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その他

エネルギー省、米国のエネルギー労働力拡大に1,100万ドル以上を発表

エネルギー省(Department of Energy)の炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office: HGEO)と先住民エネルギー局(Office of Indian Energy)は5月4日、次世代のエネルギー労働力育成を目的として、最大1,130万ドルの連邦資金が高等教育機関向けに有用であると発表した。このうち最大230万ドルは部族の大学(Tribal Colleges and Universitas)に提供される。これは「産学キャリア訓練パートナーシップ・イニシアチブ(Partnerships for Academic-Industry Career Training (PACT) Initiative)」で、地域の産学コンソーシアムの設立を通じて、天然ガスや石油、石炭、地熱エネルギーの生産を支援する技能について直接的な訓練及び認証プログラムの開発を促進する。選出されたコンソーシアムは、石油・天然ガス・石炭・地熱エネルギー技術の統合・安全な使用・維持管理や、二酸化炭素を用いた炭化水素回収の向上等の技術分野を対象に、地域の労働力ニーズに対応する職種の訓練及び認証プログラムを開発する。 Department of Energy “Energy Department Announces Over $11 Million to Expand America’s Energy Workforce” (05/04/26) https://www.energy.gov/hgeo/articles/energy-department-announces-over-11-million-expand-americas-energy-workforce

AIの商業的利益と国家安保の両立 CNASが市場誘導の重要性を提言

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は5月5日、民間企業の商業的動機が人工知能(AI)の発展と普及を左右し、国家安全保障に重大な影響を与えるとする討議文書を発表した。文書は、AI企業の収益化戦略が安全性に関する需要に影響するとし、アンソロピック社(Anthropic)のモデル「ミュトス(Mythos)」が4月に深刻なサイバー脆弱性を発見した事例を挙げ、技術の悪用リスクが現実化しつつある現状を警告している。政府や企業はリスク回避を重視する一方、消費者や社内用途向けの利用では監視が届かず透明性を損なう恐れがあるとし、米国の強みである半導体などのインフラ基盤を活用し、特に中国への輸出規制と友好国への普及を融合した戦略的な対応策を整備するよう提言している。また法的責任の明確化や保険市場の育成を通じて、企業が安全確保のコストを自ら負担する仕組み作りも求めたほか、市場独占が政府の制御力を弱める可能性に触れ、計算資源管理を通じた柔軟な政策枠組み構築も提案している。 CNAS “Who Will Make Money on AI?” (05/04/26) https://www.cnas.org/publications/reports/who-will-make-money-on-ai

AIガバナンス整備が急務 マーケット・コネクションズ社提言

調査会社のマーケット・コネクションズ社(Market Connections)は5月、連邦機関におけるエージェント型人工知能(AI)導入とガバナンス実態の調査結果を発表した。77%の政府機関関係者が監督枠組みの必要性を認識しつつも運用は20~30%にとどまり、導入状況は探索・計画段階53%、実証試験段階22%、部分的実装15%、完全統合8%で、本格運用への移行が進んでいない。また、重大リスク領域の79%で人間介入を義務づける一方、即時停止できる安全停止スイッチを保有する機関は29%に過ぎず、継続的監視枠組みを持つ機関も30%にとどまった。事前試験・事故対応はそれぞれ20%、8%、外部ベンダー管理は6%と落差が大きく、基幹データを安全に供給する統合基盤が不足している。同社はAIの動きを一元監視し、人による介入や自動防御策を業務手順に組み込んだ基盤インフラの整備を提言しており、課題共有の場として20日開催のネクストゲン・ガブ・トレーニング・バーチャルサミット(NextGen Gov Training Virtual Summit)への参加も呼びかけている。 Market Connections “From Adoption to Accountability: Building the Trusted Foundation for Agentic AI in Government” (05/xx/26) https://cdn.govexec.com/media/general/2026/5/mc_x_servicenow_agentic_ai_2_pager_050426.pdf 参照記事: Govloop NextGen ” NextGen Gov Training Virtual Summit” (05/XX/26) https://www.nextgengovt.com/

AI大手各社と安全テスト協定締結 フロンティアモデルを事前評価

商務省(Department of Commerce)の米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology: NIST)は5月5日、傘下の人工知能(AI)標準・イノベーションセンター(Center for AI Standards and Innovation: CAISI)がグーグル・ディープマインド社(Google DeepMind)、マイクロソフト社(Microsoft)、エックスエーアイ社(xAI)と最先端AIモデル(フロンティアAI)の国家安全保障評価試験に関する協定を締結したと発表した。AIの能力やリスクを把握できるようにすることが目的で、機密環境でのAIモデル導入・事後評価、研究実施や、これに関する情報共有と自主的な製品改善促進を支援する。また、AIの急速な進展や国家安全保障上の懸念対処に向け、迅速に対応するための柔軟性を備えた協定と説明しており、評価には政府関係者も参加する。CAISIは産業界との主要な連絡窓口として、テストや共同研究、ベストプラクティスの開発を促進する役割を担うとし、既に未公開の最先端モデルも含む40以上の評価を完了している。 NIST “CAISI Signs Agreements Regarding Frontier AI National Security Testing With Google DeepMind, Microsoft and xAI” (05/04/26) https://www.nist.gov/news-events/news/2026/05/caisi-signs-agreements-regarding-frontier-ai-national-security-testing

エネルギー省、原子力技術実用化支援で4社を選定

ニュークリアー・ニュースワイヤー(Nuclear Newswire)は4月28日、エネルギー省(Department of Energy)の原子力局(Office of Nuclear Energy)と国立原子炉イノベーション・センター(National Reactor Innovation Center)が原子力技術実証支援制度の初回採択先として4社を選定したと報じた。マイクロ炉を開発するデプロイヤブル・エナジー社(Deployable Energy)、ニューキューブ・エナジー社(NuCube Energy)、ラディアント・インダストリーズ社(Radiant Industries)と、燃料供給を担うゼネラル・マター社(General Matter)の4社で、NRICは原子炉や燃料に限らない原子力技術の実用化に向け、各社支援を強化する。各社は研究機関との連携も含め、データセンターや海事、防衛向けマイクロ炉や国内燃料供給網の強化を進め、出力15MWの高温固体マイクロ炉開発や国立研究所の実証試験設備「ドーム(DOME)」でトリソ(TRISO)燃料を用いた高温ヘリウム冷却型マイクロ炉「カレイドス(Kaleidos)」の初の燃料装荷実験に臨む予定である。 Nuclear Newswire “DOE selects first companies for nuclear launch pad” (04/28/26) https://www.ans.org/news/2026-04-28/article-7988/doe-selects-first-companies-for-nuclear-launch-pad/

大学教員の不安レベルが深刻 周囲の支援と共同体意識が軽減の鍵に

ネイチャー誌(Nature)は5月1日、医療分野の大学教員による職務に関する不安が深刻であるとする調査について報じた。ハワード大学(Howard University)のアニエティ・アンディ氏(Anietie Andy)らによる数千人を対象とした調査によると、医療分野教員の約3分の1が中等度以上の不安を訴えており、全学術分野の平均である24%を大きく上回った。特に女性や終身雇用(テニュア)資格取得を目指す助教の不安は大きく、一方で、学問に理解のある親や強固な人脈を持つ者ほど、不安が低い傾向であったことが判明した。また、マイノリティへの教育を主とする機関(Minority-Serving Institutions)で見られる共同体意識が、不安指数を大幅に改善させる要因となっていることがわかった。調査は、家族や周囲の支援ネットワークがその軽減に極めて重要であるとし、各組織がメンター制度などを通じて、教員を孤立させない支援体制を構築する必要性を強調している。 Nature “Helium users brace as shortages begin” (05/01/26) https://www.nature.com/articles/d41586-026-01252-x

中東紛争によるヘリウム供給危機が深刻化、研究や医療への割当制限で現場に混乱

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)が発行する『フィジックス・トゥデー(Physics Today)』は4月30日、中東情勢の緊迫化に伴うヘリウムの供給不足が、世界の研究機関や医療現場の運営に深刻な影響を及ぼし始めていると発表した。イランへの攻撃やカタールのプラント停止、ホルムズ海峡の封鎖により、世界供給の約3割を占めるカタール産ヘリウムの流通が停滞し、市場関係者らは地政学的な不安定さが「ブラック・スワン現象(予測不可能、想定外な出来事により甚大な影響受けた事象)」を招いたと指摘している。半導体製造や医療用核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging: MRI)への供給が優先されるなか、リンデ社(Linde)などの大手供給会社は不可抗力条項を発表し、価格急騰や配分半減が相次いでいる。また病院施設や大学機関の臨床研究用機器や核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance: NMR)施設も高価な代替調達を余儀なくされ、日本でも再液化装置を持たない施設で装置停止が続出し、正常化には数カ月かかるとみられる。 AIP PT “Helium users brace as shortages begin” (04/30/26) https://physicstoday.aip.org/news/helium-users-brace-as-shortages-begin

大統領府、NSB全委員解任根拠は2021年最高裁判決

米国物理協会(American Institute of Physics: AIP)は5月1日、国家科学審議会(National Science Board: NSB)の全委員解任が2021年最高裁判決による「憲法上の問題」が原因だったとする大統領府の見解について伝えた。政府は、同判決により、上院の承認を得ていない連邦職員の権限は制限されていることが確認されたと説明しているが、政権はこれまでに100以上の科学諮問組織を解体しており、記事は国内の科学界は大きな衝撃を受けていると伝えている。NSB委員らは、活動を勧告にとどめるなどの対策を講じていたと反論し、解任は事前通知なく行われたと指摘した。下院科学委員会の民主党議員らも、科学の独立性を脅かす政治的な策略であるとして批判を強めている。今回の決定は予算削減やトップの不在で混乱の最中にある米国科学財団(National Science Foundation: NSF)へさらに影響を与える可能性がある事に加え、科学振興協会(American Association for the Advancement of Science: AAAS)などの主要な学術団体も、指導部不在が国家の科学技術力を衰退させると危惧している。 AIP “Administration Explains National Science Board Firing as Criticism Grows” (05/01/26) https://www.aip.org/fyi/administration-explains-national-science-board-firing-as-criticism-grows

配電コストが電気料金上昇を誘引 LBNL調査

ローレンス・バークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)のエネルギー技術分野(Energy Technologies Area: ETA)は5月4日、投資家所有の電力会社(Investor-Owned Utility: IOU)による配電網コスト急増要因と対応策に関する調査報告書を発表した。全米の配電支出は2014年以降、過去20年間の4倍にあたる年率6%のペースで増加し、設備投資がその大半を占め、特に電力1kWh(キロワット時)あたりの単価で分析すると、2014年以降の小売料金上昇の30%以上が配電コスト増に起因した。地域別ではカリフォルニア独立系統運用機関(California Independent System Operator: CAISO)管内が突出し、既存設備の更新や安全性、回復力確保が主な支出となった。一方、IOUによる2025年の料金値上げ申請額は180億ドルに達し、州の公共事業委員会(Public Utility Commission: PUC)の承認額と共に数十年ぶりの高水準を記録した。LBNLは利益率や減価償却の調整に加え、成果連動型規制の導入、計画要件の見直しなどを提示している。 LBNL ETA “Electric Utility Distribution Costs: Scoping Study on Trends, Drivers, and Possible Response Strategies” (05/04/26) https://emp.lbl.gov/news/electric-utility-distribution-costs-scoping-study-trends-drivers-and-possible-response

サイバー人材育成プログラム、AIスキル習得を義務化

NEXTGOV/FCWは5月1日、政府のサイバーセキュリティ人材採用パイプラインである「サイバーコア(CyberCorps: Scholarship for Service)」奨学金制度において、奨学生に対し人工知能(AI)とサイバーセキュリティの融合領域におけるスキルの実証を義務付けると報じた。大統領府人事管理局(Office of Personnel Management: OPM)と米国科学財団(National Science Foundation: NSF)によると、この変更は即時に適用され、参加者はAI専門知識を習得する具体的な計画を提示する必要がある。24時間稼働するAIエージェントの管理能力が不可欠とされる中、数年後の大学卒業時にAIに関する深い知見がなければ、雇用はもはや不可能との見方が示された。学費と生活費を支給する同プログラムは、大学卒業後の政府機関関連勤務を義務付けているが、高度AIモデルの登場により、コンピュータサイエンス専攻の大学生数が減少していることに加え、連邦省庁の多くでは職員の削減が進む一方で、予算不足により採用活動が停滞している状況にある。 NEXTGOV/FCW “US imposes AI skills requirement on CyberCorps pipeline” (05/01/26) https://www.nextgov.com/people/2026/05/us-imposes-ai-skills-requirement-cybercorps-pipeline/413284/?oref=ng-homepage-river