Category:その他
中西部3州、2035年までに量子関連雇用で最大19万人創出へ
研究開発推進機構のシカゴ量子取引所(Chicago Quantum Exchange: CQE)は5月、イリノイ州、ウィスコンシン州、インディアナ州において、2035年までに最大19万1,000人の量子関連雇用が創出される見込みとの調査報告書を発表した。米国科学財団(National Science Foundation: NSF)とボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)の分析によると、新規雇用の70%以上は大学院の学位を必要としていないものの、量子関連キャリアに対する学生や教育者の認識は依然として低いことがわかった。特に量子関連講座へのアクセスは教育機関によって大きく異なり、就業への道筋も断片化されている現状がある。この課題解決に向け、CQEは認知度向上、教育環境の整備、人材の流動性、雇用主の主導、地域連携と5つの戦略的優先事項を提唱している。具体的には、教員育成拠点の設立や実験機器の共同利用、研究機関への編入経路の明確化、企業と連携した実務訓練などを掲げ、地域全体での高度な人材育成エコシステム構築を促している。 CQE “ADVANCING TOGETHER A Unified Strategy for Scaling Midwest Quantum Talent” (05/XX/26) https://chicagoquantum.org/sites/default/files/2026-04/Advancing%20Together%20FINAL.pdf 参照記事: SSTI “The Illinois-Wisconsin-Indiana region could see as many as 191,000 quantum jobs by 2035” (05/06/26) https://ssti.org/blog/illinois-wisconsin-indiana-region-could-see-many-191000-quantum-jobs-2035
VC投資、少数企業への資金集中が鮮明に SSTI分析
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は5月6日、2026年第1四半期のベンチャーキャピタル(VC)投資動向を発表した。ピッチブック(PitchBook)のデータによると、投資総額2,670億ドルのうち上位5件が全体の73%超を占めたという。また、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル投資家が特定されている1億ドル未満の案件に限定した場合、総資金調達額は、昨年第3四半期の243億ドルを頂点に減少へと転じ、今期は215億ドル弱にまで低下した。取引件数も今期は1,486件で、2023年同期の半数以下へと落ち込んでいる。過去3年間は第1四半期の活動が最も活発であったが、今年は従来の増加傾向が見られず異例の推移となった。投資段階別ではシード期案件が前期比33%減と縮小する一方で、アーリーステージへの投資額は増加した。SSTIは、投資家はソフトウェアや人工知能(AI)関連企業へ強い関心を示しているとし、少数の初期案件に資金が集中していることから、全体的にみると、資金調達が難航する可能性があると分析している。 SSTI “Slowing Q1 VC investment could mean more selective investors and difficult fundraising” (05/06/26) https://ssti.org/blog/slowing-q1-vc-investment-could-mean-more-selective-investors-and-difficult-fundraising
SBA、国内供給網強化と起業家支援策で意見公募開始
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は5月6日、中小企業庁(Small Business Administration: SBA)が国内供給網(サプライチェーン)の強化及び起業家支援プログラムの最適化に向けた2件の情報提供要請(RFI)について意見公募を開始したと発表した。「供給網格差と起業家支援(Supply Chain Gaps and Entrepreneur Assistance)」では、連邦政府が実施するイノベーション・ネットワーク支援プログラムの将来像に焦点を当て、重要産業分野において大学や研究機関、投資家などの支援組織が起業にどう寄与できるかについて意見を求めており、主に地域経済を牽引する産業強化策や、技術開発促進に向けた連携の在り方を探る。一方、「国内供給網における重要サプライヤーの拡大(Scaling Critical Suppliers in Domestic Supply Chains)」は中小製造業の生産能力を向上させ、供給網のボトルネックを解消する施策に関し、業界関係者からの意見を求めている。なお、意見募集の締め切りは5月18日となっている。 SSTI “SBA seeks public comment in two areas related to supply chains” (05/06/26) https://ssti.org/blog/sba-seeks-public-comment-two-areas-related-supply-chains
海軍原子炉局による連携除染作業は順調で数十億ドルの節約に GAO報告
エネルギー省(Department of Energy)の海軍原子炉局(Office of Naval Reactors)は、米海軍の原子力艦隊に関する研究・訓練を実施する4施設を管理し、それらの施設において汚染された設備や土壌の除染も責務としている。海軍原子炉局は2019年にエネルギー省の環境管理局(Office of Environmental Management: EM)と提携し、EMが大規模な除染及び施設の解体措置等を代行することとなった。政府説明責任局(Government Accountability Office)が5月7日に発表した報告書によれば、この提携に基づく除染作業は順調に進んでおり、海軍原子炉局は数十億ドルを節約し、同局が独自に作業するよりも数十年早く除染作業を完了できる可能性があるという。 Government Accountability Office “Environmental Liabilities: Naval Reactors’ Disposition Partnership on Track to Save Billions” (05/07/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108056
運輸省、小型モジュール炉イニシアチブを開始 商用船舶とエネルギー支配を支援
運輸省(Department of Transportation)と海事局(Maritime Administration: MARAD)は5月7日、商用船舶向け小型モジュール炉(Small Modular Nuclear Reactors: SMR)の開発イニシアチブを開始した。その第一歩として、MARADは、イノベーター及び産業関係者に、米国の造船業を活性化し、費用を低減し、エネルギー支配を確実にするSMRモデルの開発に支援を要請した。具体的には、①効率性(商用船舶がより速くより遠くへ航行でき、信頼性が高い高出力エネルギーの導入)、②手頃な費用(燃料費用の大幅削減と、維持管理要件の低減)、③国家安全保障(米国の供給網の再建とエネルギー自立の確保による国家防衛の強化)など、6分野で関係者からの情報を求めている。 Department of Transportation “Trump’s Transportation Secretary Sean P. Duffy Launches Small Modular Nuclear Reactors Initiative to Drive Down Costs for U.S. Shipping, Enhance Energy Dominance” (05/07/26) https://www.transportation.gov/briefing-room/trumps-transportation-secretary-sean-p-duffy-launches-small-modular-nuclear-reactors
国防総省、指向性エネルギー型対ドローン・プログラムの配備先を発表
国防総省(Department of Defense)は5月6日、省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)が、指向性エネルギー型対ドローン・パイロット・プログラムに参加する5つの施設を選定したと発表した。選定されたのは、アリゾナ州のフォート・ファチュカやテキサス州のフォート・ブリスなど5か所。本イニシアチブを通じて、重要インフラや軍事施設、国土防衛任務を保護する先端の指向性エネルギー能力の配備と評価を加速させる。JIATF401は、「違法かつ敵対的なドローン活動対策は、国土防衛上の急務である。この課題に対処する決定的な解決策はなく、本プログラムを通じて最先端技術を国防総省のより広範なドローン対策ツールキットに統合する」と説明する。 Department of Defense “Site Selections Announced for Directed-Energy Counter-Drone Program” (05/06/26) https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4479463/site-selections-announced-for-directed-energy-counter-drone-program/
ARPA-H、脳による聴覚システムを通じて聴力を復活させるプログラムを開始
厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は5月7日、「人工知能神経技術による聴力強化(Hearing Enhancement through Artificially Intelligent Neurotechnology: HEARING)」プログラムを発表した。これは、加齢やその他の原因による難聴の人々を対象に、脳の聴覚中枢に直接作用して、より明瞭で無理なく自然に聞こえる聴覚を回復させる低侵襲型聴覚システムを開発するための研究資金提供機会である。HEARINGは、複数のフェーズを通じて3つの技術分野(皮質内デバイス、動的音響変調、聴覚情報の読み書きを行うアルゴリズム)に焦点を当てる。 ARPA-H “ARPA-H launches program to restore hearing through brain-driven hearing system”(05/07/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-launches-program-restore-natural-hearing-through-first-brain-driven-hearing
インディアナ州知事、IN AIイニシアチブを発表
インディアナ州のマイク・ブラウン知事(Mike Braun)は4月28日、人間を中心とした人工知能(AI)の実用的な応用を通じて、州内の企業の成長や雇用創出、賃金増加を支援する州イニシアチブ「インディアナAI(IN AI)」を発表した。本イニシアチブは、インディアナ企業CEOパートナーシップ(CEOs of Indiana Corporate Partnership: CICP)によって実施され、州内の雇用主と協力して、州内の企業を強化し、州民向けの機会を拡大するためにAIの導入加速を目指す。IN AIイニシアチブは、理論よりも実用的な応用に重点を置き、企業の現状に対応するよう設計されている。州内の雇用主は、イニシアチブによる1つの統合的窓口を通じて、AIによって業務が改善できる分野の特定、アクセス・ツールと技術サポート、ソリューション実践のための人材との関係構築の機会を得ることができる。 Governor of Mike Braun (Indiana) “Governor Braun Announces IN AI to Grow Jobs and Wages Through Human-Centered AI” (04/28/26) https://events.in.gov/event/governor-braun-announces-in-ai-to-grow-jobs-and-wages-through-human-centered-ai
カリフォルニア州、太陽光パネルで覆われた運河完成 節水と費用削減の試験事業
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(Gavin Newsom)は4月29日、この種としては初となる太陽光パネルで覆われた運河の建設が完成したと発表した。これは同州による「プロジェクト・ネクサス(Project Nexus)」と呼ばれる試験的プロジェクトで、州は、この運河を通じて、太陽光発電インフラが水の蒸発の低減や、再生可能エネルギーの生成、システムの総合的な効率性向上にどのように寄与するかを評価する。本件は、カリフォルニア州水資源省(Department of Water Resources)、ターロック灌漑地区(Turlock Irrigation District)、ソーラーアクアグリッド社(SolarAquaGrid LLC)、カリフォルニア大学マーセド校(University of California, Merced)による2,000万ドルの産官学プロジェクトで、同州セントラル・バレーにある運河の上に太陽光パネルが設置された。 Governor Gavin Newsom (California)“Governor Newsom announces the completion of first-of-its-kind solar-covered canal in the Central Valley — piloting a new way to save water and reduce costs” (4/29/26) Governor Newsom announces the completion of first-of-its-kind solar-covered canal in the Central Valley — piloting …
Read more
AIリスク評価に新手法 「破滅の確率」に代わる確信度と妥当性を提唱
安全保障・新興技術センター(Center for Security and Emerging Technology: CSET)は5月、人工知能(AI)がもたらす壊滅的リスクの評価(Probability of Doom: P-doom)において、従来の「確率」のみに頼る手法を補完する、数学的に厳密な新しい不確実性評価ツールを発表した。AIリスクのようにデータや理論が乏しく、不確実性が高い分野では、専門家の主観的なP-doom評価だけでは不十分とし、「確信度(Belief)」と「妥当性(Plausibility)」という概念を用いた手法を紹介している。証拠に基づく確実性と、反証の不在に基づく可能性の範囲を明確に区別するもので、CSETは政策立案者に対し、リスクの発生根拠と否定根拠を問う2つの簡潔な質問を導入することで、より精緻な意思決定が可能になると提唱している。例えば、6面体のサイコロの3面しか確認できず、1面のみに星がある場合、星が出る確信度は6分の1であるが、未知の面を考慮した場合は6分の4となる(妥当性)とし、この乖離を基に、不確実性の程度を可視化できるという。 CSET ” Beyond P(doom) for AI Risk: Quantifying Uncertainty Without Probability” (05/05/26) Beyond P(doom) for AI Risk: Quantifying Uncertainty Without Probability