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その他

エネルギー省、日本から1.7トンのHALEU確保 原子力産業強化に向け

エネルギー省(Department of Energy)の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は5月7日、高純度低濃縮ウラン(High-Assay Low-Enriched Uranium: HALEU)を日本から移送したと発表した。国内の供給不足を補うための次世代原子炉稼働に向けた取り組みで、日本原子力研究開発機構(Japan Atomic Energy Agency: JAEA)などと協力して、運転を終了した日本の高速炉臨界実験装置から提供されたウランを活用し、トランプ大統領が掲げる原子力産業基盤の強化とエネルギー優位性戦略を加速する。一度の国際輸送としてはNNSA史上最大規模で、同局は迅速な承認プロセスにより新型原子炉に必要な燃料を供給し、国の原子力技術における今後1世紀の主導権を確立していくと説明している。また、今回の連携について、核拡散のリスクを低減し、世界の安全保障強化に向けた極めて重要な一歩とも位置付けており、安全かつ自立的エネルギーの確保、かつ国際的な安全保障強化の同時実現も目指している。 Department of Energy “U.S. Secures Largest-Ever HALEU Shipment to Power American Nuclear Industry” (05/07/26) https://www.energy.gov/nnsa/articles/us-secures-largest-ever-haleu-shipment-power-american-nuclear-industry

エネルギー省、ノースダコタ大学の石油増進回収計画に3,600万ドル投資

エネルギー省(Department of Energy)の炭化水素・地熱エネルギー局(Hydrocarbons and Geothermal Energy Office: HGEO)は5月8日、ノースダコタ大学(University of North Dakota)エネルギー・環境研究センター(Energy & Environmental Research Center: EERC)によるバッケン頁岩(けつがん、シェール)層での原油増進回収技術の商業展開に対し、3,600万ドルを拠出すると発表した。現在10%程度にとどまるシェール層の回収率改善に向け、AI技術と6つの実証試験から得られるデータを統合して大規模運用のための技術基盤を構築し、数十億バレルの追加増産を目指す。圧入手法や油層条件、運用方法の違いを比較検証し、商用化に向けた最適運用や成功要因を抽出することが目的で、安価で安定したエネルギー供給の促進だけでなく、二酸化炭素の有効利用による既存火力発電所の長寿命化にもつなげる。計画にはEERCや民間も資金を投じるとし、同省は州政府主導の計画とも連携しつつ、同層全域への技術波及を推進していく構えである。 Department of Energy “Energy Department to Invest $36 Million in Enhanced Oil Recovery Program at the University of North Dakota” (05/08/26) https://www.energy.gov/hgeo/articles/energy-department-invest-36-million-enhanced-oil-recovery-program-university-north

米国AI企業は十分な半導体チップを得られない CNAS報告

新米国安全保障センター(Center for a New American Security: CNAS)は5月7日、先端の人工知能(AI)モデルを訓練・導入するための計算能力の需要は爆発的に増大し続け、多くのチップメーカーの予測を上回り、AIチップ及び主要原材料の供給網は、需要に追いつくことができずにいると指摘した。そして、「AIチップ供給におけるこれらの制約を踏まえると、米国は、あらゆるチップが最も価値のある形で利用されることを確実にするための影響力と、そうすべき理由の両方を有している」としている。その上でCNASは、「チップコストの上昇により研究者や科学者が締め出されるリスクがある中、議会は国家AI研究資源(National AI Research Resource)への資金を大幅に増額し、公共のイノベーションのための計算資源へのアクセスを維持すべきである」など、5つの政策的示唆を提示している。 CNAS “American AI Companies Can’t Get Enough Chips” (05/07/26) https://www.cnas.org/publications/reports/american-ai-companies-cant-get-enough-chips

マカリーFDA長官、退任へ 混乱続きの在任1年を経て

ポリティコ紙(Politico)は5月8日、大統領府が食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)のマーティ・マカリー長官(Marty Makary)を退任させることを決定したと報じた。匿名の大統領府高官によれば、マカリー長官を追放しようとする動きは、厚生省(Department of Health and Human Services)の上級指導者の間で始まったもので、大統領府主導の判断ではないという。マカリー長官は就任してから1年の在任期間中、厚生省の様々な高官や、中絶反対活動家や電子たばこの規制反対派、一部の製薬企業を含む利益団体との関係を悪化させてきた。現時点では、マカリー長官の退任時期は不明である。元厚生省高官によれば、大統領府は現在、当面の長官代理候補の検討を進めているという。 Politico “Makary to leave as FDA commissioner after tumultuous year, White House source says” (05/08/26) https://www.politico.com/news/2026/05/08/makary-leave-as-fda-commissioner-white-house-source-00911981

ヘグセス国防長官、「ディール・チーム6」で官僚主義の打破を目指す

ディフェンスニュース(Defense News)は5月8日、国防総省(Department of Defense)が従来の「機能不全の国防総省の官僚主義」を是正することを狙いとして、防衛契約事業者との交渉・承認を任務とするチームを立ち上げたと報じた。ピート・ヘグセス国防長官(Pete Hegseth)が5月8日にソーシャルメディアを通じて発表したもので、「ディール・チーム6(Deal Team Six)」と呼称され、民間の企業幹部で構成される。ディール・チーム6は、防衛企業との間でより良い取引を構築し、米軍用機器の生産費用が税金ではなく、契約企業側の負担によって賄われるようにすることを目指す。ディール・チーム6は、ヘグセス長官が2025年11月の覚書で、「契約を現代化し、業界のパートナーにインセンティブや時には懲罰を提供する方法」として言及した後、国防総省の経済防衛部門(Economic Defense Unit)内に組み込まれ、今年4月に発足した。 Defense News “Hegseth aims to cut through the bureaucracy with ‘Deal Team Six’” (05/08/26) https://www.defensenews.com/news/pentagon-congress/2026/05/08/hegseth-aims-to-cut-through-the-bureaucracy-with-deal-team-six/

スタンフォード大学、人間中心AI研究所(HAI)とデータ科学イニシアチブを統合

スタンフォード大学(Stanford University)は5月4日、スタンフォード人間中心AI研究所(Stanford Institute for Human-Centered AI: HAI)とスタンフォード・データ科学(Stanford Data Science)の2つの組織を、「スタンフォードHAI」の名称の下で統合し、コンピュータ科学者のジェームズ・ランデイ氏(James Landay)が引き続き所長として率いると発表した。スタンフォード大学元学長のジョン・ヘネシー氏(John Hennessy)と、HAIの創立所長であるフェイ・フェイ・リー氏(Fei-Fei Li)は、スタンフォードHAIの諮問評議会の共同会長を務める他、リー氏は、ジョナサン・レビン学長(President Jonathan Levin)のAI特別顧問(Special Advisor on AI)も担う。今回の統合により、HAIの400名以上の研究者ネットワーク、広範な産業提携プログラム、累計6,000万ドルの助成金と、スタンフォード・データ科学の高性能コンピューティング・クラスター「マーロウ(Marlowe)」及び若手研究者フェローシッププログラムが結び付く。 Stanford University “Stanford Merges AI and Data Science Efforts Under Single Institute” (05/04/26) https://hai.stanford.edu/news/stanford-merges-ai-and-data-science-efforts-under-single-institute

下院共和党、科学予算削減を提案 削減率は大統領予算案以下

下院歳出委員会(House Committee on Appropriations)の商務・司法・科学・関連機関小委員会(Subcommittee on Commerce, Justice, Science, and Related Agencies)は4月30日、2027年度の商務・司法・科学歳出法案を8対6の票決で承認した。歳出法案は、複数の科学機関の予算削減を提案しているが、その削減率は大統領予算案における削減案を大幅に下回っている。下院小委員会による歳出法案では、①米航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration: NASA)に244億ドル(大統領予算案では188億ドル(23%減))、②米国科学財団(National Science Foundation: NSF)に70億ドル(20%減)(大統領予算案では約40億ドル(50%以上減))、③米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)に58億5,000万ドル(約5%減)(大統領予算案では28%減)、④米国標準技術局(National Institute of Standards and Technology:NIST)に約10億ドル(1億6,000万ドル減)(大統領予算案は8億5,400万ドル)、などとなっている。 FYI “House Republicans Propose Cutting Science Budgets, but by Less than Trump” (05/08/26) https://www.aip.org/fyi/house-republicans-propose-cutting-science-budgets-but-by-less-than-trump

国防総省、AI連携射撃で小型ドローン迎撃強化へ

ディフェンス・ニュース(Defense News)は5月8日、国防総省(Department of Defense)が人工知能(AI)を活用した「対無人機近接機動迎撃能力強化プロジェクト(C-UAS Close-In Kinetic Defeat Enhancement)」計画を開始したと報じた。AIによる支援型標的識別(Aided target recognition: AiTR)技術を用い、鳥などの非脅威対象物を瞬時に判別する能力の向上が目的で、第1段階では秒速30メートルで飛行する55ポンド以下のドローンを600メートル超で探知し、100メートル以上で撃破する性能を持つ遠隔操作兵器システム(Common Remotely Operated Weapon Station: CROWS)へ搭載する。また、AI倫理原則に則り「人間の関与」を必須条件とし、提案の提出期限を5月15日とした。続く第2段階では、移動中の車両や船舶での運用、第3段階では歩兵が携行する小火器へのAI機能統合を想定しており、標準的な弾丸の軌道を補正して命中率を高める技術の試作機を開発し、最終的にはセンサーと火器管制システムをつなぐ無線ネットワークを構築していくという。 DefenseNews “Pentagon turns to AI targeting to help troops shoot drones” (05/08/26) https://www.defensenews.com/industry/2026/05/07/pentagon-turns-to-ai-targeting-to-help-troops-shoot-drones/

EDPリニューアブルズとメタ、250メガワットの太陽光発電契約を締結

ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は5月7日、ポルトガルの再エネ大手、EDPリニューアブルズ・ノースアメリカ社(EDP Renewables North America: EDPR NA)とメタ社(Meta)が、アーカンソー州南東部で計画中の250メガワット(MW)級太陽光発電プロジェクト「サイプレス・ニー・ソーラー(Cypress Knee Solar)」に関する長期電力購入契約(PPA)を締結したと発表した。来年稼働開始予定で、2028年までの完工を予定している。これに伴い、建設地の同州チコット郡には産業新興債券を通じ、30年間で2,500万ドル以上の追加資金が投入される予定である。両社の提携はこれで3度目となり、累計調達エネルギー量は545MWに拡大する見通しで、年間電力使用量の100%を新たな再生可能エネルギーで賄う目標を掲げるメタは、今回合意をその取り組みを一段と加速させるものと位置付けている。同社は同郡に隣接するルイジアナ州でも大規模データセンターへの投資を進めており、周辺地域でのクリーンエネルギー確保を急いでいる。 Utility Dive “EDP Renewables and Meta ink PPA for 250-MW solar project” (05/07/26) https://www.utilitydive.com/news/edp-renewables-and-meta-ink-ppa-for-250-mw-solar-project/819619/

国防総省、AIプロバイダーの多様化を強調 特定企業への依存を排除

NEXTGOV/FCWは5月7日、国防総省(Department of Defense)が人工知能(AI)サービスの提供元を多様化させ、特定のベンダーに依存しない体制を構築する方針を固めたと報じた。柔軟な技術スタック確保を目的とするもので、同省は新たにアマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services: AWS)やグーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)、エヌビディア(NVIDIA)、オープンAI(OpenAI)など大手8社と新たな合意を締結した。今後、コード生成やデータ分析、供給網管理、戦闘作戦における標的設定など、用途ごとに最適化した複数モデルを併用していくことで、特定のモデルのみに依存する体制を脱却するという。こうした方針の背景にはアンソロピック社(Anthropic)が自社技術の軍事利用を制限したことによる同省との対立がある。同省では同社製品を供給網リスクと見なす向きがある一方で、同社の最新サイバーセキュリティ・モデル「ミュトス・プレビュー(Mythos Preview)」の高度な検知能力が魅力となり、見解が分かれているという。 NEXTGOV/FCW “Pentagon will ‘never again’ rely on a single AI provider, official says” (05/07/26) https://www.nextgov.com/artificial-intelligence/2026/05/pentagon-will-never-again-rely-single-ai-provider-official-says/413399/?oref=ng-homepage-river