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国防総省、2031年までに量子耐性暗号の全軍導入へ 

国防総省(Department of Defense)は6月23日、将来の量子計算能力がもたらす脅威から通信やデータ、指揮統制システムを保護するための「ポスト量子暗号(Post Quantum Cryptography: PQC)」戦略を発表した。重要システムは2030年まで、2031年までに全軍への量子耐性暗号を導入する計画で、大統領令「高度暗号攻撃から国家を守る(Securing the Nation Against Advanced Cryptographic Attacks)」に基づく取り組みとなっている。主に同省ネットワークや衛星通信(Satellite Communications: SATCOM)、指揮システムなどの安全性を高め、戦術的優位性を確保する狙いがあり、効率的な移行に向け、国防産業基盤(Defense Industrial Base: DIB)との連携や民間商用ソリューションの活用に加え、中央集権的ガバナンスの確立を推進する。主にPQCガバナンスと統合、暗号化インベントリと計画、技術加速、業界間連携、移行展開など5つの基本方針を通じて、サイバーセキュリティの新規範を確立し、国の戦略的優位性を維持していく方針である。 Department of Defense “The Office of the Under Secretary of War for Research and Engineering Finalizes Lab Review, Aims to Modernize R&D Enterprise” (06/24/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4525074/the-office-of-the-under-secretary-of-war-for-research-and-engineering-finalizes/

国防総省、R&D改革で最終提言 インフラ整備が急務

国防総省(Department of Defense)は6月24日、研究開発(R&D)部門改革に向けた最終提言を発表した。現場への実戦技術配備の迅速化に向け、省内研究所や連邦政府資金補修研究開発センター(Federally Funded Research and Development Centers: FFRDCs)、大学付属研究センター(University-Affiliated Research Centers: UARCs)など全体の3分の1にあたる30カ所を対象に行った90日間の包括的な評価に基づくものである。この結果、人材面は非常に優秀であることが確認された一方、施設の老朽化が研究の足かせになっている現状が浮き彫りとなった。これを受け、研究・評価インフラ専用の軍事建設(Military Construction: MILCON)予算の創設や、新たな需要に迅速対応するための小規模建設資金の限度額引き上げを議会に要請する方針である。なお、今回の評価では組織の統合や廃止は推奨せず、資金の流れや意思決定の仕組みといったシステム上の課題是正に集中することで、研究成果の実戦配備を迅速化し、技術的優位性を維持していく方針を示した。 Department of Defense “The Office of the Under Secretary of War for Research and Engineering Finalizes Lab Review, Aims to Modernize R&D Enterprise” (06/24/26) https://www.war.gov/News/Releases/Release/Article/4525074/the-office-of-the-under-secretary-of-war-for-research-and-engineering-finalizes/

NSF、量子仮想研究所の設計コンペで新たに5チームを採択

米国科学財団(National Science Foundation: NSF)は6月24日、量子情報を長距離伝送できるネットワークから細胞内の微弱な特性を測定するセンサーなどの量子技術実験の設計に向け、今回新しく5チームを採択したと発表した。「国家量子仮想研究所(National Quantum Virtual Laboratory)」プログラムを通じて2年間で400万ドル、総額2,000万ドルを投じ、耐障害性の高い量子計算ロジック構築や、アト秒パルスを長距離伝送する高忠実度量子網設計などを開発する。年後半には設計段階から実施段階へと移行するチームを採択する予定で、実用的なセンサー、ネットワーク、コンピューターの量子統合システムの包括的な設計を進めていく。これにあわせ、NSFは米国の科学・技術・工学・数学(STEM)人材の育成や育成活動も支援していく方針も示した。同取り組みはエネルギー省(Department of Energy)傘下の国立研究所などの連邦機関に加え、ボーイング社(Boeing)やハネウェル社(Honeywell)など20社以上の米国企業が協力している。 NSF “NSF selects five additional teams in National Quantum Virtual Laboratory design competition” (06/24/26) https://www.nsf.gov/news/nsf-selects-five-additional-teams-national-quantum-virtual

高等教育機関向け科学・工学助成、24年度は4.3%減少

国立科学工学技術統計センター(National Center for Science and Engineering Statistics:NCSES)は6月24日、2024年度の高等教育機関に対する科学・工学(S&E)活動向け連邦政府の助成が、前年度比4.3%減の469億ドルになったと発表した。研究開発(R&D)向けが439億ドルと大半を占めたものの、インフレ調整後の実質ベースでは全体で6.8%の減少を記録した。これについては、過去の予算執行がずれ込み、拠出額が異例の高水準となった前年度からの反動で、従来の助成拠出パターンへの回帰が反映されたものと分析した。具体的には、厚生省(Department of Health and Human Services:HHS)が最大となる279億ドルを拠出し、米国科学財団(National Science Foundation:NSF)が69億ドル、国防総省(Department of Defense)が51億ドルと続いた。助成先は既存設備を持つ一部機関に集中し、大学別ではジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)が23億ドルで首位を維持したほか、非営利団体向けに総額106億ドルが拠出された。 NCSES “In FY 2024, Federal Science and Engineering Support for Higher Education Declined 4.3% from FY 2023; Federal Obligations to Nonprofits Totaled $11 Billion” (06/24/26) https://ncses.nsf.gov/pubs/nsf26319

NNSA、AI活用飛行試験車両を公開

エネルギー省(Department of Energy)傘下の国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration: NNSA)は6月24日、人工知能(AI)や高性能計算、積層造形(3D印刷)技術を駆使して開発した概念実証用の飛行試験機「アイレス・タイド(Aires Tide)」を発表した。AIを搭載したスーパーコンピューター網構築を目指す「ジェネシス・ミッション(Genesis Mission)」に基づく取り組みで、最新鋭のスパコン「ヴェナード(Venado)」や「エル・キャピタン(El Capitan)」を活用し、従来の製造方法に比べ15分の1のコストかつ7倍もの速さでの製品開発に成功した。これに先立ち、5月にはNNSA傘下のロスアラモス、ローレンス・リバモア、サンディアの各国立研究所とカンザスシティにある国家安全保障施設が連携し、陸軍ダグウェイ試験場において高度3万2000フィートから機体投下を含む2回の飛行試験に成功している。今後は得られたデータを将来システムの最適化に活用し、安全保障上の課題への対応力を強化していく方針である。 Department of Energy “NNSA Announces Aires Tide, a National Security Innovation Developed Using AI and Additive Manufacturing Under the Genesis Mission” (06/24/26) https://www.energy.gov/nnsa/articles/nnsa-announces-aires-tide-national-security-innovation-developed-using-ai-and

大統領府、「米国第一主義」戦略を強化

大統領府は6月23日、敵対勢力による脅威から国と中核的利益を防衛するための「米国第一主義強化戦略(America First Resilience Strategy)」を発表した。国家安全保障や経済、公衆衛生と安全、国家インフラの4つの核心領域において、リスク管理の徹底と最新化を目指すもので、優先順位の確立、整備・修繕、連邦主義(Federalism)に基づく責任の分散、簡素化の4原則に基づいて推進する。製造業や供給網(サプライチェーン)整備を最優先事項とした上で、従来の画一的な災害対応から技術を駆使した山火事対策、人工知能(Artificial Intelligence)などの先端技術を用いた電力網などのインフラ刷新を推進に加え、医薬品生産の国内回帰や宇宙産業の商業化にも注力する。また、連邦政府への過度な依存を是正し、州政府や民間産業が自立するよう、強固なレジリエンスを確保することを促した。米国独立250年を迎えるにあたり、危機下でも米国の行動の自由を維持し、「力による平和」と長期的な繁栄を確実にしていく方針を改めて示す内容となっている。 The White House “White House Unveils President Trump’s America First Resilience Strategy” (06/23/26) https://www.whitehouse.gov/releases/2026/06/white-house-unveils-president-trumps-america-first-resilience-strategy/

商務長官、中国製ロボット規制強化を示唆 国内供給網再構築が急務

ポリティコ誌(Politico)は6月23日、ハワード・ラトニック商務長官(Howard Lutnick)が非公開の会合で、中国政府の支援を受けたロボットの輸入を調査中であることを明らかにし、調査完了後に強力な対抗措置を講じる可能性を示唆したと報じた。出席した複数の関係者が明かした。中国製ロボットは既に関税の対象となっているが、政府は中国による国家主導のロボット産業を安全保障上の新たな脅威と捉えており、国内産業基盤の空洞化を防ぐ狙いがある。会合にはスペースX社(SpaceX)やボストン・ダイナミクス社(Boston Dynamics)などの10数社以上の経営陣が集まり、供給網(サプライチェーン)の国内回帰や産業基盤の再構築について議論した。国防総省(Department of Defense)の戦略資本局(Office of Strategic Capital: OSC)は低利融資を通じてファウンデーション・ロボティクス社(Foundation Robotics)やスタンダード・ボッツ社(Standard Bots)など国内企業への資金支援を進めており、官民で製造業のエコシステム再構築を急ぐ方針である。 Politico “Lutnick privately warned top executives of possible action against imported Chinese robots” (06/23/26) https://www.politico.com/news/2026/06/23/lutnick-china-robots-commerce-00972576

トップ500、中国の新スパコン「LineShine」が首位 

スパコン性能の世界ランキングを発表しているトップ500(Top500)は6月23日、ドイツで開催中の国際会議「ISC 2026」で、中国が独自に開発した新型スーパーコンピューター「LineShine(ラインシャイン)」が初登場で世界1位を獲得したと発表した。中国製スパコンが首位に立つのは2017年の「神威・太湖之光(Sunway TaihuLight)」以来で、ラインシャインは実測性能を示す高性能リンパック(High Performance Linpack: HPL)ベンチマークで、2.198エクサフラップス(毎秒200京回以上の計算)を記録し、前回王者の米国「エル・キャピタン(El Capitan)」を抜いて世界で初めて2エクサフラップスの壁を突破した。米国の禁輸措置に対抗し、画像処理半導体(GPU)に依存せず独自設計のCPU(中央演算処理装置)のみで構成されている点が最大の特徴となっている。日本の「富岳」は前回の7位から9位に後退した。上位10システムは、インテル社(Intel)やAMD社製ほか、各国独自のアーキテクチャが採用されており、技術の多様化が鮮明になっている。 Top500 “LineShine Debuts at No. 1 as the TOP500 Enters a New Global Exascale Era” (06/23/26) https://top500.org/news/lineshine-debuts-no-1-top500-enters-new-global-exascale-era/

核融合サプライチェーン支出、24%増 市場拡大も供給不足が課題 

核融合産業協会(Fusion Industry Association: FIA)は6月23日、年次報告書「核融合産業供給網(サプライチェーン)2026」を公表し、2025年における世界の核融合産業供給網支出が前年比24%増の総額5億3,800万ドルに達したと発表した。報告書によると、2026年にはさらに27%増加し、6億8,100万ドルに達する見込みで、これまでは企業側の需要創出と供給側の設備投資が拮抗する、いわゆる「鶏と卵」状態が停滞している状況にあったが、直近1年で供給側の75%が能力増強への投資を行うなど解消の兆しが見えている。一方で、現状は電力システム・電源部品(48%)や熱管理技術(44%)、真空容器・ポンプ(各32%)で供給不足が発生しているほか、特に核融合燃料サイクルシステム(48%)や極限環境対応材料(40%)の確保が重大なボトルネックになると指摘した。同協会は、人工知能(AI)普及に伴う電力需要急増の中でクリーンエネルギー実現への圧力が高まっているとし、官民が連携して供給網強化を構築していくよう促している。 ACP “U.S. Energy Storage Market Q1 2026 Sets Records Across Sectors Jun 23 2026” (06/23/26) U.S. Energy Storage Market Q1 2026 Sets Records Across Sectors

2026年第1四半期の蓄電池システム導入、過去最高を記録 ACP報告

アメリカン・クリーン・パワー協会(American Clean Power Association: ACP)は6月23日、2026年第1四半期の全米における定置型蓄電池システム(Battery Energy Storage Systems: BESS)導入容量が前期比54%増の過去最高となる8.4ギガワット時(GWh)に達したと発表した。エネルギー調査会社のウッドマッケンジー社(Wood Mackenzie)との共同調査によると、電力事業用、地域・商業・産業用(Community, Commercial and Industrial: CCI)、住宅用の全部門で過去最高を更新した。税制優遇措置の期限に合わせた2025年末からの駆け込み需要や、電力網整備が背景にあり、国内の累積設置容量は2031年までに200GWに達し、今後6年間で約4倍に拡大する見込みである。一方で、懸念される外国事業体(Foreign Entity of Concern: FEOC)への貿易規制本格化により、関連機器の確保や国内供給網への移行が今後2〜4年間における開発リスクになると指摘しており、国内の製造能力向上に向けた適切な貿易政策の重要性を訴えている。 ACP “U.S. Energy Storage Market Q1 2026 Sets Records Across Sectors Jun 23 2026” (06/23/26) U.S. Energy Storage Market Q1 2026 Sets Records Across Sectors