Day: August 12, 2026
DARPA、敵防空網を突破する次世代極超音速巡航ミサイル開発
ディフェンス・ニュース(Defense News)は8月11日、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency: DARPA)が敵対国の高性能統合防空システム(Integrated Air Defense Systems: IADS)を回避・突破する次世代極超音速巡航ミサイル(Next Generation Hypersonic Cruise Missile: NGHCM)の開発に着手したと報じた。敵対国の防空網が高度化する中、自国ミサイルの脆弱化が懸念されており、この対応に向けスクラムジェット(マッハ5以上の極超音速)エンジンを搭載した巡航ミサイルの開発実証を行う。高い残存性を持ち、コスト効率の高い大量生産が可能な技術を広く募集しており、具体的には射程250〜2000海里、吸入空気式システム、高エネルギー燃料、先端ブースター技術、耐高温材料、熱管理ソリューション、高性能発電・作動・燃料システム技術ほか、プラットフォーム整備も計画している。迅速な実践配備に向け、開発・試験手順を最適化したスケジュールを特定するよう求めており、応募締め切りを10月6日に設定した。 Defense News “DARPA developing hypersonic cruise missile to evade enemy air defenses ” (08/11/26) Space Force awards $615M in deals for second batch of aircraft-tracking satellites
エネルギー省、次世代電力網技術の検証に400万ドル
エネルギー省(Department of Energy)の電力局(Office of Electricity: OE)は8月10日、商用化前の電力網技術の試験や性能検証支援に向け、400万ドル規模の資金提供を行うと発表した。中小企業や起業家など開発者を対象にした電力網イノベーション施設及び試験バウチャー型資金援助第12弾(Voucher Opportunity: VO-12)を開始する。海外からの関連部品供給依存低減が目的で、次世代技術を活用して電力網の容量を拡大する取り組みである。イノベーターと試験施設を結びつけることで開発を推進し、最長1年間、資金面で援助する仕組みで、同省が認定した連携仲介機関のエナジーワークス社(ENERGYWERX)がマッチングを担う。選定された国内試験施設に対し、試験や検証サービスの費用を直接支給することで、安全面や信頼性のリスクを低減し、電力網の性能向上を図る。なお、バウチャー制度に関する詳細は8月18日の午後3時(米国東部時間)にウェビナーを開催する予定で、応募締め切りは9月22日午後3時(同)までとなっている。 Department of Energy “DOE’s Office of Electricity Opens Voucher Opportunity to Connect Grid Innovators with Testing Facilities” (08/10/26) https://www.energy.gov/oe/articles/does-office-electricity-opens-voucher-opportunity-connect-grid-innovators-testing
宇宙軍、航空機追跡衛星開発に6億1,500万ドル
ディフェンススクープ(DefenseScoop)は8月4日、宇宙軍(United States Space Force: USSF)が宇宙配備型航空移動目標指示器(Space-Based Airborne Moving Target Indicator: SB-AMTI)機能の整備と開発ベンダー拡充に向け、3社と総額6億1,500万ドルの契約を締結したと報じた。5月のスペースX社(SpaceX)向け41億6,000万ドルの初期衛星コンステレーション(複数の人工衛星を連携させた運用システム)開発に続く第2弾となる。採択されたのはロケット・ラボ社(Rocket Lab)とシステム&テクノロジー・リサーチ社(Systems & Technology Research: STR)で、もう1社は運用上の安全保障を理由に非公表とした。従来の航空機による追尾は敵の接近阻止・領域拒否(Anti-access: A2/ Area-denial: AD)能力の向上で脆弱化しているとし、複数のセンサー技術を組み合わせた衛星網を構築し、作戦上の死角を排除していく。また多くの企業の参加を期待しており、新たな技術を模索することで多様な環境条件、地理的・脅威環境での運用上様々な利点があると説明した。 DefenseScoop “Space Force awards $615M in deals for second batch of aircraft-tracking satellites” (08/04/26) Space Force awards $615M in deals for second batch of aircraft-tracking satellites
エネルギー省、地下1マイルの小型原子炉の安全協定を承認
ディープ・フィッション社(Deep Fission)は8月6日、地下約1マイル(約1.6キロ)に設置する加圧水型小型原子炉「グラビティ(Gravity™)」について、エネルギー省(Department of Energy)から原子力安全設計協定(Nuclear Safety Design Agreement: NSDA)の承認を取得したと発表した。同省の実証炉プログラムに基づく規制上の重要な節目で、継続的な原子炉開発に向けた安全枠組みが確立されることとなった。これに伴い、同社は地下原子炉技術の実証試験や最終的な実用化に向けた次段階へ移行する。既にカンザス州パーソンズのグレートプレーンズ工業団地で商業実証事業を推進し、2025年12月の着工以来、地下6,000フィート(約1.8キロ)のデータ収集用井戸の掘削を終え、試作型原子炉容器を搬入した。一回きりの臨界試験ではなく、原子力規制委員会(Nuclear Regulatory Commission)とエネルギー省認可を取得し、発電を開始していく計画で、データセンターなど増大する電力需要対応に向け、安定した低炭素電力供給に注力すると意欲を見せている。 Deep Fission “Department of Energy Approves Nuclear Safety Design Agreement for Deep Fission’s Gravity™ Reactor, Designed to Convert to Commercial Operation” (08/06/26) https://www.deepfission.com/pr-media-kit/press-releases/detail/116/department-of-energy-approves-nuclear-safety-design-agreement-for-deep-fissions-gravity-reactor-designed-to-convert-to-commercial-operation
ORNL、民間と核融合開発で連携
米国原子力学会(American Nuclear Society: ANS)が運営する原子力専門のニュースサイト、ニュークリアニュースワイアー(NuclearNewswire)は8月7日、オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)と核融合コンサルティングのラザフォード・エナジー・ベンチャーズ社(Rutherford Energy Ventures: REV)が、核融合技術の商業化加速に向けた新たな官民連携組織「開発加速に向けた核融合拡充コンソーシアム(Fusion Upscaled Leveraged Consortia for Rapid Acceleration: FULCRA)」を立ち上げたと報じた。官民協働で共有試験施設を構築するエネルギー省(Department of Energy)のロードマップに基づく取り組みで、18カ月間の実施予定となっている。REV社は「核融合分野に必要な試験インフラの不足を解決する」とし、今回の連携の重要性を強調した。検証用テストベッド基盤の整備と技術的・財務的な枠組みを構築する予定で、今後同様の施設を新設する際の設計や資金調達モデルとして活用が期待されている。 Nuclear Newswire “ORNL, Rutherford Energy Ventures launch fusion partnership” (08/07/26) https://www.ans.org/news/2026-08-07/article-8276/ornl-rutherford-energy-ventures-launch-fusion-partnership/
AIデータセンター海外設置に安保上リスク ブルッキングス報告
ブルッキングス研究所(Brookings Institution)は8月3日、最先端人工知能(AI)データセンターの海外建設による国家安全保障上のリスクについての調査結果を発表した。3月に中東のアマゾン・ウェブ・サービス社(Amazon Web Services: AWS)3施設がイランの攻撃を受け、甚大な被害を受けた例を挙げ、海外インフラが地政学的な標的になっているという。また、データセンターの秘匿にはコストがかかるほか、施設の継続的な保全など物理的にも脆弱性が露呈しつつある。こうした中、報告書は政府が進める中東でのAI基盤整備計画に対し、通常の商業的な立地決定では捉えきれない安保上のリスクがあるとし、不正アクセスなどによる知的財産や開発技術の損失や、高額なインフラ投資を背景とした現地での建設推進は、有事における施設差し押さえにつながるなどのリスクを指摘している。国内での電力確保や許認可手続きの遅れから海外移転が進む中、同研究所は経済競争力と安保上のバランスを考慮した包括的な枠組みの確立を提言した。 The Brookings Institution “The national security implications of building frontier AI data centers overseas” (08/03/26) The national security implications of building frontier AI data centers overseas
トランプ大統領、ポリシリコン関税を導入
ポリティコ誌(Politico)は8月6日、太陽光パネルや半導体の重要原料であるポリシリコンとその関連製品に対し、トランプ大統領が新たな関税を導入すると発表したと報じた。輸入ポリシリコンやその派生製品であるインゴットとウェハー、太陽電池、太陽光発電モジュールなどに15%の関税と最低輸入価格を設定するもので、中国が握る供給網(サプライチェーン)のチョークポイント(choke point、要衝)を遮断する狙いがある。これに合わせ、政府は駆け込み輸入を防止する規定も盛り込んだ。ただし発効は物価高や対中交渉に不満を抱く有権者に配慮し、11月の中間選挙や9月の米中首脳会談後の12月4日とした。こうした政府の対応策について、関税推進団体の「繁栄する米国のための連合(Coalition for a Prosperous America)」は国内製造業を保護する歴史的措置と歓迎しており、商務省(Department of Commerce)のハワード・ラトニック長官(Howard Lutnick)も業界が小規模である現状を指摘し「今後、国内生産が爆発的に拡大していく」と期待を寄せている。 Politico “Trump announces tariffs on key component for solar panels and semiconductors” (08/06/26) https://www.politico.com/news/2026/08/06/trump-tariffs-solar-semiconductors-01028009
小規模大学の半数、今秋入学者数は目標以下
8月12日、今秋の定員目標を達成できると見込む小規模大学が全体の半数にとどまる調査結果が発表された。調査会社のニッチ社(Niche)が7月に実施した調べによると、高等教育機関全体の61%が目標達成を見込む一方、学生数2,000人未満の小規模大学に限ると50%にとどまったことが明らかになった。また、小規模大学による入学金の割引率は63%と大規模校の34%を大きく上回っているものの、こうした学費減額が必ずしも定員充足に結びつかない現状も浮き彫りとなった。このほか、小規模大学では、明確な奨学金制度の提示や、保護者の関与などの対応策を推進しているものの、多くの大学がブランド認知や他校との差別化が、生徒獲得における課題となっていると指摘している。 IHE “Where Enrollment Stands as Fall 2026 Approaches” (08/05/26) https://www.insidehighered.com/news/students/financial-aid/2026/08/05/61-percent-colleges-have-met-their-enrollment-goals-fall