Day: May 6, 2026

米国科学審議会、「2026年米国科学工学の現状」を発表

米国科学審議会(National Science Board: NSB)が5月4日に発表した「2026年米国科学工学の現状(The State of U.S. Science and Engineering 2026)」によれば、過去25年間に米国の科学工学(S&E)活動は大きく再編された。企業部門がR&Dの資金拠出と実施における中心的存在となり、イノベーション活動は情報技術や重要新興技術分野に集中した他、中国が競合相手として台頭してきた。米中両国は世界のR&Dを支配しており、中国は複数の主要科学技術分野の指標で米国を上回っている。中国の研究論文出版数は世界最多である一方、米国の研究論文は依然として様々な科学分野で被引用数の割合が最大となっている。米国内において2014~2024年の間にS&E分野の学位取得者は増加し続け、特にコンピュータ及び情報科学分野の学位取得者が急増している。また、米国のSTEM従事者は米国全体の労働力の26%を占め、雇用や賃金の面で優勢となっている。 National Center for Science and Engineering Statistics “The State of U.S. Science and Engineering 2026” (05/04/24) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsbsep20261

ロッキーズ国立研究所、コロラド鉱山大学及びユタ大学と重要鉱物能力の強化で連携

ロッキーズ国立研究所(National Laboratory of the Rockies: NLR)は5月4日、コロラド鉱山大学(Colorado School of Mines)及びユタ大学(University of Utah)との間で、重要鉱物のイノベーションや商業化、労働力育成を通じた米国のエネルギー及びマテリアル供給の強化に関する覚書に署名したと発表した。NLRとコロラド鉱山大学は、1974年から続くエネルギー研究の連携を基盤として、コロラド州内で重要鉱物研究の未来を形成する新たな2つの施設を開設する。ユタ大学とは、人工知能(AI)を活用した科学ワークフローや高性能コンピュータ、データ科学を通じて重要鉱物や先端マテリアル、製造に関する研究及び技術開発を推進し、合同研究プログラムを通じて、大学・業界・国立研究所のパートナー間の情報共有を促進する。 National Laboratory of the Rockies “NLR Partners With Colorado School of Mines and University of Utah To Scale Up US Critical Minerals Capacity” (05/05/26) https://www.nlr.gov/news/detail/program/2026/nlr-partners-with-colorado-school-of-mines-and-university-of-utah-to-scale-up-us-critical-minerals-capacity

エネルギー省、米国のエネルギー労働力拡大に1,100万ドル以上を発表

エネルギー省(Department of Energy)の炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office: HGEO)と先住民エネルギー局(Office of Indian Energy)は5月4日、次世代のエネルギー労働力育成を目的として、最大1,130万ドルの連邦資金が高等教育機関向けに有用であると発表した。このうち最大230万ドルは部族の大学(Tribal Colleges and Universitas)に提供される。これは「産学キャリア訓練パートナーシップ・イニシアチブ(Partnerships for Academic-Industry Career Training (PACT) Initiative)」で、地域の産学コンソーシアムの設立を通じて、天然ガスや石油、石炭、地熱エネルギーの生産を支援する技能について直接的な訓練及び認証プログラムの開発を促進する。選出されたコンソーシアムは、石油・天然ガス・石炭・地熱エネルギー技術の統合・安全な使用・維持管理や、二酸化炭素を用いた炭化水素回収の向上等の技術分野を対象に、地域の労働力ニーズに対応する職種の訓練及び認証プログラムを開発する。 Department of Energy “Energy Department Announces Over $11 Million to Expand America’s Energy Workforce” (05/04/26) https://www.energy.gov/hgeo/articles/energy-department-announces-over-11-million-expand-americas-energy-workforce

AIの商業的利益と国家安保の両立 CNASが市場誘導の重要性を提言

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は5月5日、民間企業の商業的動機が人工知能(AI)の発展と普及を左右し、国家安全保障に重大な影響を与えるとする討議文書を発表した。文書は、AI企業の収益化戦略が安全性に関する需要に影響するとし、アンソロピック社(Anthropic)のモデル「ミュトス(Mythos)」が4月に深刻なサイバー脆弱性を発見した事例を挙げ、技術の悪用リスクが現実化しつつある現状を警告している。政府や企業はリスク回避を重視する一方、消費者や社内用途向けの利用では監視が届かず透明性を損なう恐れがあるとし、米国の強みである半導体などのインフラ基盤を活用し、特に中国への輸出規制と友好国への普及を融合した戦略的な対応策を整備するよう提言している。また法的責任の明確化や保険市場の育成を通じて、企業が安全確保のコストを自ら負担する仕組み作りも求めたほか、市場独占が政府の制御力を弱める可能性に触れ、計算資源管理を通じた柔軟な政策枠組み構築も提案している。 CNAS “Who Will Make Money on AI?” (05/04/26) https://www.cnas.org/publications/reports/who-will-make-money-on-ai

AIガバナンス整備が急務 マーケット・コネクションズ社提言

調査会社のマーケット・コネクションズ社(Market Connections)は5月、連邦機関におけるエージェント型人工知能(AI)導入とガバナンス実態の調査結果を発表した。77%の政府機関関係者が監督枠組みの必要性を認識しつつも運用は20~30%にとどまり、導入状況は探索・計画段階53%、実証試験段階22%、部分的実装15%、完全統合8%で、本格運用への移行が進んでいない。また、重大リスク領域の79%で人間介入を義務づける一方、即時停止できる安全停止スイッチを保有する機関は29%に過ぎず、継続的監視枠組みを持つ機関も30%にとどまった。事前試験・事故対応はそれぞれ20%、8%、外部ベンダー管理は6%と落差が大きく、基幹データを安全に供給する統合基盤が不足している。同社はAIの動きを一元監視し、人による介入や自動防御策を業務手順に組み込んだ基盤インフラの整備を提言しており、課題共有の場として20日開催のネクストゲン・ガブ・トレーニング・バーチャルサミット(NextGen Gov Training Virtual Summit)への参加も呼びかけている。 Market Connections “From Adoption to Accountability: Building the Trusted Foundation for Agentic AI in Government” (05/xx/26) https://cdn.govexec.com/media/general/2026/5/mc_x_servicenow_agentic_ai_2_pager_050426.pdf 参照記事: Govloop NextGen ” NextGen Gov Training Virtual Summit” (05/XX/26) https://www.nextgengovt.com/

AI大手各社と安全テスト協定締結 フロンティアモデルを事前評価

商務省(Department of Commerce)の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)は5月5日、傘下の人工知能(AI)標準・イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI)がグーグル・ディープマインド社(Google DeepMind)、マイクロソフト社(Microsoft)、エックスエーアイ社(xAI)と最先端AIモデル(フロンティアAI)の国家安全保障評価試験に関する協定を締結したと発表した。AIの能力やリスクを把握できるようにすることが目的で、機密環境でのAIモデル導入・事後評価、研究実施や、これに関する情報共有と自主的な製品改善促進を支援する。また、AIの急速な進展や国家安全保障上の懸念対処に向け、迅速に対応するための柔軟性を備えた協定と説明しており、評価には政府関係者も参加する。CAISIは産業界との主要な連絡窓口として、テストや共同研究、ベストプラクティスの開発を促進する役割を担うとし、既に未公開の最先端モデルも含む40以上の評価を完了している。 NIST “CAISI Signs Agreements Regarding Frontier AI National Security Testing With Google DeepMind, Microsoft and xAI” (05/04/26) https://www.nist.gov/news-events/news/2026/05/caisi-signs-agreements-regarding-frontier-ai-national-security-testing