Day: August 6, 2026
連邦控訴裁、EPAによる200億ドルの気候助成金回収を阻止
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月5日、コロンビア特別区連邦控訴裁判所が、環境保護庁(Environmental Protection Agency: EPA)による200億ドル規模の気候変動対策助成の撤回措置を阻止する判決を下したと報じた。インフレ抑制法(Inflation Reduction Act: IRA)に基づき非営利団体のクライメート・ユナイテッド(Climate United)などへ交付された温室効果ガス削減基金(Greenhouse Gas Reduction Fund: GGRF)をEPAが凍結し、回収しようとしていたことに対し、判事10人のうち6人が助成取り消し命令の撤回を支持した。裁判所は、政策における意見相違により助成を終了させようとしたEPAの対応について、同法に違反する可能性が高いと結論づけた。IRAによる助成はクリーンエネルギー開発や電気自動車(EV)製造、光熱費削減などの資金として活用されており、EPAは今回の判決を受けて対応を検討中であると表明したものの、受領団体側は処分に法的根拠がないことが証明されたと、判決を歓迎していると記事は伝えている。 Utility Dive “$20B in federal climate grants unblocked by appeals court” (08/05/26) https://www.utilitydive.com/news/20b-federal-climate-grants-unblocked-appeals-court/827097/
テキサス州、データセンター建設を一時停止 電力需要が急増
ユーティリティ・ダイブ(Utility Dive)は8月5日、テキサス州のグレッグ・アボット知事(Greg Abbott)が送電網への接続申請を行う全てのデータセンターを対象とした監査を命じたと報じた。同州の送電網を管理するテキサス州電気信頼性協議会(Electric Reliability Council of Texas: ERCOT)に対する接続申請が計474ギガワット(GW)に達し、その約90%がデータセンターによるもので、過去最高のピーク電力需要の5倍を超える規模に膨れ上がっていることが背景にある。州内電力の安定供給が脅かされる懸念が浮上しており、州は、データセンターの建設を事実上停止する措置に踏み切った。これを受け、ERCOTは大型負荷接続手続きの審査プロセスを一時停止し、監査で自家発電の有無や水資源を自己調達・使用状況、公的支援への依存度などを検証していくと発表した。基準を満たさないプロジェクトは不承認となることから、記事は、業界団体が投機的な事業と優良事業者を差別化するよう、州に対し迅速な対応を求めていると伝えている。 Utility Dive “Facing an estimated 474 GW of interconnection requests, Texas hits pause on data centers” (08/05/26) https://www.utilitydive.com/news/texas-hits-pause-data-center-interconnections/827046/
エンジェル投資額、2025年は増加
州科学技術研究所(State Science & Technology Institute: SSTI)は8月5日、エンジェル資本協会(Angel Capital Association: ACA)がまとめた2025年のエンジェル投資動向に関する調査レポートの分析結果を発表した。全米23州66団体から提供されたデータを基にしたもので、ベンチャーキャピタル(VC)と同様に「案件数を絞り1件当たりの投資額を拡大する」傾向が明らかになった。投資総額が12%増加した一方、案件数は3%減少しており、平均投資額は26万7,000ドルに上る。また、エンジェル投資家は将来性のある投資初期段階の企業と、実績のある後期段階の企業両方に戦略的に投資し、全資金の60%を収益化する前の企業へ、分野別では全体の47%をライフサイエンス分野へ投じていた。こうした中、SSTIは地域技術基盤経済開発(Technology-Based Economic Development: TBED)を推進する投資家に対し、資金の地域外流出を防ぐ強固な地域エコシステムの構築と、初期段階の資金ギャップを埋めるエンジェル投資家との連携強化を呼びかけている。 SSTI “Takeaways from the ACA angel capital report” (08/05/26) https://ssti.org/blog/takeaways-aca-angel-capital-report
コロラド州、州経済強化推進に向け競争力評議会を発足
コロラド州経済開発・国際貿易局(Colorado Office of Economic Development and International Trade: OEDIT)は7月22日、州経済の活性化とイノベーション促進を目指す官民連携の州知事直属組織「競争力評議会(Competitiveness Council)」を発足したと発表した。ジャレッド・ポリス州知事(Jared Polis)や州産業界が連携し、産業競争力を強化し、最先端のイノベーション・エコシステムを構築するための長期ビジョンを策定する。現在のビジネス環境を分析し、将来に向けた共通ビジョンを共有する取り組みで、州全域における事業環境や競争上の課題をデータに基づいて分析し、他州と比較した優位性の検証を通じて、立法・政策・規制に関する具体的な改善策を盛り込んだ戦略ロードマップを今秋に策定する計画である。この内容は次期知事候補者や州議会と共有される予定で、今後、同州のコミュニティーカレッジなども取り込み、人材育成や資金調達機会の拡大を図っていく。 Colorado OEDIT “Colorado Launches New Competitiveness Council to Drive Economic Success Across the State” (07/22/26) https://oedit.colorado.gov/press-release/colorado-launches-new-competitiveness-council-to-drive-economic-success-across-the
CATF、セメント生産のネットゼロ達成施策を提言
クリーン・エア・タスクフォース(Clean Air Task Force: CATF)は8月5日、カリフォルニア州のセメント産業の脱炭素化に向けたロードマップを発表した。環境コンサルのAJW社とシナプス・エナジー・エコノミクス社(Synapse Energy Economics)と協働し、州上院法案596号(Senate Bill: SB596)が定める目標の達成経路を分析したもので、4つの脱炭素化手法を検証した。これによると、炭素回収・貯留(Carbon Capture and Storage: CCS)技術と代替燃料や混合セメント製造を組み合わせることで、2050年までに最大93%の排出削減が可能である一方、電気キルン(セメント製造用焼成炉)の完全電化は大幅な削減効果が見込めるものの電力価格影響によるコスト高を指摘した。この対応に向け、回転融資基金の創設や研究開発投資の拡大、排出量取引制度の改定、炭素境界調整措置の導入など市場インセンティブと規制手法を組み合わせた連携対応を提言している。同州の取り組みは2050年までのネットゼロを目指すイリノイ州など他州のモデルケースになると期待されている。 CATF “New CATF analyses outlines what it will take to meet California’s net-zero cement mandate” (08/05/26) New CATF analyses outlines what it will take to meet California’s net-zero cement mandate
エネルギー省、先住民族のエネルギー自立支援でロードマップ
エネルギー省(Department of Energy)傘下の先住民族エネルギー政策・プログラム局(Office of Indian Energy Policy and Programs)は8月5日、エネルギー開発による先住民族への長期的経済利益を拡大する戦略計画を発表した。電気料金の負担軽減を通じた全域への電力普及ほか、人材育成と雇用機会の創出を掲げており、技術的知見の不足や行政・規制上の障害といった課題に対応する。具体的には域内450件のエネルギー・インフラ事業に同局の技術資源の提供や助成を通じて支援を行う方針で、2030年までに累積20億ドル以上の電気料金削減を達成し、100メガワット(MW)の新たな発電容量を設置する計画となっている。同局は一連の施策を通じて、エネルギー開発を通じた先住民族の次世代リーダーを育成していく方針で、主権と自己裁量を尊重しつつ、先住民族居住地域へ手頃で安定性の高いエネルギー供給を実現するとし、先住民族が豊富なエネルギー資源を所有しながらも直面してきた課題を解決していく構えである。 Department of Energy “DOE Office of Indian Energy Releases Strategic Plan” (08/05/26) https://www.energy.gov/indianenergy/articles/doe-office-indian-energy-releases-strategic-plan