 ANCI “Senate Confirms Arvind Raman as NIST Director” (05/20/26) https://www.ansi.org/standards-news/all-news/5-20-26-senate-confirms-arvind-raman-as-nist-director

下院歳出委、エネルギー省科学局予算の1%増額案を可決

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は5月11日、下院歳出委員会がエネルギー省(Department of Energy)科学局(Office of Science)の予算を1%増額する歳出法案を可決したと伝えた。大統領が要求した15%の削減案をくつがえす内容で、開示された詳細な報告書には各部門への具体的な予算配分が記されている。部門別では、先進科学計算研究や基礎エネルギー科学へそれぞれ5%、4%の予算増額となった一方で、大幅な削減が求められていた生物環境研究(Biological and Environmental Research)や核融合エネルギー科学などの一部部門は6%、1%の減額にとどまった。また、高エネルギー物理学は2%増となったほか、原子核物理学や同位体研究開発費は横ばいとなった。さらに同委員会は、主要科学プロジェクトの管理やコスト見積もりの改善計画に関する報告を要請したほか、インフラや運用、将来的な予算への影響をより深く理解するまでは、国立研究所における将来の人工知能(AI)スパコンへの資金提供は見送る方針を示している。 AIP “House releases detailed DOE Office of Science proposal” (05/25/26) https://www.aip.org/fyi/the-week-of-may-25-2026

アルゴンヌ国立研究所とイリノイ大学、AI活用の共同研究を開始

エネルギー省(Department of Energy)傘下のアルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory: ANL)は5月21日、イリノイ大学シカゴ校(University of Illinois Chicago: UIC)と提携し、人工知能(AI)やデータサイエンスを活用した3つの新たな共同研究プロジェクトを開始したと発表した。ANLの計算科学とUICの工学・科学的知見を融合し、革新的発見を創出する「ジョージ・クラブツリー研究所(George Crabtree Institute)」による支援プログラムの一環で、採択プロジェクトには両機関から2年間で年間計22万5,000ドルの資金が提供される。具体的には、脳の構造解明に向けた神経接続の再構築や、高度AIセンサーを用いた有機フッ素化合物(PFAS)などの水質汚染物質のリアルタイム検出、また低侵襲手術の精度向上に向けた軟部組織の動態予測モデルの開発で、50件以上の提案の中から選ばれた。同研究所は、計算科学と専門領域を組み合わせた共同研究を通じて、社会に具体的な利益をもたらす複雑な課題の解決に取り組むとしている。 ANL “Argonne and University of Illinois Chicago launch new AI-driven research collaborations” (05/21/26) https://www.anl.gov/article/argonne-and-university-of-illinois-chicago-launch-new-aidriven-research-collaborations

エンブリッジとメタ、ワイオミング州で太陽光・蓄電池事業に着手

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は5月21日、エネルギーインフラ大手のエンブリッジ社(Enbridge)と大手ITのメタ社(Meta)によるワイオミング州での太陽光と蓄電池を融合した新事業「カウボーイ計画(Cowboy Project)」開始について報じた。エンブリッジ社は約12億ドルを投じ、365メガワット(MW)の太陽光発電とテスラ社(Tesla)製の200MW/1,600メガワット時(MWh)の蓄電貯蔵システム(Battery Energy Storage System: BESS)を構築するとし、2027年末までの稼働開始を目指している。生成された電力は、小売電気料金に影響しないよう設計された大口顧客向け料金体系(Large Power Contract Service: LPCS)を通じてメタ社のデータセンターへ供給される。電力需要が逼迫した際に電力会社が顧客側のバックアップ電源を活用できる仕組みで、電力供給の安定性向上に寄与する。両社は計1.6ギガワット(GW)の容量開発を行うとし、公益事業規模の蓄電池設置案件としては、最大級となる見通しという。 Utility Dive “Enbridge, Meta to build 365-MW solar/200-MW storage project” (05/21/26) https://www.utilitydive.com/news/enbridge-meta-build-365-mw200-mw-solarstorage-project/820905/

エネルギー省、ノースダコタ大学と連携継続 2,500万ドル投入へ

エネルギー省(Department of Energy)の炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office: HGEO)は5月22日、ノースダコタ大学(University of North Dakota)のエネルギー・環境研究センター(Energy & Environmental Research Center: EERC)との協力協定を更新したと発表した。5年間で最大2,500万ドルの資金を投じ、国内エネルギー資源開発を支援する。主に石油・ガスの増進回収(Enhanced Oil Recovery: EOR)技術や、石炭からの重要鉱物・レアアースの共同生産、既存インフラを転用した地熱発電技術などの研究推進ほか、炭素回収・利用技術の評価も行い、低コスト燃料や化学品の製造経路を模索する。両者の協力関係は1983年に始まり、最近ではバッケン頁岩(シェール)層での大規模EOR実証事業「クラック・ザ・コード2.0(Crack the Code 2.0)」への別途3,600万ドルの資金提供を発表している。同省はこれら研究により、家計や企業のコスト削減やインフラ強化に直結させていく意向である。 DOE “Energy Department Renews Cooperative Agreement With University of North Dakota, Investing Up to $25 Million to Bolster U.S. Energy Security and Affordability” (05/22/26) https://www.energy.gov/hgeo/articles/energy-department-renews-cooperative-agreement-university-north-dakota-investing-25

エネルギー省、幹部人事発表

エネルギー省(Department of Energy)は5月22日、指導体制の変更について発表した。まず、カイル・ハウストベイト氏(Kyle Haustveit)のエネルギー次官(Under Secretary of Energy)就任を上院が承認した。これまで炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office: HGEO)の次官補(Assistant Secretary)を務めてきた同氏は、石油や天然ガス、石炭、地熱エネルギー分野の運用管理に従事したほか、国立エネルギー技術研究所(National Energy Technology Laboratory: NETL)の監督でも手腕を発揮した。また、これまで次官代行(Acting Under Secretary)を務めてきたアレックス・フィッツシモンズ氏(Alex Fitzsimmons)の副次官補(Associate Deputy Secretary)兼長官上級顧問への就任についても併せて公表した。今回の決定は、トランプ大統領が掲げるエネルギー政策前進に極めて重要であるとの認識を示すもので、クリス・ライト長官(Chris Wright)は、手頃で安定したエネルギー供給体制の強化を推進する姿勢を示している。 DOE “Secretary Wright Announces Leadership Changes to Deliver Affordable, Reliable and Secure Energy to the American People” (05/22/26) https://www.energy.gov/articles/secretary-wright-announces-leadership-changes-deliver-affordable-reliable-and-secure

原子力開発推進から1年 試験炉稼働や規制刷新で産業復活を加速

大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)のマイケル・クラツィオス局長(Michael Kratsios)は5月22日、原子力産業活性化政策における1年間の成果について発表した。同氏はユタ州で行われたエネルギー政策会議で、停滞していた国内産業を刷新した成果を強調し、エネルギー省(Department of Energy)の先端小型モジュール炉(SMR)技術の開発加速に向けた試作炉事業により、7月4日までに少なくとも3基の試験炉が臨界に達する見通しを示した。また、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission: NRC)改革による許認可審査の迅速化で、18基の運転延長につなげたほか、国内ウラン生産量も過去1年で倍増したと説明した。さらに、既存炉再稼働などで2030年までの5ギガワット(GW)電力増強や、核融合炉の規制枠組み策定についても言及したほか、国防総省(Department of Defense)と連携したヤヌス計画(Janus Program)を通じて、軍事拠点へのマイクロ原子炉の配備も進めている意向を示した。 The White House “Remarks by Director Michael Kratsios on the One Year Anniversary of President Trump’s Nuclear EOs” (05/22/26) https://www.whitehouse.gov/releases/2026/05/remarks-by-director-michael-kratsios-on-the-one-year-anniversary-of-president-trumps-nuclear-eos/