Category:その他
テキサス州、データセンター建設を一時停止 電力需要が急増
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月5日、テキサス州のグレッグ・アボット知事(Greg Abbott)が送電網への接続申請を行う全てのデータセンターを対象とした監査を命じたと報じた。同州の送電網を管理するテキサス州電気信頼性協議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)に対する接続申請が計474ギガワット(GW)に達し、その約90%がデータセンターによるもので、過去最高のピーク電力需要の5倍を超える規模に膨れ上がっていることが背景にある。州内電力の安定供給が脅かされる懸念が浮上しており、州は、データセンターの建設を事実上停止する措置に踏み切った。これを受け、ERCOTは大型負荷接続手続きの審査プロセスを一時停止し、監査で自家発電の有無や水資源を自己調達・使用状況、公的支援への依存度などを検証していくと発表した。基準を満たさないプロジェクトは不承認となることから、記事は、業界団体が投機的な事業と優良事業者を差別化するよう、州に対し迅速な対応を求めていると伝えている。 Utility Dive “Facing an estimated 474 GW of interconnection requests, Texas hits pause on data centers” (08/05/26) https://www.utilitydive.com/news/texas-hits-pause-data-center-interconnections/827046/
エンジェル投資額、2025年は増加
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は8月5日、エンジェル資本協会(Angel Capital Association: ACA)がまとめた2025年のエンジェル投資動向に関する調査レポートの分析結果を発表した。全米23州66団体から提供されたデータを基にしたもので、ベンチャーキャピタル(VC)と同様に「案件数を絞り1件当たりの投資額を拡大する」傾向が明らかになった。投資総額が12%増加した一方、案件数は3%減少しており、平均投資額は26万7,000ドルに上る。また、エンジェル投資家は将来性のある投資初期段階の企業と、実績のある後期段階の企業両方に戦略的に投資し、全資金の60%を収益化する前の企業へ、分野別では全体の47%をライフサイエンス分野へ投じていた。こうした中、SSTIは地域技術基盤経済開発(Technology-Based Economic Development: TBED)を推進する投資家に対し、資金の地域外流出を防ぐ強固な地域エコシステムの構築と、初期段階の資金ギャップを埋めるエンジェル投資家との連携強化を呼びかけている。 SSTI “Takeaways from the ACA angel capital report” (08/05/26) https://ssti.org/blog/takeaways-aca-angel-capital-report
コロラド州、州経済強化推進に向け競争力評議会を発足
コロラド州経済開発・国際貿易局(Colorado Office of Economic Development and International Trade: OEDIT)は7月22日、州経済の活性化とイノベーション促進を目指す官民連携の州知事直属組織「競争力評議会(Competitiveness Council)」を発足したと発表した。ジャレッド・ポリス州知事(Jared Polis)や州産業界が連携し、産業競争力を強化し、最先端のイノベーション・エコシステムを構築するための長期ビジョンを策定する。現在のビジネス環境を分析し、将来に向けた共通ビジョンを共有する取り組みで、州全域における事業環境や競争上の課題をデータに基づいて分析し、他州と比較した優位性の検証を通じて、立法・政策・規制に関する具体的な改善策を盛り込んだ戦略ロードマップを今秋に策定する計画である。この内容は次期知事候補者や州議会と共有される予定で、今後、同州のコミュニティーカレッジなども取り込み、人材育成や資金調達機会の拡大を図っていく。 Colorado OEDIT “Colorado Launches New Competitiveness Council to Drive Economic Success Across the State” (07/22/26) https://oedit.colorado.gov/press-release/colorado-launches-new-competitiveness-council-to-drive-economic-success-across-the
CATF、セメント生産のネットゼロ達成施策を提言
クリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)は8月5日、カリフォルニア州のセメント産業の脱炭素化に向けたロードマップを発表した。環境コンサルのAJW社とシナプス・エナジー・エコノミクス社(Synapse Energy Economics)と協働し、州上院法案596号(Senate Bill: SB596)が定める目標の達成経路を分析したもので、4つの脱炭素化手法を検証した。これによると、炭素回収・貯留(Carbon Capture and Storage: CCS)技術と代替燃料や混合セメント製造を組み合わせることで、2050年までに最大93%の排出削減が可能である一方、電気キルン(セメント製造用焼成炉)の完全電化は大幅な削減効果が見込めるものの電力価格影響によるコスト高を指摘した。この対応に向け、回転融資基金の創設や研究開発投資の拡大、排出量取引制度の改定、炭素境界調整措置の導入など市場インセンティブと規制手法を組み合わせた連携対応を提言している。同州の取り組みは2050年までのネットゼロを目指すイリノイ州など他州のモデルケースになると期待されている。 CATF “New CATF analyses outlines what it will take to meet California’s net-zero cement mandate” (08/05/26) New CATF analyses outlines what it will take to meet California’s net-zero cement mandate
エネルギー省、先住民族のエネルギー自立支援でロードマップ
エネルギー省(Department of Energy)傘下の先住民族エネルギー政策・プログラム局(Office of Indian Energy Policy and Programs)は8月5日、エネルギー開発による先住民族への長期的経済利益を拡大する戦略計画を発表した。電気料金の負担軽減を通じた全域への電力普及ほか、人材育成と雇用機会の創出を掲げており、技術的知見の不足や行政・規制上の障害といった課題に対応する。具体的には域内450件のエネルギー・インフラ事業に同局の技術資源の提供や助成を通じて支援を行う方針で、2030年までに累積20億ドル以上の電気料金削減を達成し、100メガワット(MW)の新たな発電容量を設置する計画となっている。同局は一連の施策を通じて、エネルギー開発を通じた先住民族の次世代リーダーを育成していく方針で、主権と自己裁量を尊重しつつ、先住民族居住地域へ手頃で安定性の高いエネルギー供給を実現するとし、先住民族が豊富なエネルギー資源を所有しながらも直面してきた課題を解決していく構えである。 Department of Energy “DOE Office of Indian Energy Releases Strategic Plan” (08/05/26) https://www.energy.gov/indianenergy/articles/doe-office-indian-energy-releases-strategic-plan
大統領府、最先端AIモデルの評価基準は非公開に
アクシオス(Axios)は8月5日、大統領府が最先端人工知能(AI)モデルを評価するための新たな枠組みについて、一般公開しない方針を固めたと報じた。大統領府は一部業界関係者を集めて非公開の会合を開き、最近完成した枠組みの内容について共有を行った。開発中のAIモデルが規制対象に該当するかを判断するためのプロセスや、モデル公開30日前までに政府が利用できるようにするなどの規則を定める内容について協議したとみられる。一方で、政府はサイバーセキュリティの評価基準などについて、一部民間と連携した自主的な取り組みと位置付けており、特に高度サイバー能力を評価するためのベースとなるプロセスについては先の大統領令で機密扱いと明記した。こうした背景から、記事はオープンソース型モデルの扱いや信頼できる提携先への先行アクセスの範囲が不透明とし、特に非公開での運用に関して参画できていない企業や研究者への情報開示の有無や同盟国・パートナー国による最先端モデルのアクセス可否についても不明であると伝えている。 Axios “White House plans to keep AI framework under wraps” (08/05/26) https://www.axios.com/2026/08/04/white-house-ai-framework-under-wraps
米国工学アカデミー、次期事務局長にハワード・ローゼン氏を任命
米国工学アカデミー(National Academy of Engineering: NAE)は8月4日、次期事務局長にハワード・ローゼン氏(Howard B. Rosen)が8月24日付で就任すると発表した。ローゼン氏は工学や生命科学分野において優れた実績があり、アルザ・コーポレーション社(ALZA Corporation)社長やギリアド・サイエンシズ社(Gilead Sciences)副社長、アセルRXファーマシューティカルズ社(AcelRx Pharmaceuticals)の最高経営責任者(CEO)などを歴任してきた。生分解性ポリマーの発明や薬剤送達システム開発における主導的役割が評価され、NAE会員であるほか、2019年からはNAE評議員(Councillor)、2024年から同理事(Home Secretary)を務めた。現在はスタンフォード大学(Stanford University)の客員教授や講師として起業家精神などの教育にも携わっている。同氏は今回の就任に際し、同アカデミーのプログラムや業務の統括を通じて、社会の発展に貢献する同アカデミーのミッションを推進していくと意欲を示している。 NAE “Howard B. Rosen Named Next Executive Officer of the National Academy of Engineering” (08/04/26) https://www.nae.edu/?id=352246
宇宙軍、テキサス州と連携強化 宇宙防衛イノベーションを加速
宇宙軍(United States Space Force: USSF)は8月3日、空軍研究所(Air Force Research Laboratory: AFRL)とテキサス州宇宙委員会(Texas Space Commission)が連携協定を締結したと発表した。商用技術の宇宙安全保障構想への統合加速に向け、空軍とテキサス州が7月30日に協力協定を締結したことに基づく枠組みで、同州の民間宇宙産業や学術機関が開発した先端技術を宇宙軍へ迅速に提供することを目的としている。これに伴い、民間の参入障壁を下げるための窓口「宇宙軍フロントドア(Space Force Front Door)」を活用し、新興防衛事業者の技術イノベーションの早期獲得を実現していく。同軍は商用技術の適合性評価や同州における同州の商業宇宙エコシステムとの連携拡大、調達改革、産業基盤強化など4つの柱を通じて取り組みを進める方針で、宇宙開発に中心的な役割を果たしてきた同州の強みを活かし、州内2,100社を超える航空宇宙産業と主要研究機関による知見と人材資源を活用していく計画である。 USSF “DAF, Texas Space Commission establish strategic alliance to accelerate defense space innovation” (08/03/26) https://www.spaceforce.mil/News/Article-Display/Article/4563155/daf-texas-space-commission-establish-strategic-alliance-to-accelerate-defense-s/
国防総省、検証済み対ドローン技術の調達を加速
国防総省(Department of Defense)は8月3日、省庁間合同タスクフォース401(Joint Interagency Task Force 401: JIATF 401)を通じて、軍事組織や国内捜査機関、国外の同盟・パートナー国向けに検証済みの対無人航空機システム(C-UAS)技術導入を推進する独自基盤「C-UAS市場(C-UAS marketplace)」の機能を強化したと発表した。明確な調達経路と現場への技術導入迅速化に向け、開発企業のカイゼン・ラボラトリーズ社(Kaizen Laboratories)との提携により構築されたアプリケーション基盤で、運用要件に応じた技術検索や性能データを閲覧できるよう機能を強化した。また、進化するドローンの脅威に対する迅速な現場配備実現に向け、購入手続きも簡素化し、適切なタイミングでの即時調達も可能にする。さらに、事前審査を通じて諸外国への販売手続きの大幅な期間短縮を図るとし、同省は一連の機能強化により、関連機関や産業界、同盟国に対し、重要インフラや防衛資産防護に向けた信頼性の高い対ドローン能力を提供していく方針を示している。 Department of Defense “Department of War Enhances C-UAS Marketplace to Expand Access to Validated Technologies” (08/03/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4563104/department-of-war-enhances-c-uas-marketplace-to-expand-access-to-validated-tech/
NSF、全米10カ所の「AIインフラ拠点」設立を支援
米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は8月4日、人工知能(AI)を活用したイノベーションを推進する「州・地域AIインフラ拠点(State and Regional Artificial Intelligence Infrastructure Hubs)」構想を発表した。今年7月の大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy: OSTP)提言に沿う取り組みで、まずは1億ドル規模を投じて全米10カ所にAI拠点を設立する。国内におけるAI研究基盤のアクセス格差を解消し、先進的な研究環境を整備することが目的で、州・地方政府、大学、産業界、慈善団体などが参画する地域コンソーシアムを形成して連携体制を強化し、最先端の計算資源を共同構築・運用して科学的発見につなげていく計画である。これに伴い、AIインフラ構築などに関する高度技術人材の育成や教員研修なども行う予定で、既にエヌビディア社(NVIDIA)やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ社(Advanced Micro Devices: AMD)、インテル社(Intel)などが参画の意向を示している。 NSF “New NSF State and Regional AI Infrastructure Hubs will power AI-enabled scientific research across the country” (08/04/26) https://www.nsf.gov/news/new-nsf-state-regional-ai-infrastructure-hubs-will-power-ai