Day: August 7, 2026

トランプ級戦艦の調達総額2,750億ドルか CBO試算

ディフェンス・ニュース(Defense News)は8月6日、議会予算局(Congressional Budget Office: CBO)が算定した報告書に基づき、海軍が計画する原子力搭載のトランプ級ミサイル戦艦(BBG-X)15隻の調達総額が2,750億ドルに達する見通しと報じた。1番艦の建造費は234億ドルと試算され、当初予測から約60億ドル跳ね上がっているという。排水量3万5,000トンの同艦は第二次世界大戦以降で最大かつ世界最大の水上戦闘艦となる予定で、対地・空、対艦、極超音速、核巡航ミサイルのほか、大型レーザー、レールガンなどを搭載した過去最大の重武装となる予定で、海軍は2028年から2056年にかけて2年に1隻のペースで建造する方針を示した。ただし、船舶の納入は発注してから最大3年も遅延しているとし、政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は見積もりの甘さによる建造遅延や造船業界の人手不足・慢性的な混乱を指摘している。現場からはトリアージ状態で運営せざるを得ない状況で、計画の実現性を疑問視する声があがっている。 Defense News “Trump-class battleship program will cost $275 billion, CBO report says” (08/06/26) https://www.defensenews.com/news/your-military/2026/08/05/trump-class-battleship-program-will-cost-275-billion-cbo-report-says/

原子炉実証プログラム、5基目の先進炉が臨界達成 

エネルギー省(Department of Energy)の原子力エネルギー局(Office of Nuclear Energy)は8月6日、5基目の先進原子炉が臨界を達成したと発表した。今回達成したのは、同省認可を受けたオクロ社(Oklo)の「グローブス同位体試験炉(Groves Isotope Test Reactor)」で、同省は米国における原子力エネルギー開発進展を強調した。テキサス州の同社施設で行われたこの試みは、医療や先端製造、宇宙探査などに使用される同位体の将来的な商業生産を見据えたもので、同局は、更地からの建設開始から1年未満での臨界達成は新たな業界指針となり得ると説明している。これまでアンタレス・ニュークリア社(Antares Nuclear)、バラー・アトミクス社(Valar Atomics)、デプロイアブル・エナジー社(Deployable Energy)、アーロ・アトミクス社(Aalo Atomics)などが臨界を相次いで達成しており、同省は規制改革が技術イノベーションを加速させたと評価した。さらに、原子力産業の黄金時代到来と称し、政権のエネルギー開発推進に寄与する政策モデルと改めて強調した。 Department of Energy “Office of Nuclear Energy Celebrates Fifth Advanced Reactor Criticality” (08/06/26) https://www.energy.gov/ne/articles/office-nuclear-energy-celebrates-fifth-advanced-reactor-criticality

商務省は半導体研究助成の運用見直しを GAO勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、商務省(Department of Commerce)による半導体製造・研究開発への助成制度「米国のための半導体(CHIPS for America)」の運用状況に関する調査報告書を発表した。これによると、同省は工場誘致などの設備投資助成で累計49事業に315億ドルの直接資金を提供した一方、研究開発(R&D)領域では政権の方針変更に伴い予算110億ドルのうち78億ドル分の助成を取消・中断していたことが明らかになった。トランプ政権の優先事項に沿うよう対応を大幅に見直したことが背景にあるが、国立半導体技術センター(National Semiconductor Technology Center: NSTC)や国家先進パッケージング製造プログラム(National Advanced Packaging Manufacturing Program: NAPMP)などの法定要件を満たす計画や期限が示されていないことから、GAOは半導体技術の開発遅延や他国への生産依存を懸念し、法定要件に合致する具体的策と工程を1年以内に策定・実施するよう勧告し、同省もこれに同意している。 GAO “Semiconductors: Commerce Needs Plan to Meet CHIPS for America R&D Requirements” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-109121

国防総省は装備品調達に関する国際協定の承認遅延と連携不足の改善を GAO勧告

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、国防総省(Department of Defense)に対し、同盟国やパートナー国と結ぶ装備品調達に関する国際協定における省内伝達や監視体制の改善を求める調査報告書を発表した。これによると、同省は2021年度から2025年度の5年間に総額640億ドルに上る303件の協定を締結したが、実施件数減少に伴い、総額も減少傾向にあることが分かった。背景には人手不足や審査手順の複雑化による大幅な承認遅延に加え、コスト分担ルールの変更といった重要事項の情報共有が関連機関の間でタイムリーに行われず、複数の協定を調整・再交渉する事態となり、一部のパートナー国が協定から離脱したことにある。課題を十分に特定しておらず、時に場当たり的な対応となっている同省の現状を受け、GAOは重要な方針変更を迅速に伝える仕組みの構築や、主導的・体系的なリスク管理体制の導入を勧告した。同省もこれら指摘を全面的に受け入れ、改善に向けた具体的な対応策を進める姿勢を示している。 GAO “International Agreements: DOD Has Opportunities to Improve Internal Communication and Oversight” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-108249

政府は炭素回収税額控除の管理改善を GAO提言

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯留技術を対象とした「45Q税額控除」制度の行政管理と効果検証に関する改善勧告をまとめた報告書を発表した。45Qは排出量削減に向け、炭素回収技術開発を促進するために2008年に導入された措置であるが、コンクリートや燃料など製品製造にCO2を利用する納税者が複雑な申請手続きや承認の遅延、高い確率で却下される現状を受けて。大きな課題に直面していることに加え、制度の効果を評価する担当機関が指定されていないため、議会が政策効果や費用対効果を十分に把握できないことがわかった。内国歳入庁(Internal Revenue Service: IRS)のデータによると、2019年から2023年にかけて同税額控除の申請件数は3倍以上に増加し、今後もさらに新設が計画されていることから、GAOは手続き簡素化に向け、IRSに4件、エネルギー省(Department of Energy)に2件の勧告を出したほか、議会に対しても効果検証に向けたデータ収集や分析を指示するよう提案している。 GAO “Carbon Capture Tax Credit: Actions Needed to Improve Federal Administration and Evaluation of Tax Expenditure” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107711

GAO、臨床判断におけるウェアラブル活用と課題を公表

政府説明責任局(Government Accountability Office: GAO)は8月6日、スマートウォッチなどのウェアラブル端末から得られるデータを臨床判断に活用する際の利点や課題、政策選択肢をまとめた評価報告書を発表した。2025年の政府による医療におけるウェラブルデバイスの利用拡大支援方針を受け、同局が調査を開始した。これによるとバイタルサイン(生きていることを示す理学的所見)などを記録するウェアラブル端末は、迅速な診断や個人の状態に応じた治療方針の策定を可能にし、遠隔モニタリングを通じて医療過疎地域の患者にも恩恵をもたらすほか、人口知能(AI)との統合により自律的な判断能力向上に期待が集まっている。一方で、製品ごとに精度や信頼性のばらつきがあり、現場の業務フローへの組み込みやプライバシー保護、責任所在の明確化などの課題があることがわかった。GAOは、現状の取り組み継続に加え、現場の基盤整備や第三者認証データベースの構築による性能評価の可視化など、課題解決に向けた3つの政策選択肢を提示している。 GAO “Wearable Technologies: Potential Benefits and Challenges in Clinical Decision-Making” (08/06/26) https://www.gao.gov/products/gao-26-107847

ARPA-H、自律型手術ロボット開発を支援

厚生省(Department of Health and Human Services: HHS)傘下の医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)は、8月6日、自律型医療ロボット(Autonomous Interventions and Robotics: AIR)の開発に5年間で最大1億7,530万ドルを投じると発表した。脳卒中治療は10分遅れるごとに39日間症状が悪化する上、約1万ドルの医療費が加算される。また国民の約半数が発症から治療にかかるまで1時間以上かかっている現状から、治療遅延や後遺症軽減に向け遠隔地でも脳卒中手術を可能にする自律ロボットや超小型機器技術の開発を推進する。今回採択されたのは、シーメンス・ヘルスニア社(Siemens Healthineers)やフィリップス・ノースアメリカ社(Philips North America)、マグネンド社(Magnendo)、キットウェア社(Kitware)、スタンフォード大学(Stanford University)、カリフォルニア大学(University of California)で、2年後に予定されているベンチトップ型生物学的モデルでの実証試験を経て、5年以内に完全自律型手術実証を目指す。 ARPA-H “ARPA-H funded teams to transform life-saving stroke interventions with autonomous robotic surgeries” (08/06/26) https://arpa-h.gov/news-and-events/arpa-h-funded-teams-transform-life-saving-stroke-interventions-autonomous-robotic

大統領府、AI審査対象から「オープン型」除外

ワシントン・ポスト紙(The Washington Post)は8月4日、大統領府が最先端人工知能(AI)モデルのセキュリティリスク審査対象から、パラメータ(重みのデータ)公開(オープンウェイト)型モデルを除外する方針をIT企業に伝えたと報じた。政府や主要産業のサイバー脅威を軽減する6月の大統領令に基づくもので、審査対象をオープンAI社(OpenAI)やアンソロピック社(Anthropic)などのモデルに限定する。今回の措置は、米国企業にオープン型モデルの開発推進や新興企業の開発コストの低減を図ることが目的とし、政府は最新モデルで台頭する中国に対抗する必要があると説明している。一方で、審査手法の非公開性や透明性について疑問視する声が現場から相次いでおり、先端モデルへのアクセス権をめぐる混乱も続いている。直近では審査対象となる大手の試作モデルが自らサイバー攻撃を仕掛ける事例も報告されており、記事は、事前審査のみに注力する政府の対応には安全上の重大な抜け道が存在するとの専門家の指摘も紹介している。 The Washington Post “White House will exempt ‘open’ AI systems from security review” (08/04/26) https://www.washingtonpost.com/technology/2026/08/04/white-house-will-exempt-open-ai-systems-security-review/