Category:その他
ITIF新会長にダニエル・カストロ氏
情報技術イノベーション財団(Information Technology & Innovation Foundation:ITIF)は5月4日、ダニエル・カストロ氏(Daniel Castro)が会長に就任すると発表した。ITIF理事会は、2006年の創設以来、組織を牽引してきた創立者のロバート・D・アトキンソン氏(Robert D. Atkinson)が築いた科学技術政策拠点をさらに発展させるリーダーとして、カストロ氏を満場一致で選出した。2007年以降、副会長やデータ・イノベーション・センター(Center for Data Innovation)のディレクターを歴任した同氏は、技術政策や規制における権威として中心的な役割を担ってきた。就任にあたり、同氏は現在の政策決定が将来の経済や社会を形作る重要な局面にあるとし、ITIFが引き続き、人工知能(AI)やクリーンエネルギー、デジタル政策、さらには産業競争力といった幅広い分野において、イノベーションを加速させ生産性を向上させるための提言活動を継続していくと表明した。 ITIF “Castro Succeeds Atkinson as President of ITIF” (05/04/26) https://itif.org/publications/2026/05/04/castro-succeeds-atkinson-as-president-of-itif/
2024年度連邦政府研究開発費は増加 2025年度は横ばいへ NCSES調査
国立科学工学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は5月5日、2024年度の連邦政府研究開発(R&D)予算(歳出義務)が、前年度比4.4%増の1,942億ドルとなったと発表した。国防総省(Department of Defense)研究開発費が14.4%増となった一方で、厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)での減少により一部が相殺された形となった。2025年度は両省を含む主要機関で減少が予測されるものの、全体では約1,941億ドルとほぼ横ばいで推移する見通しで、主に商務省(Department of Commerce)研究開発費の約263%増が寄与した。これには、2022年に制定された法律による追加補正予算承認により、米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)の支出が13億ドルから約80億ドルへと大幅増加となったことに起因している。 NCSES “Federal R&D Obligations Increased 4.4% in FY 2024; Most Agencies Estimate Declines in FY 2025” (05/04/26) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf26317
大統領府、AIモデルの発表前に審査実施を検討か
ニューヨーク・タイムズ紙(New York Times)は5月4日、複数の米政府高官及び関係者の話として、これまで人工知能(AI)について非干渉の手法を推進し、シリコンバレーによる自由な技術展開を容認してきたトランプ大統領は現在、新たなAIモデルに対して 政府の監督を導入することを検討していると伝えた。関係者によれば、政権は、技術企業幹部や政府高官で構成されるAI作業部会を発足させ、監督手順の可能性について検討する大統領令の発令について議論しているという。潜在的な計画には、新たなAIモデルに関する政府の正式な審査プロセスの確立が含まれ、先週行われた会合で、大統領府の高官が、アンソロピック社(Anthropic)やグーグル(Google)、オープンAI(OpenAI)の各社幹部にこうした計画の一部を伝えたという。こうした議論は、トランプ政権によるAIへの姿勢が大きく逆転する可能性を示唆する。 New York Times “White House Considers Vetting A.I. Models Before They Are Released” (05/04/26) https://www.nytimes.com/2026/05/04/technology/trump-ai-models.html
洋上風力リースの買い取りは前代未聞の問題を生む 元内務省高官発言
ユーティリティ・ダイブ(Utility DIVE)は4月30日、内務省(Department of the Interior)の元高官(2名)の話として、トランプ政権が最近、洋上風力リースを中止し、それらの開発事業者が化石燃料インフラに同額の投資を行った後、(リース料相当額の)払い戻しをするとの取引を決定したことは、法的前例がない上、将来にわたって悪用される新たな前例を作るものであると報じた。元高官の一人は、「一例として、非競争的な目的で企業がリースを買い取り、一定期間何もせず、それらを返却すると買い取り資金が戻ってくるという状況は望ましくない」と述べた。また、別の元高官は、「本件が法的に争われない場合、将来の民主党政権が同様の手法を用いて、従来型の石油・天然ガス企業やメキシコ湾岸の深海掘削業者に対して提訴すると主張するような行動を止めることはできないだろう」と発言した。 Utility Dive “Offshore wind lease buyouts create troubling precedent, say former DOI officials” (04/30/28) https://www.utilitydive.com/news/offshore-wind-lease-buyouts-create-dangerous-precedent-say-former-doi-offici/818994/
国防総省、「戦争省」への名称変更を正式に要請
国防総省(Department of Defense)は新たな立法提案を通じて、省の名称を「戦争省(Department of War)」へと変更することを正式に議会に要請した。この動きは、連邦議員が2027年度の国防関連法案の議論に着手し始める中、民主党の反発を招く可能性が高い。国防総省は本提案の中で、「名称の変更は2027年度予算に重大な影響をもたらさない」としたが、後に、「名称変更を実施するにあたり、2026年度中に省全体で約5,150万ドルを支出する見込みで、その大半(4,460万ドル)は国防機関及び国防総省の現地活動における変更活動に充当される」と付け加えた。議会予算局(Congressional Budget Office: CBO)は1月に、「国防総省から戦争省への名称変更により、最低1,000万ドル(最大1億2,500万ドル)の費用が発生」との試算を発表した。 Breaking Defense “Pentagon formally requests name change to War Department, setting up fight with Dems” (04/28/26) https://breakingdefense.com/2026/04/pentagon-formally-requests-name-change-to-war-department-setting-up-fight-with-dems/
AIが州政府のあらゆる機能を再形成 コード・フォー・アメリカ報告
コード・フォー・アメリカ(Code for America)は今般、各州政府における人工知能(AI)の導入状況を分析した報告書を発表した。それによれば、州政府によるAI導入は、単発の調達判断や技術のアップグレードではなく、州政府内の様々な機関における組織的な過程であり、多くの州政府がまだその初期段階にあるという。報告書は、各州政府におけるAI導入を、①準備(基盤の構築)、②パイロット(可能性の実証)、③実践(成果の実現)、④影響(説明責任と改善)の4段階に分けて分析しており、ユタ、ニュージャージー、ペンシルバニアなどの州は、「公的部門の長期的資産としてAIを統治するのに必要な組織的能力の構築」において先導的な存在となっているとしている。一方、ウェストバージニア、ワイオミング、ネブラスカなどの州はAI導入過程のごく初期段階にあるという。 Code for America “Artificial Intelligence is on the path to reshape how government functions, from the administration of public services to the back-end systems that keep government running.” (May 2026) https://codeforamerica.org/explore/government-ai-landscape-assessment/ 参考:Axios “Exclusive: AI use booms in states, with mixed results” (05/01/26) https://www.axios.com/2026/05/01/ai-states-mixed-results
国防総省、機密ネットワーク上でのAI能力導入で有力企業と提携
国防総省(Department of Defense)は5月1日、人工知能(AI)企業大手8社との間で契約を締結し、同省の機密ネットワーク上にこれらの企業のAI能力を導入し合法的な実務に利用する計画であると発表した。契約先は、スペースX(SpaceX)、オープンAI(OpenAI)、グーグル(Google)、エヌビディア(NVIDIA)、リフレクション(Reflection)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)、オラクル(Oracle)の8社で、国防総省は本契約を通じて先端AI能力を導入し、米軍を「AIファースト」の戦闘部隊として確立する取り組みを加速させ、戦闘における全ての領域で意思決定の優位性を維持できるよう戦闘員の能力強化を促進する。 Department of Defense “Classified Networks AI Agreements” (05/01/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4475177/classified-networks-ai-agreements/
科学・工学活動は米国内外で経済成長を力強く牽引 NCSES報告
国立科学工学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は5月1日に発表した報告書「インパクトへの転換:米国及び世界の科学・技術・イノベーションの産出(Translation to Impact: U.S. and Global Science, Technology, and Innovation Output)」によれば、科学・工学(S&E)活動は米国内外で経済成長の強力な牽引要素となっており、特に研究集約型産業において経済的価値の創出を測定する複数の指標で高い数値を示しているという。一例として、S&E活動が経済成長に及ぼす影響を広範に測定する「全要素生産性(Total factor productivity: TFP)」は、2017~2024年に米国内で、R&D高集約度の情報部門で高い成長率(13%)を示し、国内の非農業部門全体(8%)を上回った。また、世界中の知識及び技術集約型産業は、2024年に11兆7,000億ドルの付加価値(正味の経済算出、名目ドル)を生み出し、前年より4%増加した。 NCSES “Translation to Impact: U.S. and Global Science, Technology, and Innovation Output” (05/01/26) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsb20262
連邦契約の効率性・説明責任・成果を推進する大統領令発令
トランプ大統領は4月30日、固定価格で、期限通りの成果を促進する契約を最大限に活用するよう連邦省庁に指示する大統領令に署名した。大統領は、「連邦調達は長きにわたり、予測不能な費用や人件費の大幅増、しばしば支出超過につながる脆弱なインセンティブに寛容すぎであった」とした上で、連邦の調達プロセスにおける固定価格契約及び契約業者の収益を成果と連動させる契約の活用を義務付け、その他の種類の契約方法を利用する際は、省庁機関のトップへの通知と、一部の状況においてはその承認を求めることを必須とした(緊急時や主要システムの調達を目的とした研究開発については例外)。また、連邦省庁のトップに、固定価格でない調達契約の利用について、行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)長官に半年ごとに報告するよう義務付けた。 White House “Fact Sheet: President Donald J. Trump Promotes Efficiency, Accountability, and Performance in Federal Contracting” (04/30/26) https://www.whitehouse.gov/fact-sheets/2026/04/fact-sheet-president-donald-j-trump-promotes-efficiency-accountability-and-performance-in-federal-contracting/
政府のAI利用、開示件数が70%増
フェッドスクープ(FedScoop)は4月29日、2025年の連邦政府における人工知能(AI)利用開示件数が約3,600件に達し、前年比で約70%増加したと報じた。行政管理予算局(Office of Management and Budget: OMB)がギットハブ(GitHub)で公表した最新目録により明らかになった。主に航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)による報告方法の変更によるもので、新たに研究開発(R&D)関連の利用事例を報告に含めたことから、2024年の18件から425件へと大幅に増加した。この事例増加により「科学」分野でのAI利用が最多を占め、次いで管理機能やIT、法執行機関、医療・保健分野が続いた。一方で、リスク管理が必要な「影響力の高い」AI利用の判定基準をめぐっては、専門家から「解釈が狭い」といった懸念の声も上がった。OMBは民間AIツールの積極的な活用も奨励しており、行政の効率化に向けた動きを加速させているが、一部機関ではリスク管理の詳細開示が以前より後退し、透明性確保が課題となっている。 FedScoop “Disclosed government AI use increased by 70% in 2025, per OMB ” (04/29/26) Disclosed government AI use increased by 70% in 2025, per OMB